200平成18  9 金曜日

補助見直しに反発の声/市行革推進委
当局、5年で28%削減案提示/委員「生活に密着」強調

 市民の代表者でつくる宮古島市行政改革推進委員会(下地徹委員長)の第十回委員会が三十一日、宮古島市役所平良庁舎で開かれ、市単独補助金を五年後の二〇一〇年度までに約一億九千万円(二八%)削減することなどを盛り込んだ当局の見直し案について議論した。委員からは「市民が恩恵を受けられるはずの部分の補助金が削減では納得がいかない」、「補助金は市民生活に密着した項目が多い。削減方針は住民にとって非常に厳しい方針」など、反発の声が相次いだ。今回は具体的な結論は出ず、委員の意見を踏まえて次回の市行政改革推進本部で議論するよう求める形となった。

 事務局は、廃止も含めて見直しを進め、事業内容の公益性が高く市民のニーズに合っているか、使途が適切かなど内容を精査することで、厳しい財政状況下で限られた財源の有効・効率的な活用を図るべきだと強調。▽従来からの経緯、実績などを考慮し新市で検討▽同一、同種の補助金は関係団体などの理解と協力を得て整理統合の方向で調整▽農林水産関係補助金については「総合補助金制度」を新設し、旧市町村へ枠配分する―とした合併協定書に基づく補助金見直し案を示した。
 それによると、単独補助金全体で本年度の六億七千三百二十万六千円から、一億八千九百九十一万一千円削減し、五年後の一〇年度に四億八千三百二十九万五千円とする。委員には併せて、本年度の単独補助金の項目別の明細書も提示された。
 委員からは「新市の予算で人件費は七十七億円から八十億円。それと対比しても、補助金カットの方向性を出すのは逆行と言わざるを得ない」、「新価格制度導入でサトウキビ増産を目指す中で、補助金を削るのは逆行している。もう一度議論をしないとおかしい」など不満の声が上がった。
 また、伊良部の公営ゴルフ場への補助金が増額されていることに対し、「パブリックゴルフ場などの補助金が増えながら、サービスを受けるべき多くの市民の部分が削られるのはどうか」、「採算の見込みを考えないで、財政が厳しい中での補助金増はおかしい」などの指摘があった。このほか、マリンターミナルの企業誘致奨励金助成金、各地の郷友会への補助金など、個別に疑問視する声も多かった。
 一方で、事務局が重点項目として掲げた@補助金のあり方を客観的に判断する「評価基準性」A新たな補助金について公募、厳正に審査する「公募型補助金制度」―の導入については、一定の評価があった。 (砂川拓也)

 写真説明・市の単独補助金見直し案について意見を交わした行政改革推進委員会=31日、宮古島市役所平良庁舎
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「地下ダムってすごい」/福嶺小児童が知識深める
支庁主催 土地改良施設めぐり

 宮古島市立福嶺小学校(新里二男校長)の四−六年生の児童二十七人が参加しての「土地改良施設めぐり」(主催・県宮古支庁農林水産整備課)が三十一日、宮古島市各地で行われた。地下ダム資料館を訪れた子どもたちは、度重なる干ばつで地下ダムが必要になったこと、完成までの経緯などの説明に聞き入り、「地下ダムってすごい」と感心した様子だった。このほか、農地のスプリンクラーやファームポンド、平良字島尻のバタラズ農道、「農道橋」として知られる来間大橋などを次々と訪ね、知識を深めた。

 城辺字福里の地下ダム資料館を訪れた児童らは、水を通さない島尻泥岩の上にあって水をよく含む琉球石灰岩層に止水壁を造って地下ダムとしていることなど、職員から詳細な説明を受けた。また、資料館外の施設で止水壁がどのような仕組みになっているかもつぶさに見学した。平良亮真君(四年)は「宮古島がサンゴ礁でできた島だということや、地下ダムが想像していたよりもとても大きなことが分かった」と話した。
 施設めぐりは二〇〇四年度から、「ふるさと農村活性化基金事業」を活用し、市内の小学校を対象に実施されているもので、今年で三度目。同課の担当者は「農家の子どもたちが多いので、地元の施設を知り、土地の財産を自分たちで守るという心を養ってほしい」と意義を強調した。

 写真説明・止水壁の仕組みを学ぶ児童ら=31日、城辺字福里の地下ダム資料館
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県農業青年技術交換大会/川満さんが最優秀受賞
支庁へ喜びの報告/下地さん優秀賞

 このほど糸満市で開催された二〇〇六年度県農業青年技術交換大会において、宮古代表として出場した川満康男さん(44)=城辺字福里=がプロジェクト発表の部で最優秀賞に輝いた。また、意見発表の部では下地博富さん(25)=上野字野原=が優秀賞に選ばれた。三十一日、二人は県宮古支庁(兼城克夫支庁長)に砂川光弘農林水産調整監を表敬訪問し、喜びを報告。安定した農業経営とさらなる飛躍に期待を寄せ、今後も農業に取り組み、発表で得た経験を役立てることを話した。
 砂川調整監は「経営や技術などの面で、県内はかなり優れた農業青年が多い。川満さんや下地さんもそれぞれ就農する分野で高く評価を受けた。今後とも普及センターと協力しながら、頑張ってほしい」と激励した。
 最優秀賞に選ばれた川満さんは、県代表として今月二十六、二十七の両日に大分県で開催される九州大会に出場する。
 川満さんは「雇用の活用によるさやいんげんの高位安定生産への取り組み」について、プロジェクトを用いて発表。宮古においてほとんど例のない、サヤインゲン栽培での雇用活用による、収量・秀品率の向上についての活動を説明した。川満さんは「インゲン栽培をやって五年目。自分の目に見えるように結果が出て良かった。これからは畜産にも力を入れ、宮古全体のインゲン生産が伸びるよう努力したい」と決意。
 「島で農業をはじめて」と題して意見発表を行った下地さんは、就農へのきっかけから、コストを抑えた餌作りに取り組みたいと夢について熱く語り「将来的には四十頭規模の肉用牛繁殖専門経営を目指したい」と意気込んだ。

 写真説明・賞状を手に受賞の喜びを砂川調整監(前列左)に報告した川満さん(同列左から2人目)と下地さん(同3人目)=31日、県宮古支庁
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「宮島小に来てね」/学校への案内板を作製
児童が手作り

 宮古島市立宮島小学校(伊計喜和子校長)の文化活動クラブ「わくわくクラブ」の児童たちはこのほど、学校までのイラスト付き案内板を作製した。九月二日に学校周辺の道路二カ所に設置する。
 看板を作製したのは、四年生の山内沙紀さん、砂川美香さん、川田雄野君、六年生の下地千尋さんの四人。学校の位置が一般に分かりにくい場所にあるため、看板で来校者を誘導しようと作製した。同校体験学習の特色である稲作と、島尻地区の伝統行事、パーントゥを描いた二作。夏休み期間中に、下絵から仕上げまで正味五日間で完成させた。
 四人は「文字の色をはみださないように細かく塗るのに苦労したが、思ったより上手に作れたと思う」と完成を喜んだ。
 下地さんは「看板設置で宮島小が有名になって、児童の数も増えるといいな」と笑顔を見せた。同校の一学期の児童在籍数は、幼稚園児を含めて二十三人。

 写真説明・道路に設置する学校までの案内板を作ったわくわくクラブのメンバーら=31日、宮島小学校
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情報漏えいなど憂慮/個人所有のパソコン使用で
伊良部で移動市長室

 宮古島市の伊志嶺亮市長と下地学助役らは八月三十日午後、伊良部中央公民館で第二回移動市長室を開き、伊良部総合支所の長浜光雄支所長らの要望五項目について回答した。
 このうち、支所側は「伊良部総合支所で使用しているパソコンのほとんどが個人所有のパソコン。市貸与のパソコンは全体の三割程度。もっと市貸与のパソコンを導入してほしい」と要望。その上で「個人所有のパソコンを自宅に持ち帰った場合、情報の漏えいやウイルス感染などの心配がある」と危機管理を憂慮した。
 これに対し、市長側は「現在宮古島市では、基幹端末は三百二十五台設置され、そのうち、伊良部総合庁舎は二十二台。また、情報系(インターネットなど)は旧平良で三百十五台、個人購入は六十五台。電子自治体を目指す『情報化計画』を策定中で、五年計画で五百台を購入する予定」と述べた。
 自宅に持ち帰るパソコンについて、市長側は「ウイルス感染されたパソコンを庁舎に持ってきた場合は危険な状態になる」と警鐘を鳴らした。
 支所側は、市営ゴルフ場のサシバリンクスについて「今年度は九千八百人の利用者を見込む。今年度の収入支出とも四千九百九十五万二千円。七月現在の利用者は二千百八十三人」と報告し「九月から島外者の利用者増に向け、利用料金の割り引きなどを実施していく」と説明した。

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快適サービスをありがとう/夏季繁忙期就航を終える
JALのB767−300型機

 日本トランスオーシャン航空(JTA、市ノ澤武士社長)の宮古−羽田、宮古−那覇を結ぶ路線で、夏季繁忙期に合わせて就航していた日本航空(JAL)のボーイング767−300型機が三十一日の東京行き022便で就航を終えた。JTA宮古支社の真栄田久支社長らは、最終便を前にセレモニーを開き、同機の川下政昭機長らの活躍に感謝し、花束を贈呈した。
 夏季のピーク期に合わせた大型機の就航は今年で十七年目。今期は七月十四日から八月三十一日まで運行され、最終便はほぼ満席で宮古を出発した。今年はマンゴーの不作などに伴い、貨物重量が昨年に比べ約二四%減少したものの、旅客数は七%増となった。
 真栄田支社長は客室乗務員の梅谷仁美さんに花束を手渡し、「四十九日間、安全運行、そして快適なサービスを提供してくださり、ありがとうございました」と謝辞を述べた。

 写真説明・真栄田支社長らから乗務員らへ花束が手渡された=31日、宮古空港
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