200平成18  7 木曜日

沖縄・新エネ会議が発足/バイオエタノール実用化へ
宮古全車両での実証実験も計画

 【那覇支局】宮古島で実証実験が進められているバイオエタノールなど、新エネルギーの実用化に向け産官学で構成する「沖縄・新エネルギー会議」(委員長・宜保清一琉球大学農学部長)が五日、発足した。第一回の会合が同日に那覇市内のホテルで開催され、経済産業省の松あきら副大臣は宮古島におけるバイオエタノールの実用化について「地元の負担を強いないよう沖縄の発展のために国としての特別な支援が必要」との見解を示した。同会議は、年内に二回程度の会合を開催し、その内容は県におけるバイオエタノールを含めた新エネルギー関連の新年度予算にも反映される予定となっている。
 会議では、宮古島を「バイオエタノール・アイランド」とする構想(案)も示された。具体的な内容としては▽内閣府、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省の各府省連携により実証事業を計画(二〇〇八年度より本格展開)▽宮古島のサトウキビからバイオエタノールを製造し、島内で消費されるガソリン(年間約二・四万`g)のすべてをE3にすることを目指した実証事業を実施(島内の乗用車は約二万台)▽海外で走行している高濃度エタノール自動車(E10対応車、フレックス燃料車など)の走行試験の実施―が示された。  実用化に向けた取り組みや今後の活用について松副大臣は「国として特別な支援策を積極的にやっていく。きちんとした政策として支援したい。ガソリンよりコストが高い状況だが、関係省庁が連携すれば解消できると思う」と述べた また、県の保坂好泰観光商工部産業振興統括監が宮古島における取り組みと課題について「宮古島におけるバイオエタノールの普及は、県の新エネルギーの導入促進に大きな成果をもたらすと期待されるがそれと併せて宮古圏域を新エネルギーをはじめ地産地消型のエネルギー供給地域として検討したい」との方針も示された。
 六月に宮古島の視察に訪れた二階俊博経済産業大臣は、バイオマスや太陽光など新エネルギー資源が豊富な地域として沖縄の可能性を踏まえ「沖縄のサトウキビを原料とした燃料用バイオエタノールの生産・利用・活用促進」を表明。さらに新エネルギーについて国民の理解を深めるために「新エネルギーパーク設置」についても提案している。(垣花尚)

 写真説明(上)・宮古島をバイオエタノール・アイランドとする構想案などが示された第1回の会議=5日、ロワジールホテルオキナワ

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「事業化へ環境整備必要」/砂川佳一氏の一般質問に県
県営公園整備

 【那覇支局】県議会(仲里利信議長)六月定例会は五日、一般質問三日目が行われ、宮古地区選出の砂川佳一氏(自民)が宮古地区における県営公園の整備、県立宮古病院の早期新築移転、地上デジタル放送の先島地区放送などについて県の見解を求めた。
 県営宮古広域公園(仮称)について、首里勇治土木建築部長は、「宮古圏域は広域公園がない唯一の圏域となっており、広域公園の必要性は感じている。県としても財政面を含めた諸課題の解決に取り組み事業化に向けた環境整備に努める必要があると感じている」と述べた。
 県立宮古病院について、砂川氏が早期の新築移転を求めたのに対し、稲嶺恵一知事は、「宮古病院については、南部医療センターの完成を踏まえてできるだけ早く取り組みたいと思っているし、次は宮古病院の整備を優先するとの気持ちも変わっていない」と述べた。
 さらに、同病院の新築移転に向けて発足したワーキングチームの進ちょく状況と今後のスケジュールについて、県病院事業局の知念清局長は、「これまで七回の会議を開催し、今年度中には基本構想素案の策定を予定している」と説明した。
 民放三社の地上デジタル放送の先島地区における放送について、上原良幸企画部長は、「先島地区についてはNHKが二〇〇八―〇九年にかけて放送開始を予定しているが、民放三社は検討中となっている。国は、放送事業者が自助努力しても整備が困難とされる中継局の整備については公的資金を検討するとしており、県としては国に対してその必要性を要請するとともに、放送事業者と協議を重ね早期の先島地区放送実現に取り組みたい」と述べた。
                                        (垣花尚)

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 料理や即売など多彩に/第1回みゃーくなんこう大会
巨大、珍・美形も競う

 七月五日は、語呂合わせで「なんこうの日」―。「みゃーくいつ番ぬなんこうゆつふぁ(宮古で一番のなんこうを作ろう)」をテーマに、第一回みゃーくなんこう大会(主催・同実行委員会)が五日、JAおきなわ宮古地区事業本部で行われた。なんこうの大きさや形を競うコンテストや、なんこうを使ったさまざまな料理の展示、即売など多彩な催しが用意され、訪れた人たちが改めて在来種の野菜「なんこう」の良さを味わった。
 同大会は「地産地消」が叫ばれる中で、昔から宮古で作付けされてきた在来種の「なんこう」を見直し、地場産業を育成して「作る楽しさ」「育てる喜び」を知り、なんこうによる特産品開発で農業と観光産業の振興を図ることが目的。
 宮古島市観光商工課を事務局に、JAおきなわ宮古地区事業本部、みゃーくの味推進協議会などが運営に参加した。
 開会式のあいさつで実行委員長の宮国泰男宮古島市経済部長は「『地産地消』がいわれる中、昔から作られてきたなんこうを見直し、特産品を作っていくことで農業と観光をうまくリンクさせたい」と強調。
 伊志嶺亮市長(代読・下地学助役)、市議会の友利恵一議長、JAおきなわ宮古地区事業本部の下地隆弘本部長もあいさつし、地産地消の取り組みを呼び掛けた。
 コンテストは「巨大なんこう」「珍形」「美形」の三部門が行われ、合わせて約八十個のなんこうが出品された。巨大なんこうは、重量計測の結果、三八・四〇`のなんこうを作った西里源一さん=平良=が第一位に。ユニークな形を競う「珍形」は根間平成さん=平良=と垣花武一さん=下地=が同点で、形の美しさを見る「美形」は与座明良さん=平良=がそれぞれ一位となった。
 なんこうを使ったさまざまな料理の展示コーナーでは、女性の来場者を中心に興味津々の様子で見入った。なんこう入りのカレーやコロッケ、てんぷらなどの即売コーナーでは、昼休みに人だかりができ、飛ぶように売れていた。
 このほか、展示されたなんこうの重量を予想する「重量当てクイズ」、種をどこまで飛ばせるかを競う「なんこう種飛ばし競争」などのゲームで盛り上がりがみられた。

 なんこう 沖縄在来のカボチャ。少し水っぽくあっさりした味が人気で、ビタミンA、ビタミンB1やビタミンCも多く、風邪の予防にも良いと言われる。

 写真説明・会場いっぱいに並べられた巨大ななんこうが訪れた人の目を引いた=5日、JAおきなわ宮古地区事業本部
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地域の伝統漁法を体験/狩俣中、佐良浜中の生徒たち

 宮古島市立狩俣中学校(佐久本茂美校長)の生徒は五日、同地域の伝統漁法「追い込み漁」を体験した。今年は十七回目。ベテラン漁師の指導を受けたこの日の漁は、約三百`の大漁となった。
 追い込み漁には網元の友利哲雄さんをはじめ漁師十二人、生徒十二人、教師三人の合計二十七人が参加した。早朝、狩俣漁港を出発、午前九時ごろ八重干瀬に着き漁が始まった。
 生徒たちは、海中に潜り袋網目掛けて懸命の追い込み。船に上ると、こん身の力を込め網を引き上げた。
 午後はそろって魚料理を囲み、交流会。参加した根間純希君(三年)は、「網にかかった魚を見た時はうれしかった。良い体験になった」と感想。
 指導した友利さんは「追い込み漁は狩俣の伝統文化の一つ。生きていく上では、地域を知ることが大切」と話した。
 一方、宮古島市立佐良浜中学校(平敷善盛校長)の三年生四十六人は五日、一本釣りカツオ漁とかつお節工場での仕事を体験。海の資源や水産業の大切さを肌で感じた。
 同学習は、伊良部の伝 参加した中村慎吾君は「カツオとマグロを合わせて九匹釣った。漁師たちの仕事は、大変だと思った」と感想を話した。
 奥原鰹節工場では、上原真佐美さんら六人がてきぱきと働き、工場の従業員らを喜ばせた。解体作業台には、前日に取れた大物カツオがずらり。解体は流れ作業でスムーズに行われた。
 上原さんは「骨抜き作業が楽しかった」と笑顔で語った。従業員らは、午前の休息時間には、地元でジュウブニ(尾の骨)と呼ばれている料理を振る舞った。

 写真説明(上)・佐良浜中の女子生徒たちは、カツオの解体方法を学んだ=5日、伊良部の奥原鰹節工場
 写真説明(下)・水揚げされた魚のうろこを取る狩俣中生徒たち=5日、狩俣漁港
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「過去の教訓生かせ」/防災気象講演会
大型台風の被害状況など紹介

 二○○六年度防災気象講演会(共催・県宮古支庁、宮古島市、宮古島地方気象台、後援・宮古毎日新聞社ほか)が五日、同支庁講堂で開かれた。防災関係機関の関係者と市民ら約百五十人が出席。過去の大きな台風からの教訓の中で、アルミサッシ戸・窓に雨戸を設置した防災強化を再確認した。
 この講演会は、宮古地区における防災関係機関および一般住民の防災意識の向上と防災に関する知識の普及を図ることが目的で開かれた。
 宮古島地方気象台次長の根間俊明さんが「第14号台風とサラ・コラ・デラ台風について」、県知事公室防災危機管理課副参事の梶原芳也さんが「沖縄県の防災対策について」と題してそれぞれ講演した。
 根間さんは、宮古島に甚大な被害をもたらした二○○三年の台風14号(最大瞬間風速七四・一b)、一九五九年のサラ台風(同六四・八b)、六六年のコラ台風(同八五・三b)、六八年のデラ台風(七九・八b)を紹介。
 その上で、サラ・コラ・デラ台風で減少してきた重傷者や軽傷者の人数が、台風14号で増加した、と指摘。増加した起因の一つとして、雨戸無し住宅が増加したことに伴い、窓ガラスが破損したことを挙げ「負傷者の大半がガラス破片による外傷」と語った。
 根間さんは「三十年以上も前にサラ台風などを経験した人たちは、大きな台風が来なかったから、台風の怖さを忘れているのでは」と警鐘も鳴らした。
 梶原さんは、最近県内各地で発生している土砂崩れなどの被害状況などを紹介。その上で、災害に対する心構えとして▽自然災害は必ず発生する▽自分の住んでいる場所の災害履歴を知る▽自分の生命・身体・財産は自分で守る▽自助・共助・公助―を強調した。

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アマゴルフ連盟が発足/協会と統合、会長に上地さん

 宮古体育協会(安谷屋豪一会長)に加盟する宮古アマチュアゴルフ連盟(上地安増会長)と、宮古ゴルフ協会(同会長)が統合した新しい「宮古アマチュアゴルフ連盟」が四日、発足した。同日夜、第一回役員会が市内の自動車店で開かれ、今後は一組織でゴルフの普及、底辺拡大、ジュニア育成などの課題に取り組んでいくことを確認した。会長は引き続き上地さん。副会長は野津武彦さん、理事長には砂川恵助さんが決まった。
 上地会長は「組織を拡大するためには、二つあった組織を一つにすることで発展を見ることができるのではということで、ゴルフ協会は発展的解消」と組織統合の意義を強調。「宮古は全国的に見てもゴルフの環境に恵まれており、底辺拡大、ジュニアの育成に力を入れていきたい」と述べた。
 同席した体協の安谷屋会長は「新たなる強力な組織となるものと期待したい」と述べた。安谷屋会長はまた、新組織として立ち上がったため、同連盟は同体協へ加盟申請が必要になるだろうと説明した。
 活動計画によると、新たな大会として十月に学区対抗ゴルフ大会、来年二月に職域対抗ゴルフ大会の開催を予定。このほか、三回目を迎える全国ジュニアゴルフ宮古島大会を来年一月、二回目となるジュニアゴルファースプリングキャンプを同三月に実施するなどの計画となっている。
 また、九月にスナッグゴルフの全国大会に狩俣小ジュニアゴルフクラブが出場するのを機に、今月二十三日、同校PTAが主催するスナッグゴルフ大会も開催される。
 役員会では、「中学校、高校の体育連盟とも連携を図るべき」といった、ジュニア育成に向けた体制強化を求める声が多く挙がっていた。

 写真説明・宮古ゴルフ協会と統合し新たにスタートした宮古アマチュアゴルフ連盟の役員会=4日、平良の沖縄トヨタ

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