200平成18  628 水曜日

3年ぶり黒字に好転/伊良部漁協総会

 伊良部町漁業協同組合(奥原隆治組合長)の第三十七回通常総会が二十七日午前、佐良浜地区の前里添多目的共同利用施設で行われた。組合員多数が出席し、二○○五年度事業報告など七議案を原案通り承認した。純利益に当たる当期剰余金は五百四十八万円で、累積赤字を六億六千八百十七万円に圧縮した。○三年度以来、三年ぶりの黒字決算に好転した。総会では一時、○五年度の事業外収益などをめぐり、正組合員が執行部を激しく追及した。
 ○五年度の損益計算書では、事業利益を二百三十一万円、経常利益を六百五十万円それぞれ計上た。事業利益と計上利益差額は四百十九万円。
 正組合員の漢那一浩氏は、那覇防衛施設局から交付される米軍使用水域に係る漁業損失補償金などの問題を取り上げた。
 漢那氏は「那覇防衛施設局から、組合員の補償金として伊良部町漁協に振り込まれる。伊良部町漁協はここ数年、補償金総額の四○%を手数料として受け取って運営してきている。その手数料を事業外収益に計上するのはおかしいではないか」と指摘。
 その上で「今回のように黒字が出た場合は、四○%は取らずに組合員に配分すべきではないか」と追及した。
 執行部側は、手数料の事業外収益への計上処理方法や四○%を配分するかどうかについて、今後検討していく考えを示した。
 ○五年度事業状況によると、販売事業では、生鮮魚介類が前年度取扱高二億六千九百二十五万円に対し、本年度取扱高は三億九百十八万円で達成率一一五%。漁業用資材や生活物資の購買事業では、本年度実績が三千九百三十三万円で、前年度取扱高と比べ九四%の達成率となった。
 旧伊良部町など五市町村の合併に伴う同漁協の定款一部変更議案は、全会一致で承認。現在の名称「伊良部町漁業協同組合」は、新名称「伊良部漁業協同組合」に改称された。 
 一方、沖縄電力から提出された「宮古―大神島海底ケーブル敷設工事および岩礁破砕の同意について」の議案は、原案通り可決された。今年七月下旬から掘削工事が着手され、九月下旬に竣工検査が実施される予定。

 写真説明・05年度業務報告書など7議案を承認した総会=27日、伊良部の前里添多目的共同利用施設

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宮古産ハーブ 本土市場へ/市議会一般質問

 開会中の宮古島市議会(友利恵一議長)六月定例会は二十七日も一般質問を行い、六氏が登壇して当局の考えをただした。この中で宮古島市が離島地域資源活用・産業育成事業の中で取り組んでいる宮古産ハーブについて、宮国泰男経済部長は「今年度はハーブの加工製品の試作品を作り、マーケット調査の形で本土市場で販売するスケジュールになっている」と述べ、試験的ながら宮古産ハーブを市場へ売り出していく方針を示した。亀浜玲子氏への答弁。一般質問はきょう二十八日まで。
 宮古産ハーブ関連の事業は旧平良市が「こころつなぐ結いの島宮古―癒しの郷ひらら産業育成事業―」の中で取り組んできた。合併後は宮古島市に引き継がれている。事業では「宮古島は環境的にも緯度的にも地中海と似ており、自生ハーブの宝庫」とし、栽培手法や品種選定などを体系化するための調査・研究が行われている。
 質問に対する答弁で宮国部長は「売れる製品、売れるハーブを作りたい」と強調しながら宮古産ハーブの可能性について言及。「本土の市場で、どのように受けるかなど報告書も出来上がっている」と話した。その上で都市圏を中心に宮古産ハーブを売り出していく方針を強調し「マーケット調査の形で、加工製品の試作品を本土の市場で販売していくスケジュールで進んでいる」と述べた。
 宮古島市は今年度の取り組みを踏まえて市場の評価をまとめ、栽培手法などを体系化した上で本格出荷に結び付けたい方針だ。
 一般質問には亀浜氏のほか池間健栄、山里雅彦、富永元順、友利光徳、棚原芳樹の各氏も登壇。それぞれ市政をただした。南静園の将来構想について伊志嶺亮市長は「検討委員会を早急に立ち上げる」と答弁。地下水保全に関しても新たな委員会を来月中に発足させる方針を示した。

延べ135人が奨学金返済せず/滞納総額は6000万円超
宮古島市
 宮古島市教育委員会から奨学金を借り入れ、大学・短大・専門学校を卒業した延べ百三十五人が、今年三月末までに総額六千百八十万円を滞納していたことが二十六日までに分かった。多額な奨学金滞納などの問題で、同委員会では、二○○八年度に奨学資金貸付の継続有無などについて検討する方針。 奨学金貸付は、宮古島市奨学資金貸与条例に基づいて実施。優秀な学生で、経済的な理由により就学困難な者に対して奨学金を貸与することにより、地域社会に貢献できる有為な人材を育成することが目的。
 奨学金貸付は、大学生や短大生、高卒で二年以上就学する専門学校の学生が対象。奨学金貸付額は、県外学生が月三万円、県内学生が月額二万円。返納は卒業一年経過後から行われる。
 しかし、滞納者らは、卒業後一年以上たっても未納を続けている。
 同委員会では「奨学金を活用して、大学などへ進学したいという高校生たちがいる。滞納者は、後輩たちのためにも早めに完納するように」と呼び掛けている。

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 補正予算案など16件提案
多良間村議会6月定例会が開会

 【多良間】多良間村議会(西平幹議長)の六月定例会が二十七日開会し、当局から一般会計補正予算案や村国民保護協議会条例案など十六件が提案。議員発議で医師、看護師等の増員を求める意見書など五件。二十八日に議案審議、採決される。二十九日は一般質問を行い、閉会する。
 一般会計補正は村営住宅建設費など一億一千四百十六万五千円。条例案ではほかに指定管理者制度導入に伴う「指定管理者の指定手続きに関する条例」が提案された。現在、村内で対象となる施設は高齢者生活センターのみ。
 また宮古島市の合併前に宮古広域圏事務組合で担ってきた介護保険制度関連の要介護審査等について宮古島市に事務委託する方向で検討する。
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「顧客ニーズに柔軟対応」
宮古上布・マーケティング研修事業を報告

 宮古島市(伊志嶺亮市長)の宮古上布マーケティング研修事業で東京・銀座の問屋や呉服店を訪ねた宮古上布事業者らは二十七日、宮古織物事業協同組合で研修報告会を行った。「問屋、呉服店、顧客の好みや考え方の相違を理解した上で取り引きすることが重要」と、それぞれのニーズに柔軟に対応していく力の向上が改めて示された。
 この研修事業は、顧客ニーズを把握し、対応できる人材を育成することが目的。今月八日から十一日までの期間、事業者八人、市職員二人の計十人が東京でマーケティング研修を行い、問屋や呉服店を訪ねて意見を聞いた。
 呉服店では、宮古上布の生産者に対し「現代人は大柄な人が多くなっているので、幅や長さにゆとりを持たせてほしい」「柄はシンプルな物が使いやすい」などの注文があったという。また、「民族衣装に近い感覚でマニアックなファンに定評がある」と特定のターゲットに向けた声があるのに反し「自己表現の一つとしておしゃれのために着たい」「化学染料でも良い色なら着たい」という顧客の声もあり、宮古上布に対する反応はさまざまだった。
 参加した仲間伸恵さんは購買者の生の声に触れ「私たちの作品は使ってもらうことによってもう一度命を吹き込まれている」と感想を話した。

 写真説明・東京都で行われたマーケティング研修の成果が報告された
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マーボー丼やカレーなど販売へ/なんこう料理10品を試作

 第一回みゃーくなんこう大会の関連行事として取り組む「なんこう料理販売」に向けての料理試作が二十六日、下地中央公民館で行われ、「なんこうカレー定食」など数品目を販売品目に選定した。
 試作品作りには宮古島市農漁村生活研究会(上地洋美会長)、みゃーくの味加工推進協議会(津嘉山千代会長)、JA宮古地区女性部(与那覇愛子部長)の会員約三十人が参加。女性たちは腕によりをかけて、なんこう料理約十品目を試作した。
 試作評価会の結果、販売品目に選定されたのは▽なんこうマーボー丼定食(なんこうの和え物、ゼリー付)▽同カレー定食(同)▽同てんぷら▽同コロッケ―など。乾燥なんこうの「ちらし寿司」など数品目は、調理法を記したレシピを添えて展示する。
 上地会長は「なんこうはいろいろな料理に適していることが分かった。果肉色(黄色)は、煮ても揚げても変わらない。なんこう料理は食卓に彩りを添えると思う」と、素材価値に太鼓判。試作品の中では、特にまろやかな甘みが特徴のカレーとコロッケが好評だったという。
 宮古在来なんこうの「巨大さ」や「美形」「珍形」を競う大会は、在来種の良さを見直し、地場産業の育成や観光産業の振興に役立てることなどが目的。同大会は七月五日、JAおきなわ宮古地区事業本部駐車場で午前十時から午後三時まで開かれる。コンテストや料理販売のほか、「重量当て」や「種飛ばし」「青空市」「なんこう即売」などの催しも行われる。

 写真説明・腕によりをかけ料理を試作する女性たち=26日、下地中央公民館

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障害者にも快適さ提供/「水陸両用車いす」を体験
バリアフリー観光推進事業

 県が実施する二〇〇六年度バリアフリー観光推進事業の接遇セミナー「海浜地域におけるバリアフリーと遊び方」が二十七日、コースタルビーチリゾートヒララで行われた。NPO法人バリアフリーネットワーク会議事務局長の親川修さんが、海浜地域でのバリアフリーなどについての講義を行った。ダイビングショップ経営者や観光行政などの観光関係者らが参加し、疑似体験を行いながら高齢者や障害者も楽しめる観光環境づくりへ向け、「海浜地域におけるバリアフリーと遊び方」などを学んだ。
 バリアフリー観光推進事業は〇四年度から取り組んでいるものですべての人に優しい観光地を形成することが目的。
 講義では障害者も健常者と同じように海浜レジャーを楽しめるように作られた「水陸両用車いす」の紹介が行われた。「水陸両用車いす」は砂浜はもちろん、海に浮かべることもでき、潮干狩りが行われるような石が多い場所での利用も可能。実際に体験した参加者からは「気持ちいい」「安定しているから怖くない」などという意見が出ていた。
 同セミナーは前日に引き続き開催されており、一日目は「サービス介助体験セミナー」が、二日目の午前は「簡易な設備・器具による、創意工夫でバリアフリー」の講義が行われた。

 写真説明・「水陸両用車いす」を体験する参加者=27日、コースタルビーチリゾートヒララ

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