200平成18  714 金曜日

 最大瞬間風速35・9b/台風4号吹き荒れる
宮古島地方半日以上暴風域に

 大型の台風4号は十三日午後六時現在、与那国島の西南西約三〇`にあって、一時間に二五`の速さで北西に進んでいる。十二日の予報円では宮古島地方が暴風域に入る可能性は低かったが、北寄りの進路を取ったために十三日午前七時に宮古島地方が暴風域に入り、県宮古支庁が災害警戒本部を設置した。午前八時十九分には宮古島市下里で三五・九bの最大瞬間風速を記録する強い風に加え、断続的に強い雨が打ち付けた。空・海の便は全便欠航となり、池間島で二百世帯が停電。マンゴーやサトウキビなど農作物への被害も懸念される。
 台風は十三日午前八時ごろに宮古島地方に最も接近し、八重山地方の南海上を台湾方面に向かって進んだ。同日午後六時の台風の気圧は九七〇ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は三〇bで、中心から南東側三三〇`以内、北西側二二〇`以内では風速二五b以上の暴風、東側八〇〇`以内、西側六〇〇`以内では風速一五b以上の強い風が吹いている。
 宮古島地方気象台によると、宮古島地方は十三日夜遅く(午後九時―十四日午前零時)に暴風域を抜ける見込みだが、依然として風速一五b以上の強風域内にあり、風が強く波の高い状況が続くことから警戒する必要がある。台風周辺の発達した雨雲により、宮古島地方では断続的に強い雨が続き、十四日午後九時までの二十四時間雨量は、二〇〇_に達するものとみられる。
 また、近海にある暖水渦の影響で平常よりも二〇a程度潮位の高い状態が続き、台風の影響でさらに潮位が高まったため、各地の漁港などの低い場所では岸壁に海水が冠水するところもあった。きょう十四日も午前九時の満潮時刻前後を中心に、沿岸付近の低地では高潮による浸水や冠水に注意が必要。
 台風は十四日午後六時には中国・華南を中心とする半径一五〇`の円内に達する見込み。宮古島地方が強風域を抜けるのは十五日朝になるものと予想される。                                 (砂川拓也)

 写真説明・台風4号の強い風雨にあおられるサトウキビ=13日、宮古島市上野

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空、海ともに全便欠航/観光客ら3000人の足に影響

 日本トランスオーシャン航空(JTA)と全日空(ANA)の宮古―那覇、宮古―本土を結ぶ空の便などのほかに、琉球エアーコミューター(RAC)の宮古―多良間など含む全往復計三十七便が欠航し、約二千人に影響が出た。また、宮古本島と周辺離島を結ぶ旅客船・フェリーの全往復計八十四便が欠航。利用客約千人に影響が出た。
 宮古空港の各航空会社カウンターでは十三日午前、空席待ちの整理券を求める人が多数詰め掛け。観光で来た京都市の谷口絵梨さん(24)と盛永由衣さん(23)の二人は「那覇経由で帰りたいが、空席待ち。あす(十四日)乗れたらいいが。これから宿泊先を探します」と疲れた表情で話した。
 一方、宮古本島と周辺離島を結ぶ旅客船・フェリーも全便が欠航。宮古フェリーの平良―伊良部間を運航する高速旅客船が全往復二十四便、フェリーが全往復十二便の計三十六便が欠航。
 また、はやて海運の平良―伊良部間を結ぶ高速旅客船全往復二十二便、フェリー十四便の計三十六便が終日、運航を見合わせた。
 大神海運が島尻漁港―大神漁港で運航させているニューかりゆす全往復十便が欠航。多良間海運の平良―多良間を結ぶフェリーたらまの全往復二便が欠航した。

 写真説明・空席待ちの整理券を求める観光客ら=13日、宮古空港

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 翔南カッター部が九州制覇/2年連続で全国大会へ

 第三十三回九州地区水産系高等学校カッター競技大会(主催・九州地区水産高等学校校長会)が十三日、鹿児島県枕崎市で開かれ、翔南高校カッター部が十一年ぶり三度目の優勝を果たした。この結果、今月二十六日に愛知県で開催される全国水産・海洋高等学校カッターレース大会の出場権を手にした。
 同校は九州地区の強豪と互角に渡り合い、6分4秒のタイムで二位に二秒差をつけ優勝を飾った。顧問の前泊光男教諭は「今年は全体的にレベルが高かった。実力伯仲のチームばかり。生徒たちが練習以上の力を出した。素晴らしいレースだった」と振り返った。
 競技は、艇指揮一人、艇長一人、漕手十二人の計十四人でチームを組み、千bの距離で競われる。
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コアジサシも台風避難

 大型の台風4号の影響で、夏の渡り鳥コアジサシ(カモメ科)の群れが十三日午後、宮古島市平良の埋め立て地で避難しているのが確認された。南東の風に向かって並び、暴風から身を守っていた。環境省のレッドデータブックで絶滅危惧(種に指定されている。
 約二十羽が、草むらのそばで避難。普段より体を低くし、足を踏ん張り、暴風を乗り切ろうと耐えていた。

 コアジサシ 世界各地に生息する渡り鳥。毎年四月下旬にオーストラリアなどから日本に飛来し繁殖する。全身白っぽい。夏羽は頭部が黒い。くちばしは黄色で先端が黒い。全長二八a。

 写真説明・台風で避難するコアジサシ=13日、平良の埋め立て地(撮影・伊良波彌)

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お年寄りたちと交流/西城小5年生・三線演奏や肩たたき

 宮古島市立西城小学校(下里隆校長)の五年生は十一日、市社会福祉協議会城辺支所のデイサービスを訪ね、横笛や三線の演奏を披露。肩たたきもして高齢者との交流を楽しんだ。
 交流会で児童らは、手作りの横笛で「豊年の唄」などを披露。デイサービスを利用する西城学区のお年寄りたちは、かわいらしい子どもたちの姿に目を細め、手拍子を打って演奏に調子を合わせていた。
 また、この交流会には石原駿君の母親順子さんが同支所デイサービス担当職員として勤務していることから、父母の職場を見学することで勤労意識の向上に役立てようとの狙いもあった。石原君は「お母さんはデイサービスの中で大切な存在だと思った。楽しそうに働く姿を見ることができてうれしい」と話した。
 高齢者側を代表して伊良部トシさん(60)は「私たちも小学五年生になった気分で楽しむことができた。またぜひ来てください」と子どもたちに呼び掛けた。

 写真説明・肩たたきで高齢者を喜ばせる児童たち=11日、宮古島市社会福祉協議会城辺支所
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「心のうた」 出版を祝う/下地勇さん
「ふるさとに感謝」

 【那覇支局】宮古島出身のミャークフツ(宮古方言)シンガー下地勇さんの「出版祝賀会並びに激励会」(主催・久松郷友有志会など)が十一日夕、那覇市のメルパルク沖縄(郵便貯金会館)で行われ、たくさんの郷友や下地さんのファンが会場に訪れ、著書「下地勇・心のうた」の出版を祝うとともに今後の活躍にも期待を寄せた。また、会では下地さんのミニライブも行われ、訪れた人たちはその歌声に聞き入っていた。
 会場に詰め掛けたたくさんの人たちから激励を受けた下地さんは、「こんなにたくさんの人が来てくれるとは思わなかったのでうれしい。ふるさとの皆さんには感謝の気持ちでいっぱい。本当に音楽をやっていて良かったと思う。私の一曲目は郷友会からの発信で、きょうは懐かしい人たちとも会えた。これからも県内外で自分の音楽を伝えていきたい」と笑顔で話した。
 主催者代表あいさつでは同有志会の池間啓行会長が、「勇君の活躍は本土の新聞でも大きく取り上げられてうれしく思う。これからも音楽活動、著作活動など幅広く活躍すると思うので、皆さんも支援してほしい」と述べ、下地さんのこれからの活躍に支援を呼び掛けた。
 そのほか、舞台では日舞や「トーガニアヤグ」など各種催しも行われ、会場に詰め掛けた郷友たちは下地さんと楽しいひとときを過ごすとともに、これからの活躍を願った。                              (垣花尚)

 写真説明・詰め掛けた郷友、ファンたちは下地さんの著書「下地勇・心のうた」の出版を祝い、今後の活躍にも期待を寄せた=11日、メルパルク沖縄

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