200平成18  912 火曜日

宮古島市/勧奨退職 45歳から
来月から適用開始/退職金を上積み

 宮古島市議会の総務財政委員会(前川尚誼委員長)は十一日、委員会を開き、市当局が提出した勧奨退職の適用年齢を現行の五十歳から四十五歳に引き下げる「市職員の給与に関する条例の一部改正案」を可決した。勧奨退職の適用年齢が五十歳を割り込むのは県内で初めて。改正案について市は「早急に定員管理の適正化を図るため」としている。同案が本会議で可決されれば十月一日から施行。ただ、一年間の限定付実施で、効果がなければ見直す方針。
 同案については総務課の与那嶺大課長が総務財政委の中で説明した。年齢の引き下げのほか、定年まで二年を残し退職する職員には三百万円、三年を残す職員には四百万円、四年を残す職員には五百万円、五年以上残す職員には一律六百万円を退職金に上積みして支給する案を示した。
 同委の委員らは厳しい財政事情の上の改正案に大方の理解を示し、可決した。本紙取材に対して前川委員長は「今の市の財政難ではやむを得ないこと。本音を言えば現行の維持だが、職員数を減らしていかなければいけないことを考えると仕方がない。つらい判断だが財政を立て直していくことが必要だ」と述べた。
 県や県市町村総合事務組合によると、県内で勧奨退職の適用年齢が五十歳を割り込んでいる自治体はなく、宮古島市議会で同案が可決されれば県内初の実施となる。市当局は職員の定員管理の適正化を着実に実行するために今回の改正案を提示。行政改革に関する市民アンケートで人件費の抑制を求める声が多かったことも踏まえ、職員の削減計画を積極的に実施していく方針だ。
 昨年十月の市町村合併後から勧奨退職を促進している宮古島市だが、市総務課によると、合併後の勧奨退職者は合計八人となっている。その中で最も早く勧奨退職した職員の年齢は五十三歳。市の職員定員管理適正化計画では、合併後十五年目となる二〇二〇年に職員数を約六百人にすることを明記している。現在の職員数は千二十四人。                  (山下誠)
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E3推進へ税制優遇も/環境省局長/バイオエタノール施設を視察


バイオエタノール混合ガソリン(E3)の給油設備などを視察した西尾局長(左)と南川局長(右)=11日、平良港のりゅうせき油槽所

 環境省の南川秀樹地球環境局長と西尾哲茂総合環境政策局長らが十一日、宮古で実施されているバイオエタノールの実証実験に関連する、りゅうせき油槽所内のバイオエタノール混合ガソリン(E3)精製施設や、サトウキビの製糖過程で生じる廃糖蜜からバイオエタノールを生産する沖縄製糖宮古工場内施設などを視察した。南川局長は「E3の実現は喫緊の課題。宮古での実験が成功し、宮古全体がE3の島として全国民に知ってもらえるよう、一緒に働いていきたい」と述べ、税制面での優遇措置など、政策的課題にも早急に取り組んでいく考えを示した。
 このうちりゅうせき油槽所内の施設では、エタノールをガソリンに混合する施設や、E3燃料の給油機などについて、りゅうせきバイオエタノールプロジェクト推進室の奥島憲二室長から説明があった。
 西尾局長は「地域に溶け込んで、一生懸命に実験をしていただきありがたく思う。私たちのキーワードは『加速』。この政策をより加速させていきたい」と強調。南川局長は「やるべきパートはできてきたが、これをどうスケールを大きくしていくかが課題」と指摘。「京都議定書の温室効果ガス削減の目標達成は、E3の実現なしでは考えられない。沖縄にはポテンシャルを感じており、日本のトップランナーであってほしい」と話した。
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宮古島市/狩俣地区で防風林整備
総事業費1億円/「台風に強い島」づくり目指す

 宮古島市(伊志嶺亮市長)は、新規の「災害に強い緑豊かなふるさと事業」を導入し、総事業費一億円を予算化した。総事業費は、国が八割補助、県が一割補助、市が一割負担する。平良の狩俣地区で全長一・二`、幅六bにフクギなどの防風林苗を植栽し、台風などに強い安全な島づくりの実現を目指す。

 同事業が実施される場所は、市立狩俣中学校と南岸との中央付近。地元では白川原の地名で呼んでいる。
 丸太防風工を取り入れ、樹種は在来種のフクギ、タブノキ、モクタチバナなどの苗木を植え、災害に強い林構づくりの実現を目指す。
 宮古地域の生活・生産活動は、台風や干ばつなどの気象要因に左右されることから、防風林の整備は大きな課題の一つ。特に二〇〇三年宮古諸島に襲来した台風s号で、農産物などは甚大な被害を受け、改めて防風林の重要性がクローズアップされた。
 市では、国と県からの補助金が交付され次第、選定された樹種の種まきや育苗作りに着手する。
 市農政課では「植栽した後の管理が重要。管理を徹底し、災害に強い防風林に育てる」と語った。
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しんじょうくんら優秀賞
JA共済小・中学生書道・交通安全ポスター審査会

優秀賞は県大会に出品

 二〇〇六年度JA共済全国小・中学生書道・交通安全ポスターコンクールにおける宮古地区審査会が十一日、JAおきなわ宮古地区事業本部大ホールで行われ、各学年の優秀賞や優良賞、佳作が決定した。優秀賞に輝いた作品は十一月に行われる県大会に宮古地区代表として出品される。また、入賞者への表彰式は十月中旬ごろ、同本部で行われる。

3人の審査員が計891点の作品を審査した=11日、JAおきなわ宮古地区事業本部大ホール

 審査は午後一時半から行われ、親泊宗二さん、立津精一さん、松原清吉さんの三人が審査員を務めた。書体の力強さやバランス、落款など細部までチェック。書道八百六十四点、交通安全ポスター二十七点の計八百九十一点を審査した。
 同事業本部金融共済部LAセンターの垣花昭男センター長は「応募総数も年々増加し、回を追うごとに力作もそろっている。県でも優秀な成績を収めるだろう」と期待を寄せた。
 審査結果は次の通り。(敬称略)
 ▼書道
 【小学一年・半紙】▼優秀賞▽しんじょうさとい(南)▼優良賞いらぶりゅうへい(南)▽よなはゆみか(東)▼佳作▽しけんばるゆうき(北)▽たかよしあき(平良第一)▽おんかわじゅんのすけ(下地)▽きなゆうか(平良第一)▽のはらねね(上野)
 【同・条幅】▼優秀賞▽しんじょうさとい(南)▼優良賞▽うえちももか(佐良浜)▽かわみつななこ(南)▼佳作▽はねじりき(伊良部)▽いらぶりゅうへい(南)▽よなはゆみか(東)▽よなはともひろ(南)▽まえどまりけいご(佐良浜)
 【同二年・半紙】▼優秀賞▽すなかわひなこ(久松)▼優良賞▽いけまえいと(平良第一)▽いけままどか(伊良部)▼佳作▽すなかわけんや(南)▽ともりとうこ(下地)▽とくやまそうた(城辺)▽がねこほのか(上野)▽まつばらこうへい(久松)
 【同・条幅】▼優秀賞=▽すなかわひなこ(久松)▼優良賞▽いらぶりか(平良第一)▽まつばらこうへい(久松)▼佳作▽がねこほのか(上野)▽いけまえいと(平良第一)▽ともりとうこ(下地)▽にしざとあぐり(上野)▽いけままどか(伊良部)
 【同三年・半紙】▼優秀賞▽友利菜穂(平良第一)▼優良賞▽名嘉真妃奈子(上野)▽平良茜(伊良部)▼佳作▽根間彩佳(北)▽恩川夢野(下地)▽渡久山伶奈(伊良部)▽大城仁(平良第一)▽宮国千春(上野)
 【同・条幅】▼優秀賞▽友利菜穂(平良第一)▼優良賞▽名嘉真妃奈子(上野)▽根間彩佳(北)▼佳作▽平良茜(伊良部)▽大城仁(平良第一)▽上地将平(東)▽仲間泰斗(佐良浜)▽砂川久乃(南)
 【同四年・半紙】▼優秀賞▽与那覇元幹(東)▼優良賞▽具志堅望(下地)▽与那覇淳弥(東)▼佳作▽友利倫子(下地)▽亀川のぞみ(伊良部)▽砂川智菜津(砂川)▽平良紗也香(上野)▽野原菜摘(同)
 【同・条幅】▼優秀賞▽具志堅望(下地)▼優良賞▽花城沙也加(南)▽与那覇元幹(東)▼佳作▽仲座望(福嶺)▽平良紗也香(上野)▽友利倫子(下地)▽平良優貴(東)▽砂川智菜津(砂川)
 【同五年・半紙】▼優秀賞▽池原雄大(東)▼優良賞▽池間美帆(下地)▽与那覇優汰(東)▼佳作▽上地奈央(佐良浜)▽大城哲朗(平良第一)▽上地貴大(城辺)▽屋嘉比涼香(平良第一)▽下地瑞乃(同)
 【同・条幅】▼優秀賞▽池間美帆(下地)▼優良賞▽屋嘉比涼香(平良第一)▽池原雄大(東)▼佳作▽砂川美穂(上野)▽上地貴大(城辺)▽佐次田陽光(福嶺)▽上地奈央(佐良浜)▽大城哲朗(平良第一)
 【同六年・半紙】▼優秀賞▽具志堅峻(下地)▼優良賞▽砂川奈津美(南)▽渡久山寿徳(伊良部)▼佳作▽譜久島歩(伊良部)▽川満千陽(下地)▽伊良部沙妃(南)▽佐次田萌恵(福嶺)▽下地りな(伊良部)
 【同・条幅】▼優秀賞▽具志堅峻(下地)▼優良賞▽砂川千夏(下地)▽宮国美羽(南)▼佳作▽譜久島歩(伊良部)▽佐渡山彩奈(東)▽川満千陽(下地)▽下地美穂(西城)▽伊良部沙妃(南)
 【中学一年・半紙】▼優秀賞▽善平絵美(平良)▼優良賞▽池間翔(久松)▽垣花英里(平良)▼佳作▽友利肇志(平良)▽池原恭平(北)▽亀浜美香(同)▽渡久山あかね(同)▽上里和慶(伊良部)
 【同・条幅】▼優秀賞▽友利肇志(平良)▼優良賞▽佐和田千尋(砂川)▽垣花英里(平良)▼佳作▽西里樹李(上野)▽渡久山あかね(北)▽善平絵美(平良)▽池間翔(久松)▽亀浜美香(北)
 【同二年・半紙】▼優秀賞▽友利美咲(北)▼優良賞▽伊志嶺尚子(平良)▽新里瀬名(上野)▼佳作▽砂川絵理香(平良)▽具志堅紗弥佳(下地)▽平良優(上野)▽平良久美子(同)▽宮国優美(同)
 【同・条幅】▼優秀賞▽善平美紀(平良)▼優良賞▽新城大地郎(平良)▽平良夏希(伊良部)▼佳作▽友利美咲(北)▽太田真貴(上野)▽伊礼智美(城辺)▽新里瀬名(上野)▽宮国優美(同)
 【同三年・半紙】▼優秀賞▽平良朱里(平良)▼優良賞▽元長貢紀(伊良部)▽福島樹季(同)▼佳作▽仲宗根光(伊良部)▽上地あずさ(同)▽平良夏美(上野)▽佐渡山貴大(北)▽宮国美帆(上野)
 【同・条幅】▼優秀賞▽平良朱里(平良)▼優良賞▽元長貢紀(伊良部)▽仲宗根光(同)▼佳作▽宮国恵梨美(伊良部)▽砂川亜美子(久松)▽福島樹季(伊良部)▽平良夏美(上野)
 ▼交通安全ポスター
 【小学一年】▼優秀賞▽喜納夕賀(平良第一)▼優良賞▽上地ももか(佐良浜)▽ほかまくれあ(同)
 【同二年】▼優秀賞▽砂川進一(来間)▼優良賞▽友利桐子(下地)▽奥濱駿(佐良浜)▼佳作▽川満優華(下地)▽与那覇彩夏(同)▽友利奈美(同)
 【同三年】▼優秀賞▽仲間泰斗(佐良浜)▼優良賞▽来間比呂乃(下地)
 【同四年】▼優秀賞▽友利倫子(下地)▼優良賞▽砂川ほの(下地)▽砂川佑歩(平良第一)▼佳作▽洲鎌佐優梨(来間)▽川満莉緒(南)
 【同五年】▼優秀賞▽上地奈央(佐良浜)▼優良賞▽玉城洸太朗(下地)▽砂川愛美(来間)
 【同六年】▼優秀賞▽洲鎌希早(来間)▼優良賞▽池原優(来間)▽洲鎌勝汰(平良第一)▼佳作▽友利真紀(下地)▽友利風胡(同)▽小笠原望(来間)
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「みらい号」下地小も巡回/市立図書館
市民から要望 合併で広域化


下地小へ派遣されることとなった移動図書館「みらい号」(資料写真)

 宮古島市立平良図書館(砂川玄正館長)は年内を目標に、所有する移動図書館「みらい号」を下地小学校にも巡回させる方針だ。開会中の九月定例会に、非常勤職員を配置するための補正予算六十六万円を要求した。砂川館長は「市町村合併に伴って下地、上野にも移動図書館を回してほしいという市民の要望があり、まずは下地小へ巡回する方向で調整している。上野地区も上野幼稚園への巡回を検討したい」と話した。
 移動図書館は平良と城辺の両図書館で、「みらい号」と「夢の光号」の一台ずつを保有。平良と城辺の両地区では好評を博しているが、図書館には市町村合併に伴って、下地地区、上野地区でも利用できないかという市民の要望が寄せられているという。
 しかしながら▽市町村合併後の職員数の減▽図書館の蔵書を利用するために、通常の閲覧に支障を来す恐れがある−との理由から、実現されていなかった。
 砂川館長は「少ない職員で無理をして、来間小中学校で実施しているが、派遣個所を増やすために職員を配置してほしいと予算を要望した」と説明する。補正予算が可決されれば、特殊車両である移動図書館を運転できる非常勤職員を配置し、平良地区での運行のローテーションを調整しながら、下地小にも巡回させたい考えだ。
 下地小学校の与儀透校長は「下地の子どもたちは読書意欲が高い。学校図書館だけでなく、移動図書館に来てもらえるならもっと意欲がわくと思う。大歓迎」と心待ちの様子で話した。
 砂川館長によると、上野地区に関しては、「上野小は蔵書が間に合っているようなので、要望のある上野幼稚園への巡回を考えたい」としている。
 職員の配置はクリアできそうな見通しだが、もう一方の課題である蔵書数の増加については、今後の補正予算や来年度予算で要求、対応していくという。

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大野山林で確認/ヤエヤマオオコウモリ

 ヤエヤマオオコウモリが十一日、宮古島市大野山林で観察された。首の回りが黄褐色の体毛に覆われ、首輪のようにくっきり浮かんでいた。
 コウモリの仲間では中型。毛は長く、耳は小さい。体全体は黒色か茶色。尾はない。フクギやパパイアの実、ヤシの小さな実などを食べる。体長二○a前後。羽を広げると八○aほどの大きさ。宮古島、多良間島、八重山諸島などに分布する。
 この日観察されたヤエヤマオオコウモリは、夕日に背中を向け、木の枝にぶら下がっていた。薄暗くなると、別の木へ飛行。暗闇でも有視界飛行ができる機能を持つ。
 東南アジアでは果物を食べるフルーツコウモリが分布。ヤエヤマオオコウモリは、このフルーツコウモリの近似種で、パパイアも食べる。
 写真説明・夕日をバックに木の枝にぶら下がるヤエヤマオオコウモリ=11日、平良大野山林(撮影・伊良波彌)
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