200平成18  8 月曜日

野党陣営 候補者決定持ち越し/知事選人選会議
下地
山内 両氏から意見聴取
13日に公開討論会開催

 【那覇支局】十一月の県知事選挙に向け、野党五党と政治団体「そうぞう」で構成する野党の人選会議(座長・新里米吉社民党県連書記長)が六日、県議会の護憲ネットワーク会議室で行われた。この日は候補者として絞り込まれた「そうぞう」代表で衆議院議員の下地幹郎氏(44)と元県出納長の山内徳信氏(71)の二人から意見を聴取した後に会議を持ったが候補者決定には至らず結局、持ち越しとなった。また、多くの意見をさらに聴くことを目的に今月十三日に下地、山内両氏の公開討論集会を開催することを決定した。二人に絞られた野党陣営の人選作業だが、決断への道筋はいまだ見えていない状況となっている。
     下地幹郎氏      山内徳信氏
 下地、山内の両氏から意見聴取した感想について新里座長は「二人とも政治経験が豊富であり、知事にふさわしい立派な発言だったというのがほぼ共通した感想。下地氏は細かく自らの政策面を中心に話し、山内氏は政策というよりもスタンス、考え方を中心に話した。これを受け協議した結果、きょう決めるのではなく討論集会を開催してから再度協議することとなった」と説明し、候補者決定については「二人とも熱意があり、決定にはもう少し時間が必要。旧盆前に決めたかったが残念だ」との見解を示した。
 討論会開催の趣旨と意義については「全体的に開かれた知事選にしようとの思いと二人の考えを多くの人に知ってもらうことが趣旨。候補者を決めるのは六者であり、六者がそのとき(討論集会)の話を聞いてそれぞれが判断することになる」と述べた。
 なかなか決まらない候補者について、新里座長は「今回の知事選の選考では、枠組みだけでなく進め方に関してもかつて無かったことがたくさんある」と、難航の理由を説明した。
 さらに「いつごろまでに決定するのか」との質問に対しては「相手側(与党)よりも早く決めたい。長引くと体制づくりや政策面などに支障を与えるのでとにかく早めに決めたい」との考えを示した。
 また、六者会議の中で、投票し決定することについては「そこまでの意見は出ていない。まだ、すぐ決めようという方向の話ではない。しかし、いつまでも延ばすべきではないとの意見もある」と、現段階で投票での決定については検討していないことを強調した。
 十三日に開催される「知事選を考える討論集会」は、那覇市の自治会館で午後二時から午後五時まで開催され、入場無料、参加自由となっている。
 今月十九日で投開票まで三カ月となる県知事選。しかし、与野党とも候補者選定が難航しており、決定に至るまでにはまだ時間が必要な状況となっている。 (垣花尚)

 写真説明
・下地、山内両氏の意見聴取を終えて開催された野党5党と「そうぞう」の代表による6者会議=6日、県議会の護憲ネットワーク会議室

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本土でマグロ価格高騰/台湾からの輸出量制限が要因
「稼ぎ時」、伊良部の仲買人らに活気

 キハダマグロやビンナガマグロなどを日本へ大量に輸出していた台湾でこのほど、マグロ類の乱獲防止と資源保護の観点から漁獲量が制限され、日本への輸出量が激減し、国内のマグロ価格は高騰を続けている。このため、宮古島市伊良部佐良浜地区の仲買人らは「今が稼ぎ時のチャンス」と受け止め六日午前、宮古近海で取れた大物キハダマグロ(重さ六五`)二匹を本土へ出荷した。伊良部では、一匹で四十`以上の大物キハダマグロは一`当たり八百円で取引されているが、本土の魚市場では千五百―二千円で推移。高値で競り落とされた場合は、大量に出荷する。
 伊良部の漁民らは魚市場が県外へ拡大したことから、漁獲量アップへ意気込んでいる。本土のマグロ市場は、買い手市場から売り手市場に転換した。
 日本の大型はえ縄マグロ漁船は、近年の原油高騰などでコストが増え、減船や操業見送りなどの影響が出た。長期航海操業を展開しても、マグロ資源の減少で漁獲高は激減しているという。これまで、日本の激減分は、台湾からのマグロ輸入で、市場への供給量と価格を保っていた。
 ところが台湾でマグロ乱獲が問題となり、台湾政府は、海洋資源保護からマグロ漁の規制に乗り出した。日本へのマグロ類輸出量は、近年では年間四十万d前後を推移。規制により日本への輸出量は激減したという。
 このため、日本では、これまで安定していたマグロ供給量と価格相場が崩れ、品薄になったことからマグロ価格は高騰したとされる。
 佐良浜地区の仲買人の一人は「本土へ出荷した大物キハダマグロは、高値が期待できる。高値が続くと、宮古近海で取れる大物マグロが宮古の市場に出回るのは、少ない量になるのでは」と語った。

 写真説明・平良港で出荷作業をする伊良部の仲買人=6日、平良港

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お帰りなさい ご先祖様/親せき一堂でお迎え
各地で「ストゥガツ」入り

 六日は旧暦七月十三日、旧盆(ストゥガツ)入りの「ンカイビィ(迎え日)」。年中行事の中でも最も大きな祭りとして、先祖の霊を後世(グソー)から迎える日だ。この日は門前や墓前で線香をたき、先祖を家に迎え入れる光景が各地で見られた。六日から八日までの三日間、先祖の霊をもてなし「送り日」には再び後世へ送り出す。

 城辺字友利にある久貝義雄さん(65)宅では、兄妹や孫など親せき約三十人が本家に集まりそろって先祖を迎えた。午後八時すぎ、二男の安弘さん(36)が門前で線香をたき「親せき一堂お待ちしておりました。どうぞいらっしゃいませ」と先祖を仏壇へ案内。仏壇には果物やてんぷら、重箱、刺し身などの手作りのごちそうを供え先祖をもてなし、全員でそろって手を合わせて歓迎した。旧盆中の三日間は一日三食、欠かさず仏壇に供えるという。
 義雄さんは「先祖の姿は見えないが、私たちの心の中に確実に息づいている。先祖のおかげで今年もこうしてたくさんの子や孫に囲まれて、みんなそろって旧盆を迎えることができた。先祖の皆さんには、どうぞ私たちに迎えられてゆっくり楽しんでくださいという気持ちと感謝の思いをもって手を合わせています」と、毎年にぎやかに先祖を迎えられることを喜んだ。
 孫の涼歌さん(宮高一年)は「毎年、親せきがこのように集まって先祖を敬い感謝するのはとても良い風習だと思う。先祖あっての私たちということを忘れてはならないから、この風習は廃れてほしくないし、私たちも大事にしていきたい」と話した。
 また、この日の午前中、下里公設市場では、先祖の霊を迎える品々や食材などが並んで活気にあふれ、買い物客らでにぎわった。
 五、六日の二日間で約三百本のサトウキビを用意したという出店者は、六日午前十時の時点で、約二百二十本が売れる盛況ぶりを見せた。値段は一本当たり百五十─二百円。ほとんどの人が二本買い求めたという。
 きょう七日は「ナカビ(中日)」、あす八日は「ウフィビィ(送り日)」を迎える。八日には紙銭(かびじん)を焼いて、先祖を後世に送り出す。

◆ことば◆
 
旧盆 旧暦の七月十三─十五日に行われる祖先祭り。一般的に沖縄本島ではシチグヮチ、宮古ではストゥガツ、八重山ではソーロンという。
 宮古では十三日は「ンカイビィ」といって祖霊を迎える。十四日「ナカビ」、十五日は「ウフィビィ」といって祖霊を送る。三日間、仏壇には果物、菓子、サトウキビなどを供え、ごちそうを作って先祖をもてなす。

 写真説明 上・全員で仏壇に手を合わせ、先祖の霊を迎えた=6日午後八時半ごろ、城辺字友利の久貝義雄さん宅
 写真説明 下・市場ではサトウキビが飛ぶように売れた=6日、下里公設市場
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「九州大会も制覇を」/ 野球部員と柔道・砂川さんを激励
北中で祝賀会

 宮古島市立北中学校(与那覇正博校長)は五日夕、県中学校野球選手権大会で優勝した野球部と、県中体連柔道競技の女子個人で準優勝した砂川優奈さん(三年)の祝賀会を同校体育館で開いた。学校関係者や父母、地域の住民など大勢が出席し、両者の快挙を祝福。九州大会へエールを送った。
 与那覇校長や宮古島市の下地学助役らは選手たちに「選手たちが県大会で果たした快挙は、地域のパワーになっている。九州大会を制覇し、全国大会に駒を進められるよう頑張ってください」と激励の言葉を送った。
 野球部の仲間俊貴主将は「全国制覇を目標に掲げ、アララガマ精神で百パーセント以上の力を発揮し、優勝旗を持って帰りたい」と決意。砂川さんは「初戦を突破できるよう、全力を尽くしたい」と抱負を掲げた。
 祝賀会では同校母親部による余興も行われ、会場には喜びの笑顔が広がっていた。

 写真説明・県大会を制覇した北中学校野球部と柔道女子で準優勝を果たした砂川さん(段上左)=5日、北中学校体育館
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北と南で野球交流/室蘭市と宮古島市の子どもたち

 第一回宮古島市・室蘭市少年野球交流大会(主催・宮古島市)は六日、宮古島市民球場で二試合を行った。宮古島市と室蘭市の子どもたちは晴天の下で白球を追い、大好きな野球を通して交流を深めた。
 この日は室蘭市選抜に北ブルーウェーブと下地が挑んだ。両市の子どもたちは大きな声を出しながらプレーに集中。真剣勝負の中で、日ごろの練習の成果を競い合った。
 試合の結果、北ブルーウェーブと室蘭市選抜の試合は1―3で室蘭市選抜が勝ち、下地と室蘭市選抜の試合は9―4で下地が勝利を収めた。試合終了後はそれぞれ記念写真に収まっていた。
 この大会は、宮古島市と北海道室蘭市の交流都市交流事業の一環で初めて開催された。両市の子どもたちが野球を通して交流し、体力の向上を図るとともに、心豊かな人間性を養うことが大きな狙い。また、それぞれの文化に触れ合い、学習する喜びを体験させることも目的の一つだ。
 試合は今月四日にも伊良部島で行われ、同日は伊良部ガッツと宮古島選抜が室蘭市選抜と対戦した。試合後は佐和田の浜で交流会があり、北と南の子どもたちが宮古島の自然に触れながら、バーベキューや三線体験を楽しんでいた。

 写真説明・宮古島市と室蘭市の子どもたちが野球を通して交流を深めた=6日、宮古島市民球場
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佐良浜男子 ベスト8進出/全国懸け、きょう準々決勝戦
九州中学バレー

 第三十九回九州中学バレーボール競技大会は六日、大分県で予選グループ戦が行われ、県代表として出場している男子の佐良浜は、片淵(長崎県二位)と対戦、セットカウント2─1と逆転勝ちした。予選終了後に決勝トーナメントの抽選があり、ベスト8が決まった。佐良浜はきょう七日の準々決勝で片淵と和泊(鹿児島県一位)の勝者と対戦する。五位以内に全国大会出場権が与えられるため、この試合に勝てば全国大会出場が決まる。
 佐良浜は第一セット、初戦の緊張感もあって苦戦し20―25で落としたが、第二セット、第三セットは立て直し、それぞれ25―20、25―21で取って逆転勝利を飾った。
 上地将貴主将は「出だしが悪かった。県大会でも春の九州大会でもそうだったが、初戦で硬くなってしまった。片淵には春に勝っていたので自信もあり過ぎた」と反省。「次の試合では相手のエースをブロックできっちり抑え、自分たちのバレーをしてストレートで勝ちたい」と話し、全国大会の出場権獲得に意気込みを示した。
 仲間智監督は「力んだ部分があった。まだコンビネーションでミスが多いので修正していきたい」と話していた。
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