200平成18  728 金曜日

県中学野球 北26年ぶり優勝/延長12回 東江と分ける
大会規則で両校V 来月九州大会へ

 【那覇支局】第五十八回県中学校野球選手権大会(主催・県中学校体育連盟、琉球新報社など)は二十七日、沖縄市営球場で決勝戦が行われ、勝ち進んだ北中学校は東江中学校と対戦。白熱した試合は延長十二回を終了した時点で2―2のまま大会規定により、引き分けで両校優勝となった。北は一九八〇年以来、二十六年ぶりの優勝で、スタンドに詰め掛けたたくさんの父母、郷友たちも同校ナインの偉業に大きな拍手を送った。北は来月八日から県内で開催される九州大会に東江とともに出場する。前回、県制覇した時のチームは九州制覇もしており、今回の北の活躍も注目となっている。
 決勝戦は、両校が持ち味を発揮する好ゲームとなった。先攻の北は初回に安打で出た走者が盗塁で進塁。一死二塁のチャンスに4番の親泊貴敏が中前に適時打を放ち1点を先制した。さらに三回にも1点を追加し、序盤は北ペースで試合は展開した。
 今大会、無失点の北中のエース・砂川幸乃輔はこの日も直球、スライダーなど緩急を付けたピッチングで四回まで東江打線を封じ込めた。
 しかし、五回に安打とエラーが重なり、砂川は無死満塁のピンチを1失点で切り抜けたが、今大会初めての失点となった。
 2―1となってからはゲームの流れが東江に移り、北は六回から砂川に代わり伊佐勇紀がマウンドに上がった。北は伊佐の粘りの投球と堅守でピンチを切り抜け、2―1のまま七回の最終回までこぎつけた。
 しかし、最終回の東江の攻撃は、二死後に伊佐が連打され、1点を失い同点となり延長戦へ突入した。
 延長に入ってからは、再び砂川がマウンドに戻り、相手打線を無失点に抑えた。しかし、北打線も相手投手を攻略できずに結局、延長十二回を終了し、2―2のまま大会規定で両校優勝で大会は幕を閉じた。
 試合後、濱川太監督は「厳しい場面もあったが笑顔で試合を楽しめと言い続けた。生徒たちはよくやった。九州大会は先輩たちの記録に追い付け、追い越せとの気持ちで頑張りたい」と述べた。
 仲間俊貴主将は「今まで以上に自分たちの力が発揮できた大会。決勝は緊張して、早打ちになってしまい打ち崩せなかった。できれば特別ルールで決着を付けたかった」と試合を振り返った。
 今大会、殊勲賞にも選ばれたエースの砂川は「大会全般では八十点の出来、決勝は球にスピードと切れが無かったので七十点。九州大会は決勝まで勝ち上がって東江と決着を付けたい」と意気込みを示した。
 九州大会は、来月八日から沖縄市営球場で開催される。北が県制覇して出場した二十六年前の九州大会も沖縄県開催だったことから、北の二度目の九州制覇に期待が高まっている。                     (垣花尚)


 101000000000 
 000010100000 
東江

(北)砂川幸、伊佐、砂川幸―親泊
(東)比嘉康―名嘉真

 写真説明・延長12回の激闘を引き分けで終え、両校優勝となった北は東江とともにダイヤモンドを一周した
top.gif (811 バイト)
 

徴収率向上に本腰/市税徴収対策会議
悪質滞納者氏名公表も視野に

 第二回宮古島市税徴収対策会議(議長・下地学助役)が二十七日、同市役所平良庁舎で開かれた。二〇〇六年度の数値目標は徴収率八二・〇三l(前年実績比〇・七三ポイント増)。収納額は四十一億六百万円(前年比六百万円増)。市は納税課(仮称)の設置など徴収体制の強化の充実を図る。悪質な滞納者に対しては行政サービスの制限や氏名の公表、差し押さえ不動産の公売なども検討するなど市税徴収率向上に本腰を入れる方針だ。
 市は厳しい財政状況を早期に解決するため市税収入の向上に取り組む。会議では市税徴収の現状と課題、数値目標が示され、▽徴収対策行動計画の策定▽滞納者対策の強化▽徴収体制の充実整備▽新たな滞納者発生の未然防止▽国税、県税との連携強化―などについて討議した。
 滞納者対策の強化として、課長・主幹クラスによる五十班百人体制で特別臨戸徴収を十一月末に実施。また、勤務時間内に滞納整理事務を遂行することが困難として、納税係職員の変則勤務(時差出勤)導入も前向きに検討している。
 市税を滞納し、納税について著しく誠実性を欠く滞納者に対して、行政サービスの停止および氏名などの公表も視野に入れている。
 差し押さえによる心理的効果が収納向上につながらないことから、市はこれまで控えていた差し押さえた不動産の公売も検討。〇五年度までに差し押さえた不動産は八十三件あるという。
 市の合併初年度となる〇五年度徴収実績は八一・三〇lで目標とする八二lには届かなかった。合併に伴う膨大な事務処理に追われ、年間を通して徴収ができなかったことが要因として挙げられた。〇六年度に引き継がれる滞納額は八億七千二百五十一万三千円に上り、そのうち固定資産税が六億八千八百七十三万六千円と約八割を占める。

top.gif (811 バイト)

「素晴らしい試合だった」/県中学野球選手権
「甲子園」 へ夢膨らむ

 【那覇支局】「よくやった」「素晴らしい試合だった」―。二十七日に行われた第五十八回県中学校野球選手権大会の決勝戦では北中学校が東江中学校と激闘を展開。延長十二回を終了し大会規定で引き分け両校優勝となり、二十六年ぶりに県制覇を成し遂げた。スタンドにはたくさんの父母、郷友のほか、北中の卒業生も訪れ、会社を休んで観戦に来たという卒業生のひとりは「よくやった。どうしても母校の活躍を見たくて会社を休んでしまった。素晴らしい試合を見せてもらって本当に感動した」と笑顔で球場を後にした。
 スタンドで試合を食い入るように見つめた「夢実現!行くぞ!甲子園 宮古島応援団」の平良勝之会長は「郡民の期待に応えて決勝に進み、決勝でも堂々と力を発揮してくれて感動した。これで五年以内に甲子園出場を目指す私たちの活動も盛り上がると思う。これから北中を中心に平良中、下地中などそのほかの中学校の素晴らしい生徒たちが頑張って私たちを甲子園に連れていってくれることを期待している」と笑顔で話した。
 おいが出場し、これまでの四試合に応援に駆け付けたという県議会議員の奥平一夫氏も「守りがしっかりと鍛えられているチームだと思う。決勝は素晴らしい試合を見せてくれた。中学野球で久しぶりに宮古勢の優勝を喜ぶとともに感動している」と述べた。
 初戦から北の戦いぶりを見守った宮古野球連盟の川満時英会長は「北中の選手らが県内トップレベルということを印象づけた大会だった」と喜び、「この子どもたちが宮古の高校に進めば、将来の甲子園出場も夢ではない。非常に期待できる」と話した。
 エース砂川幸乃輔の叔父で一九八〇年に優勝し九州大会を制覇したときの三塁手、砂川薫さん(41)は「自分のおいが優勝したことに運命を感じる。とても感動している。このチームは攻走守そろったまとまりのあるチーム。九州大会でも頑張ってほしい」と喜んだ。
 対戦相手の東江がブラスバンドも動員しての応援を展開する中、北の応援団はそれに負けないくらいの大きな声と太鼓をたたいて、選手たちを励ましていた。

 写真説明・炎天下の中、北の応援にたくさんの父母、郷友らが詰め掛けた1塁側スタンド=27日、沖縄市営球場

「次は九州制覇だ」/北中野球部が凱旋帰島
県制覇、父母ら歓喜


 第五十八回県中学校野球選手権大会で優勝した北中学校野球部のメンバーが二十七日夕、帰島した。空港には父母や教諭、地域の少年野球チームの子どもたちが大勢詰め掛けて生徒たちの活躍をたたえ、二十六年ぶりとなる優勝の喜びを共にした。
 生徒たちは午後六時四十分ごろに到着。ロビーに詰め掛けた父母ら関係者が大きな拍手と歓声で出迎えた。報告会で同校の与那覇正博校長は「皆さんが成しえたことは偉大な功績になる。優勝できたのは父母や先輩をはじめ、野球関係者の支援があったからということも忘れないでほしい」と話し、生徒たちをたたえながら感謝する気持ちの大切さも呼び掛けた。
 続いて、野球部父母会の前泊武会長が「子どもたちは自分たちの練習の成果を十分に発揮することができた。九州大会でも優勝し、全国大会に出場できるよう父母の皆さんの協力をよろしくお願いします」と述べた。
 盛大な出迎えに野球部主将の仲間俊貴君は「全員が『勝つ』という強い気持ちを持って戦うことができたので優勝することができた。また、父母の応援がなければ優勝することはできなかったと思うので、すごく感謝しています。来月の九州大会でも一戦一戦を大切に戦い優勝したい」と力強い決意を話していた。

 写真説明・26年ぶり優勝の快挙を手に帰島した北中野球部の生徒たち=27日、宮古空港
top.gif (811 バイト)

バイオディーゼル 民間普及へ/循環型社会確立に弾み
酒造会社が積極利用

 家庭などから出る廃食用油を再生した燃料「バイオディーゼル」の民間普及が進んでいる。二十七日からは城辺の酒造会社が営業車の燃料を軽油からバイオディーゼルに切り替えた。「エコを推進し、宮古の環境、特に地下水を守りたい」と同社の砂川拓也社長。供給元となるバイオマス燃料製造会社「CODE BLUE(コード ブルー)」の謝敷明夫代表は「このような企業の取り組みが宮古全体に広がることで、環境に対する意識も高まる」と期待を込めた。島内における資源循環型社会の確立に向け、民間企業独自の取り組みが、少しずつ広がりを見せている。
 バイオディーゼルの特徴は▽植物系燃料であるため、地球温暖化防止協定上の二酸化炭素排出量はゼロとカウントされること▽環境・安全の観点からの法律をクリアしており、公道走行可能な代替燃料であること▽一〇〇%使用すれば、軽油引取税は免除―など。
 CODE BLUEによると、宮古島市内のごみ収集車がバイオディーゼルの試運転をしているほか、少しずつではあるが民間での使用頻度が高まっているという。最近では燃費が良いことも分かったとしている。
 二十七日から営業車にバイオディーゼルの供給を開始した酒造会社「多良川」の砂川社長は「家庭から出る油は、その多くが垂れ流されていると思うので、地下水に与える影響などが心配。地下水を汚さない、命の根源である水を大切にするという意識を自ら高めていくためにバイオディーゼルの使用を開始した」などと説明。今後さらに同燃料を供給する車両を増やす方針だ。
 CODE BLUEの謝敷代表は「私たちは空気や水をクリーンにしていきたいという趣旨でバイオディーゼルを製造している。今回、多良川という企業が取り入れてくれたことは宮古島市民に良い影響を与えると考えており感謝している」などと話し、バイオディーゼルの原料となる廃食用油の積極的提供も呼び掛けていた。

 写真説明・酒造会社の営業車にバイオディーゼル燃料が入れられた=27日、多良川本社
top.gif (811 バイト)

 宮古島限定 「アララガマまたワイド」を発売
BEGINの比嘉 栄昇さん

 沖縄を代表するバンド「BEGIN」のボーカル・比嘉栄昇さんがソロデビューし、宮古島限定の「アララガマまたワイド」など三地域限定のシングルを八月一日に発売開始する。二十七日、宮古毎日新聞社を訪れ発売をPRした。比嘉さんは「両親の古里、宮古の歌をいつか作りたいと思っていた。宮古のためになればうれしい」と笑顔で語った。
 比嘉さんは石垣生まれだが、両親は宮古島市城辺出身。家庭での会話は宮古の方言だったという。比嘉さんは「アララガマ、ワイドは父親や親せきなどがよく使っていた方言。宮古の血を引く人間としてこれからも頑張りたい」と話した。
 地域限定のシングルは「島の民芸品として空港売店や土産店などに置いてもらいたい」という思いが込められている。
 宮古以外では沖縄本島では「ティダナダ」、石垣島では「八重のふるさと」を地域限定で発売。また、八月二十三日にはシングル三曲を収録したアルバム「とうさんか」を発売する。
 比嘉さんは「素晴らしいアレンジャーに巡り合い曲が完成した。観光客や地元の人にも聞いてもらい、沖縄や宮古とつながりを深くしてもらいたい」と呼び掛けた。
 

 写真説明・宮古島限定シングルなどの思いを語る比嘉さん=27日、本社
top.gif (811 バイト)

濱川さん(久松小)が最高賞/みんなの夢図画コン
副賞は星の命名権

 第二回「みんなの夢」こども絵画コンクール(主催・花王)でこのほど、宮古島市立久松小学校の濱川愛子さん(四年)が最高賞に当たるメリット賞に輝いた。コンクールのテーマは「かなえたい夢」で、愛子さんはバイオリンのコンサートで母、教子さんと共演することを思い描いた。二十六日、愛子さんは「一番良い賞がもらえてうれしい。早く絵に描いた夢をかなえたい」と喜びを語った。
 絵は三日間かけて完成。絵画教室で学んだブラッシングなどの技術を生かして、幻想的な世界を見事に表現した。目やまつげなど細かい部分を描くことが難しく、何度も修正を重ねたという。
 副賞として「星に名前をつける旅」が贈られ、星の命名権が与えられた。愛子さんは「愛子の家族の星」と命名し、家族への愛を表現した。星の名前は世界唯一の星名登録機関で認可され、米国議会図書館に永久保存されるという。
 母親の教子さんは「今年からバイオリンを始めた。同じ趣味を持つと一緒にいる時間が増やせる。早く娘の夢をかなえてあげたい」と目を細めた。
 コンクールの応募点数は一万二千二百七十九点。メリット賞は十点選ばれた。
 写真説明(上)・メリット賞を受賞した濱川さん=26日、久松小学校
 写真説明(下)・最高賞に輝いた濱川さんの作品

top.gif (811 バイト)