200平成18  813 日曜日

独特のなまりに大爆笑/「鳴りとぅゆんみゃ〜く方言大会」
最優秀賞に下地智さん/新市誕生初開催で盛況
市文化協会主催

 第十三回「鳴りとぅゆんみゃ〜く方言大会」(主催・宮古島市文化協会)が十二日夕、宮古島市マティダ市民劇場で開催された。八人の出場者が各地で受け継がれてきた宮古方言でユーモアたっぷりの話を披露、会場に詰め掛けた大勢の市民を魅了した。審査の結果、最優秀賞(市長杯)は城辺から参加の下地智さん(69)が受賞した。この日の会場は宮古方言一色となり、出場者、会場の市民それぞれが宮古方言の良さを見つめ直し、次世代に語り継ぐべき大切な伝統文化、言葉であることを再認識した。
 最優秀賞に輝いた下地智さん
 この大会は、地方の固有言語たる「方言」に対する思いを深め、方言ならではの感性豊かな表現法を現代に生かしていくために開催。今大会は宮古島市誕生後初めての開催となり、出場者は平良地区だけでなく、城辺や佐良浜、上野の各地区からの参加もあった。
 大会は午後七時に開会した。はじめに宮古島市文化協会の友利吉博会長が「言葉は歴史と伝統に裏打ちされたもの」と伝統文化の意義を強調。その上で「この大会は出場者の皆さん、観客の皆さんのおかげで毎年盛り上がりを見せている。これからも自信を持って取り組んでいきたい」と感謝を込めてあいさつした。
 この後、八人の出場者による方言発表がスタート。最優秀賞を受賞した下地さんは、「昔の恋のものがたり」と題して発表し、楽しくも悲しい恋物語を独特の語り口で披露し、会場を爆笑の渦に包み込んだ。
 今大会、優秀賞を受賞したのは平良の前里光秀さん(29)。二十代とは思えない流ちょうな宮古方言を語り、会場の市民を驚かせた。おじいとおばあを中心とした話の内容もユーモアにあふれ、笑いと拍手が途絶えることはなかった。
 優良賞、ゆがいな賞をダブルで受賞したのは上野から参加の添石久子さん(54)。添石さんは赤い帽子を頭に乗せ、時には身振りを交えながら楽しい語りを披露。歯切れの良い宮古方言を観衆に印象付けた。
 佐良浜から参加の森田秋さん(77)、城辺の砂川エミ子さん(76)は七十代の視点で語った。砂川さんは戦争の悲惨さを訴え、大幅な時間オーバーながらも、会場からこの日一番の大きな拍手を浴びていた。
 審査公表で天久宏審査委員長は「それぞれの地域によって方言が違うということが分かった。今回は若い人も出場して素晴らしい宮古方言を披露してくれた。今までの方言大会にはない素晴らしい大会でした」などと総評した。
 大会の審査結果は次の通り。(敬称略)
 ▽最優秀賞=下地智▽優秀賞=前里光秀▽優良賞=添石久子▽ゆがいな賞=添石久子

 
写真説明 上・大勢の市民が出場者の話を楽しみながら宮古方言の大切さを再認識した=12日、宮古島市マティダ市民劇場
 写真説明 下・(左)優秀賞の前里光秀さん、(右)優良賞、ゆがいな賞の添石久子さん
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27年ぶりに学区対抗/宮古体育大会が開幕
合併後初、15種目で熱戦へ

 第三十三回宮古体育大会(主催・宮古島市体育協会)が十二日、バスケットボール競技を皮切りに開幕した。県立翔南高校で開会式が行われ、各種目の出場選手が一堂に会して健闘を誓った。

宮古島市誕生後初の開催で、これまでの市町村対抗から二十七年ぶりに学区対抗で展開され、十五種目に十八学区約二千六百人の選手が出場して熱戦を繰り広げる。期間は十月十五日まで。同大会で選抜された選手は、十一月に行われる第五十八回県民体育大会に宮古代表として派遣される。
 宮古体育大会は、住民の健康増進と宮古におけるスポーツ振興を図ることが目的。
 開会式では、前回総合優勝した旧平良市が優勝旗を返納。佐良浜学区の譜久村竜選手(バスケットボール)が選手宣誓を行った。
 主催者を代表して市体育協会会長の安谷屋豪一大会長は「これまで積み重ねた練習の成果を遺憾なく発揮し、各学区と自己の名誉のため悔いのない試合を満喫してください」と激励した。
 伊志嶺亮宮古島市長は「互いの友情を温め合い、思い出深い大会にしてください」と言葉を贈った。県宮古支庁の兼城克夫支庁長、宮古島市議会の友利恵一議長も激励のあいさつを述べた。
 また、長年にわたり地域のスポーツ振興に貢献したとして、中村信彦さん(伊良部体育協会排球部長)、中村尚司さん(同協会バスケットボール部長)、本村博昭さん(宮古バレーボール協会顧問)、砂川充男さん(宮古ソフトテニス連盟顧問)の四人に「スポーツ功労賞」が贈られた。 大会では、バスケットボール、バレーボール、テニス、ゴルフ、柔道、ボウリング、剣道、ソフトテニス、バドミントン、水泳、ハンドボール、サッカー、卓球、軟式野球、陸上の計十五種目が行われる。

 写真説明・佐良浜学区の譜久村竜選手が選手宣誓し健闘を誓った=12日、翔南高校体育館
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個性豊かに13組が熱唱/ティーンズミュージックフェスティバル
大賞に「ロックオブエイジ」

 ティーンズミュージックフェスティバル2006宮古島大会(主催・音楽の店イーウェイブ)が十二日、宮古島市中央公民館大ホールで行われた。音楽好きの十代ら十三組が参加し、独自で作詞作曲したオリジナルや有名バンドからコピーした曲などを熱唱し、若さあふれるステージパフォーマンスに会場は大盛り上がりを見せた。この結果、ティーンズ大賞には「ROCK OF AGE(ロックオブエイジ)」が選ばれ、九月十七日に那覇市で行われる県大会に宮古地区代表として参加することが決まった。
 このフェスティバルは、青少年の健全な音楽文化活動を目的に一九八七年にスタートし、今年で二十年目を迎える。音楽好きな十代であれば誰でも参加可能。
 宮古地区では今年で二回目の開催となり、昨年より五組増加した。また、開催二十周年記念として設けられた「オーバートゥエンティ(二十歳以上)」部門には二組が参加し、十代に負けない力強い演奏を披露した。
 大賞に選ばれたROCK OF AGEは全体の演奏力などバンドアンサンブルが総合的に優れ、インパクトが強いと高く評価された。ROCK OF AGEは「大賞を取って全国大会目指したい」と意気込み、受賞を喜んだ。
 九月に行われる県大会で予選を突破すると、関西沖縄地区大会に県代表として出場。メジャーデビューを懸けて十一月の全国大会に挑む。
 受賞者は次の通り。
 【ティーンズ大賞】▽ROCK OF AGE
 【奨励賞】▽CURSED(カーシッド)▽FLY’S(フライズ)▽THE RIPTONS(ザ リプトンズ)
 【イーウェイブ賞】▽喜久川敦啓

 写真説明・若さあふれる10代が熱唱し、会場を熱気に包んだ=12日、宮古島市中央公民館大ホール
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宮古空港でも保安体制強化/英国の爆破テロ未遂事件受け

 英国で米国便航空機を標的とした大規模な爆破テロ計画が摘発されたことを受け、宮古空港は十一日から非常警戒態勢の強化と併せ航空保安対策を再徹底した。警備員らは、搭乗客の手荷物検査をチェックし、特に液体については監視の目を光らせている。十二日、乗客らの戸惑いはなく、スムーズな検査や手続きが行われていた。
 テロを計画したグループは、飲料のボトルは封をしたまま、底部を継ぎ足し、液体爆発物を詰める仕組みで、こうすれば、手荷物検査をくぐり抜けられると考えたらしい。
 爆破テロ未遂事件で、国土交通省は十日、国内の航空会社や空港管理者らに保安対策を強化するよう指示。この指示を受け、県土木建築部空港課管理班は十一日、県内の各航空会社や宮古空港管理者などに「航空保安対策の徹底について」の文書を通知した。
 文書では「今回の事件にかんがみ、引き続き空港警備の徹底等航空保安対策の確実な実施を徹底的にするよう」と指示し、液体については注意するよう求めた。
 宮古空港の搭乗検査前では「非常警戒態勢を徹底するとともに、お客様の靴等の履物検査を含め保安検査を強化している」などと書かれた張り紙が掲げられている。
 航空会社の女性一人は「搭乗客は、これまで通り機内にペットボトルを持ち込んでいる。今は、国際便への持ち込みは禁止」と説明した。

 写真説明・スムーズに行われていた荷物検査=12日、宮古空港

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五、七、五の世界に浸る/池間さん(藍の会)が俳句講座
県民カレッジ

 二〇〇六年度おきなわ県民カレッジ─宮古地区広域学習サービス講座─の第五回講座「俳句を身近に―俳句を詠んで暮らしに潤いを―」が十二日、宮古島市中央公民館で行われた。藍の会の池間キヨ子さんが講師を務め、俳句の基本について講義した。
 池間さんは、あらかじめばらばらに切り離した上五、中七、下五の語を組み立てて完成させた作品を題材に、俳句の持ち味や詠み方を説明。「俳句のリズムは、日本語の詩歌の長い歴史の末にたどり着いた美しい旋律を持った形式」と話し「定型、季語、切れ字の三つがそろうことによって力を発揮する」と基本のルールを説明した。
 俳句の特徴である季語については、「自分の感動や伝えたいことを季語に託すことによって俳句の短さを補い、広がりを出す」とし▽季節感▽連想会▽安定感─の三つの役割を強調、「季語は俳句の命」と重要性を強調した。
 受講者たちは、俳句の基礎を熱心に習得。次回講座で予定されている大野山林での自然学習の中で、それぞれの視点で題材を見つけ、作品を詠むことにしている。

 写真説明・俳句の基礎講座が行われた=12日、宮古島市中央公民館

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手作り紙芝居など寄贈/京都の石神さんが平良図書館に

 京都府に住む石神誠さんは十二日、宮古島市立平良図書館に手作りの紙芝居と自著「青い珊瑚の伝説」を寄贈した。石神さんはこれまで何度も沖縄本島や離島などに観光目的で訪れ、各地の図書館に紙芝居や本を贈っているという。
 石神さんの職業は中学校の教員。学校の小・中交流授業の中で、子どもたちに披露するために紙芝居の「多良(タラー)とキジムナー」「身代わり石」を作製。絵を担当した美術教師の宮里幸雄さんの両親が沖縄出身であることから、沖縄の民話を題材に石神さんが脚色した。
 自著「青い珊瑚の伝説」は青いサンゴをテーマに過去や未来を描いたファンタジー小説。二〇〇四年に二月に出版されている。
 石神さんは「地元の人にも民話をテーマにした紙芝居を作ってもらいたい。子どもたちには身近な自然を将来まで守ってほしい」と話した。
 同館の砂川玄正館長は「毎週土曜日に紙芝居や本の読み聞かせを行う『おはなし玉手箱』で活用したい。子どもたちも喜ぶと思う」と感謝した。

 写真説明・石神さん(右)が紙芝居と自著を砂川館長に寄贈した

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