200平成18  721 金曜日

循環型社会の実現を/バイオマス利用の可能性探る
研究者らが基調講演、成果報告

 農林水産バイオリサイクル研究「施設・システム化」「システム実用化宮古島ユニット」成果発表会(主催・農村工学研究所)が二十日、県宮古支庁で行われ、沖縄総合事務局の樺山大輔氏の基調講演をはじめ、五人の研究者が宮古におけるバイオマス(生物に由来する有機性資源)研究の現状や成果などを報告した。農林水産省の委託を受け、バイオマスの堆肥化やメタン発酵などを研究する同研究所の凌祥之氏は、サトウキビの製糖過程で発生するバガスや肉用牛のふん尿などをバイオマスとして活用することで循環型の社会が実現できると強調した。
 同研究所では農林水産省の委託で、「農林水産バイオリサイクル研究」を進めている。バガスや家畜ふん尿に、▽堆肥化▽メタン発酵▽炭化▽複合燃焼―などの処理を加えることで、炭化物やバガス炭、酢液、堆肥、消化液などを主に農業に利用するもの。メタン発酵や複合燃焼で得られたガスによる発電も研究し、施設で活用する研究も行っている。
 凌氏は「亜熱帯の気候はバイオマスの生産能力が高く、宮古島は農業が重要な産業で特にサトウキビや肉牛の生産が盛ん」と宮古島の特徴を挙げ、「宮古島の持続的な農業の振興のため、バイオマスがどのように貢献できるかの可能性を提案し、そのための問題解決を図っている」と研究の意義を説明。「各種バイオマスの変換手法や変換物は基本的に安全。宮古島のバイオマス循環利用システムが確立すれば、県内外の他の島嶼やアジア・環太平洋地域への技術発信もできる」と述べた。
 沖縄総合事務局農林水産部土地改良課課長補佐の樺山氏は、国が推進する「バイオマス・ニッポン総合戦略」について解説した。バイオマス利活用の促進により@地球温暖化の防止A循環型社会の形成B競争力あるわが国の戦略的産業の育成C農林漁業、農山漁村の活性化―が図られると強調。現在宮古島市で行われているサトウキビの製糖過程から出る糖蜜を利用したバイオエタノールの精製、混合ガソリン(E3)による走行実験など、全国六カ所で行われているバイオエタノール混合ガソリン実証実験を紹介した。また、自治体レベルでバイオマスの利活用を推進する「バイオマスタウン構想」について現在、全国五十三市町村が実現に向けた取り組みを進めており、二〇一〇年度までに三百市町村に拡大する戦略を説明した。
 このほか四人の研究者がバイオマスについてそれぞれの研究成果を報告した。同日午前には上野字野原にあるバイオリサイクル研究施設の一般公開も行われ、同施設での研究に関して参加者が理解を深めた。
(砂川拓也)

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狩俣で防風林植栽へ/城辺いこいの森周辺も整備

 今年度は「災害に強い緑豊かなふるさとづくり事業」を導入し、平良の狩俣地区で丸太防風工を取り入れた防災林植栽を本格化させる。事業費は県の九月定例議会で補正予算化される見通し。樹種は在来種のフクギ、タブノキ、モクタチバナを植え、災害に強い林構造の実現を目指す。
 また、今年度から国が五カ年の時限措置で創設した「里山エリア再生交付金」を活用し、城辺のいこいの森周辺を整備していく方針。今年度の予算は千四百万円を予定。次年度からの単年度の予算は二千万円を見込む。この交付金では、個性豊かな魅力ある里山エリアの再生を支援するもの。宮古では十カ所ほどを整備する計画。
 宮古地域の生活・生産活動は、台風や干ばつなど気象要因に左右されるところが大きく、特に二○○三年九月の台風14号による被害は甚大なものがあったことから、森林・農地防風整備の一層の強化を図る必要があるとされている。このため、関係機関が連携し森林・農地防風林に関する情報を一元化・共有化して諸問題を検討し、関連事業の効率的、効果的な推進を図ることを目的に連絡会議は設置された。
 この日の連絡会議では、今後の森林計画や農地防風林の整備計画などの説明があった。
 宮古地域森林・農地防風林推進行政連絡会議(会長・下地功祐宮古支庁農林水産整備課長)が十九日、発足し、県宮古支庁で第一回会議が開かれた。宮古支庁や宮古島市などの関係者ら多数が出席し、今後の事業計画について活発に意見を交わした。今年度は狩俣地区で防風林植栽、城辺ではいこいの森周辺を整備していく方針。

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 夏休みに大きな期待/各校で1学期の終業式

 夏休み、楽しく安全に―。宮古島市立大神小学校を除く各小・中・高校で二十日、一学期の終業式が行われ、児童生徒たちが四十二日間の夏休みを迎えた。各学校には、元気に一学期を終えた充実感と夏休みへの期待感にあふれる子どもたちの笑顔が広がった。
 宮古島市立西城小学校(下里隆校長)では、子どもたちが終業式に臨んだ後、校舎の玄関や教室で掃除に精を出し、一学期の汚れを落とそうと隅々まで磨き上げていた。
 各教室では、夏休みの過ごし方や宿題の内容などが確認された後、一学期の学習成果の集大成となる「よい子のあゆみ」を配布。初めて受け取る一年生の教室では、担任の山里佳代子教諭が「皆さんの良いところを書いた欄があります。お父さん、お母さんに見せてくださいね」と呼び掛けると、子どもたちが元気いっぱいの返事で応じ、うれしそうな笑顔を見せていた。

 写真説明・一学期の学習課程を修了し夏休みを迎えた子どもたち=20日、西城小学校 

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特産品中元セット販売へ/みゃーくの味加工推進協

 みゃーくの味加工推進協議会(津嘉山千代会長)は三十一日と八月一日の二日間、宮古島市平良庁舎一階ロビーで、宮古島の特産品を活用した中元セットを販売する「みゃーくの味フェア」を開催する。津嘉山会長は「多くの人に喜んでもらえると思う。ぜひご利用を」と呼び掛けている。時間は三十一日が午前十時から午後五時まで。八月一日が午前九時から午後四時まで。
 「みゃーくの味フェア」は、贈答用としての特産品の活用を促進しようと二〇〇二年から行っており今年で八回目。商品は、宮古みそや漬物、島の素材を使った菓子類など約百種類に上る。問い合わせは、宮古農政・農業改良普及センター(電話72・3149)まで。津嘉山会長は「誇りと真心を込めて作り、自信を持って薦められる商品ばかり」と活用を広くPRした。
 みゃーくの味加工推進協議会は次の各起業。
 ▽ひらら特産品加工所▽平良漁協婦人部▽大原商店▽うるま加工所▽たらま花▽野崎農産加工所▽ぐすくべ寿加工グループ▽下地町女性起業グループ▽結工房▽楽園の果実▽上野村博愛農産グループ▽かんな食品▽隆一鰹節工場▽奥原鰹節店▽食品つむかぎ▽まめちゃん黒糖▽下地農漁村生活研究会

 写真説明・「みゃーくの味フェア」開催をPRするみゃーくの味加工推進協議会の構成メンバーら=20日、宮古農政・農業改良普及センター
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県空手道大会で優良賞/興武会禪武館友利道場

 第十八回全沖縄少年少女空手道大会が十六日、那覇市の県立武道館アリーナで行われ、宮古から唯一出場した琉球空手道剛柔流興武会禪武館友利道場(友利秀樹代表)=宮古島市下地=が小学五―六年クラスで二位に当たる優良賞に輝いた。
 大会には、県内外から百四十二道場八百七十七チームが出場。禪武館チームは、前川賢一君、上地航平君、玉城光太朗君(ともに下地小五年)が形「サイファー」を力強く演じ、審査員から高い評価を得た。
 引率した代表者の友利さんは「子どもたちの演武は素晴らしかった。来年は、ぜひ優秀賞(一位)を目指したい」と抱負を話した。禪武館が参加したクラスには二百五十三チームが出場した。
 この大会は、空手道発祥の地である沖縄県で、空手の一層の普及と底辺拡大を図ることなどを目的に毎年開催されている。

 写真説明・全沖縄少年少女空手道大会で優良賞を受賞した前列左から前川賢一君、玉城光太朗君、上地航平君=16日、県立武道館
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「後輩にも模範示して」/砂川小自転車運転免許証を交付

 「交通安全自転車運転免許証」(発行・宮古島警察署、宮古島地区交通安全協会)の交付式が二十日、宮古島市立砂川小学校(平良隆校長)で行われた。砂川駐在所の安里公人さんが自転車通学を希望する児童らに手渡し、交通ルールを守り安全に運転するよう促した。
 この免許証交付は、交通安全に対する子どもたちの意識高揚を図ることが目的。同小学校の全校児童百二十七人のうち、安全講習を受けた四年生以上の児童三十一人に手渡された。免許証には▽自転車の二人乗り禁止▽交差点の一時停止、安全確認▽整備点検を受けること(TSマーク)▽ヘルメットを着装すること―の約束事項が記されている。
 安里さんは交付式で「この免許証は、正しく安全に運転できる証明です。自転車に乗るときは携帯し、後輩に模範を示すことができるように心掛けてください」と児童らに呼び掛けた。

 写真説明・4年生以上の自転車通学者に交通安全自転車運転免許証が交付された=20日、砂川小学校
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