200平成18  830 水曜日

宮古周辺に浮魚礁設置へ/内閣府概算要求
中層・表層の計4基

 【那覇支局】二十九日に発表された内閣府沖縄担当部局の二〇〇七年度予算の概算要求では、新規事業で「琉球地区広域漁場整備事業」が盛り込まれた。同事業は宮古島周辺を含む県内五漁場に浮魚礁を四十基設置するもので、宮古周辺には四基設置される。
 事業期間は〇七年度から一一年度まで。総事業費は約十五億円となっている。事業主体は県で、事業内容は浮魚礁(中層型、表層型)を四十基製作。県内の五漁場、十六工区に設置する。
 宮古周辺に設置される浮魚礁は、中層浮魚礁三基、表層浮魚礁一基の合計四基となっている。
 同事業は、県周辺海域を回遊するマグロ類等を効率的に漁獲するための浮魚礁漁場を整備し、沿岸漁業の振興と漁家経営の安定を目的としている。

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環境との調和に配慮/市農村整備事業情報協が発足
委員7人に委嘱状交付

 農業農村整備事業における環境との調和に配慮することを目的に、宮古島市農業農村整備事業環境情報協議会が二十九日、発足した。同日、宮古島市役所上野庁舎で開かれた環境情報協議会は、宮古島市となって初めての設置。二〇〇七年度の新規地区県営事業、市営事業の概要説明や、県営・市営事業の計画変更地区が説明された。また、委員七人に委嘱状が交付され、委員長に東京農業大学国際食料情報学部の中西康博助教授が選任された。

 この協議会は、食糧・農業・農村基本法の制定および土地改良法の改正により「環境との調和への配慮」が、農業農村整備事業実施の基本原則となっていることを受け、県および市が事業主体となる整備事業の新規計画や変更計画などの策定における環境配慮措置について意見交換を行うことが目的。
 〇七年度新規採択希望地区は▽県営事業で四カ所▽市営事業で七カ所、同年度継続事業となる計画変更地区は▽県営事業で四カ所▽市営事業で五カ所・の計二十カ所。この日は、新規採択された県営事業のうち、メーンとして西原第一地区の区画工事について重点的に説明があった。
 会では、事業担当職員の説明を受けた委員らが、質問や意見を交換。「その土地に生まれた人しか分からない部分もあるので、われわれだけでなく、地元の人の話にも耳を傾けるべき」「区画整理や勾配抑制工などでも、土の量などのバランスを考えて、環境に考慮を」などと活発に話された。
 冒頭、中西委員長は「意見を交換するだけなら、会の意味を持たない。話し合ったことは、事業に反映させるという文言を要綱に入れてほしい」と事務局側に強く要望。事務局は「皆さんの声を市民の声としてしっかり事業に反映できるよう理解を求めていく」と答えていた。
 委員は次の皆さん。(敬称略)
 【委員長】▽中西康博(東京農業大学国際食料情報学部助教授)【委員】▽前里和洋(宮古農林高校環境工学科教諭)▽岡徹(宮古少年自然の家主任)▽藤村明憲(宮古観光協会長)▽本村恵子(農漁村生活研究会)▽辺土名豊一(農業)▽前泊繁夫(農業)

 写真説明・農業農村整備事業にかかわる環境について活発に意見や情報が交換された=29日、宮古島市役所上野庁舎
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害虫の天敵環境整備を/県農業研究セ宮古島支所開所記念セミナー
キビ株出栽培で講演会

 県農業研究センター宮古島支所(大城正市支所長)は二十九日午後、県宮古支庁二階大講堂で今年四月の開所を記念したセミナーを開いた。講師に招かれた同センター総括の仲盛広明さんは、「宮古地域におけるサトウキビ株出栽培の展開について」と題して講演した。
 その中で、仲盛さんは、サトウキビ害虫からの被害を防ぐ方法について「害虫の天敵環境をつくることで、キビの被害

仲盛広明さん

は少なくなる」と強調した。会場には行政やキビ生産農家、マンゴー栽培農家の関係者ら多数が出席し、講演を熱心に聞き入っていた。
 今年四月に県農業試験場は園芸支場と統合し、糸満市に県農業研究センターとして開所。これに伴い、農業試験場宮古支場は県農業研究センター宮古島支所と改組され、研究体制は、これまでの研究室単位から複数の研究分野を含む班体制に移行した。
 今回のセミナーは、新たな組織のスタートに際し、宮古地域農業の課題と今後の展開について話題提供し、生産者および関係者の知見を深めることを目的に開催された。
 仲盛さんは、サトウキビの害虫であるアオドウガネとケブカアカチャコガネの生態などについて説明。その上で、害虫の天敵を守っていくためには▽生け垣▽池▽花のある野菜▽防風林−などの整備が必要であることを語った。
 さらに仲盛さんは「害虫に対しては、できるだけ化学肥料に頼らない物理的防除、生物的防除が必要で、その防除は環境に優しく、賢い防除である。またサトウキビは十月以降の植え付けを心掛ける」などと述べ、害虫の天敵相の保全を訴えた。
 この後、同センター名護支所主任研究員の松田昇さんが「宮古地域の果樹栽培」と題して講演した。

 写真説明・行政や農家の関係者ら多数が出席したセミナー=29日、県宮古支庁
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意見まとまらず継続審議/行政連絡員の事務委託事業
市行革本部

 宮古島市行政改革推進本部(本部長・伊志嶺亮市長)の第九回会議が二十九日、同市役所平良庁舎で開かれた。市民推進委員会から挙げられた行政連絡員の事務委託事業の見直しについて協議したが、契約の方法などで意見がまとまらず継続審議となった。具体的な内容を加えて再度、同本部の中で審議される。
 事務局は、幹事会や市民委員会でのまとめとして▽契約は必要に応じ各部局において予算確保も含めて対応する▽現在の「宮古島市事務委託規則」は適用しない▽自治会の支援策を今年度中に決定する▽二〇〇七年度から実施する−などが報告された。
 会議では、各部局で行政連絡員と契約を行う新たな契約方法と、連絡員に委託料として支給されている均等割(五万円)と世帯割(一世帯当たり百五十円)の廃止や減額などについて質問が集中。「契約を各部で行うとかえって予算が増えるのでは」「契約が煩雑になり業務量が増える」などの反対的な意見が多く挙がった。また、台風被害など急きょ調査を依頼することもあるため、「均等割はあった方が良い」という意見もあり、結局、意見はまとまらなかった。
 この日、意見がまとまらなかったことに対し宮川耕次総務部長は「支援策の具体的な中身や事務委託規則の見直しの内容を次回までにはっきりさせたい」と述べた。

 写真説明・行政連絡員の事務委託事業について審議した行革推進本部=29日、宮古島市役所平良庁舎
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12人に委嘱状交付/宮古島市都市計画審議会
会長に座喜味さん選出

 宮古島市都市計画審議会の委嘱状交付式および第一回会議が二十九日、同市役所平良庁舎で行われた。伊志嶺亮市長から十二人に委嘱状が手渡された。任期は二〇〇六年八月二十九日から二年間。会議では座喜味弘二さんが会長に選出された。
 交付式で伊志嶺市長は「来年はマスタープランの策定など大きな課題がある。良いプランをつくり良い市づくりのため協力してください」と呼び掛けた。
 会長に選出された座喜味さんは「魅力あふれる計画をつくり、後世に残せるよう努力したい」と語った。
 会議では、宮古島市の都市計画について説明された。また、市町村合併に伴う都市施設の名称変更も行われた。
 委員は次の皆さん。(敬称略)
 【会長】座喜味弘二(宮古新報社長)【副会長】宮平清徳(旧平良市建設部長)【委員】下地由子(宮古島市行政改革推進委員)▽伊志嶺敏子(一級建築士)▽中尾英筰(宮古島商工会議所会頭)▽下地隆弘(JAおきなわ宮古地区事業本部長)▽前泊勇栄(県宮古支庁土木建築課長)▽伊波興二(宮古島警察署交通課長)▽伊舎堂勇(宮古島市消防本部消防長)▽新城啓世(市議会議員)▽池間雅昭(同)▽上地博通(同)

 写真説明・伊志嶺市長(手前)から委嘱状が手渡された=29日、宮古島市役所平良庁舎
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EM活性液を無料配布/元氣はうす、商店街振興組合員ら
西里通りの汚水臭改善で

 西里通りの汚水臭を解消しようとEM普及店元氣はうすの新垣圭子さんと同通り商店街振興組合員らが二十九日、排水溝の消臭効果が期待されるEM活性液の無料配布を行った。同通り駐車場で行われ、生活雑排水による地下水汚染の実態や環境保全を訴えた。
 この日、用意された活性液は五百_g入りのペットボトル五百本。配布する際、一人ひとりに「台所や風呂場の排水溝に流してください」と使い方と利用効果などを分かりやすく説明。配布所には西里通り付近で店を経営している人や、家族連れなど多数が足を運び、保全意識の高まりを示していた。
 新垣さんは「西里通りの汚水臭がひどいとお客様から話しを聞き、無料配布を実行した。環境への手助けという気持ちで活性液を利用してほしい」と話した。また「学校や施設などで廃水処理に活性液が必要な場合は提供します」とし、環境保全への協力を求めている。

 写真説明・多くの人がEM活性液に興味を持って配布所に足を運んだ=29日、西里通り駐車場
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