宮古島市の懸案事項とされる新ごみ処理施設建設問題で、宮古島市（伊志嶺亮市長）が来週中にも検討委員会を立ち上げる。部長級を中心に構成し、用地選定に向けて具体的な対応を協議する方針だ。これまで城辺の福祉保健部に置いていた環境施設整備局（平良哲則局長）を十八日までに平良庁舎内に移動させるなど関係部局の連携強化も図っている。現施設の老朽化もあり、新ごみ処理施設建設は市の喫緊の課題。だが、用地の候補地に挙げられた下地字川満の自治会が拒否の姿勢を明確にしたことで、同問題は再び暗礁に乗り上げている。
　現在のクリーンセンターの老朽化に伴う新ごみ処理施設建設案は市町村合併前に浮上。当時は宮古清掃施設組合の中で用地選定作業などを議論してきた。だが、複数の候補地を公表すると周辺住民が反対の意思を示すなど、用地選定作業は計画通りに進まなかった。
　同施設建設案はそのまま合併後の宮古島市に引き継がれ、現在は環境整備施設局を中心に業務が行われている。
　合併後は下地の川満を用地の候補地に絞り、地域住民の合意を目指してきた。賛成の声を挙げる住民も複数いたが、今月九日の同自治会臨時総会で投票の結果、拒否することが決まった。
　これを受け施設整備局の平良局長は「川満はもう候補地になり得ない」ことを説明した。用地については川満以外の選定を急ぐ考えを示した。同局が平良庁舎内に移動したことについては「他の部との連携が図りやすい」などと述べ、来週中にも検討委員会を立ち上げて本格議論を展開していくことも併せて強調した。
　総務部の宮川耕次部長も「平良庁舎に来たことで連携が取れる。もう時間がない。連携を密にして協議していく」などと話し、懸案事項の解決に向け全庁体制で取り組む姿勢を示した。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（山下誠）

　

　今月十一日にスタートした二〇〇六年産葉タバコの買い入れから一週間が経過した。先週末現在の反収は百八十九�`、平均のキロ単価は千八百八十一円となっている。十八日には伊志嶺亮市長がＪＴ沖縄原料本部宮古取扱所で葉タバコ農家を激励し、単価上昇に伴う豊作に期待を込めた。
　伊志嶺市長は同日午前八時二十分ごろ、取扱所を訪ねて大勢の葉タバコ農家を激励。「葉タバコは宮古全体で二十億円以上を売り上げている大事な産業。キロ単価が二千円以上になる葉タバコがたくさん出るよう期待している」と呼び掛けた。
　また、「葉タバコは宮古島にとって欠かせない産業。宮古の発展につなげるためにも、葉タバコ農家にはさらに頑張ってほしい」と話した。
　農家らは伊志嶺市長の激励に対し、「良い結果が出るようみんなで頑張りたい」などと感謝の気持ちを伝えていた。
　宮古地区の今期産の葉タバコは植え付け直後の日照不足はあったが、その後の天候に恵まれ順調に生育した。しかし、収穫期後半の降雨などが影響し、収量が伸び悩む結果になっている。
　今期の総販売額は二十億円台とみられる。買い入れは八月十六日まで続く予定。
　宮古島市の懸案事項とされる新ごみ処理施設建設問題で、宮古島市（伊志嶺亮市長）が来週中にも検討委員会を立ち上げる。部長級を中心に構成し、用地選定に向けて具体的な対応を協議する方針だ。これまで城辺の福祉保健部に置いていた環境施設整備局（平良哲則局長）を十八日までに平良庁舎内に移動させるなど関係部局の連携強化も図っている。現施設の老朽化もあり、新ごみ処理施設建設は市の喫緊の課題。だが、用地の候補地に挙げられた下地字川満の自治会が拒否の姿勢を明確にしたことで、同問題は再び暗礁に乗り上げている。

　写真説明・葉タバコ農家を激励する伊志嶺市長（左から２人目）＝18日、ＪＴ沖縄原料本部宮古取扱所

　宮古島市教育委員会伊良部分室（久高義次分室長）は十八日、同市立佐良浜中学校（平敷善盛校長）の二年生を対象にした二○○六年度水産体験学習を実施した。子どもたちは、追い込み漁や海産物料理を通して、海の恵みに感謝するとともに伝統の水産業の大切さを実感した。
　同学習は、伝統ある佐良浜地区の追い込み漁を体験することによって、地域の第一次産業である水産業を理解させるとともに、水産業に関する基礎的知識の習得と、地域先輩との世代間交流を図ることが目的で実施された。
　男子生徒二十六人が追い込み漁、女子生徒二十三人が魚の解体・料理を行った。この日の追い込み漁では約二百�`の水揚げがあった。
　追い込み漁の出発式で、網元代表の喜久川光司さんが「安全で素晴らしい体験学習にしてください」と激励した。
　男子生徒らは、漁師や保護者らと一緒に漁船三そうに分乗。伊良部島の沿岸海域の漁場へ向かった。
　漁場では、袋網とつないだ袖網が八の字状に敷設された。アオブダイやアイゴなどの群れは囲まれた網の中で、右往左往。喜久川さんらの合図で、男子生徒らが追い込みを開始した。
　参加者全員が水面をたたきながら水しぶきを上げ、魚群を袋網へと追い込んだ。男子生徒らは素早く漁船に乗り込み、満身の力で袋網を船内に取り組んだ。
　船上から「大漁だ」「やった」の歓声が上がり、笑顔に包まれていた。
　一方、女子生徒らは、水揚げされたアオブダイなどのほかに、カツオを解体し、料理に腕を振るった。
　追い込み漁を体験した仲間裕君は「みんなで力を合わせて追い込んだので、楽しかった。これからも伝統の追い込み漁が続いてほしい」と話した。魚を解体した西原愛さんと平良梨沙さんの二人は「いつまでも追い込み漁と一本カツオ漁を守ってほしい」と口をそろえて語った。
　佐良浜漁港そばでは、特設食事コーナーが設けられた。親子ら百人余が魚料理に舌鼓を打ち、親子のきずなや世代間の交流を深めた。

　写真説明・生徒らは満身の力で、袋網に入った魚類を船内に取り込んだ＝18日、伊良部島の沿岸海域