200平成18  8 土曜日

知事選 下地氏、山内氏に絞る
野党陣営人選会議/統一候補決定は持ち越し
きょう両氏と面談、再協議へ
/糸数氏、伊波氏の再考も示唆

 【那覇支局】十一月の県知事選挙に向け、野党五党と政治団体「そうぞう」で構成する野党の人選会議(座長・新里米吉社民党県連書記長)が四日、県議会の護憲ネットワーク会議室で行われ、出馬に意欲を示している「そうぞう」の代表で衆議院議員の下地幹郎氏(44)と元県出納長の山内徳信氏(71)の二人を候補者として絞り込み、統一候補者選定について協議した。しかし、話し合いはまとまらず、きょう五日に両氏の意向を確認した上で再度、野党としての統一候補を決定することとなった。また、出馬辞退の意向を示している参議院議員の糸数慶子氏(58)と宜野湾市長の伊波洋一氏(54)についても人選が行き詰まった場合は再考の可能性があることも新里座長が示唆した。
      下地幹郎氏      山内徳信氏
 会議後、新里座長は会見で「下地氏と山内氏との面談で、両氏から出馬に積極的な回答を得ており、この二人の中から候補者を決定することに最大限努力することでまとまった。旧盆前には決める方針であり、人選作業は長引かせたくない」と述べた。
 新里座長によると、四日の段階で山内氏に関しては社民党県連、社大党、共産党県委、民主党県連、自由連合沖縄の野党五党が統一候補者として意見の集約が図られている。下地氏については同氏が代表を務める「そうぞう」が推している状況。
 会議では、「そうぞう」側から「下地、山内の両氏で話し合いを持ってみてはどうか」との意見がでたが、両氏を六者協に呼んで話を聞いた上で再度、最終的な人選協議を行うことでまとまった。
 そのほか、新里座長からは糸数氏が「国政に専念したい」との理由で出馬辞退を明確に伝えてきたことや、伊波氏は「宜野湾市政に専念」を理由に出馬辞退の意向を伝えてきたが「人選作業が行き詰まった時にみんながまとまってどうしてもとなった場合には考えないといけない」との回答を得ていることも報告した。
 新里座長は、今後の人選作業が行き詰まった場合は糸数、伊波両氏の再考の可能性を示唆するも「基本的には下地氏、山内氏の二人に絞られており、どちらかで選ぶ」との考えを強調した。
 当初、この日の会議で統一候補者を決定する予定だったが、六者の意向はまとまらなかった。現状で山内氏擁立で五党がまとまっており、下地氏については「そうぞう」が求めている状況となっている。きょうの会議で六者の意向が集約され、野党としての統一候補を決定できるのか注目される。(垣花尚)

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キビの夏植え始まる/宮古全体で3900f見込む

 宮古地区で今年のサトウキビ夏植えが始まった。JAは地区全体で約三千九百fの植え付けを見込む。植え付けは、十月中旬ごろまで続く。
 宮古島市平良新豊地区では四日、下地弘清さんが苗を植える作業に精を出していた。同所には三日午後に雨が降り、土壌は適度な湿りという。今年は一・二fを植える予定。下地さんは「サトウキビは、台風、干ばつの多い宮古に向く作物。時期が来れば金になる」と良さを話し、収量増加の課題に土づくりを挙げた。
 サトウキビ関係機関は収量増の留意点として▽深耕と適度な畝幅、株間▽十分な量の苗植え付け▽欠株を無くす−などを指摘。具体的に十e当たり植え付け本数は畝幅百十a、株間二十五aの場合三千五百七十本、畝幅はハーベスターを使う場合百四十a以上を示している。
 JAのまとめによると、地区別の新植夏植え面積は平良九百六十九f、城辺千百四f、下地四百十七f、上野二百九十四f、伊良部八百二十七f、多良間三百fの合計三千九百十一fを計画している。

 写真説明・植え付け作業に励む下地さん=4日、平良新豊地区

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「くまから・かまから」発刊/宮古方言傑作選
読者5人にプレゼント

 【東京】宮古出身者ら十八人が伸び伸びと島の言葉でつづった「宮古島方言マガジン傑作選 くまから・かまから」(ボーダーインク社)が七月二十五日に出版された。
 「みゃーくふつしー のーゆまい ぱなさー(宮古方言で何でも話そう)」と二〇〇一年四月にみゃーくふつメールマガジン「くまから・かまから」(松谷(旧姓徳嶺)初美さん主宰)がメーンライター十二人でスタートした。
 宮古のことわざ、みゃーくふつ講座、エッセー、コラム、宮古民謡の解説などを月二回発行し続けている。二、三年前から本にしてほしいという要望があり、五周年記念の意味も込めて発刊することになった。
 旧下地町高千穂出身で東京都在住の松谷さんは「自分たちが生まれ育った宮古への感謝の気持ちがつづられている。多くの人に読んでほしい」と話した。
 当初から参加し、同級生でもある高橋(旧姓吉平)尚子さん=伊良部出身、神奈川県在住=は「書くことによって自分を振り返ることができた。書き手にとっても癒やされる出会いの場所」と語った。
 「くまから・かまから」は、▽ブックボックス宮古店▽麻姑山書房▽とぅんからや▽オキナワ宮古市場▽楽園の果実▽沖縄教販宮古店▽空港売店▽まるきスーパー(伊良部)▽伸学喜書店(同)の九カ所で販売している。二百六十nで定価は税込み千六百八十円。ホームページはhttp://kumakarakamakara.hp.infoseek.co.jp/
 なお、宮古毎日新聞社では「宮古島方言マガジン傑作選くまから・かまから」を読者五人にプレゼントする。官製はがきに住所、氏名、年齢を明記の上、「〒906−0012 宮古島市平良字西里403 宮古毎日新聞社『くまから・かまから』プレゼント係」まで申し込むこと。
 ただし、本社窓口で受け取ることができる人に限る。8月11日の消印有効。申し込み多数の場合は抽選。当選者は14日付の本紙紙面で発表する。
 (菊地優子)

 写真説明・発刊を喜ぶ松谷初美さん(右)と高橋尚子さん=東京都港区表参道
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出かけてみませんか?B宮古島地方気象台
天気の不思議に答えます/データ豊富、資料提供も

 宮古島地方気象台(菊池哲也台長)では、夏休みの自由研究に役立てるため、全国各地の天気予報や台風情報、最高気温や雨量の推移など天気に関する細かなデータを提供し、同職員が天気の疑問に答えてくれる。測定器などの見学もできるので、学校では学ぶことができない天気の不思議を感じたら、気象台に行ってみよう。
 同気象台では、テレビや新聞に掲載される天気予報の作成や日の出、日の入り時刻、過去の天気データの管理などが行われている。また、資料庫には過去数十年分の気象記録が保存されているため、過去の台風の規模や年間の気温の移り変わりなどを研究したい場合は、資料の提供やアドバイスも受けられる。
 天気データを観測するときに使われるてんびんのような仕組みを使った感雨器や、地上十三・五bの塔の頂上にあるプロペラ飛行機のような形をした風速計もじかに見ることが可能。気象予報士らが目や肌で触れることで気象観測する場合もあり、高所から地平線を見詰めて霧の濃さや黄砂などを調べたり、直接雨に触れて霧雨などの判断をする。また雲の大きさや形、流れなどを見て予測することもあるという。雲を見て天気を当てる方法を教えてもらえば、君も天気博士になれること間違いない。
 資料提供と質問の受け付けは平日のみで、午前九時から午後五時。過去の気象記録は宮古島地方気象台のホームページ(http://www.okinawa−jma.go.jp/miyako/)でも見ることができる。
 問い合わせは宮古島地方気象台(電話72・3051)まで。

 写真説明 上・気温や降水量は1分ごとに計測されている
 写真説明 下・塔の頂上にはプロペラ飛行機のような風速計がある

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観光安全週間8.1〜8.7(下)
フリープラン型人気で増加/
レンタカー
ピーク期には900台に

 宮古地区のレンタカー業者は約二十社、所有台数はピーク期には九百台になる。景勝地の駐車場には、レンタカーがずらりと並ぶ光景も。観光客の利用は年々右肩上がりだ。
 旅行形態で最も多いのがフリープラン型の旅行。次いで交通や宿泊などを自ら手配する個人旅行が多い。どちらもレンタカーを利用することがほとんどだという。
 フリープラン型は夏場に比率が高く、個人旅行は航空会社の格安航空チケットの利用できるシーズンに多いようだ。
 レンタカーの利用増の背景にはインターネットの普及と情報の流通が大きい。各事業所、個人が観光スポットなどの情報を発信しているため、観光客が必要な情報を事前に調べ自らプランを立てて来島しているようだ。
 利用者は家族連れや大学生などの若者グループの利用が多い。いずれも四、五人ほどの人数という。
 市内のあるレンタカー業者は三百台を所有。一日平均で四十−五十台、多いときには一日で百台の利用あるという。担当者は「宮古は移動の手段が限られている。観光客は自分で考えたプラン通りに移動するためにレンタカーを利用している。需要はまだまだ高い」と予測する。
 課題は、利用者増に伴う交通事故の増加にある。主な原因は不慣れな土地での運転と、乗り慣れない車の運転などが挙げられている。業者や警察で利用者に注意を促すなど事故防止に力を入れている。          (洲鎌恵仁)

 写真説明・フリープラン型の旅行などで利用者が多いレンタカー=市内のレンタカー業者
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山羊生産組合が発足/販売体制の確立目指す
多良間村

 【多良間】ヤギの特産品化を目指す多良間村で一日夜、同村役場で山羊生産組合の設立総会(主催・同村山羊生産組合設立準備会)が開かれた。規約の制定や役員の選出、今年度の事業計画などが議事通り承認され、会長には諸見里朝仁さんが選出された。今後、同組合では肉用ヤギの管理技術の向上や生産拡大、安定した販売体制の確立に取り組む。
 この組合は、組合員相互の連絡協議を図りヤギ生産農家の経営安定を図るため、農家の飼養管理および流通の改善向上に努めることが目的。会員二十二人で構成され、組合事務所は同村役場経済課に置かれる。
 総会で村経済課の運天宏和課長が「従来から深くかかわってきた『多良間のヤギ』をさらに盛り上げ、畜産振興の一助になるよう力を合わせていきたい」とあいさつ。
 諸見里会長は「きょう、組合の産声を上げることができた。組合を大きく育てていくことがわれわれの役目です。組合を大いに盛り上げていこう」と話した。
 同村におけるヤギの飼養状況(二〇〇五年十二月末)は、農家数七十五戸、飼養頭数八百十二頭と、宮古全体の約三〇%を占めているが、ピーク時(一九七九年)の二百五戸、二千六百二十三頭に比べると三分の一以下に減少。一部で付加価値を付けた加工製品の製造販売が行われてきたが、安定した生産・出荷体制の確立ができない状況が続いてきた。このため、今年四月から検討会の開催など、組合設立に向け取り組んできた。
 今年度の活動計画では、今後の生産や販売、ヤギ肉需要の現状と将来性、飼育技術、衛生管理の向上などの勉強会および意見交換会を予定している。
 役員は次の通り。(敬称略)
 【会長】諸見里朝仁【副会長】糸数英行【書記】石原寿一【会計】羽地敏哉【監事】西平郁夫▽池間雅英

 写真説明・会員らはヤギの生産・販売拡大に向け取り組むことを了承した=1日、多良間村役場
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