2006年(平成18年)
8月20日 日曜日
☆
バイオエタノール設備/生産能力をアップへ
現状の5倍、日産1200g可能に/改造工事、10月スタート
【那覇支局】宮古島市下地の沖縄製糖宮古工場内にあるバイオエタノール生産設備について、現在の生産量から四−五倍の生産を可能にする改造工事を十月からスタートすることが十九日までに分かった。同設備は、環境省の地球温暖化対策技術開発事業の一環で設置され、同省から委託を受けた石油卸会社りゅうせきの産業エネルギー事業本部(本部長・神田正年常務取締役)のバイオエタノールプロジェクト推進室(奥島憲二室長)が実証実験を展開している。
奥島室長によると「現在は、バイオエタノールを生産するための技術開発段階。今回の改造工事は十月から着工し、現在の生産能力の四倍から五倍にする。さらに製造コストダウンを図るための省エネシステムも導入する」と説明した。
同設備は、サトウキビを搾った後の廃糖蜜を原料に、バイオエタノール(ガソリンに混ぜる燃料)を製造するもので現在、一日で生産できるバイオエタノールは二百−二百五十g。今回の改造工事では一日当たり千二百gが生産できるようになる。
環境省の同事業に対する本年度予算は三億五千万円で、今回の改造工事もその予算内で行われ、年度内は終了する予定となっている。また、バイオエタノールに関しては、農水省が来年度予算の概算要求に総額約百億円を盛り込むことを決定している。
現在、宮古で行われている実証実験は、バイオエタノール三%をガソリンに混ぜて「バイオエタノール混合ガソリン(E3)」を造り、公用車に給油して性能などを調べている。
(垣花尚)
◆ことば◆
バイオエタノール サトウキビなど植物に含まれる糖を発酵・蒸留させて作るアルコールの一種。温室効果ガスの排出量はゼロとみなされ、石油代替燃料として注目されている。石油代替エネルギーとして米国やサトウキビの大産地のブラジルなどで普及しており、現在、宮古島で環境省が各種実験を実施している。
資料写真・10月から改造工事が行われる下地のバイオエタノール生産設備
|
☆
空から降下 小魚を捕食/オオアジサシ
佐良浜漁港
☆
10時間走り募金集める/高校生100人が挑戦
チャリティーフェスタ2006 10RUN/オニヒトデ駆除などに協力
高校生が一周四百bトラックをリレー方式で十時間走り続け、その周回数に応じて賛同企業から募金を募る「チャリティーフェスタ2006−10RUN−」(主催・同実行委員会)が十九日、宮古島市陸上競技場で行われた。五チーム約百人の高校生が力を合わせてトラックを力走。五十人のサポーターが選手を支えた。事前に協力を約束した企業は約四十社。集まった募金は、宮古島近海のオニヒトデ駆除と北中城村土砂災害被災者に送られる。
このチャリティーフェスタは、「宮古から世界を変えていこう!」をテーマに高校生が企画・運営する十時間耐久リレー。募金を協力する企業とともに社会貢献の一端を担い、地域交流や仲間の団結を深めようと開催している。
スポンサーとなる企業は、トラック一周分の募金金額をあらかじめ決めておき、最終的な周回数に応じて合計額を協力するシステム。
ランナーらは、一周でも多く走ろうと真剣にバトンをつなぎ、サポーターたちはランナーの体調管理支援や事務的作業などに汗を流した。
古謝友恵実行委員長(宮古高校三年)は「特に、昨年も協力して頂いた企業の方々は趣旨を理解して継続してくれる人たちが多い。企業の皆さんにはもちろん、土台を築いた先輩たちに感謝したい」と話し「この取り組みが今後ますます地域に浸透して協力の輪が広がるよう、しっかりと運営して継続発展を目指したい。来年は協力企業百社を目標に頑張りたい」と展望を話した。
また、今回は、取り組み着手の遅れからランナーの所属高校が偏ったことなどを反省点に挙げ「次回からは各高校のランナーをお願いするとともに、PTAの皆さんにも後方支援をお願いしたい」と協力も求めた。
写真説明 上・10時間走り通し、笑顔を見せる高校生ら=19日、宮古島市陸上競技場
写真説明 下・募金活動の一環で10時間リレーに挑む高校生ら=19日、宮古島市陸上競技場
|
☆
子牛平均45万3600円の高値/8月肉用牛競り
キロ単価は1696円、前月比60円高
宮古本島の八月期肉用牛競りが十九日、JAおきなわ宮古家畜市場で開かれ、子牛(生後十二カ月以内)の一頭平均価格は四十五万三千六百二十四円で、前月に比べて一万四千百二十二円高かった。平均キロ単価は前月比六十円高の千六百九十六円となり前月に比べて高値の取引となった。成牛を含めた競り販売額は前月比三千六百二十六万九千百円減の一億四千十七万二千九百円だった。
今月の競りには子牛二百九十八頭(去勢百六十頭、雌百三十八頭)が上場され、二百九十七頭の取引が成立した。
性別で見る一頭平均価格は去勢が四十九万一千五百三十一円、雌が四十万九千三百五十四円。子牛のみの販売額は一億三千四百七十二万六千五百五十円。最高値を付けた牛は七十万一千四百円だった。
|
☆
F与那覇、2部門制覇/C級優勝は宮古の消防人
當間杯軟式野球
☆
自然環境に目を向けて/県民カレッジ
大野山林に学ぶ/岡さんが講師
二〇〇六年度おきなわ県民カレッジ−宮古地区広域学習サービス講座−の第六回講座「大野山林に学ぶT 自然いっぱい、貴重な動植物」が十九日、県立宮古少年自然の家で行われ、同所の主任専門職員、岡徹さんが講師を務めた。岡さんは、宮古で見られる動植物などを写真で紹介し、自然環境が変わりつつあることに問題意識を高めるよう提起した。次回に連続の二回シリーズ。
岡さんは、在来種、外来種の生物などの写真を次々に紹介。「街路樹などにテリハボクを植えたことで、実を餌とするオオコウモリが増えた。人間の事業が動物にひいきをした形になった」「野球場やゴルフレンジなどの光に群がる虫が餌になるため、十数年前までは宮古島にいなかったアオバズクが見られるようになった」などと例を挙げ「環境の変化によって生息する生き物が変わっている。いろいろな生き物がいて良かった、と単純に言えるものではない」と話した。
また「山林に道路を造るのは、人間にとっては便利だが、生き物にとっては生息面積が少なくなるということ」と、人間の活動が自然界に及ぼす影響を具体的に話した。
写真説明・大野山林の動植物を通して自然や環境について学んだ=19日、県立宮古少年自然の家
|
|