200平成18  826 土曜日

県知事選与党陣営/仲井真氏が出馬受諾
31日に正式表明へ/稲嶺知事にも意向報告

 【那覇支局】十一月の県知事選で、与党陣営の候補者選考委員会(米村幸政委員長)から出馬要請を受けていた県商工会議所連合会会長の仲井真弘多氏(67)は二十五日、那覇商工会議所で選考委の米村委員長や選考委幹事会の知念榮治座長(県経営者協会会長)らに対し要請受諾を表明した。また、表明直後に開かれた与党や稲嶺恵一知事を支持する経済、医療福祉関連などの約百三十団体で構成する全体会議でも出馬受諾を報告し、選挙戦に向けた支持と協力を訴えた。仲井真氏は三十一日にも正式に出馬表明し、九月中旬にも選対本部を立ち上げて政策を発表する予定。

 出馬受諾の席で、仲井真氏は「出馬要請を受けて、考えに考えた結果、これまでの経験が役立つのであれば皆さんの協力、支援を受け、頑張ってみようと気力が充実したので要請を受けたい」と受諾を表明し、米村委員長らと握手した。
 受諾を受けた米村委員長は「重大な決意をしてくれてありがたく思う。決意してくれた以上、私たちも一丸となって選挙戦を戦い抜いて仲井真知事を誕生させたい」と述べた。
 記者団からの「何に取り組みたいか」の質問に対して、仲井真氏は「まだ頭の中で整理中。月末には正式な出馬表明をしたいと思うのでもう少し待ってほしい」と述べた。
 その後に行われた全体会議では、米村委員長がこれまでの選考作業の経過と仲井真氏に決定した経緯を説明し、出馬要請を仲井真氏が受諾したことを報告した。
 会議の席で仲井真氏は「先ほど、米村委員長に出馬受諾を伝えた。多くの皆さんから出馬を求められて、さらにこうして大勢の皆さんの前に立つと勇気と気力がさらにわいてきた。選挙まであと三カ月弱だが一生懸命、県民に考えを聞いてもらって良い結果が出るよう頑張りたい」とあいさつした。
 また、現在の稲嶺県政に対する考えについては「現在も稲嶺後援会の理事をやらせてもらっている。当然のこととして稲嶺県政を継承し発展させて、さらに新しい展開をするために頑張るのは当然のこと」との見解を示した。
 また、この日の午後に仲井真氏は稲嶺知事を表敬訪問し、出馬の要請を受諾した報告と稲嶺県政を継承発展させていくとの考えを示した。
 稲嶺知事は仲井真氏に対して「私も多くの県民の支援、協力に支えられて頑張れた。仲井真氏もたくさんの県民から支援される知事になってほしい」と述べた。 (垣花尚)

 写真説明・与党選考委の出馬要請に対して受諾表明した仲井真氏(中央)=25日、那覇商工会議所
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シリントーン王女が来島/タイ王国
地下ダム施設を熱心に視察

 神奈川県横浜市での国際会議出席のため二十一日から来日していたタイ王国のマハー・チャクリー・シリントーン王女が二十五日来島し、城辺の地下ダム施設を視察した。水源開発に携わるシリントーン王女はメモを取ったり写真を撮ったりしながら、地下ダムに関する担当者の説明に真剣な表情で聞き入った。
 めいのシリキティヤー・ジェンセン王女と共に来日しているシリントーン王女は同日午前、県庁で稲嶺恵一知事と会談した後、午後零時五分着の飛行機で宮古入り。伊志嶺亮宮古島市長、兼城克夫県宮古支庁長、ミス宮古ら、関係者の歓迎を受けた。
 午後二時に地下に水をためる壁(止水壁)を造るためのドリルや止水壁などを見られる地下ダム資料館に移動。「農家の負担はどのくらいか」、「地下ダムの工法はどのようになっているのか」など、宮古土地改良区や市の担当者に熱心に質問していた。
 同行したスウィット・シマサクン駐日大使は、「一般的なダムは市民の生活する場所を使うが、地下ダムならばそこに影響がない。王女殿下は水に関するさまざまな事業を考えておられるので、大変有意義な視察になった」とコメントした。
 シリントーン王女はチュラロンコーン大学文学部で学士と修士課程、シラパコーン大学考古学部で修士課程を修了、シーナカリンウィロート大学教育開発学部を修了して教育博士号を取得した。タイ国民の生活や教育のレベルを引き上げたいと、「王室プロジェクト」に尽力している。
 今回の来日では、天皇・皇后両陛下や秋篠宮殿下を訪問。東京都の日本科学未来館や東京工業大学、茨城県の筑波技術大学などを視察した。

 写真説明・地下ダム施設について熱心に視察したシリントーン王女(中央)=25日、城辺の地下ダム施設
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市民1人で借金67万5千円/市05年度決算
経常収支比率98・9%/財政の硬直化浮き彫り

 宮古島市(伊志嶺亮市長)は二十五日、二〇〇五年度普通会計の決算状況を県に報告した。歳入三百四十三億六千七百五十三万六千円に対し、歳出は三百四十二億七千九百七十六万四千円、実質収支は三千五百三十二万八千円の黒字を計上している。ただ、市の借金を示す地方債現在高は三百六十一億九百十二万二千円で、人口で換算すると市民一人当たりで約六十七万五千円の借金を抱えている。財政の弾力性を示す経常収支比率(七五%程度が安全ゾーン)は九八・九%の「危険ゾーン」。財政の硬直化を浮き彫りにしている。

 〇五年度決算は旧市町村の予算も合算して集計した。歳出を性質別に見ると、人件費の決算額は八十億四百八十二万三千円。構成比は二三・四%となっている。このうち職員給は五十四億七千五百二万七千円。生活保護法や児童福祉法、身体障害者福祉法などの法令に基づく扶助費は三十三億九千八百三十七万円を支出した。借金に当たる公債費は四十五億四千百三十七万九千円で、内訳は元利償還金が四十五億八百五十四万二千円、一時借入金利子が三千二百八十三万七千円となった。
 指数関係の状況を見ると、財政の健全性を示す指標となる実質収支比率は〇・二%(三−五%が望ましい数字)。財政負担の度合いを示し、この比率が一〇%を超えないことが望ましい公債費比率は一六・一%という高い数字を示している。
 各指標とも厳しい指数を示したが、中でも一〇〇%に近い数字となった経常収支比率について市の財政課では「いつ行き詰まってもおかしくない状況」と危機感を募らせている。今後さらに歳出抑制措置を講じて財政の健全化を目指す宮古島市だが、県の試算で約三十億円減少する新型交付税導入の政府案などもあり、財政好転に向けては予断を許さない状況が続きそうだ。

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11月5日に開催決定/第5回クイチャーフェス
出場者、スタッフ募集

 「第五回クイチャーフェスティバル2006 −揃(する)いどぅ美(かぎ)さ−」(主催・同実行委員会、宮古毎日新聞社)が十一月五日、平良のカママ嶺公園多目的広場で開催される。二十五日、実行委員会はRBCサテライトスタジオで会見を開き、出場希望者やボランティアスタッフ、大共演での三線演奏希望者、出店テナントなどの募集を呼び掛けた。
 「温故知新」「大切なものは身近な所にある」をコンセプトに二〇〇二年から開催してきた同フェスティバルは、今年で五回目。昨年の大会では過去最高の二十三団体・約千二百人の出場者が参加し、大成功を収めた。
 今大会では、沖縄盲学校に通う大城友弥君(高等部一年)をはじめ、島外の郷友会や、県外の郷友二・三世からの参加もほぼ決定しているという。
 実行委員の下地暁委員長は「サブタイトルにあるように、心と体を一体にしてそろって踊ることが、人の喜びにつながり美しいこと。沖縄盲学校に通う大城友弥君も参加するので、体の不自由な人も一緒に踊れるシーンがあれば良いと思う」と意気込みを話した。
 団体は「伝統クイチャーの部」「創作クイチャーの部」「その他」−の三部門。演舞時間は原則として▽伝統の部=五分以内▽創作の部=四分以内。創作部門に関しては@従来あるクイチャーをイメージさせる「手拍子」と「跳ね上がる振り」「円陣を組む」など一部を取り入れることA衣装・メーキャップは原則自由だが、他府県の民族衣装や沖縄本島のエイサーなどと類似しないものB曲は自由だが、「ヒヤササ」「ニノヨイサッサイ」「ヤイヤヌ」など、クイチャー本来のはやしを一部に取り入れること。
 申し込み締め切りは九月三十日まで。申込先および問い合わせは郵便番号906−0012 宮古島市平良字西里973の1(かねひで入り口 RBCサテライト内)クイチャーフェスティバル実行委員会事務局(電話75・5702)まで。

 写真説明・記者会見を開き、多数の参加と来場を呼び掛けた(右から)粟國和伸事務局長、下地実行委員長、下地一世実行委員=25日、RBCサテライトスタジオ内
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ワンがひよこのママだワン/犬がひなを育てる
西仲宗根の与那嶺さん宅

 「ワンはひよこのママだワン」?−平良字西仲宗根の与那嶺さん宅で飼われている愛犬ラッキー(メス、四歳、トイプードル)が、ひよこの子育てに奮闘している。ひなの鳴き声を聞き付け、急いで駆け付ける姿は本物の母親のよう。「犬」と「ひよこ」という珍しい親子は、周囲の話題となっている。
 今月十五日に誕生した烏骨鶏のひなは、誕生してすぐ、別のメス鳥に追い掛けられ、鶏小屋から脱出。それを見つけたラッキーが口にくわえ、家の中のベッドに持ち込み、ひなを守った。それ以来、「二人」は寝食を共にして親子のようにきずなを強めているという。
 出産経験のないラッキーだが、しぐさは母親そのもの。ひなが鳴けば近づいでおなかの中で温め、ひなが用を足した後はおしりをなめてあげるほど。知らない人が家を訪問したときには、ラッキーが警戒してひなを安全な場所に連れていく徹底ぶりだ。
 与那嶺さんは「家族全員、犬が鳥を育てるのかと驚いている。親が子を、また子が親を傷つけたりする時代の中で、こんなにほほ笑ましいことはない。今後の二人の関係が気になるところ」と目を細めた。

 写真説明・愛犬ラッキーと烏骨鶏のひな。互いに親子のように慕っている=25日、平良字西仲宗根の民家
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お年寄りにダンス出前/かりまた子供会が交流会

 かりまた子供会(狩俣弘美会長)は二十五日、デイサービスセンターまごころを訪問し、ダンスなどでお年寄りと交流を深めた=写真
 交流会には幼稚園から小学生まで約二十人が参加。男の子は「月光仮面」を舞台狭しと走り回るなど元気いっぱいに演じた。女の子は「ペコリナイト」をかわいらしく披露した。
 お年寄りは手拍子をするなど大喜び。目を細めて子どもたちの元気な姿を見詰めていた。
 交流会の冒頭、大橋優海さん(小学校六年)は「おじい、おばあに練習してきた踊りで楽しんでほしい。後でたくさん話を聞かせてください」とあいさつした。
 踊りの後は、一緒におやつを食べて交流を深めた。
 最後は、子どもたちとお年寄りが一人ひとり握手を交わし、「楽しかったよ」「ありがとう」などと言葉を交わしていた。
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