200平成18  615 木曜日

家庭ごみ有料化を検討/宮古島市行革本部
1世帯2760円(年間)負担増

 宮古島市行政改革推進本部(本部長・伊志嶺亮市長)の第五回会議が十四日、同市役所平良庁舎で開かれ、財政運営の健全化とごみの減量化を推進する「家庭ごみの有料化」について意見を交わした。有料化するのは燃やせるごみと粗大ごみで、市指定のごみ袋やステッカーを市民が購入する有料指定ごみ袋制。石垣市を基にした試算によると、有料化の場合一世帯当たり年間三千二百八十円となり、現在の負担額五百二十円と比較すると二千七百六十円の負担額が増加する見込み。ごみ減量化などが図られる一方で、不法投棄の増加を懸念する声も上がった。
 有料化は、市民で構成される行革推進委員会で、市民の意見を取り入れ、最終的には市議会の議決で決定する。
 有料化は▽ごみに関する意識や生活習慣の見直しを促し、ごみの減量化を図る▽資源ごみを無料にすることで分別の徹底や資源化の促進を図る▽ごみを大量に出す人、減量に努めている人の公平性を図る▽ごみ処理量が減ることで、処理施設や最終処分場への負担が緩和される―などが目的。
 県内十一市の中で家庭ごみの有料化を導入していないのは宮古島市と名護市だけ。このような現状の背景と宮古島市のごみの年間総収量、清掃費は年々増加傾向にあることから、市側も導入を急ぎたい方針。
 有料化するのは、燃やせるごみと粗大ごみで缶類や瓶類などの資源ごみは従来通り無料の予定。
 石垣市はごみ袋価格を二十円に設定し、有料化を実施している。人口規模やごみの年間排出量、離島であることなどの条件が類似していることから同市のごみ袋の価格を基に、市民が年間に出すごみの回数を燃やせるごみが週二回、粗大ごみが月一回として試算すると一世帯当たりの負担額は、年間三千二百八十円になる。現在のごみ袋代が年間五百八十円とすると、負担額は二千七百六十円増となる。ごみ袋製造原価や販売委託料を差し引いた有料化による市への歳入は、六千百二十万円を見込んでいる。
 委員からは「委託料が高いのでは」「有料化すると不法投棄が増えるのではないか」といった声が上がった。(洲鎌恵仁)


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農家負担金を統一/土地改良事業
市議会6月定例会が開会

 宮古島市議会(友利恵一議長)の六月定例会が十四日開会し、当局が二〇〇六年度一般会計補正予算案など計三十七議案を提出、説明した。県営の土地改良事業分担金徴収条例の一部改正案は、ほ場整備事業における農家負担金を事業費の一%負担に統一する内容となっている。加えて県営のかんがい排水事業、市営の畑かん整備事業に農家負担金が発生する内容となっており、当局は事業費の二%に当たる負担を求めている。今定例会の会期は二十九日までの十六日間。一般質問は二十二、二十六、二十七、二十八日。
 当局が提出した議案は一般会計など補正予算案三件と▽市国民保護協議会▽国民保護対策本部および緊急対処事態対策本部▽体験滞在交流施設▽総合計画審議会▽重度心身障害者(児)医療費助成▽土地改良事業分担金徴収―の各条例改正案など条例関係十二件。農畜産物処理加工施設や海宝館、サシバリンクス伊良部など指定管理者の指定に関する案件は計十七件が提出されている。
 一般会計補正予算案は歳入歳出の総額にそれぞれ四億九千七百四十三万五千円を追加し、歳入歳出の総額をそれぞれ三百二十三億五千百四十三万五千円としている。
 市町村合併に伴う県営土地改良事業分担金徴収条例の一部改正案は、かんがい排水事業に二%の農家負担が発生することが柱。従来、農家負担はなかったが、財政難などが影響し、農家負担を求める改正案となった。
 ほ場整備については旧下地町と旧上野村の農家負担率一%で調整、三・五%を負担していた旧平良市、二%を負担していた旧城辺町の農家負担分は軽減される。市営のほ場整備も農家負担を一%とし、畑かん整備事業費も県営と同様に二%の農家負担としている。
 十四日の本会議は議案説明で終了。今後、各種議案の本格審議が行われる。同日の本会議では開会に先立ち、第八十二回全国市議会議長会定期総会で表彰された富浜浩氏(副議長六年、議員二十年)と富永元順氏(議員十六年)に表彰状が伝達された。

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 最優秀賞に平良、真壁、古波蔵さん
宮古ペンクラブ・本社共催「第3回エッセー賞」

 宮古ペンクラブと宮古毎日新聞社共催の「第三回エッセー賞」の審査結果が十四日、発表され、宮古島市伊良部字国仲在住の平良加代子さん(38)の「島づくりと人づくり」が一般の部最優秀賞に輝いた。中・高校生の部では、宮古高校一年の真壁孝江さんの「今を生きる」と伊良部中二年の古波蔵倫さんの「当たり前のことが」がそれぞれ最優秀賞に選ばれた。表彰式は七月二日午後六時半から平良のホテル共和で行われる。入賞作品は、今月二十一日からの本紙文化欄(毎週水・土曜日掲載)で紹介する。
 「第三回エッセー賞」には、一般十七点、高校生十七点、中学生十一点の計四十五点の応募があり、それぞれの視点で筆を振るった力作が寄せられた。
 一般の部で最優秀賞に選ばれた平良さんの「島づくりと人づくり」は、島の文化や自身の経験を盛り込みながら結いの島のイメージづくりを伝えている。平良さんは「私の周りにも『自分のため、家族、島のため』に行動している人がたくさんいる。それを見て、自分も何かできることを始めたいと思った。同じような思いを持つ人たちが新聞を読んで、声を掛けてくれうれしく励みになっている」と喜びを語った。
 高校の部の真壁さんは、中学の総合学習の時間に学んだ「世界の子供たち」の様子に関心を持ったことをきっかけに、「今を生きる」ことの大切さを訴えており「身近な人々に呼び掛けたい。貧しい地域に拍車を掛け、とばっちりを受けている子供たちにもっともっと関心を持ってもらいたい。少しでもいいから、自分でできる範囲でいいから、援助の手を差し伸べてもらいたい」とつづった。
 また、「もったいない」と気付き、食べ物を粗末にしないことの大切さを考える中学の部の古波蔵さんは「自分が考えていたことが、審査員の人々に評価されたのでとてもうれしい。一人でも多くの人に食べ物を粗末にしないでと呼び掛けたい」と話した。
 「結いの島のイメージづくり」と「自由演題」をテーマに行われたエッセーは、三月中旬から五月下旬までの期間に募集。応募された作品は、松原清吉委員長ら八人が審査した。
 松原委員長は「取り上げられているテーマは多岐にわたるが、いずれも深い郷土愛や真剣な生き方に裏打ちされた作品で、各部門とも個性豊かに、巧みに表現されている」と講評した。
 入賞作品は次の通り。(敬称略)
 【一般の部】▽最優秀賞=平良加代子(伊良部字国仲)「島づくりと人づくり」▽優秀賞=小川尚子(平良字東仲宗根)「旅立ち、そしてコーランの国へ」、国仲洋子(西原町字翁長)「宮古島からのメッセージ」▽佳作=中野隆作(城辺字友利)「ふるさとのアダンの増植を」、平良テル子(浦添市前田)「ふるさとを想う」
 【中・高校生の部】▽最優秀賞=真壁孝江(宮古高校一年)「今を生きる」、古波蔵倫(伊良部中二年)「当たり前のことが」▽優秀賞=謝敷富子(宮古高校二年)「私の身近なコミュニケーション」、伊志嶺龍麻(佐良浜中二年)「心を贈る」▽佳作=安良城翠(宮古高校一年)「ファミリー」、下地塁唯(同二年)「生きる勇気」、平良夏希(伊良部中二年)「花を植えることで」、仲宗根ひかる(同三年)「一歩一歩」

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キロ単価2千円、平年並み/マンゴーの収穫始まる

 二〇〇六年度の宮古産マンゴーの収穫が始まった。JAおきなわ宮古地区営農センターによると、現在のキロ単価は二千円と平年並み。収穫は七月上旬にピークを迎え、同月末ごろまで続く。
 宮古島市平良字狩俣の根間平行さんのビニールハウスでは、六日から収穫が始まった。
 今年のマンゴーは不作が伝えられるが、根間さんのハウスは徹底した栽培管理の成果が実り、豊作という。根間さんは「今年は寒い日が続き、温度管理が大変だった。しかし(苦労のかいあって)作柄は良く、今のところ値段も高い」と笑顔を見せる。
 宮古農政・農業改良普及センターの調査によると、〇六年度宮古産マンゴーの収穫予想量は百七十五d(五月現在)で、平年の三百dを大きく下回る厳しい状況となっている。不作の原因に気象条件や不均衡な栽培技術などを挙げるが、明確な原因は把握できていない。

 写真説明・赤く色付いた完熟マンゴーを収穫する根間さん=14日、平良狩俣
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7億5千万円の赤字/宮古島市05年度決算

 宮古島市(伊志嶺亮市長)の二〇〇五年度各会計ごとの歳入歳出決算状況(〇五年十月一日―〇六年三月三十一日)が十四日、定例の庁議で示された。一般会計の単年度収支は四千九十二万六千百五十七円の黒字を計上したが、国保や港湾、下水道など各特別会計の単年度収支状況はそれぞれ赤字で、旧市町村から引き継いだ累積の欠損額は膨らみ続けている。
 各会計の単年度収支を見るとプラスに転じているのは一般会計と介護保険特会(千四百四万三千三百三十九円)のみ。ほかの特別会計は▽国保が五百十九万二千八百六十五円▽港湾が六億四百二十六万九千三百十八円▽老保が四千八百二十万七千百四十四円▽公共下水道が一億五千三百四十五万二千八百四十三円―の赤字。全体の単年度収支は七億五千六百十五万二千六百七十四円の赤字となっている。
 旧市町村からの赤字を引き継ぎ累積が膨らみ続けている国保特会は「単年度収支は黒字に」との判断で一般会計から繰り出すなどして対応してきたが、医療費の伸びが見積もりより上がっていたことなどが影響し五百万円以上の赤字を計上している。財政課は「医療費の伸びに見合った税率が必要だ」と課題を分析した。港湾特会は「トゥリバーが売れれば、解決できる額だ」と強調。公共下水道特会は「一般会計からの繰り出しが必要とされているが、その一般会計そのものが苦しい現状がある」とした。

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合成樹脂が海洋汚染/餌と間違えウミガメが被害に

 世界のウミガメは七種類。このうち日本で産卵するのは、アカウミガメ、アオウミガメ、タイマイ(別名べっ甲ガメ)の三種類。母ガメの産卵シーズンは四―八月までの五カ月間といわれている。
 宮古近海では、すでに数多いウミガメが回遊しているようだ。だが、ウミガメにとって宮古の海も決して安全ではない。死んだウミガメが海に浮かんだり、海岸に打ち上げられたりする。宮古では、死亡したウミガメの本格的な実態調査が行われていないため、死亡数や死因などは不明だ。
 近年、宮古の海もビニール片やプラスチック粒(レジンペレット)の合成樹脂が漂流し、海洋汚染が進んでいる。遊泳するウミガメがビニール片をクラゲと見誤って飲み込むと、衰弱したり死亡するケースがある。ビニール片が消化できず、腸管がふさがれる腸閉塞の重い症状で苦しんで死ぬようだ。
 一方、レジンペレットはプラスチック原料の一つ。米粒のような楕円形や円筒形で直径二―七_ほど。色は乳白色、褐色、半透明などと多彩。
 ウミガメや魚類、海鳥は、レジンペレットが魚卵などに似ているため、餌と間違って飲み込む。ビニール片を飲み込んだ時と同じように死ぬケースが多いという。
 宮古の砂浜の一部では、過去に漂着したレジンペレットが確認されている。いったん砂浜に埋まると見つけるのが難しく、収集が容易ではない。しけの時の荒波で掘り起こされ、再び漂流する。
 ビニールやレジンペレットは有害物質ではないが、海に漂ったり、砂浜などに漂着したりすると、ウミガメや鳥などの生態系に与える影響が大きい。
 海や海岸に合成樹脂を不法投棄しないことが、ウミガメなどの犠牲を防ぐことにつながる。沖合から海岸に漂着した合成樹脂は早めの撤去が必要。レジンペレットは、外国から流れてきたと予想されている。      (伊良波彌)
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