200平成18  820 日曜日

バイオエタノール設備/生産能力をアップへ
現状の5倍、日産1200g可能に/
改造工事、10月スタート

 【那覇支局】宮古島市下地の沖縄製糖宮古工場内にあるバイオエタノール生産設備について、現在の生産量から四−五倍の生産を可能にする改造工事を十月からスタートすることが十九日までに分かった。同設備は、環境省の地球温暖化対策技術開発事業の一環で設置され、同省から委託を受けた石油卸会社りゅうせきの産業エネルギー事業本部(本部長・神田正年常務取締役)のバイオエタノールプロジェクト推進室(奥島憲二室長)が実証実験を展開している。

 奥島室長によると「現在は、バイオエタノールを生産するための技術開発段階。今回の改造工事は十月から着工し、現在の生産能力の四倍から五倍にする。さらに製造コストダウンを図るための省エネシステムも導入する」と説明した。
 同設備は、サトウキビを搾った後の廃糖蜜を原料に、バイオエタノール(ガソリンに混ぜる燃料)を製造するもので現在、一日で生産できるバイオエタノールは二百−二百五十g。今回の改造工事では一日当たり千二百gが生産できるようになる。
 環境省の同事業に対する本年度予算は三億五千万円で、今回の改造工事もその予算内で行われ、年度内は終了する予定となっている。また、バイオエタノールに関しては、農水省が来年度予算の概算要求に総額約百億円を盛り込むことを決定している。
 現在、宮古で行われている実証実験は、バイオエタノール三%をガソリンに混ぜて「バイオエタノール混合ガソリン(E3)」を造り、公用車に給油して性能などを調べている。 (垣花尚)

◆ことば◆
 バイオエタノール サトウキビなど植物に含まれる糖を発酵・蒸留させて作るアルコールの一種。温室効果ガスの排出量はゼロとみなされ、石油代替燃料として注目されている。石油代替エネルギーとして米国やサトウキビの大産地のブラジルなどで普及しており、現在、宮古島で環境省が各種実験を実施している。

 資料写真・10月から改造工事が行われる下地のバイオエタノール生産設備
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空から降下 小魚を捕食/オオアジサシ
佐良浜漁港

 夏鳥のオオアジサシ(カモメ科)四羽が、宮古島市伊良部の佐良浜漁港で滞在。時折、上空を旋回しながら降下し、豪快に小魚を捕らえるなど、愛鳥家たちの目を楽しませている。
 日本では尖閣列島などで繁殖する。くちばしは細くて長い黄色。夏羽は、後頭部のぼさぼさした冠羽が特徴。
 滞在中の四羽のうち一羽は、冬羽で見られる前頭部の白が目立つようになっている。全長は四五a。
 来月には、尖閣列島か南方へ旅立っていく。

 写真説明 右・上空を旋回した後、降下し小魚を捕らえるオオアジサシ。同左・見事に小魚を捕らえたオオアジサシ=17日、佐良浜漁港(撮影・伊良波彌)
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10時間走り募金集める/高校生100人が挑戦
チャリティーフェスタ2006 10RUN
オニヒトデ駆除などに協力

 高校生が一周四百bトラックをリレー方式で十時間走り続け、その周回数に応じて賛同企業から募金を募る「チャリティーフェスタ2006−10RUN−」(主催・同実行委員会)が十九日、宮古島市陸上競技場で行われた。五チーム約百人の高校生が力を合わせてトラックを力走。五十人のサポーターが選手を支えた。事前に協力を約束した企業は約四十社。集まった募金は、宮古島近海のオニヒトデ駆除と北中城村土砂災害被災者に送られる。

 このチャリティーフェスタは、「宮古から世界を変えていこう!」をテーマに高校生が企画・運営する十時間耐久リレー。募金を協力する企業とともに社会貢献の一端を担い、地域交流や仲間の団結を深めようと開催している。
 スポンサーとなる企業は、トラック一周分の募金金額をあらかじめ決めておき、最終的な周回数に応じて合計額を協力するシステム。
 ランナーらは、一周でも多く走ろうと真剣にバトンをつなぎ、サポーターたちはランナーの体調管理支援や事務的作業などに汗を流した。
 古謝友恵実行委員長(宮古高校三年)は「特に、昨年も協力して頂いた企業の方々は趣旨を理解して継続してくれる人たちが多い。企業の皆さんにはもちろん、土台を築いた先輩たちに感謝したい」と話し「この取り組みが今後ますます地域に浸透して協力の輪が広がるよう、しっかりと運営して継続発展を目指したい。来年は協力企業百社を目標に頑張りたい」と展望を話した。
 また、今回は、取り組み着手の遅れからランナーの所属高校が偏ったことなどを反省点に挙げ「次回からは各高校のランナーをお願いするとともに、PTAの皆さんにも後方支援をお願いしたい」と協力も求めた。

 写真説明 上・10時間走り通し、笑顔を見せる高校生ら=19日、宮古島市陸上競技場
 写真説明 下・募金活動の一環で10時間リレーに挑む高校生ら=19日、宮古島市陸上競技場
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子牛平均45万3600円の高値/8月肉用牛競り
キロ単価は1696円、前月比60円高

 宮古本島の八月期肉用牛競りが十九日、JAおきなわ宮古家畜市場で開かれ、子牛(生後十二カ月以内)の一頭平均価格は四十五万三千六百二十四円で、前月に比べて一万四千百二十二円高かった。平均キロ単価は前月比六十円高の千六百九十六円となり前月に比べて高値の取引となった。成牛を含めた競り販売額は前月比三千六百二十六万九千百円減の一億四千十七万二千九百円だった。
 今月の競りには子牛二百九十八頭(去勢百六十頭、雌百三十八頭)が上場され、二百九十七頭の取引が成立した。
 性別で見る一頭平均価格は去勢が四十九万一千五百三十一円、雌が四十万九千三百五十四円。子牛のみの販売額は一億三千四百七十二万六千五百五十円。最高値を付けた牛は七十万一千四百円だった。
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F与那覇、2部門制覇/C級優勝は宮古の消防人
當間杯軟式野球

 第四十二回當間杯全宮古軟式野球宮古地区大会(主催・宮古野球連盟)は十九日、宮古島市営球場でB級、C級、成年の三部門の決勝が行われた。熱戦の結果、ファミリー与那覇がB級と成年の二部門を制覇した。C級は宮古の消防人が初優勝した。結果は次の通り。
 【成年の部・決勝】
REDおじさん
 001│1
 236x│11
ファミリー与那覇
※三回コールド
(R)池間、下地義−友利
(フ)川満−砂川
▽三塁打=川満(フ)
▽二塁打=与那覇武、石嶺(フ)
 ▼個人賞▽殊勲賞=川満隆男(ファミリー与那覇)▽敢闘賞=下地義教(REDおじさん)▽打撃賞=砂川安男(同)6割3分6厘
 【評】ファミリー与那覇がそつのない攻撃でp点を奪い、三回コールド勝ちを収めた。初回に与那覇武の左中間二塁打などで2点を先制し、二回には3点を加えた。三回には打者一巡の猛攻。三つの四球に4安打を絡め一挙6点を挙げ、コールドで優勝を飾った。
 【C級の部・決勝】
宮古の消防人
 04105│10
 00000│0
宮古高校
※五回コールド
(消)恩河−川根
(高)前泊、友寄、平山、高嶺−高嶺、山城
▽二塁打=石嶺、下地秀、川根、狩俣(消)
 ▼個人賞▽殊勲賞=恩河広明(宮古の消防人)▽敢闘賞=前泊大雅(宮古高校)▽打撃賞=狩俣勝彦(宮古の消防人)7割5分
 【評】宮古の消防人が投打で圧倒した。二回に無死満塁のチャンスをつくると、連続補逸などで4点を先制。五回には4連打で5点を奪い試合を決めた。投げては恩河が五回を完封。1安打6三振の快投で初優勝に貢献した。
 【B級の部・決勝】
ファミリー与那覇
 0000301│4
 0000101│2
鏡原少年野球父母会
(フ)前川寿−前川直
(鏡)仲宗根−砂川
▽本塁打=石嶺(フ)
▽二塁打=石嶺(フ)、仲宗根(鏡)
 ▼個人賞▽殊勲賞=石嶺明男(ファミリー与那覇)▽敢闘賞=仲宗根哲男(鏡原少年野球父母会)▽打撃賞=宮川悟(同)4割1分7厘
 【評】ファミリー与那覇の前川寿、鏡原少年野球父母会の仲宗根両投手が緊迫した投手戦を演じた。均衡が破れたのは五回、ファミリーは相手エラーで1点を先制すると、直後に石嶺が左翼に二点本塁打を放ち、3点をもぎ取った。前川寿は安定した投球を披露。要所を締め2失点で完投した。

 写真説明 上・強力打線で初優勝を飾った宮古の消防人ナイン=19日、宮古島市営球場 同下・B級と成年の2部門を制覇したファミリー与那覇ナイン=19日、宮古島市営球場
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自然環境に目を向けて/県民カレッジ
大野山林に学ぶ/岡さんが講師

 二〇〇六年度おきなわ県民カレッジ−宮古地区広域学習サービス講座−の第六回講座「大野山林に学ぶT 自然いっぱい、貴重な動植物」が十九日、県立宮古少年自然の家で行われ、同所の主任専門職員、岡徹さんが講師を務めた。岡さんは、宮古で見られる動植物などを写真で紹介し、自然環境が変わりつつあることに問題意識を高めるよう提起した。次回に連続の二回シリーズ。
 岡さんは、在来種、外来種の生物などの写真を次々に紹介。「街路樹などにテリハボクを植えたことで、実を餌とするオオコウモリが増えた。人間の事業が動物にひいきをした形になった」「野球場やゴルフレンジなどの光に群がる虫が餌になるため、十数年前までは宮古島にいなかったアオバズクが見られるようになった」などと例を挙げ「環境の変化によって生息する生き物が変わっている。いろいろな生き物がいて良かった、と単純に言えるものではない」と話した。
 また「山林に道路を造るのは、人間にとっては便利だが、生き物にとっては生息面積が少なくなるということ」と、人間の活動が自然界に及ぼす影響を具体的に話した。

 写真説明・大野山林の動植物を通して自然や環境について学んだ=19日、県立宮古少年自然の家
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