200平成18  725 火曜日

ごみ処理・葬斎場/宮古島市・建設検討委が発足
用地選定が最大の課題

 宮古島市ごみ処理施設及び葬斎場建設検討委員会(委員長・下地学助役)が二十四日、発足し、第一回委員会が宮古島市平良庁舎で開かれた。下地助役が、市職員の部長ら十人に委嘱状を交付。検討委員会は今後、新たなごみ処理施設建設などの用地選定に向けた議論を重ねた上で、選定委員会へ具申する。
 交付式で下地助役は「ごみ処理施設および葬斎場建設は、伊志嶺亮市長の公約である。長年の懸案事項なので、早急に解決してほしい。真剣に議論し検討し、市民の負託に応えられるよう頑張ってほしい」とあいさつ。検討委員会は、同市の廃棄物を適正に処理し、快適な環境を創造しおよび周辺環境に調和し、環境負荷低減を考慮した葬斎場を整備するに当たり設置された。
 現在稼働中のクリーンセンターは老朽化が進んでいる。このため、新たなごみ処理施設建設問題は、旧五市町村時代から議論されていた。複数の用地選定案が表面化すると、用地周辺の住民の間で反対運動が起こり、行政は撤回に追い込まれた。行政の用地選定案は難航。合併後の用地選定は宮古島市に引き継がれ、下地の川満地区で新たなごみ処理施設の用地選定案が浮上した。
 今月九日に開かれた川満部落会の臨時総会では、賛否を問う投票を実施。投票の結果、反対が多数を占め、行政の用地選定案は振り出しに戻った。
 この日開かれた委員会は、委嘱状交付以外は非公開で行われた。
 委員は次の通り。(敬称略)
 【委員長】下地学(市助役)
 【副委員長】宮川耕次(総務部長)
 【委員】久貝智子(企画政策部長)▽池村直記(福祉保健部長)▽平良富男(建設部長)▽宮国泰男(経済部長)▽与那嶺大(総務課長)▽石原智男(財政課長)▽伊良部平師(企画調整課長)▽長崎富夫(都市計画課長)▽饒平名功(環境保全課長)
                                       (伊良波彌)

 写真説明・委員長の下地学助役(左)が一人ひとりに委嘱状を交付した=24日、宮古島市平良庁舎
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佐良浜男子が優勝/決勝リーグ完勝 九州、全国へ弾み
中体連バレー

 【那覇支局】第四十八回県中学校バレーボール競技大会は最終日の二十四日、西原町の西原町民体育館で決勝リーグ四試合が行われた。勝ち進んだ佐良浜中男子はすべての試合でセットカウント2―0と、決勝リーグでは1セットも落とすことなく見事、優勝した。仲間智監督は「4強を懸けた石垣中との対戦が一番きつかった。一セット落としたが選手たちはよく頑張った。九州大会では、全国大会出場の条件となる4強以上をクリアし、春の準優勝以上の結果を出したい」と話した。また、上地将貴主将は「練習したブロックが決勝ではよく決まったので練習の成果は試合に出ることを実感した。九州大会に向け課題のレシーブなどを強化していきたい」と、春は準優勝だった九州大会制覇に強い意気込みを示した。
 決勝リーグに勝ち進んだ佐良浜中は、リーグ初戦となる中城中との対戦を25―21、25―19で勝利を収めた。続く大浜中(石垣)との対戦では前日に熱中症で病院に運ばれたエースの上地主将をメンバーから外して臨んだものの、全員バレーで25―14、25―17のセットカウント2―0で下し、この段階で準優勝以上が決定した。
 リーグ最終戦となる普天間中との対戦は、上地主将も復活し、決勝リーグ二勝同士の戦いとなった。この試合、佐良浜中は第一セットから終始リードして試合の主導権を握った。
 速攻やブロックポイントなど着実に点につなげていく佐良浜中に対して、普天間中は要所でサーブミスなどが響き試合は佐良浜中のペースで展開された。結局、25―17、25―21のセットカウント2―0で佐良浜中が勝利し、優勝した。
 今年三月の九州大会で佐良浜中は、決勝で昨年の全国大会三位の強豪・日宇(長崎一位)と対戦し、セットカウント0―2で敗れている。
 九州大会に向け、上地主将は「日宇中に決勝で負けているので、今回は絶対にその雪辱をはらしたい」と、九州制覇に意気込みを示した。 
 仲間監督は「このチームはリードしている状況では自分たちのペースで試合ができるが、リードされると不安になって自分たちの試合ができなくなる面があるので、自分たちに自信を持つよう精神的な部分を強化していきたい」と話した。
 県代表で佐良浜中が出場する第三十九回九州中学バレーボール競技大会は八月五日から三日間、大分県で開催される。

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地下水保全対策学術委が発足/専門家7人に委嘱状交付
宮古島市

 地下水保全にかかる問題について広く学術的見地から問題の究明などを行おうと宮古島市は二十四日、同市地下水保全対策学術委員会を発足し、第一回委員会を宮古島市役所平良庁舎で開いた。地質学や水質分析・管理の専門家七人に委嘱状が手渡された。今年度末までにこれまでの調査内容の再検討と追加調査を実施し、原因究明を行う。委員長には琉球大学理学部教授の渡久山章さんが選任された。
 同委員会は、白川田流域水源に対する高濃度塩素イオンの原因究明や今後の宮古島地下水保全対策方針の検討、保全対策ガイドラインの策定を行うことが目的。
 今後実施する追加調査として▽トリチウム分析および酸素水素分析▽土地利用実態調査および農業などに伴う塩素物イオン使用量の集計▽地下水流動調査に基づく三次元地下水シミュレーション―などを決めた。
 委員会では、これまでの状況や宮古の地質などが説明された。説明後には、委員らは現地視察を実施。高濃度が検出されている井戸の状況を確認した。
 委嘱状を手渡した下地学助役は「地下水保全は宮古島市にとって大変重要な課題。専門家の立場から調査・検討してほしい」と述べた。
 委員のほとんどが沖縄本島に在住しているため第二回委員会(八月二十一日)以降は那覇市で開催する。
 委員は次の皆さん。(敬称略)
 【委員長】渡久山章(琉球大学理学部教授)【副委員長】中西康博(東京農業大学国際食料情報学部助教授)【委員】▽大城逸朗(元県立高校校長)▽幸喜稔(日水コン九州支所沖縄事務所長)▽酒井一人(琉球大学農学部助教授)▽田代豊(名桜大学国際学部助教授)▽古川博恭(元琉球大学理学部教授)

 写真説明・調査内容の再検討と追加調査について意見を交わした宮古島市地下水保全対策学術委員会=24日、宮古島市役所平良庁舎
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インタビュー
夏休みの少年非行未然防止への取り組み
子どもの前で飲酒の場を持たない
前川 尚誼さん
(宮古島地区防犯協会長)

 夏休み期間中の少年の非行防止運動は
 夏休みに限定した取り組みは特にないが、毎年学校や子ども育成会単位で夜間のパトロールを実施している。
 また、毎月第三金曜日の「少年を守る日」には午後九時から午後十一時までの夜間指導を行っている。
 児童生徒の健全育成に求められることは
 家庭における「親の力」。そして地域における「PTAの力」。子どもの行動を監視し、気持ちを考慮し、関心を寄せる親が少なくなってきているように感じる。
 例えば、夜遅い時間に、自分の子どもが家にいるのか、いないのかさえも把握していない家庭もある。そのためには、親自身が子どもと共有する時間をつくることも大切。夜型社会の是正やシンデレラタイムの見直しなど、大人の社会問題につながっていく。
 生活のさまざまな場面で大人は自問自答し、襟を正す必要がある。子どもは親が思っている以上に親を監視している。
 地域の大人が示すべきことは
 まず、大人が地域のイベントや伝統行事に積極的に参加し、地域の輪の中で役割を担うことが大事だと考える。そして、その場に子どもも連れて行く。
 会社に勤務している姿はなかなか見せられなくても、地域行事なら気軽にできるのでは。
 子どもは親が一生懸命に何かに取り組んでいる姿を見ると誇りに思い、目標設定にもなる。
 地域のために活動している背中を子どもに見せてあげたらどうか。
 育成ボランティアの取り組み方は
 子育てや子ども同士の社会に関心が薄い人が増えている一方で、部活動や各種育成団体などで熱心に子どもたちの指導に当たる層も厚く心強い。
 ただ、お願いしたいのは、子どもの前で飲酒の場を持たない、活動時間などは大人が率先して守るということ。
 宮古島地区防犯協会としては、今後は市青少年健全育成市民会議や市子ども育成連絡協議会など関係機関と情報を交換し、連携してコツコツと取り組んでいきたい。
                                      (砂川智江)

 写真説明・「大人は自問自答し、襟を正す必要がある」と話す前川さん
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 平和メッセージ展開幕/絵画、作文、詩の優秀作一堂に
平良庁舎28日まで

 平和に関する絵画、作文、詩の優秀作品を展示する「児童・生徒の平和メッセージ展」(主催・県平和祈念資料館)が二十四日、宮古島市役所平良庁舎一階ロビーで始まった。二十八日まで。県内の子どもたちによるみずみずしい感性で表現された作品五十点余りを展示。宮古からは四人が入賞し、初日に行われた開会式では優秀賞に輝いた大石龍之介君(北小一年)が自身の詩の朗読を披露し、平和を訴えた。
 同展示会は県内の子どもたちが創作活動を通して、「平和の心」をはぐくみ、県内から国内外に平和のメッセージを発信する機会とすることが目的。同資料館を皮切りに八重山、宮古など五会場で開催される。
 開会式であいさつした同資料館の我那覇念主幹(代理)は「沖縄戦の歴史的事実を風化させることなく次世代に正しく伝えていくことが私たちの大きな使命。子どもたちの作品は大人にも多くの感動と感銘を与えるもの。作品を通して平和の心、命の尊さを考える機会としてほしい」と多くの来場を呼び掛けた。
 詩の部で優秀賞に輝いた大石君による朗読では、自身の作品「せんそうは いやだ」をはきはきと元気な声で読み、来場者からは大きな拍手が沸き起こった。
 詩「せんそうをいますぐやめて」で優良賞に入選した来間俊介君(北小一年)は「詩を書いているとき、心がどきどきした。僕の詩を戦争をしている人たちに伝えたい」と話した。
 宮古地区の入賞者は次の皆さん。(敬称略)
 【詩の部・小学生】▽優秀賞=大石龍之介(北小一年)▽優良賞=来間俊介(同)【同・高校生】▽優良賞=新城千里(宮高一年)、下地彩音(同三年)

 写真説明(上)・来場者らは平和を訴える作品の数々に足を止めて見入っていた=24日、宮古島市役所平良庁舎
 写真説明(下)・テープカットを行った(右から)我那覇主幹、下地学助役、大石君、来間君、新城さん、下地さん、宮古教育事務所の新崎治所長=24日、宮古島市役所平良庁舎
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「大空に魅せられた」/パイロットらが仕事の魅力語る
北中1年父母会主催

 

 将来の職業選択に役立ててもらおうと、宮古島市立北中学校一年生父母会(佐和田勝彦会長)は二十三日、同校体育館で航空関係者を招いて講演会を行った。「大空に魅せられて」と題して、空での仕事について講話。現場で働く生の声に、生徒や父母らは興味深そうに耳を傾けていた。
 講話したのは日本航空(JAL)の川下政昭機長、木下賢治副操縦士、キャビンアテンダントの新谷かな子さん、小谷真純さん、日本トランスオーシャン航空(JTA)航空整備士の平良和彦さんら五人。現在の職業に就いたきっかけや仕事の魅力について話した。
 木下副操縦士は「離陸や着陸のときの緊迫感や緊張感は、普段の生活の中でもなかなか味わえないもの。いろいろな地域にも飛び回れるので、良い仕事に就いた」と誇らしそうに話した。
 池間島出身の平良さんは整備士の学科試験に何度も受験し、途中で挫折しそうになった過去を振り返った。「あきらめるのは誰でもできるが、継続するのは誰にもできないこと。簡単に投げ出したりするのでなく、根気強く継続すれば、何事もうまくいく」と呼び掛けた。
 講話終了後、会場から質問が飛び交い、参加した父母らから「飛行機の操縦もプレッシャーがかかり大変だと思うが、平常心を保つための秘訣とは」との質問に対し、川下機長は「十分な準備をすることが大事。いろいろなことを想定して、その対応策を考えていれば大丈夫だ」と答えた。
地下水保全対策学術委が発足
 地下水保全にかかる問題について広く学術的見地から問題の究明などを行おうと宮古島市は二十四日、同市地下水保全対策学術委員会を発足し、第一回委員会を宮古島市役所平良庁舎で開いた。地質学や水質分析・管理の専門家七人に委嘱状が手渡された。今年度末までにこれまでの調査内容の再検討と追加調査を実施し、原因究明を行う。委員長には琉球大学理学部教授の渡久山章さんが選任された。

 写真説明・空の魅力や仕事について講話した(右から)川下機長、木下副操縦士、平良整備士、新谷さん、小谷さん=24日、北中学校体育館
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