200平成18  817 木曜日

14年ぶりに20億円下回る/06年産葉タバコ
買い入れ終了/
販売額は19億7000万円

 宮古地区の二〇〇六年産葉タバコの買い入れが十六日、終了した。県たばこ耕作組合によると、販売重量は前年より約七d少ない千六十二d、販売金額は前年比約三千八百六十六万円減の十九億七千五十六万八千百五十五円となり、生産農家にとっては三年連続で厳しい実績となった。栽培面積の減少などで収量、販売金額ともに減少した。販売金額が二十億円を下回るのは十四年ぶり。
 今期産葉タバコは植え付け直後に日照不足があった。その後は天候に恵まれ順調に生育したが、収穫期後半の降雨の影響で収量は伸び悩んだ。
 反収は百六十八`と昨年より一`減、キロ単価は前年より二十三円安い千八百五十六円だった。全体の販売金額から割り出した農家一人当たりの平均手取り額は約千百六十万円。
 県たばこ耕作組合宮古地区連合会の新里猛会長は「無事に日程通り終了してほっとしている。最初から厳しいと分かっていた。農家も努力したが収量が少なかった。来季に向けて土づくりなどの下準備が必要」と述べた。
 〇六年産葉タバコの栽培面積は計六万三千二百十三eで前期比八十七eの減少。地区別に見ると▽平良八千六百四十e▽城辺二万三千二十e▽下地一万四千百三十三e▽上野一万一千四百六十e▽伊良部三千六百五十e▽多良間村二千三百十e−となっている。
 農家戸数は▽平良二十五戸▽城辺五十戸▽下地三十八戸▽上野三十一戸▽伊良部十五戸▽多良間村十一戸−の計百七十戸。
 今期葉タバコの買い入れは先月十一日に上野地区の農家を皮切りにスタートした。今月十六日まで多良間村、平良、伊良部、城辺、下地の順に買い入れが続いた。

 写真説明・下地地区の農家の葉タバコ買い入れが行われた最終日=16日、日本たばこ産業沖縄原料本部宮古取扱所
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援農の輪広がる/慶応11静岡大生ら11人
キビ夏植えに奮闘

伊良部/
佐和田さんが6年間受け入れ

 本土の慶応大学と静岡大学の学生・OBら男女11人が宮古島市伊良部を訪れ、サトウキビ夏植え援農隊として奮闘し話題を集めている。暑い日差しと高温土壌の中で、学生らは奮闘している。学生らは、キビの山を前に「おじいやおばあたちが喜んでくれるので、ボランティア作業は苦にならない」とさわやかな表情で語った。地元の佐和田涼子さん(55)=字佐和田=は援農隊を受け入れて今年で6年目で「伊良部でも高齢化が進み、農家は人手不足。援農隊には、感謝でいっぱい」と話し、学生ら一人ひとりの体調を気遣った。今年を含めた6年間の援農隊は延べ50人。援農隊と佐和田さんとの人情深い交流は、これからも続く。

 今回来島した援農隊は、慶応大学OBの浅古尚子さん(25)と岡崎浩平さん(30)のほかに、学生の栗原慎平さん(23)、中村亜美さん(23)、植村麻美子さん(21)、伊藤光さん(18)、佐藤貴紀さん(19)、鳥井敦史さん(22)の八人。大学の農作業サークル「八百藤」のメンバーらだ。
 一方、静岡大学が学生の大川若菜さん(21)、齊藤美穂さん(22)、大漉尚子さん(23)の三人。
 六年前、キビの夏植えを最初に体験したのは、浅古さんだった。「新しい観光研究で、初めて伊良部島に訪れた。その時、おじいとおばあがキビの夏植えをしているのを見て、大変な農作業と思い、手伝おうと思った」と振り返り、額の大粒の汗をぬぐった。
 浅古さんのホットなボランティア作業は、学生の間に口コミで広がり、今年で六年目を迎えた。
 今期のキビの夏植え体験では、植村さんが代表となって呼び掛けた。その結果、全員で十一人が集まった。
 植村さんは「佐和田涼子さんが、家族のように受け入れてくれるので、大変うれしい」と感謝の意を表し、麦わら帽子を脱いで首筋の汗をふいた。
 佐和田さんは「学生らの考え方はしっかりしていて、もののとらえ方が理解できる」と、学生らの学問への探究心や人生観などを評価した。

 写真説明・キビの夏植えに訪れた援農隊=15日、宮古島市伊良部

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一両日中に提訴へ/市社協に給与差額を請求
伊良部支所介護職員9人

 宮古島市社会福祉協議会が今年四月に就業規則を改正し、伊良部支所の介護職員の給与を合併前より大幅に引き下げた問題で、介護職員九人が就業規則は無効として、市社協を相手に合併前の給与差額と精神的な苦痛を受けた慰謝料の支払いを求める賃金請求および損害賠償の提訴を一両日中に、那覇地方裁判所平良支部に起こす方針を固めた。十六日、宮古島市ひまわり基金法律事務所で、原告訴訟代理人の中村昌樹弁護士と介護員らが記者会見し、明らかにした。
 この労働訴訟では、今年四−七月までの四カ月分の給与と合併前の給与との差額と慰謝料を含む総額二千万円強の支払いを求める。
 旧市町村の社会福祉協議会は、旧市町村の合併に伴い宮古島市社協に合併された。今年四月から統一した就業規則を適用。伊良部支所の介護職員らは、合併前は旧伊良部町の職員に準じて給与が支払われていた。
 市社協は四月、介護職員十数人に辞令交付しようとしたが、介護職員らは拒否。介護職員らは、合併前の給与より大幅に引き下げられたとして反発した。ボーナスは三−五割カットされた。
 一方、市社協は辞令交付を拒否されたことから、月額で最大約六万二千円の加算調整手当を提示したが、介護職員らは納得しなかった。
 中村弁護士は「介護職員らは、一方的に不利益となっており、介護職員の権利を回復させたい。介護職員の中には、再来年定年退職する人もおり、早めの結審を望んでいる」などと述べた。
 介護職員の浜川一美さん(58)、下里美枝子さん(46)は「市社協は、第一線の現場で働いている私たちのことを十分理解してほしい」と訴えた。

 写真説明・提訴の内容などについて語る中村弁護士と関係者ら=16日、宮古島ひまわり基金法律事務所
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10月29日に開催/タートルマラソン
来月から参加受け付け

 第三十回東平安名崎タートルマラソン大会(第一回宮古島市民マラソン大会、主催・宮古島市など)は、十月二十九日に開催される。申込期間は九月一日から同三十日まで。参加料は一般二千五百円、高校生以下が千円。申込先は市総合体育館(電話73・4469)。十六日に行われた同大会総会で承認された。
 総会では、宮古島市長の伊志嶺亮大会長が大会役員、実行委員会、競技運営委員会に委嘱状を交付。「三十回の節目の年でもあり、良い大会が開催できるようしっかり準備を進めていこう」とあいさつした。第三十回大会の実施要項、収支予算、第二十九回大会の実績、決算など四議案が審議され承認された。
 大会各コースは▽Aコース(二二・五`)が市陸上競技場−東平安名崎公園▽Bコース(十`)が市城辺陸上競技場−東平安名崎公園▽Cコース(七`)が福嶺中学校グラウンド−東平安名崎公園▽Dコース(二`)が東平安名崎入り口−東平安名崎公園−となっている。申込者は、所定の申込書と誓約書に必要事項を記入の上、参加料と合わせ現金書留か直接事務局に申し込む。市総合体育館の住所は〒906−0007宮古島市平良字東仲宗根676の1。
 大会受付は、十月二十八日に市総合体育館で行う。時間は午後三時から同六時まで。大会当日の開会式はAコースが午前九時から市陸上競技場で、残りの各コースは、各スタート会場で午前九時三十分から行われる。
 同大会収支予算は、六百五十五万一千百九十円。
 前回の第二十九回大会の出場者は千九百七十三人で完走者千九百七十二人、完走率は九九・九%だった。決算は、歳入が六百七十三万八千五百八十九円、歳出が六百二十三万八千三百九十九円で、五十万百九十円が繰り越された。

 写真説明・第30回タートルマラソンの実施要項などが承認された総会=16日、宮古島市総合体育館
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亀浜さん(北中1年)ら5人が特選/夏休み子供吟行会
自然の中で俳句詠む

 夏休み子供吟行会(主催・宮古ジュニア俳句育成会、共催・NPO法人おきなわ環境クラブ)が十六日、下地字川満のウプカーマングローブ遊歩道で行われた。幼稚園児から高校生まで三十一人が参加し、自然の中を散策しながら俳句を詠む楽しさを味わい、感性光る作品を作り出した。審査の結果、亀浜美香さん(北中一年)ら五人が特選に選ばれ、十五人が入選した。
 吟行会は、子どもたちが俳句づくりの楽しさを味わいながら感性を磨くことを目的に、昨年に引き続き今年で二回目の開催。宮古エコツアーガイドの山本ゆかりさん、「円虹」主宰の山田弘子さんが講師を務め、マングローブの生態系や自然の豊かさ、俳句の詠み方、取り組み方などを伝えた。
 参加者たちは山本さんの説明を受けながら遊歩道を歩いて吟行。「五・七・五」のリズムに合わせて見たものや感じたものを文字にして、一句一句を丁寧に詠んでいった。
 特選に選ばれた屋嘉比涼香さん(平一小五年)は「あかいカニ ベニシオマネキ てれてるぞ」と、赤い色の様子に人間の表情を重ねて表現した。屋嘉比さんは「特選とは思わなかったのでうれしかった」とほほを染めた。福原吟子さん(平良中二年)は「集ろう 森のお祭り 皆もどうぞ」の句で入選。「密集しているマングローブがにぎやかに、まるでお祭りをしている様子を詠んだ」と笑顔で話した。
 入選者は次の通り。(敬称略)
 【特選】▽「マングローブ 水の中から 芽がでてる」亀浜美香(北中一年)▽「あかいカニ ベニシオマネキ てれてるぞ」屋嘉比涼香(平一小五年)▽「あつい日は 水がキラキラ 光りだす」伊志嶺周斗(南小五年)▽「あつい日に マングローブが おどりだす」伊志嶺斗夢(同)▽「うらやましい ヤエヤマヒルギの 長い足」下地麻依(平良中三年)
 【入選】▽「集ろう 森のお祭り 皆もどうぞ」福原吟子(平良中二年)▽「ボラの子が 夏を満きつ 群れなして」伊地志織(同三年)▽「あかいカニ きれいなハサミ かっこいいよ」奥平龍斗(城辺小二年)▽「夏の川 テレピアのむれ 百くらい」山里真実(南小二年)▽「カニさんは なぜよこあるき なのかなあ」いけだりく(みつば保育園)▽「かい水で アメンボいっぱい およいでる」ともりなほ(平一小三年)▽「さかなたち みんなで泳ぎ シンクロだ」具志堅望(下地小四年)▽「みずのうえ あめんぼ競歩 みているよ」屋嘉比涼香(平一小五年)▽「カマキリが おこっているかな いかくかな」上地貴大(城辺小五年)▽「暑いなか まとまり泳ぐ 魚たち」米田つばさ(平良中二年)▽「木々たちが 夏空の下 日光浴」平良朱里(平良中三年)▽「赤い実に みえるけれども 実はカニ」善平絵美(平良中一年)▽「オヒルギの 下でカニたち 遊んでる」下地美穂(西城小六年)▽「水澄みて 飛びこみたいと 思う心」荷川取あかね(平良中二年)▽「かまきりが みずのところに つちをほる」前里和紀(西城小二年)

 写真説明・自然を散策しながら俳句づくりを楽しんだ=16日、下地字川満ウプカーマングローブ遊歩道
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関係団体が継続を要望/重度心身障害者入院時食費補助
市財政難理由に難色

 宮古島市(伊志嶺亮市長)が廃止を検討している重度心身障害者の入院時食費補助費について、宮古身体障害者連合会と市身体障害者福祉協会(ともに池間太郎会長)は十六日、同市役所平良庁舎に伊志嶺市長を訪ね、補助継続を要望した。池間会長は「県と市が折半してこれまで補助してきた食費を、市側だけでも継続してほしい」と強調。これに対し、伊志嶺市長は「財政難であるため食費補助は困難。目に見える形での福祉支援を行うので理解願いたい」と述べるにとどまり、双方の考えは平行線をたどった。
 現行制度における重度身障者の入院時の食費は、県と市が半分ずつ負担し補助している。県が補助廃止を決定したため、財政難の宮古島市も市単独の食費補助は困難と判断。市議会六月定例会に条例廃止案を提出している。
 委員会付託を受けている市議会文教社会委員会(佐久本洋介委員長)では審議が続けられたが、委員の意見が割れ、三たび採択が先送りにされた。「市長の政治判断が必要」として、きょう十七日に行われる同委員会で伊志嶺市長の考えを聞く方針だ。
 池間会長は「障害者自立支援法が施行され、障害者ならびに家族の方々は制度が改正されるたびに毎日不安な生活を過ごしているのが実情。不安解消のためにも食費補助金だけは継続してほしい」と、市だけでも補助金の継続を要請した。
 伊志嶺市長は「国も県も補助金廃止の方向で進めている。財政的にも厳しい状況でもあり、県からも財政難を指摘されている中で、皆さんの意向をくむのは難しい」と説明。その上で「補助金を廃止しても、福祉の後退とならないよう見合うことはやっていく。ヘルパーの活用など、目に見える形での福祉支援を行う」などと理解を求めた。

 写真説明・入院時重度心身障害者食費補助の継続を求める池間会長(左から2人目)=16日、宮古島市役所平良庁舎
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