本日のニュース

☆ 廃掃法違反容疑で解体業の男逮捕／産廃３００㌧を不法投棄
宮古島署が地中から掘り起こし

　自動車解体に伴う金属や廃プラスチックなど産業廃棄物を不法投棄したとして、宮古島警察署・県警生活保安課合同捜査班は四日午後四時三十五分、廃棄物の処理及び清掃に関する法律違反（不法投棄）の疑いで、自動車解体業の川田高裕容疑者(53)＝同市上野＝を逮捕した。川田容疑者は容疑を認めているという。地中には約三百㌧の産業廃棄物が埋められているとみられている。現場検証はきょう五日も行われる。
　調べによると川田容疑者は今年四月三十日から同五月八日までの間に、自分で所有する土地の地中に、自動車解体に伴う解体残渣など産業廃棄物を投棄した疑い。合同捜査班は四日午前、捜査員二十五人体制で同地の現場検証、自宅や事務所など三カ所の家宅捜索を実施。現場検証では、産業廃棄物約三百㌧を埋め立てた疑いがあるとして、重機で地中を掘り起こし、不法投棄されていることを確認した。
　同現場は二〇〇三年十一月に廃車が野積みになっている状態を宮古福祉保健所の職員が発見。適正に処理するよう再三指導を行ったが、川田容疑者はこれに従わず、さらに地中に投棄した可能性が高いとして、同保健所は六月八日に宮古島署に告発した。
　投棄場所には土がかぶせられ、さらにプレハブが設置されていた。投棄した広さ、総量については調査中。
　宮古島警察署の比嘉文雄副署長は「宮古は不法投棄が多いといわれている。各関係機関と連携して取り締まりを強化したい」と述べた。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（洲鎌恵仁）

　

☆ 大浦産廃　現場視察求める／知事　「状況に応じて対応」
奥平一夫氏・県議会一般質問

　【那覇支局】県議会（仲里利信議長）六月定例会は四日、一般質問二日目が行われ、宮古地区選出の奥平一夫氏（社大・結連合）が宮古の諸課題について県の見解を求めた。奥平氏は、大浦産廃処分場火災について稲嶺恵一知事本人の現場視察を強く求めたのに対し、稲嶺知事は「県としては地域住民への配慮や事業者への指導について適切に対応するよう担当部署に指示しているところであり、状況に応じて対応したい」と述べるにとどまった。
　大浦産廃処分場火災について、奥平氏は県の産廃行政のあり方を問い続ける原点とした上で「知事就任八年間の中間地点で行ったにもかかわらず解決への道筋すらつけず、現場を見ないで住民の声も聞かずに知事職務を終わるのか、状況に応じて対応すると答弁しているが、状況に変化がないから視察してほしい。知事が視察すれば動きが生まれる」と再度、知事本人の視察を求めた。
　再度の質問にも稲嶺知事は「状況に応じて対応する」との答弁を繰り返した。
　新型交付税について、稲嶺知事は「財政力の弱い県をはじめ、県内自治体にこれまでにない危機感を与えている」との見解を示し上で、「関係大臣などに対する要請の中で私からは新型交付税は国土面積の〇・六％しかない県にとって非常に厳しいもの。県は膨大な海域を有しており国防経済水域、海洋資源の面から重要な役割を果たしていることや、離島過疎地域は割高な行政運営になっていることなどの実情を示した。国としてもおおむね県の特殊事情を受け止めてくれたと思う」と述べた。
　そのほか、ハンセン病問題の現状と課題について稲嶺知事は、「ハンセン病国家賠償訴訟の判決により、国の法的責任が明確になった。国においては名誉回復や福祉の向上に努めているが、残念ながらハンセン病に対する偏見や差別は完全に解消されているとは言い難い状況。県においては正しい知識の普及啓発により一層努め、県民一人ひとりがハンセン病を正しく理解し、差別のない社会の実現に向け今後とも全力で取り組む」と述べた。
　一般質問はきょう五日に三日目が行われ、宮古地区選出の砂川佳一氏が登壇する。（垣花尚）

　サンコウチョウ（カササギヒタキ科）のひな一羽が三日午後、宮古島市大野山林で元気いっぱいに巣立った。
　夏鳥のサンコウチョウは、毎年南方から四、五月ごろに飛来。今が繁殖期シーズン。ひなは成長すると、九、十月ごろに南方へ渡っていく。
　雌は、コップ型の巣に三―五個産卵する。しかし、この巣には、卵一個だけしか産んでいなかった。繁殖環境が悪化している可能性が高い。
　この日の午後、母鳥は餌をくわえ、巣の近くの枝に止まった。ひなに餌を与えるふりをしながら与えない。母鳥は「こちらに来るように」の動作で巣立ちを促す。
　しばらくすると、ひなは決断し、母鳥のそばに舞い降りた。巣立ちの瞬間だ。母鳥は餌を与える。
　母鳥が山林内の奥へと誘うと、ひなは枝から枝へと移動を繰り返し、新たな生活へ入った。

　サンコウチョウ　成鳥はくちばしと目の回りがコバルトブルー。雄の背中は赤紫色で、尾羽は長く全長四五㌢。雌は赤色味が強く、尾は短く全長一八㌢。「月、日、星（ツキ、ヒ、ホシ）と聞こえたところから「三光鳥」と呼ばれた。

　写真説明・元気に巣立ったサンコウチョウのひな＝３日、平良の大野山林（撮影・伊良波彌）

☆ エアコンの売り上げ急増／電力使用量うなぎ上り
連日真夏日

　梅雨が明け連日三〇度を超える真夏日が続く中、各家庭や事業所、公共施設などではエアコンがフル稼働し、それに伴い電力使用量もうなぎ上りだ。また、気温の上昇とともに電器店などではエアコンの売り上げも増加。梅雨入り前に売れた除湿器に変わり、エアコンの売れ行きが急上昇した。七、八月にピークを迎える見込み。
　沖縄電力宮古支店（喜納隆支店長）によると、電力使用量は梅雨明けの六月二十日から一日の使用料が九十万㌔㍗を超え、同二十六日からは百万㌔㍗台に。今月三日には今年最も多い電力使用量を記録。一時間当たりの最大電力量は正午の五万三千四百㌔㍗となり、瞬間最大使用量は同日の午前十一時半に五万四千二百㌔㍗を記録した。最も使用が増える時間帯は午後二時―同四時と午後六時―同九時。日中の気温が最も高くなる時間とエアコンやテレビを付けて一家だんらんする時間帯に増える。使用量は秋ごろまで右肩上がりに伸びる見込み。
　電器店ではエアコンの売れ行きが増加し、取り付けやクリーニング、修理作業に追われている。ある電器店では、多いときで一日六台のエアコンを販売。修理などのメンテナンスもほぼ毎日二十件を超える忙しさだという。
　エアコンは五月ごろから売れ始め梅雨明けと同時に勢いが増し、六月は五十台のエアコンが売れた。六畳から十畳用のタイプが人気で、近年は自動的に内部を清掃する機能が付いた新型のエアコンも人気。担当者は「梅雨明けからエアコンを買う客が一気に増えた。取り付けだけでなくメンテナンスや修理の依頼も多い。八月いっぱいまでは忙しさは続くとみている」と話した。
　気温の上昇とともに家庭の電気料金もうなぎ上りに。三台のエアコンを使用しているというある主婦は温度を二六度に設定し扇風機も併せて使用しているほか、部屋の仕切りにカーテンを取り付け冷気が逃げないように工夫しているが、「夏場になるとどうしても電気料金が一万円以上増える」とため息を漏らした。

☆ 「きらり」　高値で売れてね／下地さん、子牛の販売額を寄付へ
宮原小創立50周年事業

　平良地区の宮原学区内で畜産業を営む下地恵美子さんの子牛にこのほど、宮古島市立宮原小学校五年の大浦悠さんが名前を付け、四日、牛舎で命名式が行われた。名前は「きらり」。下地さんは、この子牛の競り販売額の一部を、来年創立五十周年を迎える同校に寄付する予定。
　この子牛は、四月三十日に誕生。これまで病気をすることもなく順調に成育している。来年二月ごろに競りに出す予定で、販売額の一部は宮原小学校の五十周年事業資金として寄付するという。子牛の名前は、同校全校生徒二十二人から応募し、下地さんをはじめ、川満弘志校長ら六人が審査して決定した。命名式では、下地さんが大浦さんに記念品を贈呈し「学校内外での皆さんの活躍をうれしく思う。五十周年の節目を機に、今後ますますの活躍を期待している」と激励した。
　大浦さんは「名前が選ばれてうれしい。元気に育ってほしい」と喜んだ。
　川満校長は「地域の方々の支援に感謝し、期待に応えるため、これからもしっかりとした教育活動を行っていきたい」と謝辞を述べた。

　写真説明・子牛販売額の1部を寄付する予定の下地さん（左）と名付け親の大浦さん（左から3人目）＝平良地区の牛舎

☆ 子どもたちが多彩な踊り／久田多喜子舞踊研究所発表会

　久田本流久田多嘉子舞踊研究所主催の「第四回こども発表会」が二日、宮古島市のマティダ市民劇場で行われた。初舞台を踏む四歳児から高校生まで総勢六十二人が、けいこの成果を伸び伸びと披露した。
　二部構成で開かれた発表会は「トーガニあやぐ」で幕開け。あでやかな衣装に身を包んだ子どもたちが「大世栄」「四季口説」「狩俣のいさみが」「だんじゅかりゆし」など、多彩な踊りを披露し観客を魅了した。風格のある踊りを見せる高校生や、愛嬌をたっぷり振りまく低学年など、それぞれ味のある舞踊で観客の視線を集めていた。
　門下生を代表して松元美由紀さんは「きょうは門下生六十二人、心一つにして舞台をつくり上げたい」とあいさつした。
　また、今回の発表会では新作「首里城」や「島人ぬ宝」も初披露。舞台を飾った門下生たちに、来場者から大きな拍手が送られていた。

　写真説明・門下生たちはあでやかな衣装に身を包み、多彩な踊りで観客を魅了した＝2日、マティダ市民劇場