200平成18  8 金曜日

県知事選/下地、出馬に強い意思
野党幹部に意向伝える

 【那覇支局】政治団体「そうぞう」の代表で衆議院議員の下地幹郎氏(44)は三日、十一月に行われる県知事選挙に出馬の意向を固め、野党五党と「そうぞう」で構成される人選会議座長の新里米吉社民党県連書記長らに対して、その意向を伝えた。下地氏は記者団に対しても「基地問題や経済の問題など沖縄を変えるのは知事であり、政治家として県知事選への出馬を前向きに検討したい」と答えるなど、出馬に対し強い意思を示した。
      下地幹郎氏
 下地氏の出馬の意向について、関係者も「以前から知事選に対しては前向きな姿勢だった。すでに本人は出馬の意向を固めているようだ」と、下地氏が出馬の意思を固めていることを説明した。
 下地氏は、二日に行われた同氏後援会の理事会で県知事選に対する方針を協議。理事会からは「国政に専念した方がいい」との声も一部にあったが「基地問題や観光立県としての沖縄の経済を考えたときに若い行動力のある政治家が必要」など県知事選出馬に対して「やるべき」との意見が多数を占めたことから、出馬の意向を固めたようだ。
 一方、候補者の人選で名前が挙がっていた参議院議員の糸数慶子氏ァウは「国政専念」を理由に、宜野湾市長の伊波洋一氏ァッは、「市政に専念」を理由にそれぞれ出馬を辞退する意向を新里座長に示し、社大党委員長の喜納昌春氏ァエも辞退する意向を表明している。
 また、元県出納長の山内徳信氏ゥャは、野党各党、労組、市民団体などとの団結を条件に出馬への態度を決定するとしており、今後の野党候補の人選作業は下地、山内の両氏を軸に行われる。
 今後、社民党県連、社大党、共産党県委、民主党県連、自由連合沖縄の野党五党と「そうぞう」を加えた六者での調整が図られるが、基地問題などで基本姿勢の違う共産党県委などが下地氏の擁立に難色を示すことも予想され、きょう四日に行われる候補者一本化に向けた協議が注目となっている。       (垣花尚)
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水難事故防止へ連携強化/宮古島市
推進協議会が発足/安全対策など呼び掛けへ

 海浜などにおける水難事故防止を図る宮古島市水難事故防止推進協議会が三日、発足した。同日、宮古島市役所平良庁舎で設立総会を開き、会長に伊志嶺亮宮古島市長を選任した。伊志嶺会長は「各機関で連携を取り、安心・安全な水難対策を」と呼び掛けた。今年に入ってから、宮古島警察署管内で四件の水難事故が発生し、三人が水死している。

 同協議会は、宮古島市の水難事故防止活動を組織的に推進し、海浜、河川、沼地などにおける水難事故防止を図ることを目的に発足。宮古島市や宮古島警察署、海上保安署、マリンレジャー事業所などの各関係機関が参加し、互いに連携を取りながら、水難事故防止対策を推進していく。
 設立総会では伊志嶺会長が議長を務め、「各機関で対策を行っているが、毎年水難事故による死亡事故が起こっている」と現状を示した。顧問に選任された宮古島警察署の岸本亮署長は、今年に入って管内での水難事故死亡者が多発していることを説明し、「これ以上事故が発生しないよう関係機関と連携し、事故防止に努めていきたい」と話した。
 また、警察本部水上安全対策室の名嘉真朝亮係長による県内の水難事故の現状と実態を呼び掛ける講話も行われた。その中で、宮古地区の二〇〇五年水難事故は四件発生し、三人が水死。今年に入ってからは、四件中三件がシュノーケリングに関係した死亡事故という現状を示した。
 その上で、シュノーケリングを行う際には▽浮力の確保▽単独で泳がない▽自己流は危険−などの安全対策の重要性を呼び掛けた。
 会員らは講話の内容をメモに取るなど、水難事故防止への力強い取り組み姿勢を見せていた。
 役員は次の通り。(敬称略)
 【顧問】久貝勝盛▽藤村明憲▽岸本亮▽上鵜瀬啓二【会長】伊志嶺亮【副会長】渡久山明▽下地芳輝【理事長】宮川耕次【理事】島袋雅之▽玉城正義▽渡真利将博▽清水伸一▽粟国将一郎▽藤井一郎▽与那嶺大▽長田譲▽長濱博文▽根間正三郎▽池村恵慈▽伊良部和則▽平良光成▽賀数剛▽島袋正彦▽与那嶺敏之▽下地達男▽我如古三雄▽下地信男▽浜川明芳

 写真説明・海や沼地などの事故防止を図るため、宮古島市水難事故防止推進協議会が発足した=3日、宮古島市役所平良庁舎
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伊良部さん、全国7位/交通安全自転車大会
団体は15位

 第四十一回交通安全子供自転車全国大会(主催・全日本交通安全協会)が一、二の両日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された。宮古地区から県代表として出場した宮古島市立西城小学校が団体で十五位、個人で伊良部菜央さん(六年)が七位に入る健闘をみせた。伊良部さんは「全国は県、地区に比べてレベルが高かった。七位に入れてすごくうれしい」と笑顔で話した。
 同大会は、競技を通じて児童に交通についての興味と関心を高めさせるとともに交通知識を身に付け習慣化を図ることが目的。各都道府県大会で優勝した四十七チームが参加した。
 大会に出場したのは同校六年の伊良部さん、洲鎌幸子さん、中上ひかるさん、宮国美咲央さん、与那覇晴乃さんの五人。「全員ノーミス」を合言葉にパーフェクト賞と上位入賞を目指していた。個人七位の伊良部さんは学科で一問ミスし惜しくもパーフェクト賞を逃したという。
 大会の初日は学科試験が行われ、二日目は実技試験が実施された。児童らは緊張した面持ちを見せながらも堂々と運転し、練習の成果を発揮した。
 児童らを指導した宮古交通安全協会の砂川米子事務局長は「学科の出題傾向が変わり苦しんだ。実技で頑張ってくれた」と大会を振り返った。
 昨年は砂川小が出場し団体二十四位、個人では十五位が最高だった。

 写真説明・県代表として出場し団体t位になった西城小学校のメンバー=2日、東京都江東区の東京ビックサイト
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出かけてみませんか?A宮古島市総合博物館
目指せ!「宮古博士」/島の歴史や風土に触れよう

 宮古島市総合博物館(下地和宏館長)は「宮古の自然と風土」を基本テーマに、二カ所ある展示室で宮古の考古や歴史、民俗、自然科学や美術工芸などを展示・紹介している。島の歴史や風土に触れることができる博物館で、「ばんたが美ぎ島」(私たちの美しい島)を学んで「宮古博士」を目指すのも面白いかも?
 パーントゥがみんなを出迎えてくれる第一展示室は考古・歴史、民俗の二部門を展示。人々が宮古に住み着いた時代から第二次世界大戦までの歴史の流れを紹介し、古い時代の遺跡や当時の人々が住んでいた住居、文化の様子を分かりやすく再現している。
 宮古の豊かな自然や昆虫など、鳥やチョウなどの実物資料やジオラマ(立体模型)で紹介しているのは第二展示室。今にも飛び立ちそうなサシバや色とりどりのチョウ、季節の星座を観察できるプラネタリウムなど、親子そろって楽しめそう。
 また、一日から始まった企画展「宮古のチョウと食草」では、宮古に生息する四十四種類のチョウの写真や標本と、チョウの幼虫が食べる「食草」の写真を九月三日まで展示中だ。
 休館日は毎週月曜日と国民の祝祭日。月曜日が祝日の場合は火曜日が休み。開館時間は午前九時から午後四時半(入館は午後四時まで)。
 問い合わせは市総合博物館(電話73・0567)まで。

 写真説明 上・第1展示室に入ってすぐ出迎えてくれるパーントゥ
 写真説明 下・当時の人々の生活様式を分かりやすく再現している

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観光安全週間8.1〜8.7(中)
体験型コースが人気/
修学旅行
環境や文化に関心高まる

 修学旅行は、夏場の観光シーズンピーク期をずらして行われる。昨年度は二十五校四千二百人が来島。今年度は現時点で三十校が来島する予定で、まだまだ増加傾向にある。
 修学旅行の形態にも変化が見られ、環境や自然、文化を意識したグリーン・エコツーリズムに関心が高まっている。大型バスで観光地を巡るコースから、小グループで行動し体験するコースが徐々に人気を集めている。
 今秋から来年一月にかけては、大阪府から五百四十人の修学旅行生が農家民泊する予定。十一月に二百八十人、来年一月に二百六十人が訪れ、農業体験やゆし豆腐作り、民謡三線教室などを行う。
 最近では大阪府立泉陽高校の生徒が自然学習体験を実施。三泊四日の日程でダイビングやレスキューボード、星座観察などを体験した。最終日には海岸清掃を行うなど従来の修学旅行とは異なる内容のメニューを行った。
 宮古観光協会の渡久山明事務局長は「生徒に多種多様なコースを選ばせ、自主性や計画性を伸ばそうとしている。今後、環境問題をテーマにしたコースが求められてくる」と分析する。
 今年上半期入域観光客数は過去最高の二十一万人。その要因の一つとして、一−三月の修学旅行の増加が挙げられた。
 宮古にはバイオマス施設、地下ダム資料館などテーマになりやすい施設が豊富。学校側へのPRが今後のポイントになる。     (洲鎌恵仁)

 写真説明・貝細工を楽しむ修学旅行生=海宝館

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「裏方」の仕事を体験/マティダ市民劇場 舞台づくりミニ講座
音響や照明などの機器に触れる

 マティダ市民劇場(奥平徳松館長)は三日、中・高校生を対象にした「舞台づくりのおもしろミニ講座」を行った。参加者は同劇場のスタッフの案内で、日ごろは立ち入れない舞台裏で音響や照明、映写などの機器に触れるなど貴重なひとときを過ごした。また、高校生のアマチュアバンドを招き音響や照明などの仕事も体験し、「裏方」の苦労や楽しさを味わった。
 参加者らは午前中、「バックステージツアー」と称し、「キャットウオーク」と呼ばれる客席から約十五bの天井裏にある照明施設や、「フライギャラリー」と呼ばれる舞台上の部分などを見学した。午後には実際の舞台づくりの手順で、照明や舞台、音響の機器を仕込み、本番の演奏の舞台づくりまでを経験した。
 バンド活動をしているという山口貴寛君(伊良部高校三年)は「音響や照明には以前から興味があった。簡単かと思っていたことも実際には大変なことが多かった」と感想。吹奏楽部所属の与那覇みのりさん(宮古高校三年)は「裏方の仕事のことは全然知らなかった。いろいろなことを見ることができて良かった」と喜んだ。
 奥平館長は「せっかくの夏休みに、施設の裏側を体験し楽しんでもらい、参加した子どもたち同士の交流もできたのでは。この経験を今後の進路にも生かしてほしい」と話していた。
 同劇場では開館十周年記念事業として今月二十六、二十七の両日、「2006映画祭」を予定。二十六日は一九七五年から九四年までの宮古各地の記録映画、二十七日は実在のおばあちゃん劇団をモデルにした「ぷりてぃ・ウーマン」を上映する。問い合わせは同劇場(電話72・9622)まで。

 写真説明・スタッフの指導を受けながら照明機器の操作を体験する参加者ら=3日、マティダ市民劇場
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