200平成18  617 土曜日

市税徴収率は81.3%/宮古島市05年度
前年度に比べ上がらず/課題は高額滞納者対策

 宮古島市(伊志嶺亮市長)はこのほど、二〇〇五年度分市町村税(十月以降は合併により市税)の徴収額をまとめた。市民税や固定資産税、軽自動車税など六つの市税を合わせた徴収率は八一・三%で前年度に比べて〇・三五ポイントの減。市税務課は市町村合併前後の徴収体制のあり方や、旧町村部における徴収方法の変更が徴収率を下げた要因と分析している。〇六年度分市税徴収の課題は高額滞納者対策や累積滞納者対策、旧町村部における徴収体制の強化を挙げている。

 税務課のまとめによると、市税全体の〇五年度課税分は滞納繰越分を含めて五十億四千三百七十六万六千円。これに対し収入額は〇五年度の課税分が三十九億七千四百四十四万二千円、滞納繰越分が一億二千六百九万六千円の計四十一億五十三万八千円だった。
 市税徴収率の内訳を見ると柱となる市民税が課税分十六億一千五百八十六万円(滞納分含む)に対し、収入は十四億七千八百九十二万円で徴収率は九一・五三%。前年度同様に九割の徴収率は維持した。一方で固定資産税の徴収率は伸び悩む結果となった。〇五年度課税分は滞納分を合わせて二十九億一千三百四十万五千円だったが、収入済みは二十一億七千八十九万三千円にとどまり徴収率も七四・五一%と低迷した。このほか軽自動車税は八二・八三%、市たばこ税は九七・八二%の徴収率だった。
 徴収率が下がった要因として、税務課は合併前後の徴収体制のあり方を挙げる。同課の友利克課長は「市町村合併した十月前後の月は、職員が合併のための準備や整理に当たらざるを得ず、徴収体制が弱くなった」と振り返る。また、合併による業務エリアの拡大に伴う職員配置のあり方も課題点の一つに挙げた。
 さらに城辺、下地、上野地区で合併前まで行われていた区長らによる市税徴収が、十月一日からすべて自主納付の形に変更されたことも徴収率の低下につながったと同課は指摘。合併後は旧町村部に嘱託の市税指導員を配置して徴収業務を強化してきたが、思うような成果を挙げるには至らなかったという。
 合併初年度の徴収を終えた宮古島市だが、〇六年度の課題点は▽高額滞納者の対策▽累積(恒常的)滞納者への対策▽旧町村部における徴収体制の確立(市税指導員の有効活用など)−などを挙げている。
 友利課長は「滞納者の資力の実態把握に努めながら、滞納者の実態に応じた滞納整理を税務署や県税課と協力して徴収業務に当たりたい」などと話し、自主財源の柱となる市税の確保に向け関係機関と連携しながら取り組む決意を示した。
 (山下誠)
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見事な作品ばかり/最高賞に池原一美さん
きょうからグリーンセンターで盆栽展

 第十回日本盆栽協会宮古島支部盆栽展示会(主催・同支部)がきょう十七日から二日間の日程で、宮古島市平良の宮古グリーンセンター(タウンプラザかねひで隣)で開催される。同支部会員の入賞作品など十九点を展示紹介する。最高賞に当たる宮古支庁長賞には池原一美さんの作品「ヒレサンショウ」が選ばれた。展示時間は午前十時から午後五時まで。表彰式は十八日午後四時から。
 十六日は、同協会八重山支部顧問の新城弘志さんが審査し、優秀作品を選考した。新城さんは「全体的に作が良かった。ヒレサンショウは管理が難しいが、葉のつやや根張りからの立ち上がりなど特徴が出て一番良かった」と講評した。きょう十七日は新城さんによる技術講習会も開かれる。
 宮古島支部の下地徹支部長は「支部結成十周年の節目。他の支部にひけを取らない作品がそろった。多くの市民に見てもらいたい」と呼び掛けた。
 受賞者は次の皆さん。(敬称略、かぎかっこ内は作品名)
 【宮古支庁長賞】池原一美「ヒレサンショウ」【宮古島市長賞】新城武一郎「三点飾」【宮古島市議会議長賞】池間諄「イボタクサギ」【県盆栽連合会長賞】砂川弘「ハリツルマサキ」【県農業協同組合宮古地区事業本部長賞】下地徹「ハリツルマサキ」【宮古島市文化協会長賞】大浦辰夫「ハマヒサカキ」【宮古新報社長賞】根間武次「ハマシタン」【宮古毎日新聞社長賞】伊佐一雄「オーハマボー」【宮古テレビ株式会社長賞】高江洌恵忠「ガジュマル」【宮古グリーンセンター社長賞】粟国朝夫「ガジュマル」【奨励賞】上地正義「三点飾」▽池原健二「ムラサキシブ」▽津波古敏夫「三点飾」

 写真説明・最高賞の宮古支庁長賞に選ばれた池原さんの作品に見入る会員ら=16日、宮古グリーンセンターtop.gif (811 バイト)

 ハブクラゲ被害を防げ/パイナガマにネット設置
市観光商工課

 夏本番を迎え、ハブクラゲの被害を未然に防止しようと、宮古島市経済部観光商工課(根間正三郎課長)は十六日、平良のパイナガマビーチにハブクラゲの侵入を防止するネットを設置した。ネットは海水浴シーズンが終わる九月三十日まで設置される。同課では「泳ぐときは必ずネットの内側で泳ぐように」と呼び掛けている。
 この日は委託を受けた業者が、侵入防止ネットを設置する作業を行った。ネットは横百八十bの長さ。波打ち際から約二十b先の位置まで囲むように張られた。
 ハブクラゲは県内のほぼ全域で確認されている。夏の海水浴シーズンに発生が確認され、特に人工ビーチや波の穏やかな海に多いという。半透明のため、水中では見えにくい。四本の足のそれぞれから最長一・五bにもなる触手に刺胞(毒の入ったカプセル)を持っている。刺されると激痛が走り、死亡例もあるという。
 また、同課は観光地として人気の砂山ビーチには七月一日から九月三十日までの期間、平日一人、土日二人の監視員を配置し、水難事故の未然防止やハブクラゲに刺された際の応急処置を行う。

 写真説明・侵入防止ネットの設置作業を行った=16日、パイナガマビーチ

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廃油からバイオディーゼル/循環型社会をアピール
市長 「官民挙げ取り組みたい」
市内製造会社が試運転

 家庭やホテルなどから出る廃食用油を再生した燃料「バイオディーゼル」を、ディーゼル車のごみ収集車に給油し稼働させる試運転が十六日午後、宮古島市平良にあるバイオマス燃料製造会社、CODE BLUE〈コードブルー〉(謝敷明夫代表)の構内で行われた。ディーゼル車からの二酸化炭素排出量がゼロということから、同市の伊志嶺亮市長ら関係者多数が、今後の循環型社会構築へ関心を寄せていた。

 伊志嶺市長は「行政として協力していく。今後、各地域の家庭などから出る廃食用油をどうやって集め、効率よく生産ができるか、官民挙げて取り組みたい」と意欲を示した。
 謝敷代表らは、バイオディーゼルの特徴として▽植物系燃料であるため、地球温暖化防止協定上の二酸化炭素排出量はゼロとカウントされる▽環境・安全の観点からの法律をクリアしており、公道走行可能な、代替燃料である▽一○○%使用すれば、軽油引取税は免除−などを挙げている。
 謝敷代表は、市内の廃食用油の年間引取量について、ホテルやレストラン、喫茶店などを合わせると一万五千四十g、全世帯からは合計一万七千二百八十三gと予想している。
 謝敷代表は「家庭から出る廃食用油はペットボトルや空き瓶などに入れてほしい。そして市のごみ収集車で回収してほしい」と要望した。

 写真説明・伊志嶺市長はバイオマス燃料で稼働するごみ収集車を確認した=16日、平良のCODE BLUE〈コードブルー〉社
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全身麻酔で歯科治療/宮古病院、障害者ら対象
県歯科医師会

 十二−十九日の日程で、県立宮古病院で実施され、県と県歯科医師会が行っている「心身障害児(者)全身麻酔下歯科治療事業」は、何らかの障害がある人や歯科治療恐怖症の人など、通常では歯科治療が困難な人にとって有効的な治療方法の一つとして実施されている。宮古地区では一九八五年からこれまでに延べ百十人が治療を受け、今回の事業では十七人が治療予定だという。歯科医師会では「通常の治療が困難だと治療を断念していた人は、歯科医師に相談してほしい。虫歯が原因で命を落とす場合もある」と早期治療を呼び掛けている。
 県歯科医師会は七九年から、障害のある人たちのために全身麻酔での歯科治療事業を開始。同事業は、地域での特殊医療のために起こる医師不足を補うための厚生労働省派遣医師制度を利用し行われてきた。離島における歯科治療困難な人たちにとって、口腔環境が改善されるきっかけとなっている。
 通常は、歯科医師と歯科衛生士の二人で治療を行うが、全身管理(全身麻酔)下における治療では、体の変化に対応できる歯科麻酔医も加わって治療を行う。患者の体調や状況に応じて、その都度専門医師が対応するので、全身麻酔を施行しての治療の安全性や専門性は高いという。
 今回、厚労省より派遣された医師は▽東京慈恵会医科大学歯科学教室の田邉晴康教授▽東京医科歯科大学大学院麻酔・生体管理学分野の小長谷光助教授▽東京慈恵会医科大学歯科学教室の齋藤高医師▽東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科の宮本智行医師−の四人。
 小長谷助教授は「この事業には多くの専門医が関与するので、全身麻酔を受けての治療が必要な人には絶好のチャンスだ。医療レベルの高い歯科医師らと協力的な病院との連携を持って、重度の疾患で治療が困難だった人に対し、効果的な治療ができる。ぜひ利用してほしい」と呼び掛ける。
 治療に当たった歯科医の齋藤医師は「日ごろの口腔ケアの管理ができていない人が多い。障害のある人の口腔ケアはなかなか難しいのが現状」と指摘。歯科麻酔医の宮本医師は「障害のある人や歯科治療に対して恐怖心を持つ人に、有効的な治療方法があると知ってほしい。歯が原因で命を落とす場合もあるので、健康管理に気を付ける意味でも歯科治療に取り組んでほしい」と話した。
 全身麻酔下における歯科治療は、障害のある人すべてが治療対象ではない。歯科医師の診断の下、必要性が認められた場合、治療が施される。
 障害のある人や、通常の治療が困難な人の歯科治療に関する問い合わせは県歯科医師会(電話098・877・1811)まで

 写真説明・歯科医師、歯科衛生士、歯科麻酔医の全身管理の下、治療が行われる=15日、県立宮古病院
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米国から3人来島/YFU短期留学生
来月下旬まで宮高で勉強

 YFU国際交流による交換留学生三人が十六日、来島した。三人はいずれも米国の高校生で、七月下旬までの約六週間、ボランティアのホストファミリー宅にホームステイしながら県立宮古高校(仲間博之校長)に通い、日本の文化を学ぶ。
 来島したのはクリングビール・スコット君(17)=イリノイ州出身=、ブレヴィンス・ジョーダンさん(16)=バージニア州出身=、チュン・ウィリアム君(15)=ニュージャージー州出身。三人は米国で一年から二年半、日本語を学んでいる。
 宮古空港で仲間校長やホストファミリーの出迎えを受けた三人は笑顔を見せながら「日本の文化、日本語を勉強したい」と話した。仲間校長は「宮古は今、梅雨の時期だが、もうすぐとても暑くなる。宮古は海がきれいなところで、人の心も温かい。宮古での生活を楽しんでほしい」と歓迎した。同校では四月から別の留学生二人も学んでいる。

 写真説明・ホストファミリーの出迎えを受けた(前列左から)ウィリアム君、スコット君、ジョーダンさん=16日、宮古空港
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