200平成18  623 金曜日

「E3」来月から有料へ/市議会一般質問
将来は宮古の全車両対象
/伊志嶺市長が方針示す

 バイオエタノールを三%混合して製造する自動車燃料「E3」の実証試験で、公用車を提供している宮古島市の伊志嶺亮市長は二十二日、現在は無料給油を受けているE3が七月から有料になることを明らかにした。伊志嶺市長は「(一g)九十円台で提供しようということ」と言及、さらに将来的には宮古の全車両を対象にE3が供給される計画を示した。内閣府や農林水産省など関係省が連携し、二〇〇八年度からバイオマス関係の施策が実施される計画があることも説明した。開会中の宮古島市議会六月定例会一般質問で下地明氏らの質問に答えた。

 サトウキビの糖蜜から製造されるバイオエタノールは現在、沖縄製糖内で製造。りゅうせきがガソリンと混ぜてE3を製造している。二十一日には二階俊博経済産業大臣が宮古入りして、両施設を視察し、今後も政府として積極的に支援していくことを約束した。
 伊志嶺市長は質問に対する答弁で、宮古島市としてもバイオエタノールの活用を積極的に推進していく姿勢を強調。経済産業省がりゅうせき、沖縄製糖と共同で実証事業を行っていることを説明した上で、内閣府、農林水産省、経済産業省、国土交通省、環境省が連携して宮古島において連絡会議を開催し、バイオマス関係の各種施策を〇八年度から実施する計画も併せて示した。
 宮古島内で消費されるガソリン年間二・四万`gのすべてをE3にすることを目指した実証事業であることも報告。「引き続きEo対応車の走行試験も行われる予定」とも話した。
 現在、E3を活用している車両は宮古島市、県宮古支庁の公用車を合わせて百台余。伊志嶺市長によると、「(走行上などにおいて)特に問題はない」という。現在はE3の無料供給を受けているが「来月あたりから有料になろうかと思う。幸いなことにガソリンが大変に上がっているが、これも九十円台で提供しようということなので宮古島にとっては有利。将来的には宮古島の全ガソリン車二万台をこれで走らせる計画になっている」などと述べた。
 この日の一般質問には下地氏のほかに、佐久本洋介、前川尚誼、砂川明寛、新城啓世、仲間明典の各氏が登壇。それぞれ市政全般について当局の考えをただした。伊志嶺市長がこだわる助役二人制については新城氏が質問。伊志嶺市長は「私の信念で頑張っているが現在は凍結」と強調。「市民の反応、様子を見ながら対応する」とした。多良間村簡易水道事業と市水道局の広域化案について伊志嶺市長は「勉強しながら検討する」と繰り返した。砂川氏らへの答弁内容。伊良部大橋建設に伴う平良−佐良浜間の航路補償については「基金を創設して対応していきたい。数億円単位になると思う」とした。仲間氏らへの答弁。
 一般質問は二十六、二十七、二十八日にも行われる。(山下誠)

 写真説明・バイオエタノールの実証試験について答弁する伊志嶺市長=22日、市議会議場
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"取り戻せ 長寿県=^沖縄版の「ガイド」完成
食事をバランス良く/健康づくりの一助に

 「取り戻せ、長寿県沖縄」−。一日に何を、どれだけ食べたら良いかが一目で分かる「食事バランスガイド」の沖縄版がこのほど完成した。「長寿県」と言われながら、肥満の割合は全国一で、男性の平均寿命は全国二十六位に転落する中、県民の健康づくりは急務といえる課題の一つ。さまざまな食品をバランス良く食べるバランスガイドの活用は、その一助となりそうだ。
 適量をイラストで分かりやすく表示
 沖縄総合事務局農林水産部が二十二日、JAおきなわ宮古地区事業本部で
説明会を開き、宮古各地区の食生活改善推進員らにバランスガイドについて説明するとともに、その使用を呼び掛けた。
 高血圧や糖尿病、高脂血症などの生活習慣病は肥満がもとになっており、最近では特に、多くの疾患につながる「内臓脂肪症候群(メタボリック・シンドローム)」が大きな問題として取り上げられている。バランスガイドはそのもととなる食生活の改善に結び付けるものとして、厚生労働省と農林水産省が作製。同事務局や県などが検討委員会をつくり、このほど「沖縄版」を作製した。
 バランスガイドは▽ごはんやパンなどの主食▽野菜やきのこ、海藻料理などの副菜▽肉や魚、卵、大豆料理などの主菜▽牛乳・乳製品▽果物−の五グループの食品を組み合わせ、それぞれの適量をイラストで示している。イラストはコマの形で描かれ、水分が軸、食べ物がコマの本体となり、食生活のバランスを強調している。同時に適度な運動や、菓子やアルコールなど嗜好飲料の適度な摂取を促す。
 活用のポイントは、▽栄養価計算など細かい数字を考える必要がないため、「きっちり」ではなく「だいたい」の感じをつかむ▽食塩や脂肪などは計算に入っていないので、摂り過ぎに注意する−こと。楽しんでバランスの良い食事を取り、自分が一日に必要な量を知ること、自分の食事量が適正かを定期的にチェックすることが重要だという。
 県南部福祉保健所の管理栄養士、島袋久美枝さんは「コマはバランスが良いと立っているが、バランスが悪くなると倒れてしまう」と表現。「不適切な食生活や運動不足が肥満や高血糖、高血圧などにつながり、糖尿病、高脂血症、脳卒中や糖尿病による合併症など重い病気になっていく。県内女性の平均寿命はまだ全国一だが伸び率は低く、女性も一位から転落する可能性もある」と警鐘を鳴らし、「一人でも多くの人が健康でいることが大事」と呼び掛けた。
 バランスガイドは、宮古福祉保健所で入手できる。問い合わせは同保健所健康推進班(電話72・2420)または、沖縄総合事務局農林水産部消費・安全課(電話098・866・0156)まで。

 写真説明・このほど完成した沖縄版食事バランスガイド。健康な食生活の目安が分かる
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 ハブクラゲ/海水浴には食酢持参で
被害の未然防止で連絡会議

 二〇〇六年度宮古地区ハブクラゲ等対策連絡会議(主催・宮古福祉保健所)二十二日、県宮古支庁で行われ、消防や病院、マリンレジャー、行政などの関係者らが、〇五年度の被害状況などを確認しながら、意見交換した。昨年度、宮古地区では海洋危険生物による被害が七十件発生し、そのうちハブクラゲによるものが三十二件を数えた。県は六月一日付でハブクラゲ注意報を発令しており、未然防止策として▽海水浴の際には侵入防止ネット内で泳ぐ▽遊泳時には肌の露出を避ける▽海に出掛ける際には食酢を持参する−などの励行を呼び掛けている。
 県全体では昨年度、海洋危険生物による被害は三百二十三件確認されており、このうちハブクラゲによるものは百五十三件。宮古地区のハブクラゲによる被害は、県全体の二一%を占める計算になる。会議では、被害時の各機関の対応方法や、報告のための調査票の記入方法などが説明された。
 ハブクラゲによる被害は特に、海水浴シーズンとなる七、八月が最も多くなるため特に注意が必要だ。ハブクラゲに刺された場合には、▽激しい動きをせず近くにいる人に助けを求める▽刺された部分はこすらず、食酢をたっぷりかけて触手を取り除き、氷や冷水で冷やす▽応急処置の後、医療機関で治療を受ける−といった対処が必要。
 一方で、ハブクラゲ以外の海洋危険生物の場合には、食酢をかけると逆に刺激となる場合もあり、それぞれに応じた対処が必要となる。同保健所などでは、さまざまな危険生物による被害の対処法などを記載した「気をつけよう!海のキケン生物」というリーフレットを配布し、注意を促している。

 写真説明・海洋危険生物の昨年度の被害状況や被害時の対処法などを確認した連絡会議=22日、県宮古支庁
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22年間の活動に幕/平良市PTA連
中体連と宮P連に優勝旗寄贈

 平良市PTA連合会(下地康教会長)の解散総会が二十一日夕、市内のレストランで行われ、二十二年間の活動に幕を下ろした。連合会の名称を形に残そうと、宮古中学校体育連盟と宮古地区PTA連合会が主催する大会に優勝旗を寄贈した。
 同連合会は一九八四年四月に設立。青少年の健全育成、地区ごとのPTAとの連携強化を目的に活動を続けていた。市町村合併に伴い、これまでの役割が宮古地区PTA連合会と重複するとして、解散することとなった。
 優勝旗は同連盟の男子テニス競技と、宮古地区PTA連合会の童話・お話・意見発表大会にそれぞれ贈られた。
 下地会長は「結成からこれまで先輩たちの努力の下、活動を続けてきた。平良市PTA連合会の最後の総会。二十二年間の歴史に終止符を打ちたい」とあいさつした。
 優勝旗を受け取った同連盟の野原敏之会長は「優勝旗があると子どもたちの意欲も違う。厚意を無駄にしないよう中学生の健全育成に努めたい」と感謝した。また、宮古地区PTA連合会の奈良俊一郎会長は「優勝旗は子どもたちの励みになる。非常にうれしい」と礼を述べた。

 写真説明・平良市PTA連合会の下地会長(中央)から優勝旗が宮古地区PTA連合会の奈良会長(右)と宮古中学校体育連盟の野原会長に贈られた=21日、レストランクール
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宮古地区の出荷215d06年産マンゴー
平年値より3割減の不作/県農水部予想量

 【那覇支局】県農林水産部(国吉秀治部長)が二十二日に発表した「二〇〇六年産マンゴー出荷予想量」によると、宮古地区の出荷量は二百十五dを見込み、これは平年値の七一%で約三割減の不作となっていることが分かった。しかし、〇五年産よりは一二%の増加となっている。この要因について同部では「温度管理に対する対応が不十分だったことも影響したようだ」と説明した。
 県全体の同年産マンゴー作柄について、県農林水産部の予想では収穫量は千四百十d、出荷量は千三百十dを見込み不作だった前年と比較すると一四%増となっている。概況については「開花期において、充実した早い開花と開花遅れや未開花が混在し、その結果、着果にばらつきのある園地があるものの、全般的に着果良好な園が多く見られる」と述べた。
 宮古地区は、平年値三百二dに対して、今期の見込みは二百十五d。平均値との比較では七一%となり、県内五地区における平年値比較では最も低い数値となっている。しかし、不作の〇五年産が百九十二dだったことから、今期は若干好転した。
 宮古地区の概況について、同部では「低温に対する対応の不十分な園では、花の受粉能力の低下や受粉昆虫の活動低下により、着果率が低かった。また、十年以上の老木で枝整理の強剪定を行った園では、開花不良が見られた。そうした状況から出荷量の減少を見込んでいる」と説明した。
 そのほか、今後の管理および指導については▽ハウス管理および肥培管理、整枝剪定法の指導強化を図り、充実した枝を早めに作る▽収穫後、お礼肥や枝整理の剪定を適切かつ早めに行い、早期に樹勢回復を図り、充実した結果母枝を確保する▽開花期には、受粉昆虫の飼育方法の向上を図り、結実促進を図る−としている。(垣花尚)

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葉タバコ収穫ほぼ終了収量は平年下回る見通し
宮古地区06年産

 宮古地区の二〇〇六年産葉タバコの収穫が、二十二日までにほぼ終了した。品質は平年並み、収量は平年を下回る見通し。
 収量には、二、三月の低温や日照不足、五月下旬から続いた雨による疫病発生などが影響した。品質は、草丈が中程度のほどよい作柄のため、まずまずの成績が見込めるという。
 収穫がほぼ終わったことに伴い、宮古島と来間島の七カ所の共同乾燥施設は二十二日までに、作業を終了した。同施設は四月六日ごろから、約一カ月半フル稼働した。葉タバコの収納は、七月中旬ごろから始まる。
 宮古地区の今期の葉タバコ生産農家数は百七十戸。栽培面積は▽平良八千六百四十e▽城辺二万三千二十e▽下地一万四千百三十三e▽上野一万一千四百六十e▽伊良部三千六百五十e▽多良間村が二千三百十eで、合計六万三千二百十三eとなっている。

 写真説明・収穫を終えた葉タバコ畑=22日、宮古島市上野

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