200平成18  815 火曜日

入院時重度心身障者食費補助廃止/三たび採択先送り
市議会文教社会委/
「市長の政治判断必要」

 宮古島市(伊志嶺亮市長)が廃止を求めている重度心身障害者の入院時食費補助で、委員会付託を受けた宮古島市議会文教社会委員会(佐久本洋介委員長)が政治的判断に窮している。十四日は委員会開催前の協議で意見がかみ合わず、委員会を流会として三たび採択を先送りにした。佐久本委員長は「最終的には市長の政治判断が必要」と強調。ただ、過去数回の委員会で協議した案件を採択できず、市長の政治判断に委ねる委員会の姿勢については「責任放棄」を指摘する声もある。次回委員会は十七日に開き、伊志嶺市長の考えを聞く。

 現行制度における重度身障者の入院時の食費は県と市が半分ずつを負担して補助している。市によると、二〇〇五年度分の拠出金は約二千万円だという。この補助を県が廃止することを決定したため、財政難である宮古島市も市単独による食費補助は困難と判断し、市議会六月定例会に廃止案を提出している。
 委員会付託を受けた文教社会委は過去数回の委員会で審議したが、結論は出せなかった。与党の委員が反対し、野党の委員が賛成するという逆転現象も生まれ、意見が割れている。三回目の委員会となった十四日も意見はまとまらず、最終的に流会扱いとなった。
 佐久本委員長は「いろんな団体から口頭で継続を求める声がある」として判断が難しい現状であることを説明。結論が出ない委員会運営には「責任を感じている」と話した。ただ、廃止案を提出した伊志嶺市長に対しては「市長がなぜ与党に説明する機会を持ってくれなかったのか」との不満もあらわにした。
 また、委員会では「このままでは議会だけが悪者になる」という声があることを報告した。これを踏まえ「最終的には市長の政治判断が必要。市長に詳しく説明してもらうことになっている」などと述べ、十七日の委員会で伊志嶺市長の真意を聞く考えを示した。
 最終的な判断について佐久本委員長は「九月の定例会までには決めたいと思っているが、多数決を取ろうということにはならない」と述べ、あくまで全会一致の採択にこだわる。ただ、委員会内の意見がまとまる公算は極めて小さく、今後どのように方針を集約していくのか、十七日の委員会が注目される。
 市が議会に提出している案件は「市重度心身障害者医療費助成に関する条例」の一部改正案。同条例の中で「『入院時食事療養費』を削る」と明記している。食費が自己負担となっている障害者福祉施設利用者と入院患者の均等を図ることなどが提出理由。 (山下誠)
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トゥリバー鑑定評価へ/市議会臨時会で可決

 宮古島市議会(友利恵一議長)は十四日、臨時会を開き、市当局が提出した二〇〇六年度一般会計補正予算案を全会一致で可決した。この補正はトゥリバー地区売却に伴う業務委託料四千万円と同地区の鑑定評価委託料百五十万が含まれている。鑑定により、トゥリバー地区の価格は現在の四十億九千八百万円より下がる可能性も出てきた。
 一般会計は、既定の歳入歳出予算の総額にそれぞれ四千百五十万円を追加し、歳入歳出予算の総額をそれぞれ三百二十三億九千二百九十三万五千円とした。
 今回の可決でトゥリバー地区の鑑定評価が行われることが決定。同案件の提出理由について市土地対策局は「地価変動が著しい昨今、近隣地の取引事例などを参考にした鑑定評価を依頼し売買価格の見直しをする必要がある」と説明している。土地売却に伴う委託料四千万円は土地売買を媒介した業者に支払う成功報酬。現在の価格の一%程度を支払う内容となった。これらの予算措置は「トゥリバー地区を売るための手段の一つ」としている。
 このほかに審議した議案は▽県営と市営の土地改良事業分担金徴収条例の一部改正案▽宮古島海宝館▽前里添多目的共同利用施設▽長浜多目的共同利用施設▽東地区構造改善センター▽女性・若者等活動促進施設▽市多面的交流促進施設▽市民宿キャンプ村−の指定管理者の指定について。委員会報告の後、それぞれの議案が諮られ全会一致で可決した。

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波名城・砂川さんが最優秀/JA文化活動大会
「地産地消」 などテーマに/優秀賞に狩俣さん
記事活用体験 熱っぽく

 JA出版物の活用体験を発表する第四十五回宮古地区文化活動大会(主催・県農業協同組合)が十四日、JAおきなわ宮古地区事業本部で行われ、「家の光」記事活用体験発表部門でJA女性部の波名城瑞枝さん(46)=宮古島市平良=が最優秀賞に輝いた。児童向け雑誌の「ちゃぐりん」部門では、下地小学校六年の砂川千夏さんが最優秀賞、鏡原小学校五年の狩俣賀奈子さんが優秀賞を受賞した。波名城さんは十二月、砂川さんと狩俣さんは今月十八日に開催される県大会にそれぞれ宮古地区代表で派遣される。

 この大会は、「家の光」の内容を活用した生産体験などを発表して今後の協同組合活動に役立てることと、「ちゃぐりん」を勉強などに活用した体験を発表することが狙い。「家の光」部門に二人、「ちゃぐりん」部門に五人の計七人が出場。活用の内容や成果、発表力などが審査された。
 「家の光」部門で最優秀賞を受賞した波名城さんは「私たちの活動と『家の光』」の演題の下、地下水を守るために家庭内で取り組んでいることやJA女性部の活動を紹介。「地産地消を目指し、新しい可能性に向けて女性パワーを生かしたい」と結んだ。受賞後、「活発に活動する娘たちに刺激され『親も頑張らないと』と思って出場した。受賞できてうれしい」と感想を述べた。波名城さんは十二月に開催されるJAおきなわ家の光大会に派遣される。
 「ちゃぐりん」部門で最優秀賞となった砂川千夏さんは牛の出産の様子を見た体験と感想を紹介。「私のおじいの肉用牛とちゃぐりんの記事で読んだ乳牛は同じ牛でもそれぞれ違う役割があることを伝えたかった。うまく伝えられたと思う」と受賞の喜びを語った。
 優秀賞の狩俣賀奈子さんは「ちゃぐりんから命の大切さや自然、食べ物、農業のことをたくさん学んだ」と発表。「緊張せずに練習のときよりも上手に読めた」と笑顔を見せた。砂川さん、狩俣さんは今月十八日に南風原支店ホールで行われるJAおきなわちゃぐりんフェスタに出場する。
 また、この日の地区大会では、審査員特別賞に伊良部小学校二年の池間円花さんが選ばれた。
 主催者を代表してJAおきなわ宮古地区事業本部の下地隆弘本部長は「読書の輪を広げ、農村の教育文化活動を促進していきたい」とあいさつを述べた。

 写真説明・(左から)「ちゃぐりん」部門で最優秀賞の砂川さん、優秀賞の狩俣さん、「家の光」部門で最優秀賞の波名城さん=14日、JAおきなわ宮古地区事業本部
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東少年ヤ (高学年)、平一(低学年) 初優勝
宮古勢3年ぶり両部門V/JC杯少年野球

 第二十八回JC杯少年野球大会(主催・宮古青年会議所)は十四日、宮古島市民球場で低・高学年の部の決勝まで行った。両部とも宮古勢と八重山勢の対戦となり熱戦の結果、高学年では東少年ヤンキースが、低学年では平一Aがそれぞれ初優勝した。宮古勢の両部優勝は三年ぶり。

 高学年は、東少年ヤンキースと八島マリンズ(八重山)が顔を合わせた。東の比嘉、八島の大城両投手の投げ合いとなった。四回、東は比嘉の三塁打で無死三塁のチャンスをつくると、スクイズを決め虎の子の一点を奪った。比嘉は八島打線を1安打完封に抑えた。ワンチャンスをものにした東が1−0で優勝をつかんだ。
 東の池田淳也監督は、「四試合で二十得点一失点と投打がかみ合った。四番の欠場を、チーム全員でカバーした」と振り返った。主将の砂川晋太郎は、「走攻守のすべてが良かった。優勝できてうれしい」と笑顔を見せた。
 低学年は平一Aと新川少年オリオンズ(八重山)が対戦した。平一が一回の二死満塁のチャンスに上地日楽が中前打で2点を先制。さらに二回に1点、四回にも2点を加えた。投げては黒島、佐平賢が完封リレーで5−0で逃げ切った。
 平一の佐平義和監督は「試合を重ねるごとに打撃が上を向いてきた。全員が全力でプレーした」と勝因を語った。主将の佐平涼は「打線が良くつながった。優勝はめっちゃうれしい」と話した。
 今大会には高学年十八チーム、低学年二十一チームの計三十九チームが出場。八重山から十三チーム、糸満から三チームが参加した。
 結果は次の通り。
 【低学年】
 ▼決勝
平一A
 21020-5
 00000-0
新川少年オリオンズ
(平)黒島、佐平賢−国吉
(新)高良−高宮城
▽三塁打=国吉(平)
▽二塁打=佐平涼(平)
 ▼個人賞▽殊勲賞=黒島航希(平一A)▽敢闘賞=高良宗矩(新川少年オリオンズ)▽打撃賞=上地日楽(平一A)6割
 
 【高学年】
 ▼決勝
東少年ヤンキース
 0001000-1
 0000000-0
八島マリンズ
(東)比嘉−渡久山、砂川晋
(八)大城−又吉
▽三塁打=比嘉(東)
 ▼個人賞▽殊勲賞=比嘉大智(東少年ヤンキース)▽敢闘賞=大城英也(八島マリンズ)▽打撃賞=比嘉大智(東少年ヤンキース)6割1分5厘

 写真説明 上・低学年の部を制した平一Aナイン=14日、宮古島市民球場
 写真説明 下・高学年の部で初優勝した東少年ヤンキースナイン=14日、宮古島市民球場
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新規高卒者の求人要請/学校長ら
「島内就職に努力する」/商工会議所

 宮古地区県立学校長会(会長・下地義雄伊良部高校校長)とハローワーク宮古の山岡真也所長は十四日、宮古島商工会議所に中尾英筰会頭を訪ね、来春の新規高卒者に対する求人確保と早期の求人票提出について協力を求めた。中尾会頭は「会員事業所を通じて一人でも多くの島内就職に努力したい」と理解を示した。
 要請の席で下地会長は「厳しい雇用状況の現実もあると思うが、高校生の島内就職に向けてご高配をお願いしたい」と話し▽採用枠の拡大▽採用計画の早期樹立と採用内定の早期化▽男女雇用機会均等の確保と宮古養護学校卒業生の雇用促進▽アルバイト雇用問題▽高校生の就業体験学習受け入れ−の五点について、会員事業所を網羅した協力を求めた。
 中尾会頭は「若者が地元で就職することは、宮古の人口減少を防ぐ意味でも重要なこと。千四百カ所近くの会員事業所と連携して取り組みたい」と約束。企業の採用計画については「宮古では慣例として採用に向けた計画が遅れがちなので、早期化の啓蒙(を図る。養護学校の卒業生の雇用についても努力していきたい」と話した。
 今月十七日には、県建設業協会宮古支部、宮古島東急リゾートにも同様の要請を行う。
 今年三月の宮古地区高卒者の就職内定率は九二・二%で、全国の九五・八%を三・六ポイント下回っている。


 写真説明・宮古地区各高校の校長らが高卒者求人確保について要請した=14日、宮古島商工会議所
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新種のスポーツ楽しむ/フラッグフットボール
指導者講習会に教諭ら/中体研

 フラッグフットボール指導者講習会(主催・宮古地区中学校体育研究会)が十四日、宮古島市立久松中学校で開かれた。小・中学校の教諭ら約三十人が参加し、講義や実技で同競技の楽しさや教育的価値について理解を深めた。
 フラッグフットボールとは、アメリカンフットボールを基に危険性を低くした競技。腰に付けたフラッグを取ることでタックルが成立するルールで、ボディーコンタクトもないため子どもでも楽しむことができる。
 実技は全日本フラッグフットボール協会の関係者が指導。参加者らは腰のベルトにマジックテープで付けられたフラッグを取ろうとして、勢い余って転んだりと珍プレーが続出し笑いに包まれた。
 講義では筑波大学副学長の高橋健夫さんが同競技の教育的価値について講話した。高橋さんは「鬼ごっこの延長線上で楽しめるスポーツ。作戦を立て意見を交わすため人とのかかわりを高められ、集団的達成の喜びが味わえる」と説明した。

 写真説明・フラッグフットボールを楽しむ参加者ら=14日、久松中学校

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