200平成18  6 土曜日

「地域住民の合意得られない」
宮農・翔南再編統合1年先送り

 県教育庁と県教育委員会は二日、県庁で会合を開き、県立宮古農林高校と同翔南高校の再編統合問題について協議した結果、同庁側は「地域住民のコンセンサス(合意)が得られない」と判断し「来年四月開校予定の県立宮古総合実業高校(仮称)は一年先送りする」と決定した。今月開かれる県議会へ上程する予定だった両校統合に関しての条例の一部改正(案)は、事実上、断念した。
 県教育委員会は、県立高校編成整備計画で、県立宮古農林高校と同翔南高校を再編統合し「県立宮古総合実業高校(仮称)」を新設。二○○七年四月の開校を目指していた。
 地域住民のコンセンサスを得るため今月一日、宮古農林高校の体育館で地域説明会を初めて開いた。会場には両校の同窓会や教育関係者ら多数が出席。
 男性の一人は「平成十四年から宮古農林高校と翔南高校の再編統合は進められていたとしているが、地域の皆さんは聞いたことがない。三年間も説明会も開かず、きょうの説明会で県側は『再編統合しますから』ということは、離島・地域住民の軽視だ」と怒りをぶつけた。別の男性は「両校とも宮古の第一次産業の人材育成に寄与している。再編統合すると人材育成ができない。統合反対だ」と語気を荒げた。
 その後も再編統合への反対の意見が続出し、会場には怒号も飛んだりしていた。
 教育委員会側は「地域の声を聞いて判断したい。再編統合は、見切り発車で進めるものではない」と重ねて強調し、柔軟な姿勢で対応していく姿勢を示した。
 説明会を受け、県庁で開かれた会合では、「今後とも地域説明会を開いて、宮古の地域の皆さんの理解を求めていきたい」との意見で一致した。
 同計画では「宮古地域では、少子化に伴う学級減のために、学校の活力低下を懸念。このため両校を再編統合し、教育課程の弾力的編成および生徒同士の切磋琢磨を図る必要がある」としている。
 教育内容は、他学科の科目も選択できる総合選択制の導入で、農業系と水産系の科目の融合を図る。また福祉分野および情報信分野などの教科科目を新たに設置する計画。(伊良波彌)

 写真説明・再編統合への反対の声が続出した説明会=1日、宮古農林高校体育館

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家庭ごみ有料化へ/宮古島市・07年度スタートを検討

 ごみの減量化を推進するため、宮古島市(伊志嶺亮市長)が家庭ごみの有料化に向けて本格検討を始めている。市の行政改革専門部会、同幹事会で具体案の作成に取り掛かっており、市民委員会に諮りながら二〇〇七年度にもスタートさせたい方針だ。ただ、行革幹事会では「有料化することが決まれば、今年度内でも実施していきたい」との意向もあり、早ければ〇六年度中に有料化される可能性もある。料金設定など具体的な有料化体系は今後詰める。
 家庭ごみの有料化については旧平良市が実施を検討してきたが、市町村合併論議に入ったため事実上先送りされた重要な案件。この経緯を踏まえ宮古島市は今年に入って課長級以下の職員で構成する行革専門部会、課長級職員で構成する行革幹事会の中で協議した。
 この結果、両組織ともに有料化に対し特に異論はないことで一致。実施の時期については専門部会が〇七年度、幹事会の中では〇六年度実施を支持する声もある。
 幹事会は今後、福祉保健部と料金体系などの調整に入り、具体的な有料化案を行革本部に提出する。それを市民で構成する推進委員会に諮り最終判断を下す。
 行革の幹事長を務める宮川耕次総務部長は「市民負担につながるが、ごみ問題を考えることは非常に重要なこと。減量化を推進する上でも実施していきたい」と話し、減量化によるリサイクル意識の向上、有料化に伴う自主財源比率の向上に期待を込めた。
 有料化体系については宮古島市専用のごみ袋を市民が購入し、それを市が収集する方法などを検討しているようだ。有料化を導入したい市だが、これを最終的に決定する行革推進委員会の判断が注目される。

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巨大クロマグロ揚がる 重さ280`

 宮古島近海で取れた巨大クロマグロ(本マグロ)が二日午前、平良市漁業協同組合に水揚げされた。訪れた見物人らは「でかい。すごいマグロだ」と興奮気味の声を上げていた。
 ずんぐり太ったクロマグロは重さが約二百八十`、全長二b余り。大分県津久見市のマグロはえ縄漁船「第八まつ丸」が水揚げした。
 船倉に保存されていた巨大マグロは、ウインチと船員らの力で引き揚げられた。巨体が現れた瞬間、見物人の中には「ドラム缶のようだ」と目を丸くする人もいた。
 クロマグロ数匹は、この日のうちに本土の競り市場へ送られた。
 漁船の関係者の一人は「競り市では、本マグロのキロ単価はピンからキリまで。今の相場ではキロ単価六千円から七千円を期待している」と語った。巨大クロマグロが仮にキロ単価七千円で競り落とされた場合は百九十六万円となる。

 写真説明・宮古島近海で取れたクロマグロ=2日、平良市漁協

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漁民らトリプルパンチ
A重油値上げ、魚価低迷、水揚げ不振

 原油価格の高騰で、石油元売り大手各社が船舶用のA重油の卸価格を引き上げたことを受け、平良市漁業協同組合(上原正行組合長)と伊良部町漁業協同組合(奥原隆治組合長)が取り扱うA重油が二日までに大幅に値上がっていたことが分かった。A重油一g当たりの値上げでは、平良市漁協が五円、伊良部町漁協が四円。漁民らは燃油負担増、魚価低迷、水揚げ量の不振のトリプルパンチを受け悲鳴を上げている。
 A重油値上げに伴い、平良市漁協が値上げ前の七十円から七十五円、伊良部町漁協が値上げ前の七十六円から八十円の新価格にそれぞれ改正した。ただ、平良市漁協の場合は、現金支払いの積み込みに限り七十三円とした。
 新価格と昨年一月の旧価格を比較すると、平良市漁協の新価格は旧価格五十五円から一・三倍、伊良部町漁協の新価格は旧価格五六・七円から一・四倍に高騰した。
 一方、軽油については、平良市漁協は七円値上げし、値上げ前の百十円から百十七円に改正。伊良部町漁協は軽油は扱っていない。
 上原組合長は「原油高騰の影響で、漁師の生活は大変。これからテグスや船舶用塗料、魚介類を入れるビニール類なども値上げしてくる。どうしようもない」と表情を曇らせた。
 平良市漁協組合員の漁師の一人は「一回の操業に使う経費は二万円。経費負担が大きいので、出漁回数を減らしたい」と落胆の表情を見せた。
 一方、伊良部町漁協組合員の漁師の一人は「沖合にあるパヤオ(浮魚礁)で一回操業するには、二万円から三万円の経費がかかる。燃油高騰は生活を直撃した」と話し肩を落とした。


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當眞さんV全国大会へ/新里君は3位で九州へ
 

 五月二十八日に糸満市で開催された県高校総合体育大会カヌー競技で、県立翔南高校(新崎直昌校長)のカヌー部に所属する當眞希望さん(二年)がカヤックシングル女子の二百b、五百bでともに優勝し全国大会と九州大会に出場が決まった。新里拓人君(同)はカナディアンシングル男子の二百b、五百bでともに三位に入り九州大会に出場を決め、二日、同校で喜びの報告を行った。當眞さんは「県大会より記録を伸ばしたい」と意気込みを語った。同競技は縦七b、横五十五aのカヌーに乗り、カヤックは両こぎ、カナディアンは片手こぎで順位を争う。
 當眞さんはもともとマネージャーとして入部し、昨年九月から競技を始めたという。大会には今回が初出場で二百bで1分31秒83、五百bで3分13秒33のタイムでゴール。「練習した成果が大会で出てうれしい」と白い歯をこぼし、「五百bであと30秒タイムを縮めたい」と意欲を見せた。
 新里君は昨年四月に入部。二百bでは1分25秒26、五百bでは3分6秒91の記録。五百bでは二位の選手とわずかな差で「県大会で勝てなかった二位の選手を抜けるように頑張りたい」と抱負を語った。
 指導する伊舎堂英樹顧問は「九州や全国はレベルが高いので大会に向けて強化したい」と話した。
 また、新崎校長は「コツコツと練習を重ねてきたことが良い成績につながった。カヌーはマイナーな競技。二人の活躍で競技人口を増やしてもらいたい」と激励した。
 第二十二回全国高校カヌー選手権大会は八月五日、山梨県で開幕。また、第三回全九州高校カヌー競技は今月二十三日、熊本県で開催される。

 写真説明・カヤックシングル女子で優勝した當眞さん(右)、カナディアンシングルで3位の新里君=2日、翔南高校
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委員長に仲宗根將二さん/学識経験者13人に委嘱状
市史編さん委員会

 

 宮古島市史編さん委員の委嘱状・辞令交付式が一日、平良庁舎で行われ、同市教育委員会の濱川隆教育委員長が学識経験者十三人に委嘱状、同市職員五人に辞令をそれぞれ交付した。任期は二年。役員選出で新委員長に仲宗根將二さん、新副委員長に石垣義夫さんを全会一致で互選した。
 濱川教育委員長は「大変な仕事だと思うが、健康に留意されて市史編さんに頑張ってください」とあいさつ。仲宗根委員長は、所要で欠席。石垣副委員長は「皆さんと和を持って、仕事ができれば」と語った。
 第一回委員会が開かれ、通史編と資料編の案について意見を交わした。市史編さん委員は次の通り。(敬称略)
 【学識経験者】▽委員長=仲宗根將二(前平良市史編さん委員長)▽副委員長=石垣義夫(同編さん委員)▽石原信一(同)▽岡本恵昭(同)▽砂川幸夫(同)▽本永清(同)▽平良勝保(前城辺町史編さん委員)▽豊見山和行(琉球大学教授)▽来間泰男(沖縄国際大学教授)▽波平勇夫(同)▽小禄恵良(元教員)▽佐渡山政子(元新聞記者)
 【市職員】▽宮川耕次(総務部長)▽長浜幸男(教育部長)▽砂川玄正(図書館長)▽砂川明(秘書広報課長)▽下地和宏(総合博物館長)

 写真説明・濱川教育委員長(左)が委嘱状・辞令を交付した=1日、平良庁舎

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