200平成18  729 土曜日

ガソリン7円の大幅値上げ/きょうから1g当たり144円に
各スタンド・原油高の影響受け

 原油価格の高騰に伴う石油元売り価格の値上げを受け、宮古の一部スタンドがきょう二十九日からガソリン価格を一g当たり七円値上げする。これにより、ガソリン一g当たりの価格は一律百四十四円になる。あるスタンド関係者は「価格上昇が収まる気配はない」などと強調。今後さらに値上げが続き、価格が百五十円台に跳ね上がる可能性も示唆した。二〇〇四年から上昇を続けるガソリン価格。全国同様、宮古地区でも夏の行楽に影響を与えそうだ。
 ガソリン価格の値上げは原油価格の高騰に伴う石油元売りの卸値の引き上げと比例して上昇。今回は大手元売りが軒並み大幅値上げに踏み切ったことから、ガソリンの上げ幅も一g当たり七円という大幅値上げとなった。
 一g当たりレギュラーガソリンの全国平均は二十四日時点で百三十七円だったが、今回の値上げにより百四十円を突破するのは確実な情勢だ。
 宮古各地のスタンドでは二十八日、二十九日からの値上げ(一部は三十日から値上げ)を張り紙で告知。スタンド利用者に理解を求めている。各スタンドともレギュラーガソリンは百三十七円から百四十四円に、ハイオクガソリンは百四十八円から百五十五円に、軽油は百十八円から百二十五円に上昇する。あるスタンド関係者は「今回の七円という上げ幅は大きいのだが、これだけ卸値が上がると仕方がない」と明かす。その上で「今の中東情勢を見ていると今後も上昇は止まらないのではないか。リッター百五十円台にも乗ってくると思う」と話した。
 〇四年以降続くガソリン価格の上昇にスタンド利用者はあきれ顔だ。五十代男性は「少しずつ上昇してくるとは思っていたが、まさか七円も一気に値上げするとは考えてもいなかった。いったいどこまで上がるんだ」と不満顔で話した。三十代の女性は「数年前の価格と比べると、今の価格は驚くばかり。今後の値上げが気になります」と不安そうに話した。
 石油の卸価格の引き上げは、原油高と為替相場の円安進行が原因とされている。このままの状況で推移すれば、レギュラーガソリンの価格は一九九〇年秋の湾岸危機時に記録した最高値(全国平均価格)に迫る見通しだ。
(山下誠)

 写真説明・各スタンドではきょうからガソリン1g当たり7円の値上げに踏み切る=28日、市内のガソリンスタンド
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豊年願いクイチャー奉納/きょうパレード・大綱引き
合併後初、宮古島夏まつりスタート

 第二回宮古島夏まつり2006(主催・同実行委員会)が二十八日、二日間の日程で開幕した。同日午前は平良西里の漲水御嶽で豊年祈願祭が行われ、祈願舞踊を奉納、クイチャーを躍って五穀豊穣、無病息災を祈願した。宮古島市発足後初めての夏まつりということで、旧五市町村の元首長らが顔をそろえ、合併を報告する儀式も併せて行われた。また夕方からは西里、市場、下里の市内三通りを主会場に歩行者天国となり、多くの人でにぎわった。最終日のきょう二十九日はパレードやミス宮古の発表会や東西大綱引などメーンのイベントで盛り上がる。
 豊年祈願祭は午前十時から、漲水御嶽で行われ、実行委員会役員をはじめ、関係者が多数集った。うたき神道会のつかさたちが祈りをささげる中、漲水クイチャー愛好会、池間、西辺の女性たちが祈願舞踊を奉納。徳八琉太鼓の演奏が花を添えた。
 実行委員長の中尾英筰宮古島商工会議所会頭は「五市町村合併の報告と、宮古島市のこれからのスムーズな、ダイナミックな運営を祈った。これからますます宮古島市が栄えるものと心から喜んでいる」と報告した上で、「二日間、燃えに燃えて、まつりを成功させて、宮古島の発展につなげよう。これが島づくりの原点だ」と力強くあいさつ。関係者らが合掌し、宮古圏域の発展を願った。
 このあと漲水クイチャー愛好会、池間、西辺の女性たちが次々にクイチャーを踊り、ちびっこランドの園児による創作クイチャーで豊年祈願祭を締めくくった。

 写真説明・クイチャーを踊り五穀豊穣、無病息災を願う女性たち=28日、漲水御嶽
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「悔いのないレースできた」/九州王者の力見せる
翔南高校カッター部・全国大会4位入賞

 第八回全国水産・海洋高等学校カッターレース大会(主催・全国水産高等学校長協会)が二十六、二十七の両日、愛知県蒲郡市で行われ、九州代表として出場した翔南高校カッター部は、決勝レースに進出し四位入賞を果たした。二十八日、宮古空港では父母らが拍手で出迎えた。惜しくも優勝はならなかったが、川満吉幸主将は「一試合一試合を大事に、気合いを出して、悔いのないレースができた」と語った。
 五百bの直線を折り返す千bのコースで行われる同大会。同校は目安となる5分台を目標にパイナガマビーチで練習を重ねてきた。
 初日の二十六日、予選C組で二位以下を寄せ付けずに一位通過。同日の準々決勝でも5分台の好タイムで一位と、好調に滑り出した。二十七日の準々決勝は、九州大会でも対戦した鹿児島代表の鹿児島水産を抑え、二位で通過、決勝進出を果たした。四艇で競われた決勝レースは、それまでの三レースで蓄積された疲れが見え四位。優勝には惜しくも届かなかった。
 それでも川満主将は「自分たちの力と、皆さんの応援と、先生の支えがあってここまで来られた」と感謝し、「気合いを出して四位という結果を残すことができた」とすがすがしく話した。また、後輩たちに向け「三年生が抜けるが、新入生に入ってもらって、全国制覇を目指してほしい」とエールを送っていた。
 顧問の前泊光男教諭は「力を発揮し全国でベスト4に入ったのは胸を張れること。練習の時よりもタイムも良かった。予想通り周りもレベルアップして厳しいレースになったが、その中でも最後のレースまで残れたのは子どもたちの頑張りに尽きる」と、振り返った。
 メンバーは次の通り。(敬称略)
 【顧問】▽前泊光男【部員】▽艇長=上里貴志(三年)▽艇指揮=前里健広(一年)▽こぎ手=川満吉幸(主将)、吉永巧、川満高樹、長濱正志、下地貴之、勝連翔太、柴田優人(以上三年)、来間智成、長間貴久(以上二年)、玉川勝、濱川光、國吉寿(以上一年)

 写真説明・全国大会で4位入賞を果たした翔南高校カッター部のメンバー=28日、宮古空港
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商店街3通り活気づく/宮古島夏まつり
歩行者天国にぎわう

 「宮古島夏まつり2006」(主催・同実行委員会)が二十八日開幕し、初日は夜店が立ち並ぶ「歩行者天国」などが行われた。親子連れやカップルなど多くの人が街に繰り出し、祭りムード一色に包まれた。
 歩行者天国は、夕方六時から西里、市場、下里の商店街三通りで開催、金魚すくいや特産品のPR、飲食品の販売などが威勢良く行われて活気づいた。浴衣姿の女性やうちわを片手にした男性、風船を握った子どもたちのほか、観光客らがにぎやかに行き交い、宮古島市が誕生して初めての祭りを楽しんだ。ちびっこのど自慢大会では、ステージ上の子どもたちが十八番を熱唱。父母や祖父母らが応援に駆け付け、大きな拍手で盛り上げた。
 色違いのムームーでおしゃれに祭りを楽しんでいた伊志嶺麻衣さん(宮古高校三年)と砂川真弓さんは「雰囲気を楽しんでいる。友達同士で来て大正解」と笑顔。金魚すくいに熱中していた亀浜泉紀さん(平良第一小学校五年)は「コツをつかんだのでたくさん取れた」と大満足。宮古島市平良に住む三十代の主婦は「予算をしっかり決めて来たので安心」と話していた。

 写真説明・歩行者天国に多くの人出があった=28日、西里大通り商店街
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生のオペラを堪能/「フィガロの結婚」を初演
出演は宮古出身者中心

 モーツァルト生誕二百五十周年を記念したオペラ「フィガロの結婚」ハイライト(主催・コンサート実行委員会「フィガロ」)が二十八日、うえのドイツ文化村の博愛記念館で行われた。出演者は、平良佳野さんら宮古出身が中心。昼と夜に行われた二回公演には大勢の観客が詰め掛け、会場いっぱいに響き渡る迫力ある歌声に観客らは酔いしれていた。
 このオペラは二〇〇五―〇六年が「日本におけるドイツ年」であり、モーツァルトの父親がドイツ人であることにちなみ、ドイツ文化村をドイツの文化や音楽の交流の場としてさらに活用しようと行われたもの。出演者は原語であるイタリア語で演じ、幕あいにはナレーターが日本語で曲目の説明をするなどして、観客たちは生のオペラを楽しんだ。
 指導演出した黒島舞季子さんは「今回はハイライトといって、『フィガロの結婚』(全幕)から楽しいところだけを選んで演じる。心ゆくまで楽しんでいただき、次回はぜひオーケストラでオペラが上演できたらと願う」とあいさつした。

 オペラ 歌唱を中心にして演じられる音楽劇。十六世紀末イタリアで誕生。管弦楽などを伴奏とし、扮装した歌手が舞台上で演技を行う。歌劇。

 写真説明・出演者はイタリア語で表情豊かに演じ、観客を楽しませていた=28日、上野ドイツ文化村博愛記念館
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砂川勝莉華さん(宮農2年)パラオへ/水事情など調査
琉大アジア太平洋島嶼研セが決定

 県立宮古農林高校環境工学科二年の砂川勝莉華さんがこのほど、沖縄・太平洋教育ネットワークイニシアチブ事業の一環で、パラオ共和国へ研修派遣されることが決まった。同事業主催の琉球大学アジア太平洋島嶼研究センターの大城肇センター所長らが二十八日、同校で記者会見し明らかにした。県内の高校生では、パラオ派遣は砂川さんが初めて。
 この事業は、笹川太平洋島嶼国基金の支援を受けて実施する。学生交流や教員の共同研究することで、沖縄と太平洋島嶼国の交流を図るもの。今年度から向こう三年間の計画。
 砂川さんは、同センターが実施した作文募集で、「宮古島の命の源である地下水を守る私の挑戦」と題して応募。厳正な審査の結果、パラオ共和国への派遣が決定。同事業で、初めて派遣されるのは高校生二人(一人は鹿児島県立大島高校生)、大学生三人、引率教員二人の計七人。八月七日に出発し、十三日に帰沖予定。
 砂川さんらはパラオ共和国滞在中、上下水道整備状況や水源地、沖縄と移民(南洋神社、日本人墓地)を調査する予定。調査を通して、島嶼地域の抱えるさまざまな問題を学び、同時に考える情報を得る。また、国際サンゴ礁研究センターや日本大使館などを訪問するほか、大統領と面談する。
 大城センター長は「砂川さんらの作文内容は、水準が高かった。パラオは沖縄とも関係が深く、水問題などを勉強してきてください」と激励した 砂川さんは「パラオの水問題を中心に、住民の生活を勉強してきたい」と抱負を語った。
 同校の下地盛雄校長は「パラオと宮古を比べることで課題が出てくる」と述べた上で「砂川さんは、宮農環境班の一人。環境班は十五人いるので、パラオからの報告に期待する」と励ました。

 パラオ共和国 フィリピンより下方に位置。面積が四百八十八`平方bで、屋久島とほぼ同じ大きさ。人口約二万人。人種はミクロネシア系で、言語はパラオ語と英語。主な産業は観光、水産業。

 写真説明・パラオに派遣される砂川さん(中央)と大城センター長(左)、下地校長=28日、宮古農林高校
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