200平成18  9 木曜日

文教社会委で否決/重度身障者食費補助廃止案
市議会/きょう本会議で最終審議

 宮古島市(伊志嶺亮市長)が廃止を求めている重度心身障害者の入院時食費補助で、同市議会文教社会委員会(佐久本洋介委員長)は六日、委員会を開き、全会一致で否決した。同案はきょう七日の市議会本会議で最終審議が行われる。
 文教社会委が同案で委員会を開いたのは今回が六度目。これまで可否をめぐり意見を集約することができなかったが、県議会文教厚生委員会が県に意見書を提出する動きを見せていることなども踏まえ採択を急いだ。
 六回目の委員会では佐久本委員長が同案に関して賛成の挙手を求めたところ、賛成が一人もいなかったため全会一致で否決となった。今定例会の最終日に県と県議会に意見書を提出することも確認した。
 委員会後、佐久本委員長は「県議会文教厚生委員会から、市として態度を決めてくれた方が今後要請がしやすいなどという意見があった。さらに今後は(予算面で)市の対応も必要になってくるということもあり、これ以上採択を延ばすわけにはいかなかった」などと説明した。
 厳しい市の財政を把握しながらの結論については「財政が苦しいのは全員が理解している。しかし弱者を救済していくことが政治家の使命。行政には頑張って予算を捻出していただきたい」と強調した。
 きょう七日の本会議は午前十時に開会する。佐久本委員長が文教社会委員会としての結論を報告した上で、最終的な審議が行われる。
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職員給与改正など提案/市議会/9月定例会が開会
勧奨退職促進で定員適正化へ

 宮古島市議会(友利恵一議長)の九月定例会が六日開会し、当局から二〇〇六年度一般会計補正予算など十七議案が上程された。市職員給与の改正条例案は、勧奨退職を積極的に促進し、課題となっている定員管理の適正化を早急に図ることを狙いとする。今定例会の会期は二十日までの十五日間。一般質問は十三、十四、十五、十九の四日間。
 当局提出の議案は一般会計補正予算案をはじめ五つの特別会計の補正予算案と、▽伊良部島にある宮古島市総合交流ターミナル(てぃだの郷)、同市体験滞在交流施設(民宿キャンプ村)の二カ所について、民間事業所を指定管理者とする議案▽旧五市町村から引き継いだ各地域の整備計画をまとめた「辺地総合整備計画書」▽障害者自立支援法施行に伴う介護給付等審査会運営の多良間村からの受託について−など計十七議案。
 一般会計補正予算案は、歳入歳出にそれぞれ五億三千三百五万一千円を追加し、歳入歳出予算総額を三百二十九億二千五百九十八万六千円とする。また、〇五年度一般会計歳入歳出決算、国民健康保険事業など八つの特別会計決算と水道事業決算の認定についても提出された。
 冒頭、文教社会委員会委員に所属していた友利恵一議長が、▽議長は各種委員会に自由に出席、発言できる権限が与えられている▽本会議での表決で可否同数の場合、議長が採決する−などの理由で、常任委員会に所属は好ましくないとして委員を辞任することが報告され、了承された。

 写真説明・市議会9月定例会が開会し、当局が17議案を上程した=6日、宮古島市議会議場
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健康増進と快適職場目指す/地区労働衛生大会
「労使一体で取り組みを」/大会宣言・スローガンを採択

 「疲れていませんか 心とからだ みんなでつくろう健康職場」をスローガンに全国一斉に実施される全国労働衛生週間(十月一−七日)を前に、宮古地区労働衛生大会(主催・県労働基準協会宮古支部など)が六日、JAおきなわ宮古地区事業本部で行われた。関係者約百人が参加。労働者の健康増進と快適な職場づくりを誓って大会宣言を採択し、大会スローガンを指さし呼称して士気を高めた。

 同週間は、事業場における労働衛生意識の高揚を図るとともに、自主的な労働衛生管理活動の促進を図ることが目的。同大会は、建設業労働災害防止協会県支部宮古分会、港湾貨物運送事業労働災害防止協会沖縄総支部宮古支部、陸上貨物運送事業労働災害防止協会県支部宮古分会などを中心に行われた。
 県労働基準協会宮古支部の友利寛忠支部長は「事業主と働く者の双方に健康への認識がなければ健全な職場は成り立たない。労使一体となって一層の健康増進を」とあいさつを述べた。


平山良克さん

 沖縄産業保健推進センター相談員の平山良克さんが「健康診断の事後措置について」と題して特別講演した。「健康診断は事後措置を行って初めて価値がある。やりっ放しではだめ」と話し、有所見者に対する職業区分変更などの職場調整や産業医、現場監督らを巻き込んだフォローの実施など、事後措置を図ることの重要性を強調した。
 宮古労働基準監督署の並里智浩署長の報告によると、昨年に県内で休業四日以上の死傷病報告のあった労災対象件数は五十九件。このうち三十九件が負傷による疾病で、三十三件は腰痛だった。宮古では二件が報告されており、内容は腰痛とやけどだったという。並里署長は「腰痛対策に認識を深めるとともに、九月末までは熱中症対策にも気を抜かないように」と呼び掛けた。

 写真説明・スローガンを指さし呼称する参加者ら=6日、JAおきなわ宮古地区事業本部
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均等割・世帯割を減額/市行革本部
農家割加え再調整へ/行政連絡員の事務委託

 宮古島市行政改革推進本部(本部長・伊志嶺亮市長)の第十回会議が六日午後、同市役所平良庁舎で開かれた。市民の代表者でつくる行革推進委員会から挙げられた行政連絡員の事務委託事業の見直しについて協議し▽契約はこれまで通り総務課で一括▽委託料は均等割・世帯割の額を減額し農家割を加える−とする内容をまとめた。この協議結果は再度市民推進委に諮る。市が保有する公共施設の取り扱いについての協議も行われ、今後は民間への委託や譲渡も含めて検討していくことを確認した。
 行政連絡員の事務委託事業見直しでは、市民推進委の提案と本部の意見をたたき台にして協議を進めた。提案内容と本部の意見を示して協議したが、結果として契約は総務課で一括すること、委託料は均等割・世帯割の額を減額し、農家割を加えることで本部内の意見をまとめた。
 公共施設の効率的運営についても協議し、行革班が各公共施設の経営手法案を示した。それによると▽学校給食の調理業務等▽市営団地の使用料徴収等▽子育て支援センターでの業務−などは民間委託、文化ホールや公民館、総合博物館などは指定管理者、種苗供給施設や栽培漁業センターは民間委譲するなど集中改革プラン掲載案となっている。
 ツマグロゼミ増殖施設や畜産品評会場、佐良浜診療所などは廃止を検討、保育所や保育センターの統廃合計画案も示された。
 これら民間委託の推進と公共施設の効率的運営については、市民推進委員会でも議論される。
 市単独補助金の見直し議論もあり、市民推進委員会の意見を踏まえ、今後も慎重な議論を続けていくことを確認した。

 写真説明・行政連絡員の事務委託事業などを協議した行革推進本部=6日、宮古島市役所平良庁舎
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宮古でも赤ちゃん誕生/紀子さまと一緒
与古田さん、池間さん夫妻

 秋篠宮妃紀子さまは六日午前八時二十七分、男のお子さまを出産された。ご出産という明るいニュースに日本列島が沸く中、宮古地区でも同日、声高らかに産声が上がり、周囲を喜ばせている。


誕生したばかりの勇太ちゃん(中央)を抱き締める母親のジュリエッタさん(右)と悟さん(左)=6日、県立宮古病院

 与古田悟さん(52)、ジュリエッタさん(30)夫妻=平良字下里=には第二子となる長男・勇太ちゃんが誕生した。身長四九・五a、体重三二三二cと健康そのもの。ジュリエッタさんは「大変だったけど、元気に生まれてくれてうれしい。紀子さまのお子さまと偶然にも誕生が一緒だが、どちらともすくすくと健康に育ってほしい」と穏やかにほほ笑んだ。
 ジュリエッタさんは紀子さまと同じく帝王切開で出産。午前九時に手術室に入り、同九時五十三分、勇太ちゃんは「オギャー」と元気いっぱいに産声を手術室に響かせた。
 誕生の喜びを「まだ実感がわかないが、これからだろう」と話す悟さん。「胸に抱いても何だかまだ実感がわかない。早く一緒にキャッチボールをしたいな」と目を細めた。
 名前には、『勇気』を持って『太平洋』のように広い心を持つ男になれ、という両親の願いが込められているという勇太ちゃん。お姉ちゃんの暁(ひかり)ちゃん(三つ)も勇太ちゃんの誕生を喜び、一緒に遊ぶ日を心待ちにしている。


誕生したばかりの男の子(中央)と美保さん(左)、良太さん(右)=6日、みやこ母子クリニック

 池間良太さん(23)、美保さん(同)夫妻=城辺字下里添=には身長四八a、体重二五六二cの元気な男の子が誕生。美保さんは「母親になったという感慨ひとしお。感激して胸がいっぱいです」と目を潤ませた。
 予定日は二十日だったが、六日午前に破水し入院。同日正午に分娩室に入り、午後三時二十七分、自然分娩で長男を出産した。誕生とともに元気よく泣き声を上げ、両手両足を力いっぱい動かす男の子に、手術室も和やかな雰囲気になったという。
 良太さんは「とにかくうれしい。(美保は)よく頑張った。かわいい赤ちゃんだ」と、満足そうに笑い、「紀子さまの男の子誕生と一緒だと知り、驚いた」と話した。
 美保さんは「強くたくましく、そして優しい男の子に育ってほしい。十カ月もおなかの中にいたかと思うと不思議な気持ちでいっぱいだけど、これから家族みんなで力を合わせて明るい家庭を築いていきたい」と、二人に温かなまなざしを向けた。

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「言葉」を適切に/伊良部高で体験事業
文化庁主催

 二〇〇六年度「言葉」について考える体験事業(主催・文化庁)が五日、県立伊良部高校(下地義雄校長)で行われた。講師に劇団「弘前劇場」=青森県=主宰者の長谷川孝治さんら三人を招き、生徒たちは「言葉」の大切さや重要性を体験。同時に「方言」の保存と意義について理解した。
 この事業は、〇一年から実施され、言葉について高い見識・技能を有する有識者を講師に迎え、適切な言葉遣いや言葉による表現などを実践的に学び、体験する機会を提供することにより、児童生徒を中心に言葉への関心を高め、正しい日本語を使おうとする意識の高揚を図ることが目的。同高の二年生五十八人を対象に実施された。
 体験事業では、生徒が二人一組になり、目隠ししたパートナーを言葉だけで目的地まで誘導することから始まった。靴を履いてグラウンドまでの道のりを、一切手を貸さず言葉だけで導くことに、生徒たちはこわごわしながらも挑戦。目に見えない部分を言葉で補うことの難しさを実感していた様子だった。
 長谷川さんは「コミュニケーションの第一歩は、まず相手の話を聞くこと。人と人との距離が離れれば離れるほど、コミュニケーションは取れず、その間に機械を入れればコミュニケーションは取りづらくなる」と呼び掛けた。

 写真説明・生徒らは2人1組となり、目隠ししたパートナーを言葉だけで誘導することに挑戦した=5日、伊良部高校
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