200平成18  828 月曜日

特別賞、秀墨賞141人を表彰/第25回全宮古書道展
本社・書心会主催/「心磨き、今後も精進」

 第二十五回全宮古書道展(主催・宮古毎日新聞社、書心会)の入賞者表彰式が二十七日、宮古島市内のホテルで行われ、高校・一般の部大賞に選ばれた浜川和江さん(雅号・麗舟)、児童の部大賞の親泊貴敏君(北中三年)ら特別賞受賞者五十六人と、児童の部秀墨賞八十五人の計百四十一人が表彰を受けた。受賞者を代表して浜川さんは「驚きと感謝の気持ちでいっぱい。書の道は無限に尽きることのない魅力あふれる世界。無理なく長く続け書を楽しみたい」と抱負を話した。

 主催者あいさつを行った本社の松原清吉編集局顧問は「書の心が浸透するよう、周りの人にも書の素晴らしさを伝えてほしい。来年は一段上の賞を目指して頑張ってください」と激励。書心会の天久宏会長は「書は自分の心を磨くだけでなく見る人の心を美しくする。これからも磨きを掛け精進してください」と呼び掛けた。
 表彰式には、県宮古支庁の兼城克夫支庁長、宮古島市議会の友利恵一議長らも出席し、受賞者に賞状とトロフィーを手渡した。
 宮古島市の伊志嶺亮市長(代読・下地学助役)は「この書道展は宮古の文化活動に定着し量、質とも顕著な発展が見られる。多くの文化活動に相乗効果が表れることを期待している」と述べた。
 立津精一審査委員長は「宮古のレベルの高さに感動した。素晴らしい作品ばかりだった」と講評を述べた。
 高校・一般の部大賞の浜川さんには観峰書道文化研究所から「観峰文化賞」が、児童の部大賞の親泊君には日本習字教育財団から「正美賞」がそれぞれ贈られた。
 同日午前に行われた児童の部秀墨賞の受賞者一人ひとりにも賞状が贈られた。天久会長は「この受賞を機会に、さらに書の腕を磨くとともに、勉強も頑張って立派な人になってください」と激励した。
 書道展は今月十八日から二十日まで市中央公民館で開催され、入賞作品千八十五点が展示された。また、交流作品として韓国、本土、石垣など島内外の書家から寄せられた作品展示や、二十五回の節目を記念した特別企画展「唐代の書」で、滋賀県の書道博物館「観峰館」の資料約二十点が展示された。 (洲鎌恵仁)

 写真説明 上・特別賞を受賞した児童の部の皆さん=27日、ホテル共和
 写真説明 下・高校・一般の部で特別賞を受賞した皆さん=27日、ホテル共和
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最優秀賞に下地さん/宮古地区婦人の主張大会
優秀賞に斉藤さん「生きる」 「上布」テーマに

 宮古地区婦人連合会(下地正子会長)主催の第三十九回宮古地区婦人の主張大会が二十七日、宮古島市下地公民館で行われた。二人が登壇し、日ごろ考えていることについて堂々と熱弁をふるった。厳正な審査の結果、下地美意子さんが最優秀賞、斉藤美喜さんが優秀賞にそれぞれ選ばれた。二人とも、心の中に脈々と流れる生きる力などを強調し、聴衆に感動を与えた。二人は、九月十五日に琉球新報ホールで開かれる婦人の主張中央大会に、宮古地区代表として出場する。
 主催者を代表して下地会長があいさつ。「きょう発表される方は、日ごろの体験から感じたことや考えたことなどを自信を持って発表してください」と激励した。
 最優秀賞を受賞した下地さんは、「健康な百歳をみんなで!」の演題で発表した。下地さんは若い時から「人は生まれた時から死に向かって歩んでいく」と死への恐怖におびえていたが、「自分は病弱だけど、まだ若い」「死への恐怖を解消できる答えが見つかるかも」と奮い立ち、前向きに生きることを決意。高校卒業後、鍼灸治療院に住み込みしながら東洋医学専門学校に通う中で、弱い体を克服した。それから四十年たった現在、「安らかに死を受容する自然死に到達できるはず」との意識に変化したことをつづった。
 主張の中では、国の大増税や年金給付引き下げ、国保・介護保険料の引き上げなどを指摘。高齢者の立場になって「消費税の大幅アップなどされたら、せっかくの天寿を全うする体力も気力も失せてしまいそうです」と憂慮した。最後は「みんなが人間らしい生を全うできる社会づくりのためにも、共々に健康な百歳を目指しましょう!」と結んだ。
 斉藤さんは、演題「宮古上布の奇跡」で発表。織物の経験が無かった斉藤さんは、地元のおばあから宮古上布の織り方を教わる過程や励まされながら成長する自身を紹介。その上で、宮古上布が過去と現在でつながる奇跡に感動し、後世へ宮古上布を伝えていく決意を示した。審査員長の下地節子さんは「二人に共通するのは、生きるということ。これまでにない新しい情熱にたった視点。素晴らしかった。中央大会では『表現で語る』ように」と講評した。

 写真説明・最優秀賞に選ばれた下地美意子さん=27日、下地中央公民館

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認め合い支え合う社会構築を/宮古地区障がい者フェス
800人がにぎやかに交流/課題解決へ団結も呼び掛け

 「共に築こう友情の輪」をスローガンに、第二十二回宮古地区障がい者フェスティバル(主催・宮古地区社協連絡協議会)が二十七日、宮古島市城辺農村環境改善センターで行われた。ボランティアを含め約八百人が参加。ゲームなどで交流し、障害のある人とない人が互いに認め合い支え合う共生社会の構築に認識を深めた。障害者福祉関係者らのほか、市内六校の中学生たちも多数参加し、積極的に協力して運営を支えた。

 同フェスティバルは、宮古島市内五地区と多良間村の障害者と関係機関職員、支援者らが参加。障害者と健常者が隔たりなく共に暮らす地域社会の構築を目指すことを目的に毎年開かれている。
 今年は、十月に完全施行される障害者自立支援法に伴い障害者を取り巻く環境が大きく変わりつつあることや、障害者ニーズの多様化により今後の施策に多くの課題が山積する中、社会の一人ひとりが相互理解の意識を高めることの大切さが強調された。
 開会式で奥平玄孝実行委員長は「障害者福祉における課題の解決に向け、皆で力を合わせて取り組み、心のきずなを深めよう」とあいさつを述べた。
 伊志嶺亮宮古島市長(代読・下地学助役)は「地域住民が障害者への認識を深め、共に支え合う町づくりを目指すことが重要」、上原真理子宮古福祉保健所長は「関係各機関と連携し、障害者施策に全力で取り組む」とそれぞれ述べた。
 県社会福祉協議会の呉屋秀信会長(代読・比嘉久美事務局長)は「障害を持つ人が自身の能力を発揮し心豊かな生活を送るには支え合いの地域づくりが必要」とし、同フェスティバルの開催理念が広く浸透するよう期待を込めた。
 会場では、参加者らがゲームやレクリエーションを楽しんだり、ステージで余興を披露するなどしてにぎやかに交流を深め、楽しい時間を過ごした。
 子どもたちもそれぞれの持ち場で役割をこなし、共生社会を目指す社会の一員として認識を深めた。

 写真説明・ホールインワンゲームに興じる参加者たち=27日、宮古島市城辺農村環境改善センター
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水環境守り美ぎ島を/地下水保全とごみ問題を考える
県地域環境センターがシンポ開催

 県地域環境センター主催の「講話と宮古島水環境ミニシンポジウム」が二十六日、宮古島市中央公民館で開催された。東京農業大学助教授の中西康博さんと宮古福祉保健所保健総括兼生活環境班長の金城康政さんが講話し、地下水保全策とごみ問題などで提言した。参加者は美ぎ島形成に向けて、地下水を守ることの大切さについて認識を深めた。
 講話は午後六時から行われ、はじめに中西さんが地下水保全策をテーマに講演した。宮古島の地下水の現状や仕組みを紹介した上で「宮古島には十分な地下水があり恵まれた環境にあるが、一方で負荷を受けやすい」と指摘。「水質を常に監視する必要がある」として硝酸性窒素濃度を上げないような監視体制の強化を求めた。
 さらにサトウキビ作において、緩効性肥料を使用した方が良いことや速効性肥料でも時期をずらして施肥することを促した。施肥時期については収量アップの事例もあると説明。地下水への負担を軽減しながら収穫量を増やす一石二鳥効果を強調していた。
 この後、宮古福祉保健所の金城さんが宮古のごみ問題について講話。不法投棄の個所および重量が県内ワーストワンであることを説明し、「名実ともに宮古島を美しい島にできるよう、市民、環境グループ、行政、警察などそれぞれの役割分担のもと、何ができるかを考える必要がある」などと主張していた。
 講話の後、中西さんと金城さんに宮古島市地下水保全対策班調整官の梶原健次さんを加えてのパネルディスカッションが行われた。三人はそれぞれの立場から宮古の地下水保全について提言。訪れた市民らに対し、地下水を守るための方向性を伝えていた。
 参加した市民らは三人の話に耳を傾けながら宮古島の地下水について知識を深めたほか、今後の環境対策について認識を新たにしていた。

 写真説明 上・パネリストを務めた(左から)中西さん、金城さん、梶原さん=26日、宮古島市中央公民館
 写真説明 下・地下水保全について認識を深めた市民ら=26日、宮古島市中央公民館
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知恵と工夫光る/漂着物アートコンクール
9個人・団体を表彰/海洋調査研究会

 「第四回漂着物アートコンクール」(主催・海洋調査研究会)の表彰式が二十七日午後、展示会場となった平良市漁業協同組合で行われた。最高賞に当たる平良市漁業協同組合長賞を受賞した森田サダさんら九個人・団体に賞状と記念品などが贈られた。海洋調査研究会の石嶺良栄会長は「知恵と工夫を織り交ぜたユーモアたっぷりの作品ばかりだった」と総括し、入賞者の作品をたたえた。
 表彰式は午後三時から開かれた。石嶺会長は「素晴らしい作品ばかりだが、中でも大賞に選ばれた森田さんの作品には、会場に訪れた多くの人たちから称賛の声があった」などと話し、森田さんの作品の完成度を強調した。
 この後、入賞した個人や団体を表彰。入賞者をたたえるとともに、今後も漂着物アートを通して海浜を守るよう協力を呼び掛けていた。
 大賞を受賞した森田さんの作品は「花・鶴・亀貝殻細工」。たくさんの貝殻を利用し色とりどりの美しい漂着物アートを完成させた。十年ほど前から漂着物アートを始めたという森田さんは「大賞は本当にうれしい。海のきれいな空気を吸いながら、遊びつつ、仕上げた作品。これを作るときは何もかも忘れて夢中になれる」と話していた。
 このコンクールは宮古の美しい海岸を創出することを基本とし、奉仕の精神で海岸清掃を積極的に推進していくことを目的に開催している。
 各賞と作品名は次の通り。(敬称略)
 【平良市漁業協同組合賞(大賞)】森田サダ「花・鶴・亀貝殻細工」【海洋調査研究会長賞(準大賞)】パーントゥこども会「あやつりパーントゥ」【JTA賞】宮国千里「サンゴ礁のスタンド」【ホテルアトールエメラルド宮古島賞】松井潔「万華鏡」、小林慎吾「ともせば宮古」【県漁港漁場協会賞】崎原正義「曳船タニック船」【宮古テレビ賞】小禄有子・愛美「なかじゃ(台所)」【特別賞】来間小中学校「ごみだるま他」、宮国大希・立誠、照屋秀貴「パワフルキリンと白鳥の花入れ」

 写真説明・入賞した9個人・団体に賞状と記念品が贈られた表彰式=27日、平良市漁業協同組合
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船釣りに挑戦、大漁/宮島小児童が体験学習

 宮古島市立宮島小学校(伊計喜和子校長)の船釣り体験学習が二十七日、島尻漁港沖合で行われた。十七人の児童が船釣りに挑戦し、昼前には船にグルクンなどの釣果を乗せて戻り、「たくさん釣れたよ」と待ちわびた父母らに報告した。大漁の釣果は漁港内で魚汁にして食べ、児童らは自分で釣った魚の美味に舌鼓を打っていた。
 この体験学習は、海の自然の偉大さに気付かせることや、子どもたちの感性豊かな心を育てることが狙い。児童たちは午前九時ごろ、九隻の船に分乗して島尻漁港を出港し沖釣りに挑戦した。
 午前十一時三十分ごろには次々と戻り、グルクンやオジサンなどたくさんの釣果が陸に上げられた。中には二〇a以上の大物も。漁港で帰りを待っていた父母らも大漁に大喜びだった。
 児童会長の下地千尋さん(六年)は「去年より釣れなかったけど、魚釣りはやっぱり楽しかったです。魚を引き揚げるときが一番。夏休みの良い思い出になりました」と笑顔で話した。
 伊計校長は「思った以上に大漁だった。この体験学習を通して、子どもたちも漁師さんたちの苦労が分かったと思う。今後のたくましい成長につながるはずです」などと話していた。

 写真説明・グルクンなどたくさんの釣果を喜ぶ児童たち=27日、島尻漁港

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