200平成18  624 土曜日

慰霊の日608柱の冥福祈る/大勢の遺族ら参列、合掌

 戦後六十一年を迎えた「慰霊の日」の二十三日、県内各地で慰霊祭がしめやかに行われ、戦友や遺族らが沖縄戦の多くの犠牲者を追悼し、恒久平和や非戦への誓いを新たにした。宮古でも平良をはじめ各地域で慰霊祭が行われ、強い日差しが照り付ける中、高齢化した遺族らが手を合わせながら戦没者の御霊を慰めた。
 平良では同遺族会(川満俊夫会長)主催の慰霊祭「第五十二回宮古島市平良地域戦没者追悼式」が字下里(馬場)の慰霊の塔で行われ、沖縄戦で犠牲となった六百八柱の御霊を慰めた。正午前に始まった追悼式には遺族をはじめ、伊志嶺亮市長、友利恵一市議会議長、兼城克夫県宮古支庁長らが参列。正午の時報に合わせて、黙とうした。
 川満会長は「戦後六十一年が経過、歳月と共に遺族も高齢化し、国民の半数以上が戦争を知らない世代となった。それだけに戦争を知らない世代や子供たちに戦争の悲惨さと平和の尊さを語り継がなければならない。私たち人類の願いである恒久平和を希求するためにあらゆる努力をしていかなければならない。また宮古では昨年十月に五市町村が合併し新しく宮古島市となった。慣れ親しんだ平良市がなくなるのは寂しい思いもするが、これからも明るい住みよいまちとして発展していくだろうと思う。あの悲惨な戦争さえなければ犠牲となった御霊も、子供や孫に囲まれた明るい家庭を築いたであろうと思うと無念でならない。犠牲を無にしないためにも、二度と悲惨な戦争が起こらないよう、温かい社会づくりに取り組んでいかなければならない」と述べた。
 伊志嶺市長は「沖縄戦終結から六十一年を経た夏を迎えた今でも、あの忌まわしい戦争の傷跡は癒えることはない。しかし現在の世界情勢は民族や宗教の対立による地域紛争、国際テロ組織による大量破壊、イラク戦争など武力衝突があり、多くの人々が希求する恒久平和にはほど遠い状況がある。長い年月が経ちあの忌まわしい戦争も人々の記憶から消え去ろうとしている。慰霊の日のきょう、改めて戦没者の犠牲の重さを再認識し、世界の恒久平和を求めていかなければならない」と述べた。
 友利議長、兼城支庁長(代読・下地洋一参事)もあいさつし、戦没者に哀悼の意を表した。引き続き献花、焼香が行われ、遺族らが手を合わせながら戦没者を慰めるとともに恒久平和への誓いを新たにした。 
(恩川順治)

 写真説明・戦没者の冥福を祈り手を合わせる遺族ら=23日、平良慰霊の塔
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開館10周年祝い合唱祭/10団体が記念のハーモニー
マティダ市民劇場

 マティダ市民劇場開館十周年記念事業「第十回合唱祭」(主催・宮古島市、同市教育委員会、合唱祭実行委員会)が二十三日、同劇場で行われた。児童生徒の合唱団や地域のコーラスグループ計十団体が出演して音楽活動の成果を披露するとともに、それぞれの歌声で開館十年の節目を祝福。宮古島市愛唱歌「みやこじま」もお披露目された。宮古島市と友好都市を結んでいる東京都世田谷区の交流団も参加して花を添えた。
 マティダ市民劇場は、市民の文化・芸術活動の拠点として幅広く活用されている。これまで千二百九十回利用され、二十一回の自主事業公演を開催。延べ六十四万人が入場し、さまざまな文化に触れている。この日は、多彩な曲目が表情豊かに披露され、各団体の特色が光った一方、合唱組曲「海のまほろば」では、息の合った全体合唱で出演者と観客が感動を共有した。
 宮古島市の伊志嶺亮市長は「今後ともさらなる研鑚を重ね、地域に愛される文化施設づくりを目指したい」と開館十年の節目に決意を新たにした。
 また、ポップスデュオ「カズン」のコンサートも行われ、美しい歌声で観客を魅了した。
 合唱祭の出演団体は次の通り。
 ▽みやこ少年少女合唱団▽ひらら女声コーラス「きらきら」▽ブーゲンビリアコーラス▽女声コーラス「ホップ」▽城辺女声コーラス▽宮古フロイデ合唱団▽宮古工業高校▽狩俣中学校▽久松中学校▽伊良部小学校▽世田谷区民コーラス(友情出演)

 写真説明・マティダ市民劇場開館10年の節目を歌声で祝った合唱祭=23日、マティダ市民劇場
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 宮古島市の愛唱歌初公開/作曲の黒澤さんらを表彰

 新生・宮古島市(伊志嶺亮市長)の愛唱歌「みやこじま」が二十三日午後、平良のマティダ市民劇場で初公開された。合唱団の美しいハーモニーが大勢の観客に感動を与え、会場に大きな拍手が響いた。
 愛唱歌は、夢と希望あふれる同市をイメージしたソング。作詞は琉球大学一年生の真栄里飛鳥さん(18)=同市上野字新里=、作曲は旧平良市の合唱組曲「海のまほろば」の作曲で知られる黒澤吉徳さん(60)=東京都世田谷=。
 愛唱歌「みやこじま」初披露前に表彰式が行われた。
 伊志嶺市長が、黒澤さん、愛唱歌募集で優秀賞に輝いた真栄里さん、佳作に選ばれた宮古高校三年の新里友恵さん、南小学校六年の加島美奈子さん四人に賞状と記念品を贈呈。黒澤さんは「みやこじま」の原譜を伊志嶺市長に贈った。
 伊志嶺市長は「愛唱歌が広く市民に親しまれ、歌い続けられることに期待する」とあいさつ。黒澤さんは「皆さんに口ずさんでもらえるよう、作曲した」と笑顔で語った。
 真栄里さんは「私の作詞が作曲されて、うれしい」と喜んだ。
 この日はマティダ市民劇場開館十周年記念事業で「第十回合唱祭」が開催された。合唱祭の後に、黒澤さんの指揮で愛唱歌「みやこじま」が初演された。
 観客の二十代の女性は「愛唱歌は、三、四回聞いたら覚えられる。早く覚えたい」と声を弾ませていた。

 写真説明・作曲した黒澤さんの指揮で愛唱歌「みやこじま」は初披露された=23日、平良のマティダ市民劇場
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ロックフェスきょう開催/オレンジレンジなど10バンド出演
トゥリバー地区

 県内外の人気ロックバンドが出演する「ミヤコ・アイランド・ロック・フェスティバル2006」(主催・同実行委員会)がきょう二十四日、宮古島コースタルリゾートヒララ・トゥリバー地区で開催される。県内からはオレンジレンジやモンゴル800、県外からはケツメイシなど十アーティストが出演。宮古の夏をロックで熱く盛り上げる。会場は正午、開演は午後二時。全席自由。
 同イベントは今年で二回目。テーマは「海に優しく 空に優しく 美ぎ島音楽とECOな祭典」。宮古島の環境自然保護を目的とした「美ぎ島募金」に協力し、会場内に募金箱を設置する。また、イベントグッズ売り上げの一部を寄付する。
 来場者にはごみ袋を配布し、イベント終了後に清掃を行うなど、環境に配慮した取り組みを会場一体となって行う。
 前日となる二十三日には、スタッフらが最終調整に忙しく動いていた。また、各アーティストがリハーサルで熱のこもった演奏を見せ、本番に備えていた。
 出演アーティストは次の通り。
 ▽エルレガーデン▽オレンジレンジ▽ケツメイシ▽ソッフェ▽ベニーK▽マキシマムザホルモン▽モンゴル800▽山嵐
▽インクルシャー▽パニパニガールズ


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再会で笑顔の歓談/世田谷区・宮古島市懇親会

 宮古島市と友好都市を結んでいる東京都世田谷区から、パブリックシアター友の会(育野雅章団長)の一行約四十人が、二十二日来島。同日午後七時から、平良のホテルで「世田谷・宮古島交流団歓迎懇親会」が開かれた。伊志嶺亮市長ら関係者ら多数が参加し、一行を歓迎した。
 一行は、二十三日に開催されるマティダ市民劇場開館十周年記念「第十回合唱祭&コンサート」に参加する目的で来島した。同会は、世田谷区に二つある劇場をサポートしている組織。演劇などで出演する若者たちを支援しているという。
 懇親会の冒頭、伊志嶺市長は「『んみゃーち(いらっしゃい)』というより『お帰りなさい』という方々が多い」と述べた上で「宮古が平成十五年の台風で被害を受けた時、世田谷区の皆さんに大変お世話になった」と感謝の意を表した。また「世田谷区と宮古島市がますます交流を深めることに期待する」と語った。
 育野団長は「これからもすてきな交流を深めたい」などとあいさつした。
 舞台では、歌や三線などが披露された。各テーブルでは楽しそうに歓談していた。

 写真説明・さらなる交流を祈念して乾杯が行われた=22日、平良のホテル共和

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