200平成18  914 木曜日

市議会懲罰委/上里氏に「陳謝」命令
野党・そうぞうの賛成多数

 開会中の宮古島市議会九月定例会で、上里樹氏の少数意見に端を発する懲罰動議を受けての懲罰特別委員会(富永元順委員長)が十三日、宮古島市役所平良庁舎内で開かれ、上里氏に懲罰を科すことを野党や「そうぞう」から選出された委員の賛成多数で採択した。懲罰の種類は「陳謝」にすることも決めた。同委の決定内容は本会議に報告され、可決されれば上里氏への懲罰が確定する。この件は当初、二十一日の本会議で審議される予定だったが、野党がきょう十四日の日程に追加するよう友利恵一議長に要望。この日程調整をめぐり、議会が再び空転する可能性も出てきた。


上里氏への懲罰を賛成多数で採択した懲罰特別委員会=13日、宮古島市役所平良庁舎

 懲罰特別委は午前十時に開会。はじめに、上里氏が「医療改悪や庶民大増税をやめ最低保障年金制度の充実を求める」陳情書の少数意見を述べる際、友利議長の注意を無視し、さらに議会の議決を受けた議長命令による全文削除と謝罪を拒否したことが懲罰に値するのかどうかを審議した。
 与野党、そうぞうの委員がそれぞれ自らの考えを述べたが、「懲罰に値する」と主張する野党とそうぞうに対して、「値しない」とする与党の意見はかみ合わず、懲罰を科すかどうかの採決は多数決に持ち込まれた。
 この結果、野党の砂川明寛氏、嘉手納学氏、棚原芳樹氏、そうぞうの池間健栄氏、新里聡氏の五人が賛成。与党の与那嶺誓雄氏、山里雅彦氏、友利光徳氏、亀浜玲子氏の四人が反対し、賛成多数で可決された。
 さらに懲罰の種類を協議し@戒告A陳謝B一定期間の出席停止C除名―の中から陳謝にすることを決定した。陳謝に賛成したのは野党とそうぞうの五人、戒告でよいとしたのは与党の山里氏。与那嶺氏と友利氏、亀浜氏の三人は退席した。
 その後、陳謝の文案を決定。内容は「少数意見書報告の際、発言に対する議長の再三の注意を無視し、さらに議会の議決により議長から発言取り消しと謝罪を求められたにもかかわらず拒否しました。これらのことは議会の秩序を乱し、かつ議会に迷惑を掛けたことは地方自治法第一三二条による議会の品位を保持し秩序を守るべき議員の職責を顧みて、誠に申し訳ありません」などとまとめた。
 この陳謝文は上里氏が本会議の場で読み上げる予定だが、上里氏が拒否すれば再び議会が混乱しかねない状況だ。きょう十四日は一般質問が行われるが、場合によっては今回の委員会報告を同日の日程に載せるよう野党が要望しているため、再び議会の空転を招く可能性を残している。
 (山下誠)
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動物愛護図画作文コン/県知事賞に宮古の2児童
図画は川満未来さん(東小4年)作文は上原久忠君(平一小4年)


図画の部で県知事賞に輝いた川満さんの作品「牛の乳しぼり」

 【那覇支局】二〇〇六年度の動物愛護週間(二十―二十六日)に伴い県福祉保健部薬務衛生課は十三日、「〇六年度動物愛護図画・作文コンクール」の入賞、入選作品を発表した。図画、作文とも最高賞となる県知事賞は、宮古地区の児童の作品が選出された。図画の部は東小学校四年の川満未来さん、作文の部は平良第一小学校四年の上原久忠君の作品がそれぞれ受賞した。
 図画の部で県知事賞に輝いた川満さんの作品「牛の乳しぼり」は、画用紙の中心に大きく描かれた牛の周囲に牛の乳をしぼる人たちの姿もあり、力強い作品となっている。
 作文の部で県知事賞を受賞した上原君の作品「クジャクの冒険」は、学校で飼っているクジャクが逃げ出して大騒ぎしている雰囲気やきれいな羽を失って戻ってきたクジャクに対する上原くんの思いが感性豊かに表現されている。


上原久忠君


川満未来さん

 また、宮古地区からは、図画の部で県知事賞に次ぐ県獣医師会長賞に東風平美樹さん(伊良部小六年)の作品「ハッピーなヤギ」が輝いた。さらに作文の部の県福祉保健部長賞には、上原千忠君(平良第一小一年)の作品「うさぎさん、ごめんね」が選ばれた。
 そのほか、図画の部の入選には、与那覇優汰君(東小五年)、与那覇淳弥君(同四年)、平良奈々瀬さん(同四年)、山口翔平君(池間小三年)の作品が選ばれた。
 今回、同コンクールには、図画の部に五百七十七作品、作文の部に十四作品の応募があった。
 同コンクールの優秀作品に対する表彰式は今月二十三日に沖縄市の沖縄こども未来ゾーンで行われる動物愛護の集いの中で行われる。
 

上里諒汰君(平一6年)ら10人が最優秀賞
JTAあおぞら図画コンクール

 日本トランスオーシャン航空(JTA、市ノ澤武士社長)はこのほど、県内の離島および与論島に住む小学生を対象に募集した「第二十四回JTAあおぞら図画コンクール」の入選作品百十四点を発表した。宮古地区からは上里諒太君(平良第一小六年)や川満未来さん(東小四年)ら十人が最優秀賞に輝いた。
 同コンクールは子どもたちが「美しいわたしの島」をテーマとした図画制作を通じて島の良さを見直し、自然に心を配れる人、感受性豊かな人、島を誇りに思う人に育つよう願いを込めて毎年夏休みに開催している。
 今回は宮古、八重山、久米島、慶良間などの小学生から七百七十三点の応募があった。このうち宮古地区からは二百七十七点の応募があり、最優秀賞に十点、優秀賞に十四点、佳作に二十二点入賞した。
 入賞者は次の通り。(敬称略)
 【最優秀賞】▽一年=豊見山伊頼(北)、しまじりりゅうのすけ(久松)▽二年=しろたりょうのすけ(南)▽三年=與那覇静流(平一)、狩俣将太郎(南)▽四年=川満未来(東)、上地萌栞(北)▽五年=伊良部愛理(平一)、与那覇有愉(同)▽六年=上里諒太(平一)
 【優秀賞】▽一年=新城里依(南)▽二年=松原優里子(久松)、砂川日向子(同)▽三年=新里充輝(北)、山口翔平(池間)▽四年=松原愛依(久松)、与那覇淳弥(東)▽五年=岡村政輝(東)、与那覇優汰(同)、平良諭子(南)▽六年=下地成美(南)、井辻瑠倭(同)、砂川宗平(同)、小谷愛佳(東)
 【佳作】▽一年=いけままさき(北)、ふくしまゆうと(佐良浜)、狩俣香月(南)、おどもとき(東)、よなはゆみか(同)▽二年=伊良部里佳(平一)、松原昂平(久松)、上原みなみ(同)▽三年=本村成世(久松)、宮城凛(平一)、平良花梨(同)▽四年=狩俣穂香(南)、上原久忠(平一)、比嘉健太(同)▽五年=新里涼(平一)、砂川秋穂(同)、川上鮎希(南)、上地樹(同)、下地百恵(北)、砂川三由姫(上野)▽六年=池村智貴(久松)、上地美則(同)
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多良間前泊港/待合所閉鎖で利用者不便
村「入出港時のみでも開放」/
村議会一般質問で指摘

 【多良間】多良間村議会(西平幹議長)の九月定例会が十三日、同村議会議場で開会した。会期の決定と管内視察が行われた後、一般質問が行われ、五氏が登壇して村政をただした。最終本会議は十九日、会期は七日間となっている。一般会計、各種特別会計の補正予算案や認定などはきょう十四日に上程される。


開会した9月定例会=13日、多良間村議会議場

 一般質問には豊見城玄淳、西筋米吉、本村健次、佐久本昇、森山実夫の計五氏が登壇。農地管理関連や中学校屋内プール、空港跡地利用計画などについて村当局の見解を求めた。
 このうち、前泊港の旅客待合所「シードリームたらま」の管理について西筋氏、本村氏、佐久本氏が質問。西筋氏は、フェリーたらまが前泊港出入港時に、「シードリームたらま」が閉鎖したままの現状を説明し、利用できない港利用者の不便さを訴えた。「突然の雨に中にも入れず、軒下で雨をしのいでいる。トイレを使用したくてもできない。せめて、出入港時だけでも開放できないか」と話した。羽地直樹建設課長は「県からの指導もあり、今月からは週に一度の清掃を兼ねながら開放している。今後は出入港時に合わせて開放したいと思う」と述べた。
 本村氏は「シードリームたらま」出入港時の荷物の受け渡しに必要なフォークリフトなどが入る倉庫建設を要望。下地昌明村長は「風雨を防ぐ施設が必要だとは思うが、一時保管場所という名目なりで二〇〇七年度で施設の着工ができるようにしたい」と話した。
 また、たらまピンダ島興し事業について質問した本村氏は、琉球大学の砂川勝徳教授から贈呈された雄ヤギの今後の活用方法について質問。下地村長は「ピンダ島興し事業で活用してほしいとヤギの贈呈を受けた。〇七年度事業採択で約九億円の事業費で、同年度中に三億円の事業申請を進めている。ヤギ舎の中で飼うという基本的な生産体制を早めにつくっていけるよう、生産組合に頑張ってほしい」と述べた。
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宮古地区/新百歳は12人/県福祉保健部
県全体では168人/百歳以上740人

 【那覇支局】十五日の「老人の日」から二十一日までの「老人週間」に伴い、県福祉保健部高齢者福祉介護課は十三日、県内の新百歳長寿者(八月十五日現在)と百歳以上長寿者(同)の状況を発表した。今年度中に百歳を迎える宮古地区の新百歳長寿者は十二人。百歳以上の長寿者は十五人となっている。県全体では、新百歳が二百六十八人、百歳以上の長寿者が七百四十人となっている。
 宮古地区の新百歳は、宮古島市のみで十二人全員が女性。前年度に比べ男性が一人減、女性が四人増で全体では三人増となっている。
 宮古地区の新百歳で名前が公表されたのは、宮古島市の伊波カマドさん、津嘉山カメさん、平良カマドさん、伊波和子さん、砂川幸乃子さん、奥濱ウモイさんの六人となっている。
 新百歳を代表して砂川さんには、今月十八日の敬老の日に兼城克夫県宮古支庁長、伊志嶺亮宮古島市長らから記念品の贈呈が行われる予定となっている。
 宮古地区の百歳以上の長寿者は宮古島市のみで男性が三人、女性が十二人の合計十五人。前年度比では一人減となっている。
 また、老人週間の関連行事として十二月十日には、宮古島市中央公民館とカママ嶺公園を会場に「県かりゆし県民フェスティバル」が開催される。
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平一小校舎改築工事/受注業者を契約解除
市教委が通知/「実施設計」で見解相違

 宮古島市教育委員会(久貝勝盛教育長)は十三日、市立平良第一小学校の改築工事で新校舎の実施設計を工期内に納めなかった受注業者を、工期不履行として契約解除に踏み切った。解除については文書で通知。当該業者は「文書が届き次第、内容によっては法的手段を取る可能性もある」と対決の用意もある姿勢を示した。同委員会では「違約金の請求を含め今後の対応について検討するとともに、新たな業者を早急に決定する」としている。
 新校舎の実施設計については、同校PTAや識者らで組織した建設検討委員会がまとめた基本設計に基づき、六月十三日から八月十五日までの工期で行われる契約になっていた。しかし、実施設計の作業を進めるにあたり発・受注の両者間で折り合いがつかず、完成を見ないまま工期を超過。請負業者側は「そもそも基本設計と実施設計は違うもの」と前置きした上で「『基本設計に沿って』という部分では合意しているが『基本設計通り』に、ということではないと認識している」と説明。「基本設計に関して説明を要求した部分もあるが、示されなかった」と話した。
 委員会側は「これまでに作業についての指示や通知を数回行ってきたが改善されず、工期も過ぎたため契約を解除する」としている。
 同校の校舎改築工事は二〇〇六年度、〇七年度の二カ年事業。〇八年四月の供用開始。実施設計が滞らなければ、今月一日から建築工事の工程に移る予定だった。同委員会では「事業年度内に終了させるため今後の作業を急ぎたい」としている。総事業費は約十三億円。
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充実のサービス提供へ/障害者介護給付審査委員を委嘱
宮古島市

 十月一日の「障害者自立支援法」本格施行に向けて、宮古島市(伊志嶺亮市長)は十二日、障害者介護給付等審査会を発足させた。同日、審査委員十人に委嘱状を交付した。審査委員会は今後数回の会議を重ね、充実したサービス提供に向け早急に介護給付支給を決定していく方針だ。会長には真喜屋精神神経科の真喜屋浩さんを選出した。


障害者介護給付等審査会委員に委嘱状が交付された=12日、宮古島市役所平良庁舎

 この審査会は「宮古島市障害者介護給付等審査委員会委員の定数を定める条例施行」に伴い設置した。委員は医療機関の医師をはじめ、保健師や障害者福祉施設の長または職員、市職員らで構成した。
 委嘱状の交付式が宮古島市役所平良庁舎で行われ、下地学助役が一人ひとりに委嘱状を交付。その上で「市の障害者の介護給付についてしっかりと審査し、給付がスムーズにできるようにお願いしたい」と話した。
 続いて、池村直記福祉部長が「皆さんにはいろんなステージで業務をお願いしているが、今回も市のために協力していただきたい。充実したサービスが提供できるよう協力をお願いします」と期待を込めた。
 この後、会長に真喜屋さん、副会長に松川英文さんが決まった。引き続き、合議体の長および副の選出を行い、一合議体の体長には下地徹さん、二合議体の体長には伊志嶺博司さんを選出した。
 第一回の会議も行われ、福祉サービス利用申請の書類などに詳しく審査していた。
 委員は次の通り。(敬称略)
 【医療機関の医師】真喜屋浩(真喜屋精神神経科)=会長▽倉橋豊(くらはし整形外科クリニック)【保健師】平良隆子(宮古福祉保健所)【障害者福祉施設の長または職員】下地徹(青潮園施設長)▽清水聡(ふれあいの里)▽本村博昭(あけぼの学園)▽松川英文(支援センター)=副会長▽宮川正廣(支援センター)▽伊志嶺博司(みやこ学園)【市長が必要と認める者】隈元香里(理学療法士)
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