200平成18  710 月曜日

被害総額は1800万円/農産物に集中、スイカが打撃
宮古支庁災害速報

 県宮古支庁(兼城克夫支庁長)は九日午後、宮古島地方を約十五時間暴風域に巻き込んだ台風3号の災害状況(速報)を発表した。人的被害はなし。被害は農業関係に集中しており、被害総額は千八百五十三万三千円だった。基幹作物のサトウキビは千三百八十二万三千円の被害を受けた。野菜では露地栽培のスイカ被害が大きく、被害率は五〇%、被害額は三十七万七千円だった。ゴーヤーは百四十一万二千円の被害を受けている。
 全体的に被害は少なく、サトウキビの被害率も〇・三%程度であることから甚大な被害には至らなかった。農業関係者の間では、梅雨明け後の少雨傾向が解消されたとの見方もある。
 強い台風3号は八日午後七時ごろ、宮古島地方に最接近した。このときの中心気圧は九五〇ヘクトパスカル。中心付近の最大風速は四〇bに及んだ。最大瞬間風速は北の風三一・四b(平良字下里で八日午後五時四十六分に観測)だった。同日午後一時から、九日午前四時十七分まで宮古島地方を暴風域に巻き込んだ。停電した世帯は延べ百世帯、九日午前には完全復旧した。台風3号の影響による降り始めからの雨量は▽平良六三_▽城辺六八_▽伊良部五一_▽多良間二九_―。
 農産物の各品目の被害状況を見ると、サトウキビは全体的に倒状、梢頭部・中間部の折損ほか、葉の裂傷がわずかに見られた。吉野や保良、島尻、狩俣などで栽培されているサトウキビについては、今後の雨量による塩害が懸念されるとしている。多良間島においてサトウキビの倒状などはほとんでなかった。伊良部島は調査中。
 施設園芸関係の被害状況はメロンのハウスで五〇%以上の落葉被害。被害額は六十一万七千円だった。ウリ類についてはゴーヤー被害が目立ったが、ヘチマやトウガンなどは若干の葉ずれが見られたが、被害はほとんどなかった。最も被害率が高かったスイカは小ぶりの果実が強風により茎から取れるケースなどで被害が拡大。県は「対策がほとんどとられておらず、風害により茎葉、果実の被害が甚だしい」とした。
 大きな被害が懸念された収穫中のマンゴーは、一部ビニールハウスの破損が見受けられたが、落果などの被害はなかった。バナナなども折損は見られない。
 県宮古支庁はきょう十日に災害状況の第二報を発表する予定。 (山下誠)

 写真説明・台風3号の影響で大きな被害を受けた露地栽培のスイカ=9日、下地字与那覇

被害少なく、農家ほっ/マンゴー落果ほとんどなく
 強い台風3号の通過で、収穫最盛期を迎えているマンゴーの被害が心配されたが、台風の勢力が当初より弱まったことなどの要因から、被害はほとんど見受けられなかった。台風一過の九日、あるマンゴー農家は「落果もほとんどなく、今朝も通常通りに収穫した」と安堵した。
 同日は、県宮古支庁の農政・農業改良普及センターや宮古島市農政課、JAの職員らがマンゴーやサトウキビ畑の被害状況などを調査した。その結果、マンゴーは特に被害はないとの報告だった。宮古空港の貨物事務所でも島外向け出荷用のマンゴーが準備されていたが、台風の影響による量の変化はほとんどないという。
 平良のマンゴー農家は「心配していたが、ハウスのビニールが少しはがれたぐらいで直さないといけないけど、収穫前のマンゴーが落ちるということはなかった」とほっとした様子だった。
 上野の農家も「ほとんど影響はなかった」と胸をなで下ろしながら、いつも通りの出荷作業をこなしていた。

 写真説明・懸念された被害が見られなかったマンゴー=9日、上野


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「指笛は奥が深い」/公園に子どもたち集め教室
指笛王国宮古島支部

 指笛教室(主催・指笛王国宮古島支部)が九日、盛加越公園で行われた。集まった参加者たちは、指一本を使って笛のように高い音を出す指笛に挑戦。公園中に大小さまざまな音色が高らかに響き渡っていた。
 この教室は、指笛の普及および指笛文化の発展のために制定された七月十日の「指笛の日」制定・「指笛王国おきなわ」の建国一周年記念にちなみ行われたもの。宮古島支部は昨年の十一月に結成し、役員九人で発足した。本部は指笛王国おきなわ(垣花譲二国王)。
 同教室では、指笛の練習方法を説明。同支部の与那覇健一会長が▽口をすぼめて、下唇を下の歯に一aほどかぶせる▽舌を歯茎の下まで降ろしてつける。下の歯と舌の間は人差し指が入る程度に開く▽七の字の指を舌唇に乗せ、指は舌に対し水平に押し出す感じで乗せる―など、舌や舌唇の位置、指の挿入方法などを指導した。
 与那覇会長は「指笛は昔から沖縄の生活の中で盛んに活用されてきたが、現在では昔ながらの指笛文化が失われつつある。もっと積極的に指笛の普及、発表、研究などの取り組みを推進していきたい」と話した。
 同支部では指笛教室の参加者を随時募集している。問い合わせは同支部広報部、新里(電話090・2509・9387)まで。

 写真説明・指一本を使って笛のように高い音色を自在に出し、指笛を楽しんでいた=9日、盛加越公園
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 「幅員狭い」と整備要請/宮古島市道島尻1号線
地元自治会、市に署名書提出

 宮古島市島尻自治会の池間貞夫会長らが七日午後、同市の伊志嶺亮市長に「市道島尻1号線の早期整備」と集落内にある「良田川(イーダカワ)の清掃整備」二件を要請した。伊志嶺市長は「島尻1号線については、宮古の県議らを動かし県へ要請したい。清掃整備はできると思う」と述べ、前向きに取り組んでいく姿勢を示した。
 市道島尻1号線は、宮島小学校正門前の道路。池間会長は「島尻地域を横断する島尻1号線は、幅員が狭小で歩道もないばかりか、バス路線にもなっており、バス路線を通行する際には住民一同安全性に不安を抱いている」と説明した。
 その上で「地域内での事故防止のため、住民の住み良い生活環境の向上のために1号線の早急な整備を要請する」と述べ、早期整備を求める地元の地権者約五十人の署名書も手渡した。
 また池間会長は「良田川は建設されて十一年間の中で、大量の土砂の蓄積で雑木や雑草が川面を覆い尽くしている」などと述べ、清掃整備の支援を求めた。

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公園内の危険個所チェック/安全なまちづくり推進協

 宮古かぎすま安全なまちづくり推進協議会(会長・伊志嶺亮宮古島市長)は六日、平良字西仲宗根にある盛加越公園で公共施設の防犯・安全点検を実施した。地域住民や宮古島署、老人クラブ連合会など約十五人が参加し、公園内のトイレや死角となる植え込みなどの危険個所を確認した。後日、落書きや雑草の除去活動を行う予定。
 これは、犯罪のない安全・安心な地域社会を実現するため推進している「ちゅらさん運動」の一環。本年度は「子どもたちの安全・安心対策」を重点取り組みとして、各種施策を実施。今回は「公共施設の防犯・安全点検」として市都市計画課、東川根自治会、保育園関係者、安全安心アカデミー修了生らが参加した。
 参加者は公園内のトイレ二カ所、子どもが集まりそうな場所、雑草が伸び切っている個所、水路、遊具などを一カ所ずつ点検。参加者からは「雑草が伸び切っているので子どもが転落した場合、ここは死角となって危ない。剪定が必要だ」「割れた窓の修繕は」「樹木が街灯を邪魔している」など、多くの指摘が寄せられた。
 宮古島署生活安全課安全なまちづくり推進係の與那城弘一係長は「市民が安心して利用できる公園にするためにも、多くの人が防犯についての感心を持ってもらいたいと思う」と話した。

 写真説明・危険個所をチェックし、今後の防犯対策の検討事項とした=6日、盛加越公園
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南小、平良中が団体優勝/宮古地区学童水泳大会

 第十五回宮古地区学童水泳大会(主催・宮古水泳協会)が九日、スポーツアカデミー宮古島で行われた。宮古地区の小・中学生百八十人余りが日ごろの練習成果を競い合った。白熱のレースを展開した結果、団体の部・小学校では南小学校が、中学校では平良中学校がそれぞれ優勝を勝ち取った。
 個人種目はバタフライ、背泳ぎ、平泳ぎ、自由形の二十五b、五十b、百b、二百bと個人メドレー。学校対抗のメドレーリレーやフリーリレーも行われ、各競技で熱いレースが繰り広げられた。団体の部は、個人種目とリレーの結果順位により学校別に点数を加算された総合点の順位で決められた。
 子どもたちは友達や兄弟のレースが始まると、会場いっぱいに響く大きな声援を送っていた。
 結果は次の通り。(個人種目の結果は後日掲載)
 【団体の部・小学校】▽優勝=南▽準優勝=東▽三位=西城
 【同・中学校】▽優勝=平良▽準優勝=西城▽三位=久松
水しぶきを上げながら力泳する選手=9日、スポーツアカデミー宮古島

 写真説明・水しぶきを上げながら力泳する選手=9日、スポーツアカデミー宮古島
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ジュニア選手ら生き生き/月刊ゴルフダイジェスト
宮古キャンプの様子を紹介

 日本ジュニアゴルファー育成協議会(JGC、清元登子執行委員長)が今年三月に宮古で開催した「ジュニアゴルファー・スプリングキャンプin宮古島2006」の模様が、ゴルフダイジェスト社(本社・東京)が出版する「月間ゴルフダイジェスト」の七月号に、七ページにわたって紹介された。タイトルは「宮古島青空学級」。ゴルフレッスンだけでなく、海や森など自然の中での体験も楽しんだ同キャンプの様子が紙面を躍っている。
 同キャンプは三月二十七―三十日、千代田カントリークラブを中心に行われ、首都圏から三十人と地元・宮古から十六人、計四十六人の児童が参加した。ゴルフの持つ教育的効果を生かし、子どもの健全な成長、「生きる力」を養うことが目的。
 記事には、海で伸び伸びと遊んだり、シーサー作りに挑戦したり、ゴルフの練習中に笑顔を見せたりする子どもたちの写真がふんだんに盛り込まれ、朝から晩まで三泊四日の日程を通して、宮古と首都圏の子どもたちが友情を深めた様子がほのぼのと書かれている。
 同キャンプに同行した東京成徳大学臨床心理学科の石崎一記教授は記事中、「今回、部屋の中では子どもの自治があった。寝ろ、と怒られても、ちょっとルールを破りつつ、規律と自由のバランスを取っていた」と振り返っている。
 宮古アマチュアゴルフ連盟の根間政幸事務局長は「非常に良いPRになった」と掲載を喜んだ。その上で、「強い風も吹く宮古独特の自然の中でゴルフができることや、ゴルフだけでなく自然との触れ合いを楽しめることは、子どもたちの教育にとって宮古は最高の環境だと思う」と、宮古の環境の良さを強調していた。

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