200平成18  812 土曜日

ガソリン価格/復帰措置廃止なら高騰
NIAC試算 市民生活への影響懸念
多良間では1g17円上昇

 県経済などの調査を行っているシンクタンク、南西地域産業活性化センター(NIAC、那覇市)はこのほど、復帰特別措置のガソリン税(揮発油税、地方道路税)の軽減措置と、これを財源としている県の輸送費補助が廃止された場合、一g当たりのガソリン価格が、多良間で十七円(一四・二%)伊良部で十五円、(一二%)、宮古島で九円(七・二%)、それぞれ上昇するとの試算をまとめた。世界的な原油価格の高騰によるガソリンの上昇が市民生活を直撃しているが、制度がなくなれば、宮古の経済、市民生活にさらなる影響が懸念される。
 
 国は沖縄県の復帰後、石油製品に関する揮発油税と地方道路税について軽減措置を講じた。ガソリン一g当たりで、県外が五十三・八円に対し、県内は同四十六・八円で、七円軽減されている。
 一方、県石油価格調整税条例により県は、県内で販売されるガソリン一g当たりで一・五円を課税。沖縄本島から県内離島へ輸送されるガソリンなどの石油製品に関して、本島並みの価格安定と円滑供給を図るため、販売事業者や輸送業者に対し、同税と国の補助を財源に「石油製品輸送等補助事業」で補助金を交付している。このため、県外と県内では、実質五・五円の課税軽減がなされている計算だ。
 輸送費補助は国の財源補助を背景に行われており、県による単独の補助は困難。このため同センターの調査は、ガソリン税の軽減措置と、県の輸送費補助の双方が廃止された場合の影響を予測した。
 それによると、軽油は一g当たり、▽多良間で十一円(一一・四%)▽伊良部で九円(九%)▽宮古島で三円(三・三%)−、灯油は一g当たり▽多良間で十一円(一五・五%)▽伊良部で九円(一二・六%)▽宮古で三円(四・五%)−、A重油は一g当たり▽多良間で十一円(一八・三%)▽伊良部で九円(一五・一%)▽宮古島で三円(五・七%)−、それぞれ上がると予想した。特に多良間、伊良部で上昇率が著しい。
 まとめでは完全失業率の高さと全国平均の七割にとどまる平均所得の低さを列挙。「揮発油の価格上昇が県民家計に与える影響は大きい。その中で揮発油税の軽減措置は低く抑えられている効果は大きく、その下支えは重要。離島地域における産業発展には石油製品の価格安定が不可欠な条件」などと指摘し、▽ガソリン税の軽減措置▽輸送費補助−の継続が必要不可欠なものと結論付けている。 (砂川拓也)
top.gif (811 バイト)
 

「駐車場を広く」 47%/新図書館建設で市民アンケ
準備室 2010年度開館目指す

 新しい市立図書館の建設に向け、宮古島市企画政策部中央図書館建設準備室(下地実室長)はこのほど、住民意向調査を実施した。新図書館の建設位置については「少し遠くても、駐車場が広くとれる所」が良いとの回答が最も多く全体の四七・八%を占めた。中心市街地で、「日常的に行きやすい」場所での建設を求める声も三六・七%と多かった。同準備室では二〇〇七度中に基本計画を策定、〇八年度内に実施設計、〇九年度着工、一〇年度開館を目指している。
 今回の市民アンケートは市民が利用しやすい図書館づくりを進めていくため、広く市民の意見を聞くために実施。今年四月二十六日から五月二十六日までの期間に、千三百三十七人(行政連絡員依頼分千百九十人、図書館利用者八十人、ホームページ・その他六十七人)を対象に行い、千三十四人が回答した。回答率七七・三%。
 調査項目は▽図書館利用の目的▽利用したい曜日や時間▽貸出冊数▽図書館で充実してほしい資料▽図書館で充実してほしいサービス▽新しい図書館の建設位置−など十六項目に上った。
 建設位置は「少し遠くても駐車場が広くとれる所」と答えた市民が全体の五割弱、次いで「日常的に行きやすい中心市街地」だった。ほか「社会教育施設がまとまっている所」「市役所の近く」の回答があった。
 複数回答が可能な「図書館で充実してほしいサービス」については、児童サービスが全体の一四・一%で最多。郷土・行政関係資料が一三・八%、資料の検索・調査研究支援などは一三・五%だった。
 「図書館を利用したことがある」と答えた市民を対象に、利用目的を尋ねたところ、「本の貸し出し」が三〇・二%を占めた。次いで調査・研究が一七・八%、「読書をする」が一四・三%、学習や勉強の場として利用する市民は一〇・九%という回答になった。「余暇を過ごす」と答えた人も八・七%いた。
 図書館内におけるボランティアに興味があるかどうかについては、男性が一七・七%、女性二七%が「ある」と回答している。「ある」と答えた市民にボランティアの内容を聞くと「子どもに対する読み聞かせ」が最も多く四一%、本の整理や修繕が二〇・五%、コンピューター操作などのサービスは一六・九%の市民が興味を示した。
 新しい図書館づくりに関して、下地室長は「将来にわたって市民が利用する図書館なので、市民の求めるサービス、市民に親しまれ、市民が利用しやすい図書館づくりを目指して市民との協働作業を基本に進めていきたいと考えている」などと話している。
top.gif (811 バイト)

17団体が共演 交通安全ステージフェスティバル
事故ない島目指そう/飲酒運転の撲滅を訴え

 幅広い世代に交通安全の意識高揚を図る「交通安全ステージフェスティバル2006」(主催・宮古島地区交通安全協会、宮古島警察署)が十日夜、マティダ市民劇場で行われ、十七団体が踊りや民謡を披露した。「無事故無違反末広がり八カ月作戦」期間中(昨年九月一日−今年四月三十日)に無事故無違反を達成した計二十八事業所が表彰された。
       
 同フェスティバルは、交通安全への意識浸透を図るとともに、宮古島地区交通安全協会の創立五十周年記念事業に向けた資金造成を目的に開催された。子どもから大人まで多数が参加し、踊りやダンス、民謡などで練習の成果を披露した。
 主催者を代表してあいさつを述べた岸本亮宮古島署長は、「関係機関やボランティアの皆さんの力を結集して交通安全の取り組みを進めているが、飲酒運転による事故の発生率は県内でも高く、一人ひとりの協力が必要。飲酒運転を撲滅し、悲惨な事故のない島を目指そう」と会場に呼び掛けた。
 また、宮古島署、宮古島地区交通安全協会、自動車安全センターが、安全運転管理者選任事業所、運行管理者選任営業所などの交通安全活動の活性化を目指す「無事故無違反末広がり八カ月作戦」で無事故無違反を実践した各事業所をたたえた。
 同作戦の被表彰事業所は次の通り。
 【優秀賞】▽先嶋建設▽宮古生コン▽共和産業▽ダイワドライビングスクール▽三和自動車学校▽宮古自動車学校▽沖電工宮古支店▽奥浜組▽丸多タクシー▽三交タクシー▽八千代バス▽太平タクシー▽日光タクシー▽高良タクシー▽新生タクシー▽開発タクシー▽伊良部信用タクシー
 【特別賞】▽先嶋建設▽宮古製糖▽沖縄製糖▽大米建設▽宮古港運▽大和電工▽りゅうせきロジコム宮古物流センター▽丸多タクシー▽三交タクシー▽県トラック協会宮古支部▽協栄タクシー▽みなとタクシー▽八千代タクシー▽でいごタクシー
 写真説明 上・交通安全の願いを込めて踊りが披露された=10日、マティダ市民劇場
 写真説明 下・無事故無違反の事業所が表彰された=10日、マティダ市民劇場
top.gif (811 バイト)

遠のく 「美ぎ島」づくり/原状回復してもまた不法投棄
城辺内に10カ所確認

 宮古島市環境保全課は十一日までに、城辺内で計十カ所の不法投棄現場を確認した。この十カ所は昨年三月に旧城辺町が原状を回復させたばかりの場所。同課は「いくら片付けても、また不法投棄をする。もう手の付けようがない」と落胆、数百bも続くごみの山の対応に頭を痛めている。ごみゼロの「美ぎ島」は、遠のくばかりだ。
 不法投棄は海岸沿いが最も多い。がけ下に大量のごみが散乱、そのほとんどが家庭から出たと思われる一般ごみだ。十一日に不法投棄を確認した環境保全課では現場に不法投棄をしないよう促す看板を設置。ただ、七又の海岸沿いの不法投棄については「数百bごとに看板を設置しなければならない」とあきれ顔だ。がけ下のごみは撤去不可能な状態にある。
 海岸沿いだけでなく原野などでも不法投棄が確認された。同課は「昔からの慣習で捨てていると思われる」と分析、これを踏まえて今後の対策を練る方針だ。
 同課では不法投棄現場を確認しながら、捨てた人を特定できるようなごみも大量に収集。特定できれば厳重に注意していく構えだ。悪質な不法投棄については告発も視野に入れる。同課は「このような場所にごみを捨てるという行為が、犯罪だということを強く認識させなければ、宮古の不法投棄はなくならないのではないか」とした。
 確認された十カ所の不法投棄現場のごみについて同課は「このごみを全部片付けようとすれば数千万円の予算が掛かるのではないか」とし、原状の回復すらままならない現状に憤っている。

 写真説明数100bにわたりごみが不法投棄されている現場=11日、城辺字吉野
top.gif (811 バイト)

自然体験を満喫/サシバキャンプ始まる
伊良部

 宮古島市教育委員会伊良部分室(久高義次分室長)主催のふるさとサシバキャンプが十一日、三泊四日の日程で伊良部の佐和田の浜で始まった。子どもたち二十人は、寝泊まり用のテント四張を設置。子どもたちは、力を合わせて夕食作りやキャンプファイアなどの体験をこなした。
 キャンプを通して異年齢での共同生活から、協調性・信頼性・自立心を芽生えさせるとともに、自然体験を通して、自然愛護思想を持たせ環境についての知識と思いやりのあるたくましい心を育てることなどが目的。
 この日は地元の小学生十八人、島外の小学生三人、地元の中学生一人の計二十二人が参加した。島外から参加した小学生は父母または父母のどちらかが伊良部出身。
 参加した伊良部小六年生の下地春希君は「みんなと力を合わせて、最後まで頑張ります」と意欲を示した。
 キャンプ二日目の十二日は、追い込み漁・工作のほか、映写会などを実施する。
 三日目の十三日は、シーカヤックやそば作り、平和学習による防空壕巡り、県立宮古少年自然の家の入所式、陶芸教室、星座観察を行う。
 最終日の十四日は、クラフト製作、反省会、退所式、記念撮影を行った後、伊良部島へ移動し解散式を実施する。

 写真説明・テント設置作業に取り組んでいた参加者ら=11日、伊良部の佐和田の浜

top.gif (811 バイト)

重さ30`のガーラ釣る/亀浜さん「最高の気分」

 亀浜良太さん(28)=宮古島市平良=が十日午後十時ごろ、池間島の磯で大物ガーラを釣った。重さ三〇`、体長一三〇a。「大物ガーラを長い間追いかけて来て、念願がかなった。最高の気分」と、満面の笑みだった。
 仕掛けは道糸q号、ハリスw号、針w号。イカの切り身を針に掛けて、投げ込むと午後八時五十分ごろ強いあたりがあり、約一時間の格闘の末、釣り上げた。
 亀浜さんの釣り歴は六年。これまでで最高の釣果という。「次は四〇`オーバーを目指したい」と抱負を語った。

 写真説明・大物ガーラを手にする亀浜さん=11日、鮮魚直売店「海の幸」

top.gif (811 バイト)