200平成18  614 水曜日

離島の医師確保など協議/県地域医療対策協が発足

 【那覇支局】離島を含む地域医療の諸課題について検討・協議を行う「県地域医療対策協議会」(委員長・喜友名朝春県福祉保健部長)が十三日に発足し、第一回の会合が那覇市内のホテルで行われた。委員からは「宮古病院などは老朽化が進みハード面など設備の問題がある。医師を確保する観点からも医師が働きやすい環境の構築も必要」などの意見が出された。同協議会は今後、「県医師確保対策検討委員会」などの協議と連動しながら、地域医療の充実確保に向けた具体的な対策などについて協議していく。
 同協議会は県、各地区医師会、琉球大学、自治体で構成され、宮古からは県立宮古病院の前院長で宮古地区医師会の恩河尚清氏も出席し、先島における医師確保など医療の充実を求めた。さらに各方面それぞれの立場からの活発な意見や県に対する要望なども出された。
 委員からは「宮古、八重山の県立病院は医師たちが協力して頑張っているが、施設の老朽化などハード面の物足りなさがある。医師を確保のためには医師が満足する環境を構築することも大切」「産婦人科医は多くが女性で、女性医師が働きやすい職場にすることも大切。そのためには産休、育休が取りやすい状況にするために、代替医師の確保も必要」などの意見が出された。
 また、恩河氏は「医師が離島に行くのは大変という前提で考えないでほしい。施設も設備も問題がある中で医師確保は難しい。沖縄本島並みの医療レベルを持った施設を先島に確保する必要がある」と指摘した。
 そのほか現在、琉球大学医学部が取り組んでいる離島医療人養成教育プログラムについても紹介され、宮古、八重山、久米島の三県公立病院で同大学の百二人の医学生が実習を行うことが報告された。宮古病院には今月十九日から七月二十九日の間に三十六人の医学生が離島医療実習を行うこととなっている。
 同プログラムについては、今後の課題として▽指導医ならびに研修医が確保された場合、離島病院で行う診療行為に伴う責任等のあり方▽卒前医学生の特典である奨学金等の工面―が示された。
 同協議会は、来年一月ごろに二回目の会合を開く予定で、早急に検討する事例がある場合は定例会議を繰り上げるか、定例会とは別途に行うこととなっている。                                  (垣花尚)

 写真説明・離島を含めた地域医療の充実や医師確保について活発な議論が展開された「県地域医療対策協議会」の第1回会合=13日、那覇市の沖縄レインボーホテル
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12億円目指し生産者大会/05年度農業粗生産額
多良間村、初の10億円突破

 【多良間村】多良間村(下地昌明村長)の二〇〇五年度農業粗生産額が初めて十億円を突破、前年度に比べて三億五千百六十九万二千円増の十一億四百五十九万二千円となった。反収が八・三dと大きな伸びを示したサトウキビや、高値安定が続く肉用牛競りの販売実績が全体の額をけん引した。十三日には粗生産額十二億円を目指す農業者生産者大会が村内で開かれ、大勢の農家が結集し、村のさらなる農業振興に向けて決意を新たにした。
 同村の〇五年度実績をみると、サトウキビは前期の不作分を取り戻す生産実績。反収(十e当たりの収量)が八・三dと前期の二倍になったほか収穫量も前期比一万d増の二万三千八百六十六dと好調だった。金額にすると四億九千六百十二万九千円の実績だ。
 そのサトウキビ以上に肉用牛の振興が進む多良間村。競りでは一頭平均価格が三十四万八千円と前期に比べ二万円増加している。売上高は五億一千八百六十六万六千円に達し、二年連続でサトウキビの生産額を上回る実績を残している。
 葉タバコの収穫量も前期に比べると十七dも増加。販売額は八千八十三万四千円だった。
 十三日の生産者大会で下地村長は「関係機関と生産者が力を結集し取り組んだ結果、村における農業生産販売額は十一億円を達成した」と生産農家らをたたえた。今後の振興策については「農業基盤の整備、農業用水の確保、防潮・暴風対策、地力の向上、機械化農業の推進に取り組まなければならない」と話した。
 この後、「農業生産販売額十二億円の早期必達を図る」とする大会決議を採択。さらに▽サトウキビの生産計画二万五千d、反収九d、糖度一五度▽肉用牛の販売額五億五千万円▽葉タバコの販売代金一億円▽カボチャ販売代金一千万円▽地下ダム・畜産配水施設の早期建設―などを明記したスローガンを採択した。
 引き続きサトウキビ栽培における春植え、株出し面積の拡大、肉用牛における一農家一頭の増頭運動、農業用水の確保や農地防風林の整備を推進することに加え、各種農業共済への加入を促進することを宣言した。
 各品目の代表者による決意表明の後、関係機関の代表が激励あいさつを述べた。最後は参加者全員でガンバロー三唱を行い、村内におけるさらなる農業振興に向けて結束を強めた。
 大会後は記念講演会がり、JAおきなわさとうきび対策本部の島袋正樹さんが講演し、基幹作物であるサトウキビ振興を呼び掛けた。

 写真説明・ガンバロー三唱を行い農業粗生産額12億円を誓う生産者ら=13日、多良間村中央公民館

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 きょうから6月定例会/宮古島市議会

 宮古島市議会(友利恵一議長)の六月定例会がきょう十四日、開会する。二十八日まで十五日間の会期。当局提出の三十九議案を審議する。一般質問は二十一、二十二、二十六、二十七日の四日間。各補正予算案をはじめ、市水道局と多良間村簡易水道事業の広域化をめぐる論戦が注目を集めそうだ。
 市当局が提出する議案は一般会計を含む補正予算案三件と▽市国民保護協議会条例▽市体験滞在交流施設条例の一部改正案▽県営土地改良事業分担金徴収条例の一部改正案▽伝統工芸品研究センター条例の全部を改正する案―など十三件の条例改正案。
 指定管理者の指定については▽池間島離島振興総合センター▽市農畜産処理加工施設▽宮古島海宝館▽自治公民館▽前里添多目的共同利用施設▽サシバリンクス伊良部▽民宿キャンプ村―など十七件が提出される。
 請願は海ブドウの生産拡大を求める一件を審議する予定。陳情は七件あり▽図書館、または児童館建設の誘致▽腰原15号線道路拡幅整備▽アメリカ産牛肉の輸入再開に関する意見書の提出▽マクラム通りの道路拡幅工事の早期着工▽市水道局と多良間村簡易水道事業の広域化協議―などを審議する。

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防犯灯設置など推進へ/宮古かぎすま安全なまちづくり推進協

 宮古かぎすま安全なまちづくり推進協議会(会長・伊志嶺亮宮古島市長)の会議が十三日、県宮古支庁で行われ、今年度事業計画などを確認した。昨年度は防犯ボランティア団体の結成促進などソフト面を重点推進したことに対し、今年度は公園などの整備・安全点検などハード面にシフトした活動を展開。民間企業と連携した防犯灯の設置などを推進する。
 今年度は、平良の東川根地区をモデル地区に設定し、活動装備品の優先支給や防犯灯設置などにより防犯活動促進、体制強化を図り、集落全体の意識向上を促して犯罪に強いまちづくりを目指す。また、「子ども安全・安心プロジェクト」として、各学校で安全教室を年間指導計画の中に位置付け、防犯教室や防犯避難訓練などを実施することを申し合わせた。
 企業協力による防犯灯の設置については、地域の事業者に設置費用の負担を依頼し、暗がりや危険な個所において企業名を張り付けた防犯灯を設置する取り組みを計画しており、地域との連携・協力の必要性が確認された。また、現在十団体の自主防犯ボランティア組織が活動する中、今月に同協議会が主催した「ちゅらうちなー安全・安心アカデミー」の修了者を中心に二倍の組織数まで拡大し、防犯に関する地域力アップを図ることなどが示された。
 このほか、同協議会の規約が一部改正された。

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レンタカー事故防ごう/事業者と宮古島署が連絡会議

 観光客の増加に伴って多発傾向にあるレンタカーの交通事故を防止しようと、二〇〇六年度レンタカー事業者等交通事故防止連絡会議が十三日、宮古島警察署で開かれた。宮古地区にあるレンタカー業者二十七者のうち、二十業者が出席。観光シーズンを迎える前に当たり、警察と連携を取って交通事故防止に取り組むことを確認した。
 昨年中における宮古圏域でのレンタカー物損事故は、百八十八件。全体の物損事故件数六百五十三件のうち約二九%の割合を占める。一方、レンタカーによる人身事故は十四件。全体の人身事故件数百二件のうち約一四%を占めており、昨年中に県内で発生したレンタカーが絡む人身事故三百十七件(全事故六千五百十九件)の約五%と比較しても、宮古圏域での交通事故は多発傾向にあるという。(物損事故の総計なし)
 会では、パワーポイントや配布資料を基に、宮古圏域で発生しているレンタカーが絡む交通事故について説明。同署交通課の伊波興二課長は、レンタカーの事故発生状況は▽出会い頭▽一時停止無視▽安全不確認―などが多く、観光スポット周辺での発生が多いと説明。観光客が増える夏場に発生件数が上がると指摘した上で「観光シーズンを迎える夏場は、レンタカーの稼働率が上がるにつれ事故の発生も懸念される。業者や警察も連携を取って、事故防止に努めよう」と呼び掛けた。
 冒頭、同署の比嘉文雄副署長は「観光客の交通手段としてそのほとんどがレンタカーを利用している。レンタカー利用率は約六割以上を占めており、それに比例してレンタカーによる事故も増加傾向にある。事故は運転する側の責任もあるが、車を貸し出す業者も責任の一端を担い、交通状況やルール順守の徹底を呼び掛け、観光客である運転手に注意喚起を促してほしい」とあいさつした。

 写真説明・レンタカーによる交通事故防止に取り組むことを確認した連絡会議=13日、宮古島警察署


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「1日が短かった」/宮高生徒・台湾ホームステイから帰島

 台湾台北市の姉妹校・台北市立復興高級中学校の生徒と五泊六日の日程で、ホームステイしながら交流した宮古高校の生徒が、十三日帰島した。滞在期間中は、復興中の卒業式でエイサーを披露。十三日には、復興中の生徒と一緒に授業を受けた。
 一行十七人(生徒十五人、引率教諭二人)は十三日午後の便で、宮古空港に到着した。
 解散式で池村曉男教頭は「台湾では地域の歴史や食文化、風俗などに触れ、ものの見方や考え方が開けたと思う。ホームステイでお世話になった家族との交流も続け、今後の人生を広げる糧にしてほしい」と、生徒たちを激励した。
 交流団のリーダー・友利文香さんは「毎日が楽しくて一日一日を短く感じた」と、さまざまな体験をした六日間を振り返った。
 引率した宮良里奈教諭は、生徒たちがエイサーを素晴らしく踊ったことや、台湾の生徒たちとスポーツやカラオケなどを通して交流したことを報告した。
 両校は一九九九年十二月に姉妹校締結。年ごとに互いに行き来し、ホームステイだけでなくスポーツや芸能文化でも交流を深めている。昨年は宮古高校で姉妹校締結五周年の祝賀会が盛大に行われた。

 写真説明・台湾でホームステイ交流し帰島した生徒たち=13日、宮古空港

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