200平成18  620 火曜日

世田谷区、宮古観光を支援/指定保養施設に7ホテル
区民に宿泊代補助 市は体験メニューを割引

 宮古島市(伊志嶺亮市長)と友好都市を結んでいる東京都世田谷区(熊本哲之区長)はこのほど、宿泊料金を区が補助する指定保養施設に市内のホテル七業者と契約を交わした。区民は一人一泊当たり二千五百円の補助を受けられる。宮古圏域が目指す観光客四十万人突破に弾みを付け、体験滞在型観光の確立に向け観光関係者も大きな期待を寄せている。
 同区では関東近郊に二十七カ所の指定保養施設があり、宮古島市内での指定は初めて。宿泊代金の補助は全施設を通じて一カ月に二泊まで利用が可能としており、区では三万泊分の予算を準備してあるという。
 今月十五日から区役所などでパンフレットを配布し、担当課にはすでに数件の問い合わせがあるという。同区は「多くの区民に宮古島の自然や文化に触れてほしい」と区民に対し利用を呼び掛けている。
 これを受け、市側は「ふれあい体験交流メニュー」として▽宮古馬乗馬▽宮古織り▽平良綾道(歴史・文化ロード)▽宮古焼き▽シーカヤック―の五つの体験事業を準備し、先着千人に対して五百円を割り引きし優待する予定。
 市観光商工課の根間正三郎課長は「世田谷区は人口八十万人。多くの観光客が訪れると思う。体験メニューで宮古の観光振興に寄与したい。今後は姉妹都市などを締結している市町村に、同様に呼び掛け友好を深める取り組みを行いたい。世田谷区を良いテストパターンにしたい」と今後の展開に期待した。指定されたあるホテルの関係者は「世田谷区が行政として宮古の観光振興に協力し、大きな予算をつくってもらったことに感謝してる。多くの区民が年ごとに観光に訪れることを期待している」と述べた。
 旧平良市と同区は一九六二年年の豆記者交流から始まり、四十四年にわたり交流を続けている。合併を控えた二〇〇五年八月に「友情のきずな確認書」を締結し、合併後も親密な交流を約束していた。
 指定保養施設となったホテルは次の通り。
 ▽ホテル共和▽宮古第一ホテル▽ミヤコセントラルホテル▽ホテルニュー丸勝▽観光ホテル セイルイン宮古島▽ホテルアトールエメラルド宮古島▽ホテルブリーズベイマリーナ
(洲鎌恵仁)
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市議会が広域化案審議/多良間村水道事業

 宮古島市議会の総務財政委員会(前川尚誼委員長)は十九日、市水道局と多良間村の水道事業広域化に関する多良間村の要請書を審議した。市水道局の幹部職員が同村の現状や広域化の方法を説明。これを受けて委員らは「この場で結論を出すものではないが、市長が議案として提出したときは慎重に審議しなければならない問題になる」などとした。要請案は継続審議となる見込み。
 総務財政委で市水道局幹部職員は@市水道局が給水区域を拡張するA上水道事業としての企業団設置B上水道事業と簡易水道事業を合わせた企業団の設置C市水道局が村の簡易水道事業を第三者委託により受託する―の広域化四案を説明。多良間村の水道事業の現状も併せて報告した。幹部職員らは「B、C案は厳しいため、広域化するならば@かA案」と話した。
 これに理解を示す委員もいたが、一部で「事業で赤字があるから、求めているのではないか。懸念されるのは、その赤字分を埋めるために、市民の水道料金に影響が出てくるのではないかということだ」と話し、広域化した場合の財政シミュレーションを具体的に示すよう求める委員も。「広域化せずに技術指導という形で支援する方法もあるのではないか」とする声もあった。
 要請案件は継続審議となる見込みだが、今回の広域化案については一般質問で取り上げる議員もいるため、伊志嶺亮市長の答弁が注目される。
 広域化案は多良間村の簡易水道事業が年間二千五百万―三千万円の財源不足に陥っていることなどから浮上した。多良間村は先月二十九日の村議会臨時会で、市水道局との広域化に関係する議案を全会一致で可決。要請理由には「水道事業の将来を踏まえた運営基盤の強化、安全、安心な水の確保、災害などに対する危機管理体制の確立は重要な課題」として市水道局との広域化が望ましいなどと主張。「経験と実績を誇る宮古島市水道局が宮古全域の水道事業を統括、管理していることから当村においても宮古圏域の住民として、その恩恵を等しく享受できればと願う」としている。

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 「みゃーくぬ唄ごころ」響く/宮古民謡協会第3回芸能祭

 宮古民謡協会(新垣初男会長)の第三回芸能祭「響けみゃーくぬ唄ごころ」が十八日夜、マティダ市民劇場で行われた。舞台上では総勢百四十人の会員や賛助団体による多彩なプログラムが繰り広げられ、歌や華やかな踊りで大盛り上がりを見せた。 芸能祭は同協会会員らによる「トーガニあやぐ」「大世栄」の大合奏で幕開け。久田本流・久田多嘉子舞踊研究所のメンバーが曲に合わせて優雅に舞い、花を添えた。また▽久田流池間澄舞踊研究所▽宮琉族太鼓団▽島袋本流紫の会教師亀浜美智子―ら賛助団体が、あでやかな舞や力強い太鼓を披露。約七十人のメンバーが賛助出演し、芸能祭を盛り上げた。
 新垣会長は「昔から先輩方によって歌い継がれてきた宮古島の素晴らしい島唄、教訓唄、豊年豊作に願いを込めて力強く歌い継がれてきた歌を伝統し、島唄を愛する多くの皆様方と共に継承し幅広く世に広め、今後の宮古民謡の普及発展に力を入れていきたい」とあいさつした。
 舞台は「豊年の歌」、「なりやまあやぐ」、「豊年のクイチャー」、「トーガニあやぐ」など、宮古民謡のオンパレード。最後は出演者全員が舞台に出てフィナーレを飾った。
 同協会は一九九七年に在沖宮古民謡協会から分離し、翌年に新しく「宮古民謡協会」と会を改めて発足。今回が三回目の芸能祭となった。

 写真説明・会員らによる歌や踊りで会場は盛り上がりを見せた=18日、マティダ市民劇場

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1頭平均価格は46万5896円/6月肉用牛競り

 宮古本島の六月期肉用牛競りが十九日、JAおきなわ宮古家畜市場で開かれ、子牛(生後十二カ月以内)の一頭平均価格は四十六万五千八百九十六円で、過去最高値となった前月に比べ二万六百七十二円安かったものの、依然として高値の取引が続いている。平均キロ単価は前月比九十三円安の千七百三十四円。成牛を含めた競り販売額は同七百五十二万八千五百円減の二億二千十八万一千八百五十円だった。
 今月の競りには子牛四百六十頭(去勢二百六十四頭、雌百九十六頭)が上場され、四百五十六頭の取引が成立した。性別で見る一頭平均価格は去勢が四十九万四千七百五十三円、雌が四十二万六千五百七十二円といずれも高値。子牛のみの販売額は二億一千二百四十四万八千六百円。最高値を付けた牛は六十三万四千二百円。
 JAおきなわ地区営農センター畜産部では、一頭平均価格の減少については「枝肉の動向が鈍いのと、牛の発育にばらつきがあったことが価格の面に現れた。先月との比較で安く感じられるが、心配するほどの悪い価格ではない」と説明。「夏場はバーベキューシーズンでもあり、枝肉の需要が増えてくるのではないか」と期待した。
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伊良部、仮同意書取得へ/国営土地改良事業で説明会

 沖縄総合事務局土地改良総合事務所などは伊良部北区・南区の二会場で十九日、国営宮古伊良部土地改良事業関係権利者説明会を開いた。大勢の権利者らが出席し、土地改良事業計画について理解を深めた。伊良部の権利者からは、年明けに仮同意書を得て、二○○八年度に本同意書を取得し、○九年度から本格的な事業着工を予定している。
 この日の説明会には、同事務所のほか、県宮古支庁農業水産整備課、宮古島市経済部農地整備課、宮古土地改良区の関係者らが出席した。
 関係機関らは、宮古島は、農業の発展で現在の地下ダムに加えた新たな水源整備が必要と説明。さらに、伊良部島では地下ダムを建設する適地がなく、一部の地域で地表水をため池に集め農業に利用しているのが現状で、島全体で必要な農業用水は大きく不足していると指摘。
 その上で「宮古島と伊良部島に必要な農業用水を確保するため、新しい地下ダムを建設し、伊良部島へは用水路で送水する計画」と語り、農業用水の送水と土地改良事業の展開で農業が飛躍的に発展することを期待した。
 伊良部の全農地の総面積は千四百八十fで、一部では土地改良事業が実施されているが、スプリンクラーなどは未整備の状態。地権者は約四千六百人で、今後農地の登記名義人などがチェックされていく。

 写真説明・多数の権利者が参加した説明会=19日、伊良部の前里添多目的共同利用施設

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池原一美さんが最高賞/日本盆栽協宮古島支部

 第十回日本盆栽協会宮古島支部盆栽展示会(主催・同支部)の入賞者表彰式が十八日、展示会場の宮古グリーンセンターで行われた。最高賞の宮古支庁長賞を受賞した池原一美さんら各入賞者に賞状が贈られ、作品の出来栄えがたたえられた。
 池原さんの受賞作品は、鉢上げして五年目。毎朝・晩の手入れを欠かさず、丹精込めて育てた自信作だという。池原さんは「いろいろなことを忘れて没頭でき、良い気分転換になるのが盆栽の魅力。目標にしていた賞を受賞することができてうれしい。これを励みに今後も質の高い作品を目指したい」と感想を話した。
 兼城克夫宮古支庁長の代理を務めた砂川光弘農林水産調整監は「盆栽は、植物という生命体の魅力を最大限に表現する文化。創造性、芸術性の高い盆栽を通して、心豊かな美ら島をつくっていこう」とあいさつを述べた。
 宮古島市の下地学助役も「豊かな心をはぐくむ貴重な文化活動であり、皆さんの果たす役割は大きい」と同支部のメンバーらに呼び掛けた。
 また、宮古島市議会の友利恵一議長は「盆栽の技術と喜びを地域に広め、子どもたちの育成活動にも役立ててほしい」と激励した。
 受賞者は次の皆さん。(敬称略、かぎかっこ内は作品名)
 【宮古支庁長賞】池原一美「ヒレサンショウ」【宮古島市長賞】新城武一郎「三点飾」【宮古島市議会議長賞】池間諄「イボタクサギ」【県盆栽連合会長賞】砂川弘「ハリツルマサキ」【県農業協同組合宮古地区事業本部長賞】下地徹「ハリツルマサキ」【宮古島市文化協会長賞】大浦辰夫「ハマヒサカキ」【宮古新報社長賞】根間武次「ハマシタン」【宮古毎日新聞社長賞】伊佐一雄「オーハマボー」【宮古テレビ株式会社長賞】高江洌恵忠「ガジュマル」【宮古グリーンセンター社長賞】粟国朝夫「ガジュマル」【奨励賞】上地正義「三点飾」▽池原健二「ムラサキシブ」▽津波古敏夫「三点飾」 

 写真説明・日本盆栽協会宮古島支部盆栽展示会の入賞者ら=18日、宮古グリーンセンター

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