宮古地区における二〇〇五年度公共事業投資額(概算)は、前年度に比べ三十七億九千六百二十五万二千円減少の二百四十一億三千百三十万四千円で、ピークの一九九六年度(四百六十八億九百二十九万一千円)の約半分にまで落ち込んでいることが県宮古支庁のまとめで分かった。目立った公共工事がなかったことが要因とみられる。右肩上がりで増加を続ける観光収入は同年度、二百五十億三千五百二十八万六千円で、公共事業投資額が観光収入に逆転される結果となった。
公共事業投資額は宮古地区における国、県、市町村、関係機関の当初予算を合算したもので工事費ほか委託費、用地費、補償費も含まれる。
事業別に投資額と構成比を見ると、最も多いのは農業基盤整備事業の六十九億七千七百九十六万七千円(構成比二八・九%)。次いで港湾整備事業関係の四十七億四千八百六十三万一千円(同一九・七%)、道路整備事業関係の三十七億九千九百三十一万八千円(同一五・七%)、都市下水路公園整備街路事業関係の二十八億五千二十三万五千円(同一一・八%)と続いている。
前年度との増減率で見ると、主な項目で減少率が大きかったのは住宅整備事業関係で前年度比五〇・二%減の五億二千三百五十万七千円。空港整備事業関連で前年度比五〇%減の三千三百六十六万六千円。農業基盤整備事業関係も減少率では三六・三%減と高かった。
一方で増加率が高かったのは、農業に関する施設整備事業関係の一九・二%増、道路整備事業関係の一六・三%増、港湾整備事業関係の一一・七%増などとなっている。
宮古地区における公共工事投資額は一九九六年度までは地下ダム関連工事などで上昇の一途をたどり、同年度は四百六十八億九百二十万円でピークを迎えた。
しかし九七、九八年度は二年連続で減少。九九、二〇〇〇年度でいったんは増加したものの、〇一年度以降は〇二年度に微増となったほかは減少傾向で、〇四年度に初めて三百億円を切る二百七十九億二千七百五十五万六千円となり、〇五年度はそれをさらに下回った。
県建設業協会宮古支部の親泊秀人事務局長は「道路整備が進み、港湾関係もほぼ済んでいる。〇五年度は大きな事業がなかったので予想はしていた」とコメント。「〇六年度は養護学校の改築工事や伊良部架橋が入ってくる。また、電線類地中化工事も入ってくれば本年度は盛り返してくるのではないか」と先行きを語った。また、調査に入っている地下ダムの第二期工事の動向にも期待を込めた。 (砂川拓也)
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