200平成18  629 木曜日

伊良部・多良間 両郵便局の集配廃止へ
宮古郵便局が一括配達

 【那覇支局】日本郵政公社沖縄支社(仲本薫支社長)は二十八日の定例記者懇談会で、県内における「集配拠点、郵便貯金、簡易生命保険の外務営業拠点の再編計画」を発表した。それによると、宮古地区は伊良部郵便局と多良間郵便局で郵便物の集配業務が廃止され、窓口業務のみを行うこととなった。伊良部は今年の九月から、多良間は来年三月からの実施となる。 両地区における郵便物は今後、宮古郵便局が統括することになる。
 同支社によると「今回の再編で伊良部へ送られた郵便物に関しては、迅速化が図られる。これまで宮古島に航空便の初便で運ばれた郵便物は宮古郵便局から伊良部郵便局へ届けられ、そこからの配達となり、受取人に届くのは宮古本島に届いた翌日となっていた。しかし、宮古郵便局が統括することで、宮古本島に届いたその日のうちに受取人に届けられるようになる」と説明した。
 今回の両郵便局における集配業務廃止について、住民へのサービス低下が懸念されていることについては代替施策を実施するとしており、具体的な内容としては▽不在留置郵便物交付はこれまで郵便局窓口での受け渡しを基本としていたが、届けることを基本とする体制にする▽郵便・郵便貯金・簡易生命保険の外務業務が集約される郵便局などにおいては原則、土日などの時間外窓口(ゆうゆう窓口)を開設しないが、サービスに影響を与えない対策として@不在留置交付は土日を含め届けることを基本とし、事前の連絡で土日を除いてどの郵便局窓口でも交付するA小包などの引き受けは統括センター(宮古郵便局)から客までの集荷に伺う体制を整備する▽切手類の販売は、近所の切手販売所などの案内や切手・はがきなど等を届ける―としている。
 県における再編の基本的な考え方としては、郵便の集配を受け持っている現在六十四の郵便局を郵便物の区分や集配作業を行う統括センター(宮古郵便局含む)十四と、同センターで区分された郵便物の配達などを行う配達センター二十に機能を分離する。
 伊良部、多良間両郵便局を含むそれ以外の三十局については、無集配化し、窓口業務のみとなる(無集配化は、配達を受け持つ郵便局の変更のこと)。
 伊良部地域の集配業務については宮古郵便局職員がフェリーで移動して行い、さらに伊良部在住の集配受託者も対応する。また、多良間島の集配業務は同村在住の集配受託者が行うとしている。
 そのほか、郵便貯金・簡易生命保険の外務(セールスなど)営業拠点は、集配拠点の再編に合わせて原則、統括センターおよび配達センターと同一の郵便局に集約するとしている。
 再編に伴うサービスのあり方について同支社では▽郵便局窓口は存置し、郵便局ネットワークは維持する▽郵便・郵便貯金・簡易生命保険の外務サービスはこれまで同様に提供▽送達スピードは現在と同等に確保する▽現金自動預払機(ATM)の取り扱い時間は現在の取扱時間を維持する―などが示された。
(垣花尚)

top.gif (811 バイト)
 

経常収支比率114%と試算/破たん寸前の財政浮き彫り
新型交付税%ア入で宮古島市/市議会一般質問

 宮古島市(伊志嶺亮市長)は二十八日、総務省が国の財政再建策の一環として検討し、地方自治体に波紋を広げている、いわゆる「新型交付税」が導入された場合の財政指標のシミュレーションを示した。財政の弾力性を示し、八〇%以下で健全とされる経常収支比率は一一四%と試算。石原智男財政課長は「一〇〇%を超えると新たな事業をする余力はない」と危機感を示した。県は「新型交付税」の導入で、同市への交付税が県内市町村で最大の三十一億円の減額になると試算しており、今回のシミュレーションと合わせ、同市の破たん寸前の財政状況が改めて浮き彫りとなった。
 開会中の宮古島市議会(友利恵一議長)六月定例会の一般質問で、真栄城徳彦氏に答えた。
 市は今年度予算で見込む経常収支比率でも九三%と非常に厳しい数字となっているが、三十一億円の交付税減額となれば、さらなる厳しい状況に陥ることが分かる。石原課長はまた、もう一つの財政指標である公債費負担比率については、「警戒ライン一五%、危険ライン二〇%に対し、二三・七%になる」とのシミュレーション結果を示した。
 質問した真栄城氏は「完全な死に体だ。これらの数字の重みをもう一度、全庁で認識して取り組まなければ、宮古島市は間違いなく沈没する」と警鐘を鳴らした。
 この日の一般質問には真栄城氏のほか、下地秀一、富浜浩、池間豊、池間雅昭の各氏が登壇し、当局の姿勢をただした。
 宮古島マリンターミナルと、賃料の滞納が続くテナントのホテルとの調停について、社長を務める伊志嶺市長は、調停が不調に終わったことを明らかにした。富浜浩氏への答弁。同ターミナルの累積赤字は約十一億円に上っており、その要因の一つとされるホテルからの未収入金(二億九千万円)回収は大きな課題。調停が不調に終わったことで、今後さらに経営状況の悪化が懸念され伊志嶺市長は「取締役会でテナントの見直しを話し合っている」と述べた。
 城辺の吉野海岸入り口で、一部業者が農地を転用し駐車場として営業している問題で、農業委員会の川満勝彦事務局長は「願い出人と協議し、七月二日までに原状復元を完了する旨の同意書を交わしている」と答弁。川満事務局長は「農地の一時転用は個人として使用するのが通常解釈で、駐車場と称して不特定多数の者を誘導することは承認の届けに反する旨を説明し、転用承認の取り消しを決定して速やかに復元するよう通知した」とそれまでの経緯も説明した。下地氏の質問に答えた。
 一般質問初日の葬祭場建設場所の答弁について「三月議会での答弁が変わっている」と池間雅昭氏が指摘。約十分間にわたり中断したが、伊志嶺市長が現在地では建設しないことを明言した。


 経常収支比率 財政構造の弾力性、自由に使えるお金が多いか少ないかを測定する指標。人件費や扶助費、公債費などの義務的経費に、市税や地方交付税などの一般財源がどの程度費やされているかを求めたもので、八〇%を超える場合は弾力性を欠いているとされる。
 公債費負担比率 借金返済額の状況から財政の弾力性を測定する指標。一般財源(使途を制限されていない財源のうち)どれだけを借金返済に充てたかを表し、一五%を超えると警戒ライン、二〇%を超えると危険ラインとされる。

top.gif (811 バイト)

 西平安 名崎展望台が完成/池間島など一望に
ベンチやトイレも整備

 宮古島市(伊志嶺亮市長)が急ピッチで整備を進めていた、平良の西平安名崎のあずまや・展望台と公衆トイレなどが二十八日までに、完成した。来月から本格的に供用開始される。あずまやの屋上に整備された展望台からの風景は、一大ロケーション。特に青い海・空と池間大橋とのコントラストは一幅の絵だ。
 農村総合整備事業の一環で整備された。総事業費が約八千万円。今年一月から工事は着工していた。
 西平安名崎の先端に向かって右側にコンクリート造りのあずまや・展望台を建設。総面積が四十八平方b。建物は六角形造り、高さは約四b。屋上の展望台は潮風が吹きわたっている。ベンチは一階に四基、展望台に二基の計六基を設置。あずまや・展望台前の広場にもベンチ二基を設けた。展望台からは反時計回りに大神島、池間大橋、池間島、伊良部島、平良の街などが眺望できる。
 先端に向かって左側に、C字状の遊歩道(全長約三百b、幅員二b)を整備。その遊歩道に沿った一定の距離に公衆トイレ、赤瓦屋根のあずまや二棟が建てられた。西平安名崎の公衆トイレでは、初めて水洗トイレと障害者用トイレが整備され、障害者に使いやすいようにバリアフリーを導入した。
 青空が広がった二十八日午後、西平安名崎では親子連れの観光客らが訪れていた。親子連れらは、風景やあずまや・展望などをカメラに収めていた。

 写真説明・完成したあずまや・展望台=28日、平良の西平安名崎
top.gif (811 バイト)

マングローブの生態学ぶ/子どもたちが観察会
OECワークショップ

 第一回保育園・学童・OECワークショップ「かわみつのマングローブかんさつ会」(共催・なかよし保育園・学童、おきなわ環境クラブ)が二十八日、下地字川満のうぷかーマングローブ遊歩道で行われた。参加した約四十人の学童たちは、ガイドの説明を聞きながらマングローブの生態や周辺に生息する生き物の様子を興味深そうに観察していた。
 これは、地域の自然と環境に対して、子どもと大人が共通の体験およびその回復と保全を目指した実践を通して環境保全と文化の振興に寄与することが目的。同クラブはこれまで小学生や一般を対象にワークショップを行うことはあったが、保育園児や学童を対象に実施することは今回が初めて。
 観察会前日には、マングローブの種類や生態を紙芝居で学んだという子どもたち。ガイドが「マングローブはどんなところにありますか?」との質問に、子どもたちは「海の水と真水が混ざるところにあります」と元気よく答え、学習の成果を互いに披露。手をつないで遊歩道を歩きながら、マングローブの種類や生き物の名前を覚えていた。
 参加した下地央夏君(5つ)は「カニとか小さな生き物をたくさん見つけて楽しかった。マングローブを大事にしたい」とにっこり。
 同クラブ宮古支局の横山幸子支局長は「マングローブは私たちにとって大切なお友達です。マングローブのことをたくさん覚えて、自然に優しく、そして地球に優しくみんな仲良く過ごしてほしい」と呼び掛けていた。

 写真説明・学童たちはマングローブの生態や周辺に住む生き物を観察した=28日、下地字川満のうぷかーマングローブ遊歩道
top.gif (811 バイト)

「好きな島」宮古2位/人気スポットに前浜、吉野海岸など
JTA機内誌「コーラルウェイ」島別ランキング

 日本トランスオーシャン航空(JTA)の機内誌「Coralway(コーラルウェイ)」二〇〇六年真南風号(七・八月号)の特集「読者が好きな沖縄」島別ランキングで、宮古島が第二位に選ばれている。トップは沖縄本島。人気スポットベスト20では、四位の与那覇前浜をはじめ、吉野海岸、来間大橋、砂山ビーチがランクインし、宮古島の人気ぶりがうかがえる結果となっている。
 この特集は、昨年、読者から寄せられた意見を基に作成された。島別ランキングでは、二千通を超えるはがきのうち、沖縄本島が七百二十七通でトップ、宮古島は四百三十八通で二位、三位は石垣島で四百二十二通だった。
 また、県内の「好きな橋」ベスト3では、一位に来間大橋、二位に池間大橋が選ばれ「浅く澄んだ水道を真上から見下ろせる」(来間大橋)、「海風を受けて橋を渡るさわやかさがたまらない」(池間大橋)など県外から訪れた人の感動の声が寄せられている。三位は、屋我地島と古宇利島を結ぶ古宇利大橋だった。
 「空港・飛行場」ベスト3では、二位に下地島空港、三位に宮古空港の展望デッキが紹介されており、「読者おすすめの展望台」では、来間島の竜宮城展望台が掲載されている。

 写真説明・宮古の魅力が紹介されている「Coralway(コーラルウェイ)」

top.gif (811 バイト)

フォークダンスで楽しく/宮古地区手をつなぐ育成会

 宮古地区手をつなぐ育成会(山里秀夫会長)は二十八日、宮古島市社会福祉協議会平良支所(松川英世支所長)で障がいのある人を対象にフォークダンス講座を開いた。約四十人が参加して、軽快な音楽に合わせダンスを踊り楽しい時間を過ごした。
 同講座は、宮古島市から「芸術・文化講座開催等事業」の委託を受けた同育成会が、今年四月一日から九月末まで行うもの。市に住む障がい者および市民に対して広く芸術文化活動に参加し、生活をより豊かにするとともに障がいや年齢の垣根を越えた、人間関係あふれる地域社会を形成することを目的としている。育成会は、宮古地区に住む知的障がい(児)者の自立と会員の親睦を図ることを目的に、一九八七年に結成した。障がいを持つ当事者の家族らで構成されている。
 講座にはふれあいの里利用者、デイサービスセンターいけむら利用者、在宅の障がい者などが参加。キンダーポルカの音楽を中心に二曲、二人一組のペアで手を取り合ってフォークダンスを楽しんだ。
 参加した女性は「とても楽しかった。またみんなで踊りたい」と笑顔。同育成会の書記会計を務める小川公明さんは「一般の参加も募集しています。気軽に問い合わせてほしい」と話した。
 開催している講座は▽琉球舞踊▽フォークダンス▽エアロビクスの三つ。内容によって開催日時、場所が異なるため問い合わせが必要。
 問い合わせは同育成会、小川(電話73・1295)まで。

 写真説明・参加者は軽快なリズムに合わせてフォークダンスを楽しんだ=28日、宮古島市社会福祉協議会平良支所

top.gif (811 バイト)