200平成18  6 木曜日

広域化、4案軸に検討/多良間村水道事業
日本水道協が宮古島市に提案

 宮古島市水道局は七日までに、多良間村の簡易水道事業を広域化する具体案を伊志嶺亮市長に提示した。日本水道協会が提案したもので@市水道局が給水区域を拡張するA上水道事業としての企業団設置B上水道事業と簡易水道事業を合わせた企業団の設置C市水道局が村の簡易水道事業を第三者委託により受託する―の四案。広域化に向けては伊志嶺市長が一定の理解を示しているため、市はこの四案を軸に広域化を検討する方針だ。ただ「広域化しない」という案も残されており、質問の集中が予想される宮古島市議会六月定例会の審議が注目される。
 今回の広域化案は多良間村の簡易水道事業が年間二千五百万―三千万円の財源不足に陥っていることなどから浮上した。先月十一日には多良間村の下地昌明村長が伊志嶺市長と面談し、市水道局との広域化により「村民に安全で安心な水を供給できる」などと協力を求めている。さらに同二十九日には多良間村議会が臨時会を開き、広域化に関係する議案を全会一致で可決。これを受けて同三十一日には伊良皆光夫助役が再び伊志嶺市長に打診している。
 要請を受け宮古島市水道局が広域化に向けての具体案を調査。日本水道協会に協力を求め、今回四つの提案を受けた。七日には市水道局の職員が多良間村に出向き、村の水道事業の現状把握に努めている。
 市水道局が多良間村まで給水区域を拡張する@案については、企業団のように議会を設置できないため水道局幹部は「多良間村側の声が反映できないのではないか」などとしている。これを解消するにはA、B案で示された企業団の設置が理想的だという。
 ただ、広域化を進めていく上で村側の利点は見えるが、市側のメリットが不透明のままだ。合併前から広域化の話は出ていたとされ、安全な水を村民に提供するという点では伊志嶺市長も理解を示しているが、村の赤字運営である水道事業の広域化については不信感を持つ市民もいる。
 広域化に向けて示された具体案は、今月十四日に開会する市議会六月定例会の中で質疑が集中するものとみられる。友利恵一議長は「前向きに検討したい」と理解を示しているが、各議員の判断が注目を集めそうだ。
 多良間村によると特別会計で運営している同村の簡易水道事業の年間予算は約七千万円。一九九六年度に硬度処理を行う浄水施設を整備しているが、多額なランニングコスト(年間約千四百万―千五百万円)などの影響を受けて厳しい運営を強いられている。
 現在は特別会計だけで運営できない状況が続いており、ここ数年は一般会計から二千五百万―三千万円を繰り入れて対応している。こうした財政負担を軽減させることも広域化を求める要因とみられる。           (山下誠)

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3年後の目標91.8%/住民税徴収率全国平均上回り設定

 二〇〇六年度宮古地区個人住民税徴収対策協議会の定期総会が七日、県宮古支庁で行われた。今年度予算案など四議案を審議し、原案通り承認した。宮古島市の個人住民税徴収率の目標は今年度から〇八年度までの三年間で、全国平均(九一・二%)を上回る九一・八%に設定された。役員改選では会長に下地学(宮古島市助役)が選任された。任期は二年間。
 同会は、県と市町村が「税の公平の確保」「納税秩序の確立」「自主納税の推進」を基本理念の下、連携して住民税の滞納整理に取り組み、自主財源の確立に資することが目的。
 宮古島市の徴収率は、〇二年度実績が八九・二%(合併五市町村平均)、〇三年度実績が八八・六%(同)と〇・六ポイント減少したが、〇四年度実績で八九%(同)、〇五年度見込みでは九〇・五%と改善の兆しがみられる。
 一方、多良間村は〇二年度実績が九七・一%、〇三年度実績が九六・二%、〇四年度実績が九五・五%と全国平均をすでに上回っているが減少傾向に。〇五年度見込みでは九五・五%となっているが、三年後までに九六・一%に引き上げることが目標。
 承認されたのは▽本会会則の一部を改正する会則案▽本会役員選任案▽同年度事業計画案▽同年度予算案―の四議案。
 総会の冒頭、下地会長は「住民税の徴収は市民の理解、職員の努力で改善しているが、全県的には低い。厳しい状況の中だが住民税の徴収を進めていかなければならない。市民に納税の理解を求め、協議会の役割を十分に果たせるようにしましょう」と呼び掛けた。
 新役員は次の皆さん。
 【会長】下地学(宮古島市助役)【副会長】下地功(県宮古支庁県税課長)【監事】知念信雄(多良間村税務課長)

 写真説明・施設概要の説明を受ける委員ら=7日、漲水学園
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 土壌流出を防止しよう/景観、環境にも配慮

 次代へ残そう農地の恵み―。今年で十六年目を迎えた県設置の「土壌保全の日」のセレモニーが七日、宮古島市下地の下地第一地区で行われた。行政や農家の関係者ら総勢百人が参加。グリーンベルト(長さ四百b、幅五十a)に土壌流出防止や美しい景観を形成するアキノワスレグサなどを植栽したほか、タバコ畑三十eに緑肥となるソルゴーの種子をまいた。全員が土壌保全の大切さを再認識し、今後とも農業生産の向上と環境保全に取り組んでいくことに決意を新たにした。
 県の水質保全対策事業の一環で実施。県は、一九九○年に農家の農業生産活動の場から、土壌流出を未然に防止し、地力の維持を図る目的で、毎年六月の第一水曜日を「土壌保全の日」と定めた。
 セレモニーで、主催者を代表して県宮古支庁の兼城克夫支庁長(代読)は、今から約三百年前の琉球王府の首脳陣の一人、蔡温が取り組んだ農業政策を説明した上で「いま一度、先人たちが長い間培ってきた伝統の土づくりを考え、学ぶ必要性がある」と強調し、植栽や種まきに協力してくれた宮古島市や同地区の農家らに感謝の意を表した。
 同市の伊志嶺亮市長(代読)は「グリーンベルトを増やし、周辺に緑肥の多年植物を増やすことは、土壌流出防止の有効な方法。農業は宮古島市の基幹産業であり、農業を守り、改善していくことは重要な施策の一つ。今後とも農家の皆さんが安心して農業ができるよう鋭意努力したい」と述べた。
 この後、「土壌保全の日」にちなんだスローガンである▽グリーンベルトで土壌流出防止を図ろう▽緑肥により土づくり、景観形成に取り組もう▽有機物の投入により、土壌改良を図ろう―を全会一致で採択した。
 曇り空の下、参加者らは緑肥の種子をまき、アキノワスレグサとリュウノヒゲを丁寧に植え付けた。

 写真説明・アキノワスレグサなどを植栽した参加者ら=7日、宮古島市下地

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「平和の礎」に追加刻銘/」南静園32人、宮古地区28人
 

 【那覇支局】県文化環境部(伊佐嘉一郎部長)は七日、二〇〇六年度「平和の礎」追加刻銘の概要を発表した。それによると、今年度の追加刻銘者は五百八十八人で、その内訳は国内が五百八十六人(県内三百三十九人、県外二百四十七人)、外国二人(大韓民国二人)となっている。県出身者追加刻銘のうち、二百六十二人が宮古南静園と沖縄愛楽園が申告したハンセン病療養所での戦没者で、宮古南静園は今回、三十二人が刻銘されることとなった。また、そのほか宮古関係では宮古島市の二十七人と多良間村の一人が追加刻銘されることとなった。
 今年度の追加刻銘となる五百八十八人を加えた刻銘者数は、合計で二十四万三百八十三人となり、今年度の刻銘追加工事は今月二十二日までに終了する予定。
 二〇〇四年度から始まったハンセン病療養所での戦没者刻銘は、今回の追加刻銘で宮古南静園が合計九十五人、沖縄愛楽園が二百八十七人となっている。年度別の刻銘は、〇四年度が南静園五十六人、愛楽園五十五人、〇五年度が南静園七人、愛楽園二人。今年度が南静園三十二人、愛楽園二百三十人となっている。
 そのほか、宮古関係の追加刻銘の内訳は、平良が十五人、城辺が四人、伊良部七人、下地一人、上野なし、多良間村一人となっている。
 追加を含めた刻銘者数は、平良が千四百九十六人、城辺が五百八十五人、伊良部が四百八十七人、下地が四百九十一人、上野が百九十人、多良間村が百六十七人となっている。
 県外の追加刻銘二百四十七人の内訳は、神風特別攻撃隊の百四十六人が最も多く、戦艦大和の乗組員が二十一人などとなっている。
 今年度追加分を含めた刻銘者数は、県内が十四万九千三十五人、県外都道府県が七万六千七百九十六人で国内の合計は二十二万五千八百三十一人となった。
 外国は、米国が一万四千八人、英国が八十二人、台湾が三十四人、朝鮮民主主義人民共和国が八十二人、大韓民国が三百四十六人で、合計は一万四千五百五十二人となっている。(垣花尚)

 
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共進会好成績者を表彰/宮古和牛改良組合総代会

 宮古和牛改良組合(砂川博一組合長)の第二十六回通常総代会が六日、JAおきなわ宮古地区事業本部大ホールで行われた。議案審議の後、二〇〇五年度子牛共進会などで好成績を収めた組合員を表彰した。
 被表彰者は次の皆さん。(敬称略)
 【子牛共進会の部六月期・第一類】▽優等賞=新城武男(新城)▽一等一席=砂川博信(入江)▽一等二席=新城健(新城)▽二等一席=上地正夫(西里)▽二等二席=瑞慶覧博利(皆福)▽二等三席=上地賢俊(大嶺)【同・第二類】▽優等賞=松原清英(吉田)▽一等一席=砂川武英(砂川)▽一等二席=荷川取繁(高千穂)▽二等一席=吉本光金(西里)▽二等二席=与那覇勝利(野原)▽二等三席=狩俣栄助(高田)【同・第三類】▽優等賞=新城健(新城)▽一等一席=伊山和吉(島尻)▽一等二席=下里邦男(入江)▽二等一席=友利ハル(野原)▽二等二席=有限会社大海(大嶺)▽二等三席=松川光雄(上区)【同・第四類】▽優等賞=根間貞勝(大浦)▽一等一席=仲宗根玄俊(東添)▽一等二席=松原清英(吉田)▽二等一席=荷川取広明(高千穂)▽二等二席=伊山和吉(島尻)▽二等三席=輿座明良(西里)【同・第五類】▽優等賞=狩俣金三(西仲)▽一等一席=平良景信(下里)▽一等二席=上地博通(大嶺)▽二等一席=砂川寛長(高田)▽二等二席=長浜弘一(吉田)▽二等三席=恩川政徳(高千穂)【同・第六類】▽優等賞=伊山和吉(島尻)▽一等一席=松川孝徳(西東)▽一等二席=西里源光(東添)▽二等一席=与那覇弘(上区)【子牛共進会の部十二月期・第一類】▽優等賞=上原健男(新城)▽一等一席=与那覇勝利(野原)▽一等二席=伊良部平三(吉田)▽二等一席=西里盛男(長中)▽二等二席=恩川政徳(高千穂)▽二等三席=下地正吉(高田)【同・第二類】▽優等賞=西里研一郎(吉田)▽一等一席=砂川芳一(上野)▽一等二席=与那覇誠亮(上野)▽二等一席=下地正吉(高田)▽二等二席=川平勝秋(上地)▽二等三席=仲宗根玄徳(宮積)【同・第三類】▽優等賞=長浜弘一(吉田)▽一等一席=砂川玄一(吉田)▽一等二席=新城健(新城)▽二等一席=新里仁栄(新里)▽二等二席=砂川忠三(大浦)▽二等三席=荷川取明増(高千穂)【同・第四類】▽優等賞=平良恵俊(福北)▽一等一席=本永博道(仲原)▽一等二席=与那覇勝利(野原)▽二等一席=渡真利弓子(新里)▽二等二席=狩俣光男(上区)▽二等三席=川満稔(嘉手刈)【同・第五類】▽優等賞=砂川武英(砂川)▽一等一席=奥原金一(富名腰)▽一等二席=佐久田寛勇(宮積)▽二等一席=有限会社大海(大嶺)▽二等二席=上地信徳(大嶺)▽二等三席=平良武則(宮国)【同・第六類】▽優等賞=砂川隆男(西中)▽一等一席=新里仁栄(新里)▽一等二席=石川英幸(富名腰)【優良子牛生産奨励賞・最高価格の部(去勢)】▽四月=砂川光雄(福東)▽五月=下地正吉(高田)▽六月=上地豪一(大嶺)▽七月=池原正孝(上区)▽八月=有限会社大海(大嶺)▽九月=新城武男(新城)▽十月=宮城吉廣(入江)▽十一月=池原恵徳(下北)▽十二月=平良朝亮(福北)▽一月=砂川恵一(大嶺)▽二月=砂川安英(砂川)、川満広士(入江)▽三月=下地文男(上地)【和牛改良組合長賞・六月期】▽第三類=新城健(新城)【同・十二月期】▽第三類=長浜弘一(吉田)【肉用牛振興功労賞】▽川満光三(高千穂)

 写真説明・子牛共進会などで好成績を収めた組合員らが表彰を受けた=6日、JAおきなわ

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少子・高齢化の現状視察/施策充実へ県議会特別委員会

 県議会の少子・高齢対策特別委員会(吉田勝廣委員長)は七日、宮古島市役所で、同市の少子・高齢対策について市当局から説明を受け、児童養護施設・知的障害児施設「漲水学園」と介護老人福祉施設「宮古厚生園」を視察した。県内各地区の少子・高齢化の現状を認識するとともに課題解決に向けた取り組みを把握し、県の施策充実に役立てる。きょう八日は多良間村、あす九日は石垣市を視察する予定。
 市側は、「市次世代育成支援行動計画」、「市高齢者保健福祉計画並びに第三期介護保険事業計画」の概要を説明。
 赤嶺昇委員は、国が「新型交付税」を導入した場合の少子化対策について質問。これに対し池村直記福祉保健部長は「困惑している現状で、具体策はまだ見えていない」と率直に話した上で「宮古島市は、職が少ないなどの理由で若い世代が定着しない問題が大きい。子育て支援を手厚くすることで若い人が暮らしやすい環境をつくりたい」と述べた。
 漲水学園の視察では、本村博昭施設長らが児童処遇を説明した上で、施設の老朽化による生活環境の悪化を強調。これまで部分的な補修が行われてきたものの、居室は県内でも唯一の四人部屋で近代性とはほど遠い現実を説明した。
 委員は次の皆さん(敬称略)。
 【委員長】吉田勝廣(県民の会)【副委員長】上原章(公明党・県民会議)【委員】砂川佳一(自由民主党)▽安里進(同)▽池間淳(同)▽仲里利信(同)▽狩俣信子(護憲ネットワーク)▽当銘勝雄(同)▽平良長政(同)▽糸洲朝則(公明党・県民会議)▽奥平一夫(沖縄社会大衆党・結の会連合)▽赤嶺昇(維新の会)▽前田政明(日本共産党)
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