200平成18  723 日曜日

「自己決定力の育成を」/障害児の指導法で研修
特養研 大田
(都立中野養)が講話

 特殊学級設置校・養護学校教育実践研究会(会長・玉元江美子宮古養護学校校長)は二十二日、自閉症学級を有する東京都立中野養護学校の大田みおり中学部主幹を講師に招き、研修会を実施した。大田さんは「自閉症の障害特性に応じた指導方法・指導内容」と題して講話、同校の取り組みを紹介しながら、効果的な指導法を提示した。「子どもの自己決定、意思伝達の力をはぐくむ教育を」と強調し、就労や生活自立など子どもの将来を見越した教育実践を積み重ねるよう促した。

 大田さんは自閉症の障害特性について▽聞くより見て理解することが得意▽一つのことにこだわりがある▽二つ以上の情報処理が困難−などを挙げた上で「本人に必要なものを見極めた上で一人ひとりに適した支援を」と話し、個々の児童生徒に対する教育支援方法の判断力と実践力の重要性を強調。障害や子どもの特性に合わせ、写真や絵、ボードなどを利用して理解を助ける「AAC(補助・代替コミュニケーション)」の取り組みを紹介した。
 また、自閉症教育の基本として「対応の一貫性」を挙げ、教諭によって対応が違うことがないよう、ケース会議などで確認することを促したほか、「ちゃんと」「しっかり」「もう少し」などあいまいな表現は避け、肯定的な表現で具体的に話すようアドバイス。言葉以外では、物の配置やキッチンタイマーの音など活動のきっかけをつくることの有効性を紹介した。
 さらに、好きなことを見つけることは、将来仕事への意欲につながる重要な過程であるとして、音楽や芸術など「余暇教育」の大切さを説いた。
 研修会には、各学校の特別支援教育担当教諭や知的障害者(児)施設の職員らが参加して知識と情報を深めた。 (砂川智江)

 写真説明 上・学校教諭らが参加して知識を深めた=22日、宮古教育事務所
 写真説明 下・講師の大田みおり
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不思議!なぜ?歓声響く/親子お天気教室にぎわう
台風、地震、津波に興味津々/多彩な実験で気象身近に
気象台など共催

 多彩な実験などを通して気象について身近に感じてもらおうと、「親と子のお天気教室」(共催・宮古島地方気象台、宮古教育事務所、宮古島市教育委員会)が二十二日、宮古島市中央公民館で開催された。熱した空気で宙を舞うミニ熱気球や空き缶を使って大気圧を実感する実験、手製の雨量計作りなど各種コーナーが子どもたちに大好評。一緒に参加した親たちも、童心に帰ってさまざまな実験を楽しんでいだ。また、台風や地震・津波に関するビデオも上映され、防災への理解も深めた。

 同教室は、気象や防災知識の普及、防災意識の高揚を図ることが目的。会場には▽ミニ熱気球▽雲がどのようにできるのか▽空き缶を使って大気圧を学ぶ▽地震発生時の液状化現象▽竜巻発生装置による竜巻を学ぶ−などの実験コーナーや、ペットボトルを使って雨量計を作るコーナー、自分の誕生日を知ることができるデータコーナーなどが設けられた。夏休み最初の週末とあって、多くの親子連れでにぎわいを見せた。
 このうちミニ熱気球コーナーでは、気球に模したビニール袋の中の空気が温められ軽くなり宙を舞うと、子どもたちから大きな歓声が上がった。雲発生装置の実験では、空気が膨張されることで温度が下がり、そこに含まれる水蒸気が小さな水滴となって見える様子を、雲が発生する原理として学び、子どもたちは驚いた様子だった。
 平良太志君(平良第一小四年)は、「空き缶がつぶれる気圧の実験も、雨粒の実験も楽しかった。これから天気の勉強をするのが楽しくなりそう」と笑顔。国仲祐希さん(狩俣小五年)は「空気が温まって気球が空に上っていくというのがよく分かった」、根間太一君(同六年)は「一度だけ浜でキャンプをしたとき、遠くに本物の竜巻を見たけど、竜巻の実験でそれを思い出した」とそれぞれ話していた。
 宮古島地方気象台気象情報官の武島弘光さんは「来て良かったという感動や、なぜだろうという疑問が生まれれば最高。いろいろな現象に、普段から興味を持ち、疑問を持ってほしい」と意義を強調。また、「小さなころから台風や地震のビデオなどを見ておくことで、危険に遭遇したときに思い出してほしい」と、防災意識の高揚も促した。

 写真説明・ミニ熱気球が上がると子どもたちの歓声が上がった=22日、宮古島市中央公民館
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インタビュー
夏休みの少年非行未然防止への取り組み
親子の対話、根付かせたい
奈良 俊一郎さん 宮古地区小・中学校PTA連合会長

 約四十日間という夏休みが始まった。期間中、長期の休みから気が緩み、深夜徘徊や飲酒、喫煙など少年の問題行動が懸念される。PTAや防犯協会、宮古島署のそれぞれの代表者らに、未然防止に向けての取り組み状況などを聞いた。

 −夏休み期間中の少年の非行防止運動は
 連合会独自の活動はないが、各学校のPTAで校外指導を毎日実施する。夜遅くまで出歩く子どもたちに声を掛け帰宅するよう指導する。たとえ成果が見えなくてもコツコツやること。大人がめげたらいけない。
 −健全育成するために大事なことは何か
 昔に比べて価値観が多様化し、親のモラルの低下もみられる。子どもと一緒でも運転中に携帯電話を使ったり、たばこの吸い殻を路上に捨てたり。親として社会人として守らなければならない最低限の価値観が失われてしまった。子どもに無関心になっているようだ。
 −親の無関心とは
 少なくとも、どんな友達と遊んでいるか知ってほしい。友達の名前を親がいったい何人知っているのか。子どもにとってはたった一人の父親、母親。親の無関心が子どもをだめにする。
 −今後、取り組むことは
 家庭教育力の充実向上に力を入れたい。大人自身が子どもたちの生活習慣を考えることが必要。特に父親は付き合いで外出が多く、子どもと過ごす時間が少ない人が多い。子どもは悩みや不安を抱えると、いろいろなサインを出してくる。気付いて話を聞くことが大事になる。
 −PTAが非行防止でできることは何か
 あるテーマに対して親と子が互いの意見を交わす場をつくりたい。定期的に実施し親子の対話を根付かせたい。児童生徒が少ない学校は他校合同で、多い学校はまずは親だけクラスごとでも構わない。親と子、親同士が話す機会を増やし、PTAの輪を少しずつ広げていきたい。(洲鎌恵仁)

 写真説明・「親子の対話を根付かせたい」と話す宮古地区小・中学校PTA連合会長の奈良さん
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明るい社会づくり訴え/チャリティーショーを開催
宮古更生保護女性会

 「青少年に母の愛を!」−。宮古更生保護女性会(国仲ヒデ会長)が主催する第二十二回チャリティーショー「ともしび」が二十二日、マティダ市民劇場で開催された。会場には多数の観客が詰め掛け、更生保護女性活動に理解を深めるとともに、歌や踊りを楽しんだ。
 これは同会活動のための活動資金づくりと、非行や犯罪に陥った人たちが再び社会の一員として立ち直るのを助けようと、更生保護施設など関係機関に寄付することが目的。
 ショーは平良更生保護女性会(すみれの会)による宮古トーガニで幕開けした。その後、▽祝い酒▽コーラス▽黒田節▽島分けのあやぐ▽花笠音頭−など多彩なプログラムを披露。舞台を彩る出演者に、会場からは割れんばかりの拍手が鳴り響いていた。
 国仲会長は「チケットの収益金が、子どもたちの『心のともしび』となって生きる力になってくれれば、明るい社会づくりにつながると思う。ショーを通して、更生保護の心を皆さんと一緒に考えていきたい」とあいさつ。
 激励に訪れた宮古島市の伊志嶺亮市長は「今後とも明るい地域社会の構築と明るい子どもたちの未来のため尽力を尽くしていただきたい」と話した。
 更生保護女性会は、広く社会の人々に更生保護への理解と協力を得るための運動を展開し、地域に更生保護の土壌をつくるために活動。また、非行や犯罪を防ぎ、立ち直りの支援を行うとともに、次代を担う青少年の健やかな成長を願い、子育て支援や地域に根差したよりよい環境づくりを目指している。
 参加団体(者)は次の通り。(敬称略)
 ▽平良更生保護女性会(すみれの会、あけのぼ会、ホップ)▽狩俣同女性会▽池間同女性会▽西辺同女性会▽城辺同女性会▽伊良部同女性会▽上野同女性会▽松浦弘則▽西川壱瑚日舞教室▽宮古保護区保護司会▽玉城流國端会下地孝子琉舞研究所▽藤間凰花教室▽徳八流太鼓下地キミ教室▽久田本流久田多嘉子舞踊研究所▽久田流澄の会池間澄舞踊研究所▽新緑流「竹の会」

 写真説明・各団体が出演し、多彩なプログラムで観客を魅了した=22日、マティダ市民劇場
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宮古勢、初戦飾れず/台風接近で日程前倒しに
県中体連バドミントン競技)

 第三十三回県中学校総合体育大会のバドミントン競技(第二十六回県中学校バドミントン競技大会)は二十二日、宮古島市総合体育館で競技が始まった。同日は男女の団体戦が行われたが、宮古から出場の男子の城辺と久松、女子の北、鏡原、狩俣の五チームはいずれも初戦を飾ることができなかった。男子は宮城(中頭地区)、高嶺(島尻地区)、古蔵(那覇地区)、渡嘉敷(島尻地区)、女子は高嶺(島尻地区)、潮平(同)、大里(同)、越来(中頭地区)が、それぞれ決勝リーグに進んだ。
 地元開催で意地を見せたい宮古勢だったが、各チームとも力を発揮しきれず、セットを奪うことができなかった。
 大会はあす二十四日までの日程で開催を予定しているが、台風5号の接近により、同日の試合日程を前倒し、団体戦の決勝リーグ六試合までを行った。きょう二十三日は団体戦の残り試合と、個人戦シングルス、ダブルスのそれぞれ準々決勝までを行う予定で、あす二十四日の試合数を減少させる。

 写真説明・県内各地区の代表チームが団体戦で熱戦を繰り広げた=22日、宮古島市総合体育館
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美ぎ島目指し清掃多良間村
隅々まで村民総出で

 【多良間】多良間村(下地昌明村長)は二十日、「ちゅら島環境美化全県一斉清掃」を行った。村役場や議会、小・中学校、事業所などから大勢が参加し、集落内をはじめ公園や海岸を清掃。「美ぎ島多良間」の創造に汗を流した。
 小・中学生や老人クラブの会員たちは集落内の空き缶やペットボトルを分別して収集。八重山遠見台や高穴公園、ミッジ公園では、役場職員や議員、婦人会のメンバーらが雑草の除去に取り組んだ。海岸では製糖工場やJAたらまの職員、郵便局員などが浜辺に漂着したごみを分別して収集した。
 この活動は、空き缶などの散乱防止を図るとともに集落内や公園、公共施設、海浜などの清掃によって自然環境の保全に努め、景勝地としての美ら島(美ぎ島)たらまを創造することを目的に実施された。

 写真説明・美ぎ島の創出を目指し雑草の除去作業に取り組む参加者たち=20日、多良間村集落内
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