200平成18  818 金曜日

A重油値上げ漁民生活直撃/昨年4月以降4割以上の高騰
漁獲高低迷とダブルパンチ

 宮古島市の伊良部漁業協同組合のA重油値上げ(消費税込み)が十七日、決まり、三漁協(伊良部、池間、平良市)に所属する漁船へ販売するA重油の新価格が出そろった。近年漁獲高が低迷する中での値上げは、漁民の生活を直撃。特に離島の伊良部漁民への影響は大きい。

 原油高騰などでコストが増え、石油元売り大手各社が石油製品の卸価格を値上げしたことが要因。
 伊良部漁協では、一g当たり四円二十銭値上げし、八十四円(消費税込み)とした。昨年四月の一g当たり五十八円以降、約一年三カ月で二十六円高騰。現在の漁船の日帰り操業での燃料費負担は、同四月時点と比べると、五千―一万円増となった。
 池間漁協は、燃料販売を行っていない。地元の池間石油販売所が、漁船に販売・給油する。今月三日に一g当たり五円値上げし、八十二円に。一方、平良市漁協は十四日に一g当たり七円値上げし、八十二円とした。
 伊良部では、佐良浜地区に漁民は集中する。カツオ一本釣り漁船の船長の一人は「今期のカツオ一本釣り操業は、例年にない不振。日帰り操業の燃料費負担は三万円から四万円。今回のA重油値上げで経営は厳しい」と複雑な表情で語った。(伊良波彌)
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きょうから全宮古書道展/書心会・本社主催
「唐代の書」 を特別展示

 第二十五回全宮古書道展(主催・書心会、宮古毎日新聞社)がきょう十八日、宮古島市中央公民館大ホールで開幕する。二十日まで。時間は午前十時から午後六時まで。二十日は午後五時まで。入賞作品千八十五点が展示されるほか、二十五回の節目を記念した特別企画展「唐代の書」で、滋賀県の書道博物館「観峰館」の資料約二十点が展示される。主催者は多数の来場を呼び掛けている。
 表彰式は二十七日にホテル共和新館で行われる。児童の部、秀墨賞は午前十時三十分開式、児童の部、高校・一般の部、特別賞は午後二時開式。
 唐代の書の展示作品は次の通り。(カッコ内は作者名)
 ▽臨蘭亭叙(胡位咸)▽臨蘭亭叙(胡位咸)▽臨集字聖教序(沈景修)▽臨集字聖教序(童華)▽臨集字聖教序(念萱)▽臨書譜(復)▽集字聖教序(王羲之)▽臨蘭亭叙(蕭蛻)▽楷書対聯(陳寶  )▽楷書軸(銭崇威)▽紅紙楷書対聯(華世奎)▽臨道因法師碑四屏(蕭蛻)▽臨争座位帖四屏(呉雲)▽九成宮醴泉銘(欧陽詢)▽孔子廟堂碑(虞世南)▽興福寺断碑(王羲之)▽雁塔聖教序(〓遂良)▽顔氏家廟碑復元石碑(顔真卿)▽臨集字聖教序(ケ散木)

 写真説明・作品展示の準備作業に追われる関係者ら=17日、宮古島市中央公民館
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ウフミおばあますます元気で/150人集いカジマヤー祝う
伊良部/歌や踊り盛大に披露

 「ウフミおばあ、いつまでもお元気で」─。宮古島市伊良部字仲地の下地ウフミさんォーのカジマヤー祝いが十六日夜、市内のホテルで行われ、親族や知人ら約百五十人が集まって下地さんの長寿を盛大に祝福した。祝席では歌謡ショーや舞踊が華やかに繰り広げられたほか、参加者が次々に乾杯の音頭を取って下地さんの人柄をたたえ、祝辞を述べるとともに長寿をあやかろうと願いを込めた。下地さんは「大勢集まってくれて感激している。幸せです」と喜びの表情を見せた。

 カジマヤーは、数え年九十七歳の長寿を祝福する沖縄特有の祝い。下地さんは、子ども三人、孫六人、ひ孫十四人に恵まれ、温厚な性格で周囲の人々に慕われているという。歌が大好きで、伊良部トーガニまつりでチャンピオンに輝いたこともある実力者。この日は、本土で暮らす孫の下地勝良さんが祖母の長生きを喜ぶとともに、地元で祖母を支える人たちに謝意を表そうと盛大な祝席を設けたという。
 宴席は、上野地区出身の演歌歌手、宮園ゆう子さんが歌謡ショーで盛り上げるなど華やいだ雰囲気で進められた。下地さんは「みんなに囲まれてうれしい。私はまだまだ若いので百歳を超えても皆と仲良く過ごしたい」と穏やかな笑顔を見せた。
 下地さんのおいの下地一富さんは「活発な性格で病気知らず。周りのみんなに安心感を与えてくれる。これからもますます元気でいてほしい」と話した。
 めいの伊良部照美さんと下地恵子さんは「知的で優しく、怒った顔を見たことがない。同じ女性として尊敬している」と口をそろえた。
 また、旧伊良部町長の浜川健さんも駆け付け「大勢で下地さんの長寿を祝うことができてうれしい。健康をあやかりたい」と祝福した。

 写真説明 上・下地ウフミさん
 写真説明 下・下地さんの長寿を祝して乾杯=16日、伊良部地区のてぃだの郷
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重度身障者食費補助廃止/「苦渋の選択」を強調
市議会文社委/伊志嶺市長が見解

 宮古島市議会文教社会委員会(佐久本洋介委員長)が十七日午前、市役所平良庁舎の同委員会室で開かれ、六月定例会に提案され継続審議となっている、重度心身障害者医療費助成事業のうちの入院時食事療養費助成廃止案について、提案者である伊志嶺亮市長の意見を求めた。異例の出席となった伊志嶺市長は「厳しい財政状況の中で市としての負担は難しい。本当に苦渋の選択」とこれまでの方針を繰り返し強調。「(福祉行政の)他の面で目に見える形でこれに見合う分を提示していく」と理解を求めた。委員の意見もまとまらなかったため、結論は次回二十一日の委員会に持ち越された。
 入院時食事療養費助成は、重度心身障害者医療費助成事業の中で実施され、二〇〇五年度実績では約二千万円を補助している。県と宮古島市が五〇%ずつを負担してきたが、県は七月末での助成廃止を決定。市当局も「単独での補助は厳しい」と助成に関する条例廃止案を市議会六月定例会に提出し、継続審議中。可決されれば助成廃止は県内十一市では初となる。
 説明の中で伊志嶺市長は、「(四月施行の)障害者自立支援法では、市町村が必ずやらなければならない地域生活支援事業がある。その事業に充当すれば、いろいろな活用ができる。福祉の後退にはならない」と主張した。また、地域生活支援事業のシステムについて、「国や県が予算枠を決めて、市町村に責任を押し付けるやり方には不満」と批判し、「県に対して食費補助の継続を要請したいと考えており、議会からも(要請を)出してほしい」と述べた。
 委員からは、同日での結論を求める意見や、全会一致を求める意見などがあり、二十一日の委員会まで結論は先送りとなった。

 写真説明・重度心身障害者の入院時食費助成廃止案について、伊志嶺市長(右から3人目)が出席し、説明した=17日、宮古島市役所平良庁舎

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住警器で被害防止を/市社協城辺支所
兼島さん(市消防本部)が防災・防火講話

 宮古島市社会福祉協議会城辺支所(吉永洋子支所長)は十七日、市消防本部上野出張所の兼島広行警備係長を講師に招き、デイサービス利用者を対象に防災・防火講話を行った。
 この講話は、高齢者の安全確保に役立てることが狙い。兼島係長は、住宅火災による主な死亡原因は「逃げ遅れ」とし、高齢者が死亡する割合が高いことを指摘。消防法により、今年六月以降の新築住宅には煙感知式の住宅用火災警報器の設置が義務付けられていることなどを紹介し「火災の犠牲者を減らすためには、寝室に感知器を設置することが効果的」と話した。
 また、住宅用火災警報器の購入に当たっては「消防用設備業者、電器店、ガス店などで販売している。消防署では販売していないので、悪質な訪問販売には十分気を付けて」と注意を呼び掛けた。
 講話の締めくくりには「お年寄りの皆さんは、長い人生で培った知識と知恵で災害に対処してほしい」と年配者への敬意を表した。
 この講話は、城辺地区の高齢者が学区別に参加する同所のデイサービスで、十四日から行われている。

 写真説明 上・兼島広行さん
 写真説明 下・重度心身障害者の入院時食費助成廃止案について、伊志嶺市長(右から3人目)が出席し、説明した=17日、宮古島市役所平良庁舎

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ジュニア楽団設立へ第一歩/ミュージックサマーキャンプガラコンサート
宮古・東京の子どもら名曲演奏

 宮古島ミュージックサマーキャンプガラコンサート(主催・同実行委員会)が十六日夕、マティダ市民劇場で開かれた。宮古島市と東京でバイオリンなどの弦楽器を学ぶ生徒らが、クラシック音楽や宮古民謡など幅広いジャンルの名曲を演奏。聴衆らは美しい調べに酔いしれていた。
 このコンサートは、東京でバイオリンの演奏、指導を行う天野誠・智美夫妻が発起人となり、宮古島と東京の子どもたちが共に音楽を楽しむことと、宮古にジュニアオーケストラを設立する計画の第一歩として開催された。
 オープニングはバイオリンを習い始めたばかりの子どもたちによる合奏。「きらきら星」を緊張した面持ちで演奏し、大きな拍手を受けた。
 弦楽器と管楽器などあらゆる楽器に合唱をコラボレートし「アベマリア」などクラシックの名曲が披露された。フィナーレは宮古民謡の「トーガニあやぐ」で壮大なフィナーレを飾った。
 集まった市民らは荘厳な音色にうっとりとした表情を浮かべ聞き入っていた。
 伊志嶺亮市長は「宮古ではオーケストラの生演奏に触れる機会がなかなかない。この機会にクラシック音楽の楽しさ、奥深さを感じ取ってほしい」と述べた。

 写真説明・オープニングで「きらきら星」を披露する子どもたち=16日、マティダ市民劇場
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