本日のニュース

☆ 空のダイヤまひ／台風３号／宮古空港、４００人が足止め
宮古発　午後から１０便欠航

　強い台風３号の接近により、宮古島地方は八日、暴風域に入った。宮古発の空の便は午後から計十便が欠航。宮古空港のロビーは足止めされた観光客や旅行客で混雑した。日本トランスオーシャン航空（ＪＴＡ）と全日空（ＡＮＡ）によると、この欠航により約四百人が足止めされた。離島を結ぶ船便も朝から全便欠航するなど住民生活にも影響を及ぼした。航空各社、フェリー各社の九日における運航再開時間は未定。

　八日の宮古島地方の天候は午後に入ってから荒れ模様に。空の便は午前中の便はほとんど通常通りに運航したが、午後から欠航が相次いだ。宮古発で欠航した便はＪＴＡの那覇行き二便、石垣行きの二便、東京直行便は午後七時二十五分発の便が欠航した。多良間島行きは二便とも欠航。この欠航で約百七十人が足止めされた。
　一方、ＡＮＡは那覇行き二便と関西行き一便が欠航した。合わせて約二百二十人の足に影響が出た。
　宮古空港のロビーには台風接近を心配し、朝から大勢の観光客や旅行客で混雑した。午後の便を午前中の便に切り替えるためキャンセル待ちする観光客らもいた。当初、午後に出発する予定を午前の便に切り替えた五十二歳男性は「台風が来ると報道で知っていたので初めから切り替えようと決めていた。乗り換えることができて良かった」と安心した様子で話した。別の二十四歳女性は「強い台風と聞いているので帰れるかどうか心配だった。何とか間に合って良かった」などと話していた。
　ＪＴＡ、ＡＮＡともに暴風警報が発令されたことにより、午後四時以降の那覇行きはすべて欠航。午後六時十分発の関西行き、午後七時二十五分発の東京行きも欠航になったため、観光客らは足早に空港を後にしていた。その後は空港職員らが懸命に台風対策。空港周辺の花木類などの植物を閑散としたロビー内に運び込んでいた。
　台風３号はきょう九日も宮古島地方を暴風に巻き込みながら北上を続ける。宮古島地方気象台では十分な注意を呼び掛けている。　（山下誠）

　写真説明・台風接近の影響で観光客や旅行客など約４００人の足に影響が出た＝８日、宮古空港

　強い台風３号は八日午後六時現在、宮古島の東約九〇㌔の北緯二四度四〇分、東経一二六度二〇分の海上にあって、北北西へ時速二〇㌔の速さで移動している。宮古島地方は同日午後一時ごろ暴風域に入った。最大瞬間風速は午後五時四十六分に平良で三一・四㍍を観測した。きょう九日の明け方（午前三－六時）には暴風域を抜ける見込み。県宮古支庁によると、人的被害や家屋被害はないという。（、面に関連）
　宮古島地方気象台によると、台風の中心気圧は九五〇、中心付近の最大風速は四〇㍍で、中心から半径一五〇㌔以内では風速二五㍍以上の暴風、北東側四六〇㌔、南西側三五〇㌔以内では風速一五㍍以上の強い風が吹いている。
　台風の最接近は八日夜遅く（午後九－午前零時）。南側に発達した雨雲があるため、同気象台は宮古島の東海上を通過後に、風雨が強くなるとして注意を呼び掛けている。
　多良間島は八日午後六時に暴風域に入った。翌九日午前零時ごろには暴風域を抜ける見込み。
　降り始めから八日午後六時までの雨量は▽城辺一九㍉▽多良間一四㍉▽平良九㍉▽伊良部六㍉－となっている。
　下地の来間大橋が八日の午後二時、平良の池間大橋が同五時にそれぞれ閉鎖された。また、城辺の長間などで約百世帯が停電したが、午後六時までには復旧した。
　台風は九日午後六時には宮古島の北約五〇〇㌔の北緯二九度一〇分、東経一二四度三〇分を中心とする半径一七〇㌔の円内に達するもよう。
　台風が週末を直撃したことで、各種イベントが中止や延期に追い込まれた。

　写真説明・強風にあおられ高い波しぶきを上げていた＝８日、真謝漁港

☆　宮古病院、本島搬送２９件／昨年９月から　脳神経外科不在に伴い
　

　【那覇支局】県立宮古病院の脳神経外科医が昨年八月から不在となっていることに伴い、同病院から脳出血などの患者を沖縄本島へ搬送した件数が先月二十七日現在で二十九件となっていることが県病院事業局の調べで分かった。疾病別では脳出血が十二件と最も多く、次いでくも膜下出血が八件、硬膜下血腫が五件、その他が四件となっている。
　県立宮古病院では、昨年八月から脳神経外科医の常勤医師が不在の状況が続いている。県立八重山病院も産婦人科医が不足するなど、先島の県立病院における専門医の不足は深刻な状況で、県では早期の医師確保に向けて取り組んでいるが、現在、宮古病院における脳外科医の確保には至っていない。
　脳神経外科医が不在となった昨年の九月から先月二十七日までの患者搬送件数二十九件のうち、二十八件を自衛隊機が搬送し、一件は民間航空機で対応した。
　月別では、二〇〇五年九月から十一月までは搬送件数がそれぞれ三件。冬場の十二月は五件、〇六年一月、二月はそれぞれ四件と若干多めとなっている。三、四月はそれぞれ二件、五月一件、六月二件となり、合計で二十九件となっている。
　現在開会中の県議会六月定例会で、県病院事業局の知念清局長は「脳外科医の確保については関係機関を通して情報収集や医療機関などと連携して取り組んでいるが、確保には至っていない。今後は中部病院、南部医療センターなどを中心とした臨床研修制度の充実による専門医師の養成に努めるとともに、琉球大学や県医師会などと行っている医師確保に向けた協議会での検討を進め、あらゆる手段を講じて、宮古病院における脳神経外科医を確保したいと思う」との見解を示している。（垣花尚）

☆ 台風３号　住民生活を直撃／農作物への被害懸念
交通ストップ　一時停電も
ぎりぎりまで収穫／マンゴー農家／前日から急ピッチで作業

　強い台風３号は八日午後、宮古島地方を暴風域に巻き込みながら北上。収穫最盛期のマンゴー農家は、懸念される被害を未然に防ごうと、暴風域突入まで収穫作業に追われた。台風の影響で空、海の便はストップ、ホテルでは予約のキャンセルが相次いだ。また一部地域で一時停電も発生するなど、住民生活に大きな影響を与えた。

　マンゴー農家は、被害を最小限に食い止めようと台風接近のぎりぎりまで収穫作業に追われた。
　平良で十四棟のビニールハウスでマンゴーを栽培する「まいふか農園」（平良盛雄代表）では午前五時三十分から六人体制で収穫した。約二時間かけて出荷できる状態のマンゴーを収穫し「とりあえずやれることはやった」と額の汗をぬぐった。
　同農園は通常ならば一日一回しか収穫しないが、七日は朝、昼、夕と三回に分けて収穫。また、二日ほど先に早取りして、追熟させる対策をとった。
　平良代表は「収穫はまだ五割ほど残っている。マンゴーに傷が付くと出荷できなくなるので心配だ」と表情を曇らせた。また、「台風は毎年来るもの。（三年前の）台風号のような大きな被害にならなければ良い」と述べた。
　マンゴーの収穫状況は各農家でまちまち。八割終えた農家もいれば三割しか進んでいない農家もあった。
　ほとんどの農家が台風対策としてハウスの周囲には防風林を設置している。また、ハウスの側面に風よけのネットを張っている農家の姿も見られた。

　写真説明・マンゴー農家は台風接近のぎりぎりまで収穫作業に汗を流した＝８日、平良字西仲宗根

☆ 嵐の中、笑顔晴れ晴れ／土谷さん夫妻結婚パーティー

　外の嵐も何のその、笑顔晴れ晴れ－。台風３号が宮古島へ接近する中、本土出身で宮古在住の土谷浩樹さん（４３）、知恵さん（３０）夫妻が市内のリゾートホテルで結婚披露パーティーを開いた。予定していた屋外でのガーデンパーティーはかなわなかったが、本土からの招待客を含む百人余の友人たちが祝福。二人は「感謝の気持ちでいっぱい。このみんなと一番の思い出をつくれて良かった」と口をそろえた。ホテルスタッフも「記憶にない」という台風の中で、確かな一歩を踏み出す忘れられない一日となった。
　浩樹さんは、大分県出身で五年前に宮古へ移住。現在は市内で飲食店を営む。東京都出身で二年半前に移住した知恵さんと、海が好きという共通点もあって意気投合し、今年三月二十七日に入籍していた。
　「旅行に行くたびに雨や台風に見舞われる」という知恵さん。結婚パーティーの門出の日にまで台風に当たり、「友人には『やっぱりね』と言われました」と苦笑い。それでも、「台風はあるけれど、改めて宮古へ来て良かったと思う」と話した。
　ウエディングドレス姿の知恵さんに、「すてきですね」と顔をほころばせた浩樹さん。「宮古に来たことで、こんなすてきな友人たちに出会えた」と喜んだ。ダイビングや釣りなど、宮古の海を満喫しているという二人は、「子どもは二、三人ぐらい。明るく、笑顔のある楽しい家庭にしたい」と終始、笑顔が絶えなかった。

　写真説明・台風の中で結婚パーティーを行った土谷浩樹さん（左）、知恵さん夫妻＝８日、宮古島東急リゾート

☆ シングル「あぁ対馬丸」　ＰＲ／上野出身歌手・宮園ゆう子さん

　宮古島市上野出身の演歌歌手・宮園ゆう子さんが七日、宮古毎日新聞社を訪れ、「あぁ対馬丸」と「雨の岬に」の二曲が収録されている今年三月にリリースしたシングルＣＤをＰＲした。
　今年でデビュー十年を数える宮園さんは、上野字豊原出身。現在は東京に拠点を置いて音楽活動を展開している。今回発売した「あぁ対馬丸」は海で亡くした父親への思いと重なる曲で、歌うたびに父親の姿を思い出すという。
　宮園さんは「『あぁ対馬丸』は戦時中の母親の気持ちを表現した歌。一人でも多くの人に聞いてもらい、悲しい出来事があったことを知ってほしい。覚えて歌ってもらえたら、とてもうれしい」と話した。

　写真説明・発売中のシングルをＰＲする宮園ゆう子さん＝７日、本社