200平成18  622 木曜日

「エネルギーの島」期待/バイオエタノール活用を推進
二階大臣が宮古視察

 二階俊博経済産業大臣が二十一日、バイオエタノールの実証試験が行われている施設を視察するため宮古入りした。歓迎式典で二階大臣は、サトウキビから生産されるバイオエタノールを国の新エネルギー政策の中で利活用していく政府案を表明。「宮古を中心とする沖縄のサトウキビを利用していきたい」と述べ島内におけるバイオエタノールの積極活用に向け関係省と連携しながら取り組む姿勢を示した。記者会見では宮古島を「エネルギーアイランド」と称賛、新エネルギー開発による宮古島の活性化に期待を込めた。
 二階大臣は午前十時二十分に宮古入り。空港隣の駐車場で宮古島市などから歓迎を受けた。この中で二階大臣は「サトウキビの利活用を通じ、どのような成果を収められるのか、皆さんとともに研究、努力を続けていきたい」と述べ、宮古島におけるバイオエタノール実証試験の継続と可能性に言及。日本で算出されるエネルギーが、実際に必要とされるエネルギーの四%であることを報告し「新しいエネルギーを開発していく努力が必要だ」と持論を述べた。
 この後、二階大臣は沖縄製糖宮古工場に移動し、サトウキビの糖蜜を利用してバイオエタノールを製造している施設を視察。ガソリンにバイオエタノールを三%混合して自動車用の燃料「E3」を製造しているりゅうせき宮古油槽所も回り、バイオエタノール実証試験の内容把握に努めていた。
 市内ホテルで行われた会見で二階大臣は「今回の実証試験をきっかけにして、今後さらに積極的な対応を講じたい」と経産省の方針を表明。他の関係省とも連携して取り組む考えを示し「まずは沖縄で生産されるエタノールを活用することに焦点を絞っていきたい」と方向性を話した。
 宮古島の印象については「開発の可能性に富んだ島」とし、バイオエタノールだけでなく、風力発電や太陽光発電にも適した島であることを強調した。二階大臣は「この特徴を発揮すれば観光客や修学旅行も増える」などと述べ、資源開発行為が環境や観光、農業など各分野に好影響を及ぼす可能性に触れた。
 会見後、二階大臣は沖縄電力の発電所や太陽光発電施設などを視察、同日夕方の便で宮古本島を離れた。

 写真説明・バイオエタノール製造施設を視察する二階経済産業大臣(中央)=21日、沖縄製糖宮古工場

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05年産キビ宮古収穫量は27万d/県全体の4割占める
対前年比24%増

 【那覇支局】沖縄総合事務局農林水産部統計調査課は二十日、県における「二〇〇五年産サトウキビの収穫面積及び収穫量」を発表した。それによると、同年産のサトウキビ収穫量は県全体で六十八万七百dとなり、そのうち宮古地区は二十七万四百dで、県全体の約四割を宮古地区で生産していることが分かった。
 宮古地区の同年産における収穫量は、夏植えが二十五万九千二百d、春植えが七千三百八十d、株出しが三千七百六十dで、合計は二十七万四百dとなっている。対前年比では二四%増となった。
 収穫面積は、四千百fで内訳は、夏植えが三千八百十f、春植えが百九十九f、株出しが九十一fとなっている。収穫面積の対前年比では三%減となった。
 十e当たりの収量は、六千五百九十d。内訳は、夏植えが六千八百`、春植えが三千七百十`、株出しが四千百三十`となっている。対前年比では二八%増となった。
 県全体では、収穫量が六十八万七百d(夏植え・四十万二百d、春植え・五万五千七百d、株出し・二十二万四千七百d)で収穫量全体の対前年比はほぼ同数値となった。
 収穫面積は、一万二千五百f(夏植え・六千六十f、春植え・千四百八十f、株出し・四千九百五十f)で対前年比では八%減となった。
 十e当たり収量は、五千四百五十`(夏植え・六千六百`、春植え・三千七百六十`、株出し・四千五百四十`)で対前年比では九%増となった。
 同総合事務局によると「収穫面積は、前年比で八%減少したが、これは農家の高齢化および大東島地方などの一部地域で、干ばつ、台風の影響に伴う生産不良により収穫を放棄したことが影響した。十e当たりの収量は、前年が相次ぐ台風の影響により作柄が悪かったが〇五年は一部地域を除いて台風などの被害が少なかったことも影響して、前年比九%増となっている。前年産に比べ六百d増加した収穫量は、収穫面積が減少したものの、十e当たりの収量が増加したことが影響している」と説明した。
 同調査は、サトウキビの生産に関する実態を明らかにし、砂糖の価格調整に関する法律に基づく価格の算定、各種生産対策等に関する資料作成を目的に実施されている。
 調査対象は、製糖会社など。調査期間は収穫期で調査方法は製糖会社などに対して調査票を送付・回収するもので、調査客体が自ら記入する自計申告調査で行われている。(垣花尚)


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 宮古病院 離島医療実習を開始/琉大医学部学生6人

 離島医療に携わる人材育成を目的とした琉球大学医学部の「離島医療人養成教育プログラム(RITOプロ)」の離島実習が十九日、宮古、八重山、久米島の四病院で始まった。うち、県立宮古病院(安谷屋正明院長)では六人の学生が同日午後から五日間の日程で看護現場の見学や研修、患者らとのかかわりを体験。現場を通して離島医療の現状に理解を深めている。
 同プログラムは離島で特に不足しているプライマリーケア(初期診療)、産婦人科、脳神経外科、麻酔科の四専門医師を積極的に育成することが目的。二〇〇五年度に文部科学省が公募した同プログラムに琉球大学医学部などが中心となり、離島医療に貢献する医師養成を目指して申請。昨年十月に三年時限で支援されることとなった。
 学生ら六人は二人一組に分かれ、それぞれ精神科の訪問看護や病棟看護、放射線や夜間救急を体験。現場を実体験することで得られる医療者側だけではない生活者の視点に立った離島医療の問題点や実態を学んでいた。参加した谷口智哉さん(四年次)は「教室から離れ、現場での実習は実際の雰囲気も違い、仕事の流れが目に見えるのはとても興味深い」、吉嗣加奈子さん(同)は「離島医療は技術や情熱のある医師やスタッフでないと務めることができないと実感。現場で接して改めて現場医師らの質の高さに驚いている」とそれぞれ話した。
 同病院医療部の本永英治部長は「沖縄県は周囲十数島の島嶼環境の離島。離島の人たちが医療に何を望んでいるのかを肌で感じて、将来的には県、離島の医療を支える医師として活躍してほしい」と述べた。
 プライマリーケア
 初期診療または一次医療。病気やけがをしたとき最初に受ける医療という意味に限定して使われることが多い。また、プライマリーケア医は一般医や家庭医、かかりつけ医とも呼ばれる。
実行委で決定

 写真説明・学生らは現場実習を通して離島医療に理解を深めていた=21日、県立宮古病院


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来月28、29日に夏まつり/新市誕生後初の開催

 「宮古島夏まつり2006」の実行委員会が二十一日午後、宮古島商工会議所で開かれ、今年の祭りを七月二十八、二十九の両日に開催することを決めた。今回の祭りは民間主導の開催になってから二年目に当たる。宮古島市が誕生してからは初の祭りだ。
 実行委は昨年と同様に豊年祈願祭や歩行者天国、大綱引きなどを開催して宮古島市の活性化を図る。実行委の中尾英筰委員長は「この祭りは地域の活性化に大きな貢献ができる。子供たちが愛着を持てる祭りとして成功させよう」と呼び掛けた。
 実行委では「住民一人ひとりがオール宮古島のもと、さらなる島おこしを目指していく」という開催の趣旨を確認。「あたらす ばんたが 宮古島市」を島内外にアピールすることも目的の一つに掲げている。
 祭り計画では七月二十八日に豊年祈願祭、歩行者天国、アトラクション、フリーマーケット、カラオケ大会を開く。二十九日は歩行者天国、パレード・路上アトラクション、ミス宮古発表会、大綱引きを開催する予定だ。各イベントの開催時間は来週中に決定する。
 実行委で中尾委員長は「宮古島市としては初めての祭りになる。みんなで協力し合いながら、成功させよう」と強調。実行委会長を務める伊志嶺亮宮古島市長も「力を合わせて成功させよう」などと述べ、行政面での支援を約束した。
 このほか実行委では各イベントの開催時間などについて協議。市民が参加しやすい祭りの運営に向けて活発に意見を交わしていた。
 今年の祭りの予算は二百二十五万円。宮古島市からの助成金百十万円と協賛金百十五万円で運営する。
 「宮古島夏まつり」は昨年十月の合併に伴い開催が危ぶまれていた「宮古まつり」を続けようと商工会議所や観光協会、宮古青年会議所、通り会が中心となって民間主導で開催したもの。昨年夏に第一回を開催しており今回は二回目。
 実行委メンバーは次の通り。(敬称略)
 【会長】▽伊志嶺亮(宮古島市長)【委員長】▽中尾英筰(宮古島商工会議所会頭)【副委員長】▽藤村明憲(宮古観光協会長)▽砂川拓也(宮古青年会議所理事長)【委員】▽下地博(下里通り会理事長代理)▽堀川政憲(宮古市場通り会理事長)▽小林直樹(西里大通り会副理事長)▽粟国将一郎(宮古市場通り会副理事長)▽伊志嶺一弘(下里通り会)▽赤嶺一成(宮古島商工会議所専務理事)▽渡久山明(宮古観光協会事務局長)▽平良雄一(宮古青年会議所実行委員長)【事務局】▽与那覇隆(宮古島商工会議所総務課長)

ミス宮古3人選出へ/観光協など応募呼び掛け
 宮古観光協会(藤村明憲会長)と同協会青年部(我那覇宗広部長)は二十一日、宮古島商工会議所で二〇〇六年度のミス宮古の募集会見を開いた。選出するミス宮古は例年同様三人で、申し込み締め切りは七月十一日。藤村会長は「多くの市民に応募していただきたい」と呼び掛けた。
 ミス宮古の応募資格は@宮古島に本籍または現住所を有する十八歳以上の独身女性A二〇〇六年七月十四日以降、宮古観光のキャンペーンガールとして各種公式行事に参加できる人―。ミスブーゲンビリア、ミスサンゴ、ミスティダの三人を選出する。
 第一次審査は書類審査で、日時は七月十一日。第二次審査が面接で、同十三日午後一時から行われる。申し込みの締め切りは同十一日の午後五時となっている。
 会見で観光協会青年部の我那覇部長は「宮古島市が誕生し、島全体が観光面で盛り上がりを見せている。その観光をPRするために、一人でも多くの市民に応募していただきたい」と話した。
 ミス宮古への応募方法は所定の申し込み用紙に写真を添えて提出する。詳しくは宮古観光協会事務局(電話73・1881)まで。


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ずぅ〜宮古島んかい(さあ行こう宮古島へ)
観光ポスターとマップ完成

 宮古島市観光商工課(根間正三郎課長)は十九日、宮古観光をPRするポスターと観光マップの完成を発表した。マップは宮古空港や観光施設などで配布される。観光客が宮古をより快適に、より楽しく過ごせるよう工夫がされている。
 観光マップはB5判。カラー八n。表にはイベントカレンダーや観光地、特産物、宮古上布の作製の細かい工程などを紹介。また、シュノーケリングの注意点や有害生物に刺された際の応急処置なども掲載している。
 裏は宮古島全域の主要道路や観光地を記したガイドマップ。ドライブコースや観光地の説明、交通機関の時刻表なども掲載している。観光マップは英語版、ドイツ語版も準備されているという。
 ポスターは宮古島の青い空、エメラルドグリーンの海、白い砂浜が強調された写真を利用。「ずぅ〜ずぅ〜宮古島んかい(さぁさぁ行こう宮古島へ)」と方言でアピールしている。
 同課の根間課長は「観光客四十万人突破のために、宮古島を全国にPRしたい」と意気込んだ。

 写真説明・完成したばかりの宮古をPRするポスターと観光マップを発表した=19日、宮古島市役所上野庁舎
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宮古代表作品決まる/ポスター・標語を審査
安全運動、暴力団追放

 二〇〇六年全国地域安全運動ならびに全国暴力団追放ポスター・標語の宮古地区審査会(主催・宮古島警察署、宮古島地区防犯協会)が二十一日、同署で実施された=写真。侵入窃盗防止、子どもの誘拐・連れ去り防止、少年の非行防止、薬物乱用防止など各部の入賞作品を決めた。上位三点は七月に県警察本部で行われる中央審査会へ宮古地区代表として出品される。
 今回の審査会には宮古地区の小、中、高校の児童・生徒、一般からポスター二十五点、標語に計五百二十七点の応募があった。十九日に同署で予備審査会を開いて標語を百六十六点に絞り、二十一日の審査会で審査。その結果、宮古地区代表として出品するポスター十点と標語十八点を決定した。
 ▼標語の部
 【侵入窃盗防止】▽最優秀=出かける時は ドア見てマド見て 確かめて(久松中二年・友利龍太郎)▽優秀=確かめよう 出かける前に カギカギ鍵(同一年・黒島一浩)▽同=近所の目 あなたの家の 防犯カメラ(同三年・渡真利浩也)【子どもの誘拐・連れ去り防止】▽最優秀=イカないよ それが私の あい言葉(砂川中一年・源河和佳奈)▽優秀=危ないよ 一人で歩く かえり道(西辺中二年・見里信輔)▽同=みんなで守ろう 未来を担う 子供たち(久松中三年・砂川亜美子)【少年の非行防止(健全育成)】▽最優秀=非行から 守る 育てる 地域の目(佐良浜中二年・与那城元樹)▽優秀=知らんふり それでいいのか 大人たち(上野中二年・砂川亮真)▽同=好奇心 知らずにはまる 落とし穴(西辺中二年・池間祥子)【薬物乱用防止】▽最優秀=薬物で つかむ幻 失う未来(佐良浜中三年・池間舞)▽優秀=やりません 一度だけでも 薬物は(西辺中二年・仲間優二)▽同=いらないよ 私の体に 薬物は(砂川中一年・佐和田千尋)【暴力団追放】▽最優秀=団結で 追放しよう 暴力団(久松中一年・山里莉奈)▽優秀=暴力団 ぼくらの町には いらないよ(同二年・与那覇翔吾)▽同=暴力団 勇気を持って おいだそう(同三年・下地孝典)【いわゆる「オレオレ詐欺」など振り込め詐欺防止】▽最優秀=ちょっと待て 振り込む前に 窓口相談(北中三年・川満美耶)▽優秀=ちょっと待て 振り込む前に 確認を(佐良浜中二年・西原愛)▽同=振り込むな! 本人確認 まず先に(久松中一年・仲宗根優菜)
 ▼ポスターの部
 【侵入窃盗防止】▽最優秀=洲鎌成子(宮高二年)【子どもの誘拐・連れ去り防止】▽最優秀=佐久本沙織(宮高一年)▽優秀=下地美咲(城辺中二年)▽同=永井由里子(宮高三年)【少年の非行防止(健全育成)】▽最優秀=下地美都子(宮高三年)▽優秀=平良貴紀(城辺中二年)▽同=狩俣愛(宮高二年)【薬物乱用防止】▽最優秀=濱川命(西辺中一年)▽優秀=根間しおり(宮高三年)▽同=川満玲香(同)


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