200平成18  726 水曜日

特殊勤務手当を見直し/職員給与適正化で議論
1200万円の歳出抑制に・市行革推進委

 宮古島市行政改革推進委員会(下地徹委員長)の第八回会議が二十五日、同市役所平良庁舎で行われ、特殊勤務手当を見直すことでまとまった。通常業務の範囲内とみられるものや、支給実績のないものなどを、二〇〇七年より支給廃止か財政事情が好転するまでの支給停止とする。当局はこれにより〇五年度比で千二百二十八万八千円の歳出抑制になると試算している。委員からは手当の見直しのほかにも、給与の適正化についてさまざまな意見があり、職員の危機意識の高揚を強く求める声が多かった。
 特殊勤務手当の見直しについては、@勤務の特殊性に応じた手当の支給について定めた、「市職員給与に関する条例」第一九条の一の内容に適合しているかA累積赤字五十五億円の財政事情を考慮―の二点を基本的な考え方とした。
 〇七年から支給が廃止されるのは▽徴税手当(差し押さえ)▽税務手当▽用地交渉手当▽広報手当▽廃棄物処理業務手当―の五項目。税務手当と広報手当は通常業務の範囲内、徴税手当は手当申請・支給実績がない、用地交渉手当は旧町村で支給実績がなく財政難であるため、廃棄物処理業務手当は業務形態が民間委託となったために該当者がいない―との理由。
 ▽徴税手当(滞納整理等)▽保育士手当▽福祉事務従事手当▽暴風勤務手当▽消防手当―など十項目は、赤字財政を考慮して、財政事情が好転するまでを区切りとし、〇七年より支給停止となる。
 一方、消防職員の▽火災出動手当▽潜水作業手当▽消防救急救助出動手当―の三項目は、勤務の内容に危険や緊急性があるなどとして、支給が継続される。
 会議では給与適正化全体の議論にも及び、近角敏通委員は「官民格差を是正すべき。(給料が)公務員だけ飛び抜けて高い」と主張。下地由子委員は「一般企業ならこれだけの赤字を抱えれば人件費にメスを入れるところ。手当の見直しといっても人件費の〇・二%にしかすぎない」と指摘した。
 また仲松義雄委員は「財政再建団体への転落だけは避けなければならないため、危機意識を共有しなければならない」、下地一雄委員が「財政状況を一般会計と特別会計を合わせた『連結決算』で緊急に示すべき。財政再建団体に入るかどうかの黄信号、赤信号の状態にあるかもしれない。職員が分かっていない」と述べるなど、各委員とも職員がこれまで以上に危機意識を持って取り組むべきとの考えを改めて強調した。
(砂川拓也)
top.gif (811 バイト)

 

池間と糸満の漁師、8年目/勝連さん「もてなし当たり前」
台風避難が縁で交流

 台風の影響で、宮古島市平良の池間漁港に毎年緊急避難する糸満漁業協同組合所属の「金市丸」(八d)の金城孝雄船長ら乗組員が、池間島の漁師、勝連見治さん(53)と交流を深めてから、今年で八年目を迎え話題となっている。台風5号の影響で緊急避難した二十三日、海人同士は、久しぶりの再会に握手を交わし会話を弾ませていた。
 「金市丸」は、宮古近海でマチ類を専門に漁獲する。今から三十年前に、初めて池間漁港に緊急避難した。当時は地元の漁師との交流は無かった。
 糸満海人は、船長の金城さん(63)のほかに、船長のおいの金城芳徳さん(40)、大城哲也さん(36)、大城秀樹さん(33)兄弟の計四人。
 四人は、水揚げしたアオダイ(方言名・シチューマチ)、キンメヒメダイ(同・キンミーマチ)などの高級魚を手に再会した。勝連さんはビールや泡盛を用意し、再会を祝した。
 船長の金城さんは「交流できてうれしい。台風が接近した時は、陸上にいると安心感がある。勝連さんには、感謝でいっぱい」と語った。
 大城秀樹さんは「交流するのは、大好き。お互いに漁法の技術について語り合うので楽しい」と笑顔で話した。 
 勝連さんは「昔の池間の漁師らは、遠い漁場で操業した。そして台風が発生すると、近くの漁港で緊急避難し、そこの漁師らにお世話になった」と説明。その上で「海人の世界では、おもてなしするのは当たり前のこと」と強調した。
 この日の海人らは、刺し身や魚汁などの料理に舌鼓を打ち、何度も乾杯を繰り返していた。

 写真説明・交流を深めていた池間島の(左から)勝連さん、糸満の金城船長(中央)ら=23日、平良の池間島

top.gif (811 バイト)

小泉首相「思い出を大事に負けるな」
沖縄・函館の「豆記者」が取材

 小泉純一郎首相は二十五日午前、首相官邸で沖縄県や北海道函館市の小中学生五十四人の「豆記者」の表敬訪問を受けた。
 豆記者の取材は毎年恒例で、九月に退任する首相には今回が最後。首相は「帰って友達に『小泉さん、変人じゃなかった』と話したら面白いよ」と緊張気味の子どもたちを笑わせ、琉球大教育学部付属小六年の謝名堂鼓さんが披露した沖縄舞踊「上り口説」に盛んに拍手を送った。
 代表して那覇中三年の宮内ひかるさんが「五年間、豆記者に優しい言葉を掛けていただいたと聞いており感激しています」とあいさつすると、首相は「思い出を大事に、苦しいことに負けずに頑張ってほしい」との言葉を贈った。
 宮古地区からは▽砂川旺広君(南小六年)▽砂川宗平君(同)▽加島未奈子さん(同)▽比嘉菜摘さん(平良第一小六年)▽砂川羅生君(同)▽砂川敬祐君(同)▽根間優美さん(北小六年)―の七人が参加している。

 写真説明・首相官邸に小泉純一郎首相(右端)を表敬し、沖縄舞踊を披露する謝名堂鼓さん(中央)ら沖縄・函館の豆記者たち=25日午前、東京・永田町
top.gif (811 バイト)

民家の2階が全焼/焼け跡から女性の遺体
平良字東仲宗根

 二十五日午前七時五十七分ごろ、宮古島市平良字東仲宗根にある民家の二階部分から火災が発生し、コンクリート二階建ての二階部分(約八十五平方b)を全焼した。焼け跡からこの部屋に住む飲食店従業員国吉夏己さん(30)とみられる遺体が見つかった。同居していた国吉さんの長男(8つ)、二男(4つ)、三男(2つ)は火災発生時に屋外におり無事だった。
 現場は住宅密集地。部屋の内部は炎に包まれ、近くの住宅やアパートからは住民らが心配そうに消火活動を見守った。消防車四台、署員十四人が出動し、消火活動に当たり同八時二十二分に鎮火した。
 宮古島署の調べによると、焼け跡からは女性の遺体が発見され、この部屋に住む国吉さんの所在が不明なことから、遺体は国吉さんのものとみている。
 二階部分は二つの部屋に仕切られ、別の部屋に住んでいた兄は、就寝中だったが煙のにおいに気付き避難した。
 近くに住む国吉さんの友人の女性は、「サイレンの音で気付いた。窓から炎が上がっていて驚いた。子どもの無事は確認できているが、夏己がどこに居るか分からない」と目頭を押さえた。
 宮古島署は身元の特定と出火原因について調べている。

 写真説明・激しい炎を上げる民家の2階部分=25日、宮古島市平良字東仲宗根
top.gif (811 バイト)

 北、ベスト4へ進出/糸満に4―1
県中学野球

 第五十八回県中学校野球選手権大会の第四日は、沖縄市野球場などで準々決勝四試合が行われ、北は糸満に4―1で勝ち、準決勝に進出した。北は二十六日午前九時から行われる準決勝で佐敷と対戦する。
 北は初回一死から伊良部が四球で出塁、盗塁と内野ゴロで三塁まで進んだ。続く親泊が四球を選び、二死一、三塁。けん制球で親泊が一、二塁間に挟まれているすきに伊良部が本塁を突き、先制した。
 二回にも相手の三失策などで2点を追加。試合の主導権をにぎった。五回にも1点を追加して4―0とリードを広げた。
 北は先発砂川幸乃輔が出塁を許すものの要所を締め、比嘉、伊佐とつなぎ、糸満の反撃を最終回の1点に抑え、振り切った。

 1200100 
 0000001 
糸満
(北)砂川幸、比嘉、伊佐―親泊
(糸)米城―平良
▽二塁打=大城(糸)
top.gif (811 バイト)

新城太貴君(平一小5年)県代表に選抜
サッカー国際大会出場へ

    新城太貴君        サッカーを通して平和交流を図る「ピースキッズ・ワールドサッカー・フェスティバル第一回広島大会」の県代表が二十五日発表され、宮古島市立平良第一小学校の新城太貴君(五年)が選ばれた。新城君は「初めての県代表。4強入りを目指したくさんゴールを奪いたい」と抱負を語った。
 大会は今月三十一日から広島県で開催。中東やアジア、欧米の世界各地から十チームが招待される。日本からは戦争被害が大きかった沖縄と広島から参加する。
 県代表チーム名は「ドリームFC」。県内から十五人が選抜されている。新城君はエースナンバーの10番を背負う。新城君は「ドリブルを生かしたプレーが得意。試合ではハットトリックを達成したい」と意気込んだ。
 
top.gif (811 バイト)