200平成18  919 火曜日

敬老の日/平良地区4886人の健康・長寿祝う
宮古島市 合併後初の敬老会


保育園児のかわいい踊りに笑顔で拍手を送る出席者ら=18日、マティダ市民劇場

 宮古島市(伊志嶺亮市長)は「敬老の日」の十八日、市町村合併後初となる平良地区の敬老会をマティダ市民劇場で行い、同地区四千八百八十六人の七十歳以上の住民の健康を祝った。この日は同市伊良部地区や、集落単位の敬老会も行われ、各地でお年寄りらの長寿を願った。平良地区の敬老会で新しく七十歳以上に仲間入りした人を代表して、宮里敬一さんは「この日を第二の人生の門出と考え、社会奉仕活動、スポーツ、文化活動などにチャレンジしたい。健康第一に、すべてを前向きにとらえ、笑顔で心豊かに、社会のために頑張っていきたい」と述べ、祝福に感謝を込めた。
 平良地区敬老会の式典に出席した伊志嶺市長は、「宮古島市をより活力あるものするためには、皆さんが長い人生で培われた知識と経験を生かし、積極的に社会に参加していくことが重要。平良地域の活性化、宮古島市発展のためなお一層、活躍されることを期待する」と式辞を述べた。
 奥平一夫県議は「皆さんの英知を生かし、緩やかに包み込む気持ちで、われわれ後輩を諭し、導いてほしい」、友利恵一市議会議長は「年齢に磨かれたたくましさと重み、人生まだまだこれからという意気込みが伝わり、感服している」と、ぞれぞれ祝辞を述べた。
 宮古島市老人クラブ平良支部の上里寛昌支部長は「笑う門には福来たる。笑いを忘れない生活こそ、健康と若さを保持し長寿の秘訣(ひけつ)となる。明るく心豊かな生活を送ろう」と呼び掛けた。
 式典に引き続いてのアトラクションでは高齢者らが生涯学習に努める「ひらら大学」の本校と各地区の分校の受講者らと、フォークダンスサークル「ラグーン」の会員らが踊りを披露し、会を盛り上げ。市立東保育所と馬場保育所の園児らによる踊りになると、ほほ笑ましい踊りに会場は出席者らは目を細め、温かい雰囲気に包まれた。
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運動会、各地で盛況/台風一過、児童生徒が大ハッスル

 台風一過の十七日、宮古地区十二の小中学校で運動会が開催された。児童生徒はぬかるんだグラウンドに足を取られながらも練習の成果を堂々と披露し、訪れた父母や祖父母らを喜ばせた。
 この日は宮古各地とも晴天に恵まれた。児童生徒たちは待ちわびた運動会で大ハッスル。これまで練習してきた競争競技や踊り、組み体操、綱引きなどを行い、学校生活の中の楽しい思い出づくりに奮闘していた。
 台風という前日の悪天候とは打って変わっての晴天に、各校とも応援の父母や祖父母で大にぎわい。児童生徒が発表、競技する姿に大きな声援や拍手を送っていた。
 写真説明・宮古地区qの小中学校で運動会が開催された=17日、平良中学校グラウンド
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「勧奨退職手当条例」/県が違法性指摘
市 成立目指す方針変えず

 宮古島市(伊志嶺亮市長)が開会中の宮古島市議会九月定例会に提出している「市職員の給与に関する条例」の一部改正案について、県が退職手当に関して違法性を指摘していることが十八日までに分かった。市は十七日の会議で改正案の取り下げも含めて検討したが、下地学助役によると取り下げない方針を固めたという。
 市は改正案で、条例の中に「退職手当」を追加しており、職員が退職する際、定年までの時期に応じ退職手当を上積みする内容を示している。上積みの分は市の財源を充てる方針で予算を計上するが、市が県市町村総合事務組合に退職手当の支給業務を任せていることもあり、手当支給の権限やその妥当性をめぐって県と市のやり取りが続いているという。
 同案は具体的に、勧奨退職の適用年齢を現行の五十歳から四十五歳に引き下げるほか、勧奨退職する際、定年まで二年を残している職員には三百万円、三年を残す職員には四百万円、四年を残す職員には五百万円、五年以上残す職員には一律六百万円を退職金に上乗せして支給する内容。職員の定員を早期に適正化する方策の一つとして打ち出している改正案だ。
 同改正案は市議会の総務財政委員会でも採択されているが、「違法性がある」とする県の指摘を受けて、改正案の見直しを含めて市内部で調整が続いている。
 ただ、下地助役によると十七日の会議では取り下げない方針を決定。下地助役は「違法性があるのかどうかをもっと研究して、改める必要があれば再度十二月定例会に改正案を提出する」などと話している。
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狩俣小 「スナッグ」で日本一/全日本小学生ゴルフ
根間、伊良部、平良君の3人/
学校創立120周年に花添える


スナッグクラスで優勝し表彰を受ける根間君(前列左から4人目)、平良君(中央)、伊良部君(前列右から4人目=17日、福島県富岡町のリベラルヒルズゴルフクラブ(國仲義隆監督提供)

 第一回全日本小学生ゴルフトーナメント決勝大会(主催・日本女子プロゴルフ協会など)が十七日、福島県富岡町で行われ、県代表として出場した狩俣小学校ジュニアゴルフクラブの根間誠君(六年)、伊良部竜也君(五年)、平良航大君(四年)が、三人一組で競うスナッグクラスで優勝した。同校の創立百二十周年に花を添えた。全国大会優勝の快挙に十八日、宮古空港には父母や学校関係者、ゴルフ関係者らが大勢訪れ、選手たちを盛大に出迎えた。代表して主将を務めた根間君が「三人が力を合わせれば優勝できると思った。優勝できたのは地域の皆さんのおかげ。とてもうれしい」と喜びの報告をした。

優勝を果たした3人と、大会に同行したジュニアゴルフクラブの部員、父母ら=18日、宮古空港

 スナッグクラスは、基礎練習に使用する「スナッグゴルフ」によるクラス。全国七地区の代表が、9ホール・パー36のストロークプレーで競い合った。三人は根間君と平良君がそれぞれ28の8アンダー、伊良部君が31の5アンダーと、いずれも好成績で、チームはトータル87の21アンダー。二位の須磨浦ファイターズ(近畿・中国ブロック)を二打差で制した。
 歓迎を受けた三人を代表して根間君が「七ホールがバーディー以上で安定したプレーができた」、伊良部君が「イーグルが取れたので良かった」、平良君が「最初にロングパットが決まったのでうれしかった」と、それぞれ振り返り、父母や地域、学校の支えに感謝した。
 國仲義隆監督は「チームで20アンダー出せれば優勝できると想定していた。子どもたちは実力を百パーセント発揮できた」とたたえ、「ゴルフ連盟などのチャリティーのおかげで、三人だけでなく十一人全員を連れて行くことができた。支えてくれたすべての人に感謝したい」と笑顔で話した。
 引率で同行した桃原廣市校長は「優勝は奇跡ではない。練習通りの力が出せた。大会を通して子どもたちは自信と誇りを得、感謝の気持ちも培われた。これにおごることなく、さらに精進して連覇を目指してほしい」と述べた。
 迎えた宮古アマチュアゴルフ連盟の上地安増会長は「宮古は皆さんの活躍で喜びに燃えている。この感激を忘れず、日本のゴルフを狩俣小から変えるぐらい、これからも頑張って」とたたえた。同校PTAの根間研二会長も「感動を与えてくれてありがとうという気持ちでいっぱい」と感激した様子だった。
 同クラブからは今年五月に伊江村で開催された第一回リリーカップ伊江島大会に二チーム出場し、Aチームが優勝、Bチームが三位と活躍。個人戦でも平良君が優勝を飾った。現在は十一人が所属。昨年五月のクラブ結成から一年半にも満たない中での快挙で、今後は実際のゴルフでのレベルアップも大いに期待される。
◆◆ことば◆◆
 スナッグゴルフ アメリカのPGAツアープロがゴルフの基本技術を学ぶために考案した。ゴルフ未経験者や子どもでも最初からボールを打つことができるのが特徴。大きなヘッドが付いたプラスチック製のクラブとパターを使用する。ボールはテニスボールより一回り小さく柔らかいため安全性も確保される。飛距離は子どもがフルショットしても30ヤード程度。
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キビ中心に1億5000万円被害/台風13号
多良間では牛舎・豚舎全壊も/県宮古支庁まとめ


台風13号ではサトウキビを中心に約1億5000万の被害が出た

 県宮古支庁(兼城克夫支庁長)は十八日、十七日午後五時現在の台風13号災害速報を発表した。それによると、サトウキビなど一億四千九百九万円の被害が出た。
 農作物被害では、サトウキビが一億二千八百五十四万一千円で全体の八六%を占めた。キビは夏植えの被害が多く一億一千九百三十一万四千円。次いで春植えが六百六十四万一千円、株出しが二百五十八万六千円。市村別のキビ被害では、宮古島市が一億八百三十二万一千円、多良間村が二千二十二万円。
 野菜被害は、宮古島市が三百七万一千円で、多良間村には被害は無かった。
 果樹関係では、宮古島市でパパイアとドラゴンフルーツで五十九万八千円の被害があった。
 農業関係施設では、全体の被害が千六百三万円。内訳は、多良間村が牛舎・豚舎の全壊、トタン破損で千五百四十五万円、宮古島市がビニール破損などで五十八万円の被害があった。 
 台風13号の最大瞬間風速は東風で五一・四b(十六日午前十一時十六分)。半日以上にわたって非常に強い風雨にされされ人的被害が出た。
 平良では女性(77)が強風で転倒し右足打撲、男性(23)が室外機を直そうとして、頭部裂傷のけがを負った。伊良部では女性(61)が強風で転倒し頭部裂傷のけがを負った。
 住家被害では、多良間村で倉庫のトタン屋根と空き家の瓦屋根の破損のほか、図書館や小学校などの窓ガラスが破損した。
 水産被害では、宮古島市上野で養殖海ブドウが六十万円の損害を受けた。多良間村では、漁船が台車から落下しプロペラが破損した。
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敬老の日/新百歳に祝状/支庁長らが砂川さん慶祝訪問


新100歳を迎えるにあたり盛大な祝福を受ける砂川さん(前列中央)=18日、上野宮国の自宅

 県宮古支庁の兼城克夫支庁長と宮古島市の伊志嶺亮市長らは「敬老の日」の十八日、今年度の新百歳長寿者、砂川幸乃子さん=市上野字宮国=宅を慶祝訪問した。内閣総理大臣名義で贈呈される祝状、銀杯などを伝達授与し、長寿に祝意を示すとともに敬意を表した。宮古地区の新百歳は十一人。祝状、銀杯などはすべての新百歳宅に届けられる。
 兼城支庁長は、稲嶺恵一知事の祝状も伝達贈呈。「子や孫に囲まれ元気に百歳を迎えることができるのは喜ばしい限り。県としても、お年寄りが安心して暮らせる福祉行政の推進に努力していく」とあいさつを述べた。
 また、伊志嶺市長は宮古島市の祝状を手渡し「宮古島市のモットーは『元気な百歳への挑戦』。砂川さんはその代表選手です。これからもますますお元気で」と声を掛けた。
 砂川さんは四人の子をもうけ、八人の孫と九人のひ孫に恵まれている。この日、自宅にはごちそうが並べられ、親族らが集まって「主役」を祝福するとともに、長寿をあやかろうと盛大な宴席が設けられた。
 砂川さんは、この日の訪問客らをにこやかに迎え、かくしゃくとした姿で接待し「嫁が(食材を)柔らかく料理してくれるし、隣近所の人たちもおいしいものを持って来てくれるので、何でも食べて健康に暮らしている。眠い時には眠るが眠ってばかりではない。家の周囲の草を取るなど体も動かしているよ」とユーモアたっぷりに長寿の秘訣(ひけつ)を明かした。
 おいの宮国昌仁さんによると砂川さんは、常に本や新聞に目を通して情報を深めている知的探求心旺盛な女性。同居する嫁の砂川ミヨさん(72)は幸乃子さんについて「おしゃれで清潔好き。規則正しい生活を送り、自己管理に抜かりがない。心が優しく人の悪口を一切言わない姿勢は尊敬に値する」と話した。
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