200平成18  712 水曜日

10月めどキビ生産組合設立/国の支払い要件に対応
JA支所単位 全農家の加入呼び掛け

 二〇〇七年産から導入されるサトウキビの新価格・支援制度に向けた農家説明会が十一日、平良の八会場で開かれ、十月をめどにJA支所単位の生産組合を結成する方針が示された。JAおきなわ宮古地区事業本部の大ホールで説明に当たった長浜哲夫同副本部長は「組合への加入によって、国が直接支払う経営安定対策費(支援補助金)が受けられ、安心してサトウキビが作れる」と、全農家の加入を呼び掛けた。
 組合に加入しなかった場合は、農家単位の補助金申請が必要になるとし、組合設立が同事務の一括処理を念頭に置いていることを強調した。
 組合結成は宮古島市とJAを中心に関係機関が連携して進める。
 現在は宮古島市がキビ作農家の実態把握に努めており、これが固まり次第、生産組合を結成。その後、集落単位で支部組織を立ち上げる。
 組合の規約例に示された「さとうきび共済加入」項目について長浜副本部長は、「加入によって、所得がより安定する」とし、同項目が規約に盛り込まれるよう期待した。
 説明後の意見交換では「組合の年会費を一律千円とした場合は、小規模農家のキビ作放棄が懸念される。生産量に比例して運営費は徴収すべき」、「制度の本格実施(一○年産)に向け、支援金支払い要件を満たすために、ハーベスターを増やしていくことが必要」などの声があった。
 キビ新価格制度の支援金支払い対象は、個人の場合「収穫面積一f以上」の要件が付されている。しかし、〇七年産から三年間は、移行措置として一f未満でも生産組織に加入すれば支払い対象になるため、この点に重点を置く説明会となった。
 新制度の導入によっては、支援金の支払い遅延が懸念されているが、同課題については現行(一週間後)と同様に支払われるよう国に働き掛けていることが報告された。
 同説明会は今月末まで宮古の各地で開かれる。
     (新城孝夫)

 写真説明・サトウキビの新価格制度に理解を深めた説明会=11日、JAおきなわ宮古地区事業本部大ホール
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05年度宮古 児童虐待対応163件/ネグレクトが大半占める

 宮古島市と宮古福祉保健所の家庭児童相談室が二〇〇五年度に児童虐待に対応した総件数は計百六十三件で、前年度の身体的虐待を上回りネグレクト(養育怠慢)が大半を占めたことが十一日までに分かった。ネグレクトは経済的困窮、育児支援者がいないなど複数の要因が重なり深刻化している。専門家は「祖父母を含め親族による子育ての応援が二十、三十年前と比べ弱まっている」と指摘し「身近な子どもに関心を示す地域の養育力を社会全体で引き上げるべき」と話した。
 児童虐待は、身体的、心理的、性的、ネグレクトなどの内容に分けられる。昨年四月の改正児童福祉法では、要保護児童の通告先として児童相談所のほかに市町村が加わった。軽微なケースは自治体が対応することから、児童虐待問題への市町村の役割が全国で増大している。宮古島市では、児童福祉関係機関による要保護児童対策地域協議会の立ち上げに準備を進めており、遅くても今年十月までの発足を予定。▽情報の信頼度のアップ▽窓口担当者の負担軽減▽重複対応の防止や援助状態の確認―などの効果に期待している。
 市によると、昨年度は家事・養育放棄などネグレクトに係るケースが多かったという。親が夜間の勤めに出て、夜遅くまで兄弟の年上の子どもが年下の子どもの面倒を見るなどして、結果的に不登校につながるなど悪循環となるケースも少なくない。〇四年度は身体的虐待が大半で、少数では性的虐待もあった。
 ネグレクトについて県中央児童相談所の砂川恵正所長は「経済問題だけでなく、さまざまな要因が複雑に絡み合っている」と問題の根深さを指摘。「子どもを長時間放置することは精神的影響、心の成長に重大な問題を残す」とし、「子育ては昔から周りの協力があってこそ成り立っている。身近な子どもへの関心を」と促した。
 改正児童虐待防止法では、子どもの目の前でドメスティック・バイオレンス(DV、夫婦間などの暴力)が行われることも児童虐待として定義付けられた。宮古福祉保健所では婦人相談員と家庭児童支援員が情報を共有し、ケースに応じて子どもを含めたケアを行っている。家庭児童支援員の本村幸雄さんは「宮古では、家庭内の問題を恥とする意識の傾向があるがDVや虐待は子どもの成長に大きくかかわる重大な問題」と話し、関係機関を通じ解決策を目指すよう促す。
 また、通告義務のある教職員らの対応について宮古教育事務所の新崎治所長は「担任教諭は児童生徒の頭痛や腹痛、顔色の変化などを日ごろから観察するほか、教諭間の情報交換や相談しやすい雰囲気を整える努力をすべき」と指摘した。

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 審議会委員7人に委嘱状/委員長に渡久山章さん(琉大教授)
市水道水源保護

 宮古島市水道局で十一日、同市水道水源保護審議会委員委嘱状交付式があり、伊志嶺亮市長が渡久山章さん(琉球大学理学部教授)ら七人に委嘱状を交付した。新役員選出で、委員長に渡久山さん、副委員長に中西康博さん(東京農業大学助教授)を選出した。
 委員は次の通り。(敬称略)
 【学識経験者】▽委員長=渡久山章(琉球大学理学部教授)▽副委員長=中西康博(東京農業大学助教授)▽委員=酒井一人(琉球大学農学部助教授)、前里和洋(宮古農林高校教諭)、山田義秀(県環境科学センター生活科学部長)【関係行政機関職員】▽上原真理子(宮古福祉保健所長)、座喜味一幸(宮古土地改良区事務局長)

 写真説明・伊志嶺市長(左)が一人ひとりに委嘱状を交付した=11日、宮古島市水道局
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佐久田さんに栄誉金章/宮古初、少年健全育成に尽力

 警察庁と全国少年補導員協議会が連名で、長年にわたり少年非行防止と少年健全育成に尽力した功績者に贈る「少年補導栄誉金章」をこのほど、宮古島地区少年補導員協議会顧問の佐久田貞雄さん(65)が受章した。宮古地区からの金章受章は今回が初めて。十日午後、佐久田さんが宮古島警察署を訪ね、岸本亮署長に報告した。今年度の県内からの金章受章は、佐久田さん一人だった。
 岸本署長は「佐久田さんの少年健全育成などへの熱意が受章となった」と受章をたたえた上で「これからも少年健全育成のために頑張ってほしい」と激励した。
 佐久田さんは「金章受章の知らせを受けた時、まさかと思った。今回の受章は、宮古島署長をはじめ、署員、宮古地区少年補導員協議会の皆さんのおかげ」と感謝の意を表し「微力ながら、これからも少年補導員として頑張りたい」と決意を新たにした。
 同席した宮古島地区少年補導員協議会の会員らは、佐久田さんの受章を喜び合い、今後の活躍に期待を寄せた。
 佐久田さんは、今年で少年補導員歴三十四年目で、現在顧問として二年目を迎える。これまで青少年健全育成活動に積極的に参加したほか、地域の清掃活動やボランティア活動などでも尽力した。

 写真説明・佐久田さん(中央)は岸本署長に金章受章を報告した=10日、宮古島警察署
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地域安全運動、暴力追放運動用ポスター・標語
宮古島署最・優秀28人を表彰

 二〇〇六年全国地域安全運動ならびに全国暴力追放運動用ポスター・標語の宮古地区表彰式が十一日午後、宮古島警察署で行われ、@侵入窃盗防止A子どもの誘拐・連れ去り防止B少年の非行防止(健全育成)C薬物乱用防止D暴力団追放Eいわゆる「オレオレ詐欺」など振り込め詐欺防止―の六つの課題別に標語・ポスター、それぞれ最優秀、優秀に選ばれた中高生二十八人が表彰された。
 ポスター・標語は今年十月に実施される全国地域安全運動と十一月の全国暴力追放運動を盛り上げ、県民の防犯意識の高揚を図るための啓蒙宣伝用に募集した。標語に五百二十七点、ポスターに二十五点の応募があった。
 岸本亮宮古島署長は「素晴らしい作品が多く、審査にとても苦労した。地域の安全に対して、関心が高いことが理解できた。今後も犯罪、少年非行がなくなることを祈って活動していきたい」と話した。前川尚誼宮古島地区防犯協会長は「地域が良くなるようサポートしていきたい」と述べた。
 入賞者を代表して久松中二年の友利龍太郎君は「何気なく浮かんだ言葉で、こんな賞をもらってとてもうれしい。一人ひとりが意識して犯罪や事件がなくしていくようにしたい」と話した。
 入賞者は次の通り。(敬称略)
 ▼標語
 【侵入窃盗防止】▽最優秀=友利龍太郎(久松中二年)「出かける時は ドア見てマド見て 確かめて」▽優秀=黒島一浩(同一年)「確かめよう 出かける前に カギカギ鍵」、渡真利浩也(同三年)「近所の目 あなたの家の 防犯カメラ」
 【子どもの誘拐・連れ去り防止】▽最優秀=源河和佳奈(砂川中一年)「イカないよ それが私の あい言葉」▽優秀=見里信輔(西辺中二年)「危ないよ 一人で歩く かえり道」、砂川亜美子(久松中三年)「みんなで守ろう 未来を担う 子供たち」
 【少年の非行防止(健全育成)】▽最優秀=与那城元樹(佐良浜中二年)「非行から 守る育てる 地域の目」▽優秀=砂川亮真(上野中二年)「知らんふり それでいいのか 大人たち」、池間祥子(西辺中二年)「好奇心 知らずにはまる 落とし穴」
 【楽物乱用防止】▽最優秀=池間舞(佐良浜中三年)「薬物で つかむ幻 失う未来」▽優秀=仲間優二(西辺中二年)「やりません 一度だけでも 薬物は」、佐和田千尋(砂川中一年)「いらないよ 私の体に 薬物は」
 【暴力団追放】▽最優秀=山里莉奈(久松中一年)「団結で 追放しよう 暴力団」▽優秀=与那覇翔吾(久松中二年)「暴力団 ぼくらの町には いらないよ」、下地孝典(同三年)「暴力団 勇気を持って おいだそう」
 【いわゆる「オレオレ詐欺」など振り込め詐欺防止】▽最優秀=川満美耶(北中三年)「ちょっと待て 振り込む前に 窓口相談」▽優秀=西原愛(佐良浜中二年)「ちょっと待て 振り込む前に 確認を」、仲宗根優菜(久松中一年)「振り込むな! 本人確認 まず先に」
 ▼ポスター
 【侵入窃盗防止】▽最優秀=洲鎌成子(宮高二年)
 【子どもの誘拐・連れ去り防止】▽最優秀=佐久本沙織(宮高一年)▽優秀=下地美咲(城辺中二年)、永井由里子(宮高三年)
 【少年の非行防止(健全育成)】▽最優秀=下地美都子(宮高三年)▽優秀=平良貴紀(城辺中二年)、狩俣愛(宮高二年)
 【薬物乱用防止】▽最優秀=濱川命(西辺中一年)▽優秀=根間しおり(宮高三年)、川満玲香(宮高三年)

 写真説明・標語・ポスターで表彰された子どもたち=11日、宮古島警察署
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磯釣りで大物ゲット/アオマチ、重さ4.3`

 宮古島市上野に住む上地伸秀さん(29)が十日午後、城辺海岸から全長70・5a、重さ4・3`の大物アオマチ(アオチビキ)を釣り上げた。磯釣りで、大物アオマチが釣れたのは珍しい。
 上地さんは「台風3号の影響で、アオマチは沖から磯へと迷い込んだのでは」と予想。自身が磯釣りで仕留めたアオマチの中では自己最高記録と喜んでいた。
 磯釣り仕掛けは、道糸12号、ハリスシーガ10号、針タマン16号、餌はロールイカ。
 上地さんは「ググッと手応えがあった時は『やった』と思った。アオマチはヒットしてから五分から十分でくたばった。釣った瞬間、気持ちが良かった」と語った。「今夜は家族でアオマチの刺し身、魚汁などを食べたい。アオマチざんまいでスタミナを付ける」と笑顔で話した。

 写真説明・大物アオマチを釣った上地伸秀さん=10日、平良の丸金ストアー

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