200平成18  720 木曜日

宮古病院新築移転/早期着工を強く要請
来年度予算措置求める

 【那覇支局】宮古島市の伊志嶺亮市長ら要請団一行は十九日、稲嶺恵一知事に対し県立宮古病院の早期新築移転に関する要請を行った。伊志嶺市長は「宮古病院も築三十三年と老朽化が著しく、一日も早い新築移転を住民も求めている。ぜひ、来年度予算で何らかの措置を講じてほしい」と訴えた。稲嶺知事に代わり要請書を受け取った知念清県病院事業局長は、要請の趣旨に理解を示しながらも「順番として宮古病院が早急に取り組むべき課題であることは認識している。現在、ワーキングチームで経営分析、規模などを協議して年度内に基本構想を策定する予定」と述べ、具体的な今後の日程などについては明言を避けた。
 今回の要請には、宮古地区選出の砂川佳一、奥平一夫両県議も同席し、新築移転について早期着工と今後の具体的なスケジュールなどについて同局に説明を求めた。
 現状について同局は「県の財政状況もそうだが、病院事業経営そのものも危機的な状況で、それらも見極めながら着工時期を検討したい。事務的な作業はワーキングチームでやっている。宮古病院の経営状況、経営分析、規模などを分析して基本構想を早めにつくりたい」と説明した。
 さらに同局は「われわれの反省点でもあるがこれまでは箱(建物)が先で機能が後になっていた。今は機能を先に協議し、現場もわれわれも納得できる形でやることが重要と考えて離島医療を重視した形で現在は取り組んでいる」と理解を求めた。
 これに対して伊志嶺市長は「われわれとしては何とか早く着工できるよう、市の土地を提供したいとの気持ちもある。その気持ちを含めて一日も早い取り組みをお願いしたい」と再度、早期の新築移転を求めた。
 要請に同行した砂川氏も「離島と本島の医療は格差が現在実際にあるわけで、島の人たちの安心して通える県立病院に早急にしないといけない。島の人たちに対し宮古病院の新築移転に向けては今はこの段階で、今後どのように展開するのか具体的に示さないと納得できずに不満ばかりが大きくなってしまう」と、当局の迅速な対応を求めた。
 奥平氏は「稲嶺県政時代にこの問題を解決してほしかった。調査費計上など、来年までには何らかの芽出しをしてほしい」と要望した。
 こうした強い要望を受けて、同局では「具体的な日程については少し待ってほしい。宮古病院の経営は近年赤字の幅が増加しており、病院を維持する観点からもそれを分析して規模、条件などいくつか議論するべき部分がまだある」と述べ、今後の具体的なスケジュールなどについては明言を避けた。
(垣花尚)

 写真説明・伊志嶺市長(左から2人目)が宮古病院の新築移転について早期の取り組みを県に要望した=19日、県庁

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新船舶の建造を締結/11億円、来年7月就航予定
多良間―宮古航路

 【那覇支局】多良間―宮古航路の新船舶建造に係る「船舶建造工事請負契約」の締結が十九日、発注側の県離島海運振興株式社で行われ、同社の金城謙介社長と造船を行う三保造船所(静岡県)の木嶋武郎社長が契約書に調印した。また、締結式には新船で同航路を就航運営する多良間海運社長の下地昌明多良間村長も同席した。新船舶建造の費用は十一億円で、就航は来年七月上旬を予定している。
 新船舶の種類は旅客船兼自動車渡船で、総トン数は約四五〇d(現行船・三二四d)、貨物積載容積は約二〇〇d(同・一二七d)、旅客定員は二等で最大二百五十人(同・百五十人)となっている。
 全長は約六五b(同・五四・三〇b)、型幅は一一・六〇b(同・一〇・四〇b)。航海速力は約一七・二ノット(時速三十二`)で現行船の一四・〇ノット(時速二十六`)よりも六`早く、多良間―宮古間の片道所要時間もこれまでの二時間三十分から二時間に短縮される。
 そのほか、フィンスタビライザー(横揺れ軽減装置)やバリアフリー対応のエレベーター、可動甲板(干満調整用ランプウェイ)も装備され、さらに客室にはリクライニングチェアも設置され快適な運航と客室空間が提供される。
 下地村長は「村民も新船舶には大きな期待をしている。新船は現行船よりも波に強く、欠航の回数も減ると思う。素晴らしい船で島民を安全に快適に運んでほしい」あいさつした。
 金城社長も「建造工事請負契約締結が無事に終了してうれしく思う。新船舶については下地村長の思い入れも大きい。私たちがそれにかかわれることをうれしく思う。造船期間は来年六月末までの限られた期間だが何より安全第一で素晴らしい船を造ってほしい」と述べた。
 新船は、県離島海運振興株式会社所有で、今後多良間海運とのリース契約が結ばれ、十四年間をめどに償還を予定している。(垣花尚)

 写真説明・金城社長(右)と木嶋社長(左)との間で船舶建造工事請負契約が締結された。中央は多良間海運社長の下地多良間村長=19日、県離島海運振興株式会社

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 56万6560人で過去最高/今年上半期乗降客数
宮古空港

 宮古空港の二〇〇六年上半期(一―六月)の乗降客数は五十六万六千五百六十人で、過去最高を更新したことが十九日までに、同空港管理事務所(久貝元男所長)のまとめで分かった。このままのペースで推移すれば〇五年の年間乗降客数百九万三千八百三十四人を更新し、百十万人台に到達するのは確実とみられる。
 まとめによると、上半期で最も利用客の多かったのは三月の十一万四千七百九十八人で、前年同月比一五・九%の大幅増。一、二月も好調で、それぞれ同比六・七%増の九万七千七百八十七人、四・五%増の九万六千四百十八人だった。一―三月は二月のプロ野球オリックスバファローズの宮古島キャンプをはじめとする各種スポーツキャンプ効果などが奏功した。
 四、五月はそれぞれ同比〇・一%減の九万三千四百二十七人、同比〇・七%増の八万四千六百八十二人といずれも横ばい状態。
 六月は、ミヤコ・アイランド・ロック・フェスティバルの開催で大幅増だった前年には届かず、前年同月比二・四%減の七万九千四百四十八人となった。
 久貝所長は観光シーズンのピークとなる七、八月の乗降客数増に期待。その上で、「一年で最も空港の利用客が増える時期で、駐車場の混雑が予想される。夜間駐車などはせず、ルールを守って利用していただきたい。出張や旅行、帰省などで空港に二日、三日と車を置きっぱなしにするのはやめてほしい」と注意を呼び掛けていた。
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最盛期なのに大物さっぱり/伊良部・カツオ漁が不振
潮流に変化、別の漁場へ移動?

 宮古島市伊良部の一本釣りカツオ漁業は、今月から最盛期に入ったが、宮古近海に一匹当たりの重さが一〇`以上の大物カツオが現れないため、漁獲高アップに勢いがない。三年連続不振にあえぐ漁民らは「宮古近海のカツオ漁場の潮流に変化が起こり、大物カツオは別の漁場へ移動しているのでは」と予想し「カツオの群れが回遊する場所を示す海鳥の鳥山も見えない」と首をかしげる。
 伊良部の佐良浜地区では、今年六月から一本釣りカツオ漁船四そうが本格的な操業を展開。当初は宮古近海に設置された浮魚礁(パヤオ)周辺で漁獲し、七月に出現する大物カツオ操業に備えた。今月に入ってから、大物カツオが大量に水揚げされたのは二日間だけ。今期は、一匹当たりの重さが一`余の小物カツオが極めて多い。
 大物カツオの大群は、南方海域から黒潮に乗って北上途中、一部が仲間から外れて宮古近海に入り込んでくる。だが、今期は例年のように大群が現れない。
 宮古島市伊良部総合支所水産観光課が十九日までにまとめたカツオ漁獲高状況によると、二○○四年が二百九十五d、四千九百六十万円。○五年が二百十二d、四千四百八十五万円。相次ぐ台風の影響で、二年連続例年の半分以下と振るわなかった。例年の漁獲高は五百d以上、金額にして一億円以上を推移した。
 今期は、大物カツオの資源激減や再々襲来の台風などの影響で、漁獲高は予想以上に低迷している。
 一本釣りカツオ漁船の船長の一人は「豊漁祈願で大漁したい」と気持ちを切り替えていた。

 写真説明・今期の一本釣りカツオ漁業では小物カツオが目立つ=19日、伊良部の佐良浜漁港
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砂山リゾート開発で意見交換/連絡会議ワークショップ開く

 砂山リゾートの開発に向けた第一回宮古島砂山リゾート連絡会議ワークショップが十九日、平良港マリンターミナルで開かれた。宮古島市をはじめ、関係する機関・団体の代表が集い、雇用問題や文化財の保護、スポーツ振興など、リゾート開発について活発な意見を交わした。
 ワークショップは午前十時三十分から開かれ、はじめに砂山周辺のリゾート開発を行う宮古島砂山リゾートの新井正樹社長が「県内各地のリゾートのようなものでは、未来永劫続けていくのは難しいのではないかと考えており、リピーターを多く確保できるようなリゾートにしていくことが宮古島にとって重要だと思う」と強調。その上で「施設も内容も特徴を持った、他にまねのできないような開発を進めていきたい。皆さんの意見を聞きながらじっくりと煮詰めたい」などと話し、積極的な意見交換を求めた。
 ディスカッションでは▽従業員の雇用▽資材物資の購入▽工事などの発注▽生鮮食料品の調達―などについて議論。文化財の保護をはじめスポーツ振興、イベント交流などでも意見を交わした。
 参加者は砂山リゾートの開発計画と宮古島の観光振興の両面を視野に入れながら真剣に議論。それぞれの立場から提言を行っていた。
 この日の意見は次回ワークショップまでにまとめる予定。
 一九九二年に開発許可が出た砂山ビーチの開発行為は大手スーパー・ダイエーの関連会社が手掛けてきたが、同社の経営悪化で計画が頓挫。二〇〇四年には宮古島砂山リゾートが事業を引き継いだが債務超過に陥り会社更生手続きを申請、開発計画は再び暗礁に乗り上げた。これらの経緯も重なって、砂山ビーチの開発は長年の懸案事項とされてきたが、不動産関連会社のゼファーが事業スポンサーに決まったことで、再び大型プロジェクトが動き出した。

 写真説明・ワークショップで砂山リゾートの開発について意見交換する参加者ら=19日、平良港マリンターミナル
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地盛同好会が団体準V/下地恵一さんは個人3位
県GG大会

 「沖縄県グラウンド・ゴルフ夏季大会」(主催・県グラウンド・ゴルフ協会)が十六日、那覇市の奥武山陸上競技場で行われ、平良地区の地盛グラウンドゴルフ同好会(宮川弘会長)が団体の部で準優勝した。また、個人の部では下地恵一さんが三位という好成績を収めた。同会は十九日、結果報告会を行い、選手たちは「たくさん練習した成果が出たよ」と口々に喜びを話した。
 同大会には県内各地区から四百四人が参加。団体は五十六チームが参加し、熱戦を繰り広げた。
 同チームが県大会で入賞したのは初めて。これまでは惜しくも入賞を逃してきたが、週に三回の練習と毎月開催する定例会で力を付けてきたという。
 同チームの新城勝信さんは「まさか準優勝できるとは思っていなかったが、試合中のチームワークがとても良かった。次の目標は県大会で優勝し、全国大会に進むこと」と意気込みを見せた。
 個人の部で三位に輝いた下地さんは「今までの自己最高成績。次は二位を目指し、一歩一歩ステップアップしたい」と笑顔を見せた。
 団体メンバーは次の通り。(敬称略)
 ▽新城勝信▽下地恵一▽狩俣弘▽下地進▽大山達資▽下地初子

 写真説明・団体の部で優勝した(前列左から)下地進さん、下地恵一さん、下地初子さん、(後列左から)大山達資さん、新城勝信さん、狩俣弘さん=19日、地盛農村公園
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