200平成18  531 水曜日

各地でハーリー 勇壮に爬龍舟(はりゅうせん)競漕
航海安全と豊漁祈願

 海神に航海安全と豊漁を願う漁村の伝統行事ハーリー(海神祭)が「ユッカヌヒー(旧暦五月四日)」に当たる三十日、宮古各地の漁港などで行われた。メーンイベントの一つ爬龍(はりゅう)舟競漕(きょうそう)ではデッドヒートが展開され、大勢の観客らは応援合戦で熱狂した。各漁船には鮮やかな大漁旗が掲げられ終日、祭りムード一色となった。

 曇り空の下、涼しい海風が吹き渡る中、爬龍舟競漕のこぎ手たちは「ゴーヘイ、ゴーヘイ」の掛け声に合わせ、力強いかいさばきを披露。一喜一憂のレース展開に、観客らはかれんばかりの声援を送った。
 屈強な若者たちが爬龍舟に乗り込み、スタートの合図とともに激しいレースを披露。海水をかき上げるようにこぐと、こぎ手らは水しぶきを浴びてびしょ濡れ。目を閉じることもなく、さわかな表情でゴールした。
 会場では、奉納相撲や獅子舞なども披露され大にぎわい。地元の人や観光客らも訪れて伝統行事を楽しんでいた。(伊良波彌)

 写真説明・若者たちが航海安全や豊漁を祈願しながら激しいレースを展開した爬龍舟競漕=30日、久松漁港
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環境賞℃賞を喜ぶ/トゥリバー地区
平良港湾事務所が市に報告

 「二〇〇五年度土木学会環境賞(Uグループ)」(主催・同学会)に、宮古島市の「平良港トゥリバー地区の自然海岸の保全・活用とサンゴ移植による環境創造」プロジェクトが、県内で初めて選ばれたことを受け、表彰式に出席した沖縄総合事務局平良港湾事務所の栗田一昭所長は三十日、伊志嶺亮市長に受賞を報告した。トロフィーを手にした伊志嶺市長は「今後の同地区の利活用にますます弾みが出るものと喜んでいる。今後も国と協力しながら、賞に恥じない整備を進めていきたい」と述べた。
 同地区の整備は、宮古島市と沖縄総合事務局平良港湾事務所が事業主体。海岸から切り離された総面積三十二fの埋め立て地で、既存の海岸線と埋め立て地の間に水路を設ける「出島方式」で整備された。
 東京での表彰式に出席し、表彰状とトロフィーを手に報告に訪れた栗田所長は「権威ある組織からの賞であり、非常に光栄。今後も自然環境を大切にしながら、整備を進めたい」と話した。
 自然環境の保全・創造の取り組みとして、▽出島方式による自然海岸の保全▽サンゴ移植による自然環境の保全・創出▽自然石の使用によるサンゴなどの着床促進▽人工海浜による藻場の再生―を実施している。また、自然環境の活用として、水路を利用し観光客や地元小学生を対象にしたシーカヤックによる自然体験学習なども行っている。

 写真説明・受賞を報告した栗田所長(左)と共に受賞を喜ぶ伊志嶺市長=30日、宮古島市役所
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宮古04年度 不法投棄は県内最多/24カ所、県全体の1/3
防止連絡協が実態調査

 【那覇支局】県産業廃棄物不法処理防止連絡協議会(会長・上間仁県文化環境部環境企画統括監)の二〇〇六年度第一回会合が三十日、県庁で行われた。その中で示された「〇四年度不法投棄実態調査報告書」によると、県内の六保健所管内で宮古保健所管内が最も不法投棄が多く、県全体の約三分の一を占めていることが分かった。同年度の不法投棄発生場所は六十九カ所で、そのうち宮古は二十四カ所。また、数量は産業廃棄物が二千七百七十九d、一般廃棄物が三千六百八十三dで合計は六千四百六十二dとなっている。

 宮古地区二十四カ所の不法投棄発生場所の内訳は、旧城辺町が五カ所、旧下地町が六カ所、旧上野村が四カ所、旧伊良部町が九カ所となっている。
 旧城辺町の不法投棄の状況は、発生場所がすべて「河川敷・海岸」で、産業廃棄物と一般廃棄物が混ざって投棄されている。
 旧下地町の発生地点は「原野」「保安林」で、六カ所すべてが産業廃棄物の不法投棄となっている。
 旧上野村は、発生地点が「原野」「河川敷・海岸」で、産業廃棄物を中心に一部ではカットされたサトウキビなど一般廃棄物も確認されている。
 宮古地区の中で最も発生件数が多かった旧伊良部町は、九カ所とも家電、空き缶、粗大ごみなど一般廃棄物の不法投棄となっている。
 宮古地区二十四カ所の不法投棄においては、すべて不法投棄行為者は不明となっている。
 県文化環境部では「投棄行為者の不明が多く今後、行為者の判明に努めたい。また、数量についても判断しにくい部分もあり、おおよその数値となっている」と説明した。
 また、〇四年度の県内における行政指導等状況は、勧告二十三件、改善命令三件、措置命令二件、告発二件となっており、告発の一件は旧平良市の自動車廃棄物収集事業者による自動車リサイクル法違反となっている。
 同協議会の会合では、本年度の「廃棄物不法投棄等県内一斉パトロール」の実施計画案も承認された。
 計画では、宮古を含む県内一円で六月十五日にパトロールを実施し、第十一管区海上保安本部および県警のヘリコプターによるスカイパトロールのほか、関係機関が合同で、投棄された廃棄物から投棄者を特定することを念頭に置いた調査などを行うとしている。
 そのほか、今後の推進予定としては▽市町村職員併任による産業廃棄物処理施設への立ち入り▽廃棄物の不法処理防止ネットワーク会議の設置▽産業廃棄物税の財源を活用した監視カメラ導入による監視体制強化―が示された。(垣花尚)
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マクラム通り拡幅要請/宮古島市「早急に対応したい」
通り会

 マクラム通り会(奥平弘会長)は三十日、宮古島市役所に伊志嶺亮市長らを訪ね、県道243号線(通称・マクラム通り区間)の道路拡幅工事の早期着工を要請した。同会が求めているのは、北給油所前交差点からサンエーカママヒルズ前交差点までの約九百二十bの区間。伊志嶺亮市長は「国道から県道に格下げし、県も対応するということで条件整備は進んでいるが、(兼ね合いとなる)大原地区土地区画整理事業がまだ十分な進ちょくにない状況でご期待に沿えていないのは申し訳なく思う。要請書の通り、誠心誠意、早急に対応したいと思っている」と述べた。
 同会が拡幅を求めている区間は、道路拡幅を制限する大原区画整理地区に指定されているため調整が必要となっており、拡幅事業の見通しが立っていない。要請書は「道路幅員が九bと狭い上、歩道の設置がないため車両の流れが悪く、交通事故の危険性も放置できない状態にあり、特に子供や高齢者の安全確保は急務」と指摘。「看過できない重要な行政課題」として、早急な着工を強く求めている。
 同席した平良富男建設部長は、「県の土木建築課との話で、大原地区土地区画整理事業と重なっていない部分を第一工区、そうでない部分を第二工区として進める方法もあるという説明もあった」とし、県の事業採択に期待を込めた。
 また、市都市計画課の長崎富夫課長は「要請の区間と重なっている大原地区土地区画整理事業の第二工区について今年度、調査を実施する。第二工区の事業を、防災上の問題がある地域は進めるのか、完全にやめるのか、このまま進めるのかを調査し、今年度中に方向付けをしたい」と説明し、理解を求めた。
 同会は市長あてのほか、平良部長、長崎課長と、宮古島市議会の友利恵一議長あての要請書を用意し、それぞれに手渡した。

 写真説明・伊志嶺市長(右)に要請書を手渡す奥平会長=30日、宮古島市役所庁
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総合選択制が特徴/宮古総合実業高校(仮称)
県教育庁 あす基本計画を説明

 県立宮古農林高校と県立翔南高校を再編統合して二〇〇七年度に設置する宮古総合実業高等学校(仮称)の概要が、このほど県教育庁が策定した基本計画で明らかになった。学科の枠を超えて他学科の教科・科目を学べる総合選択制の導入などが特徴。県教育庁は、六月一日午後六時から宮古農林高校体育館で説明会を開き、同基本計画の内容や、取り組みの経緯を説明する。
 両校の再編統合は、〇二年に策定された県立高等学校編成整備計画に基づいて進められる。
 再編の理由に▽地域の実態に即した産業人材の育成▽新事業の創出や高度な経営・技術に対応できる産業人の育成▽少子化に伴う学級減による学校の活力低下の懸念―などを挙げる。
 学科は農林高校の生物生産、環境工学、生活福祉と、翔南高校の海洋科学、食品科学、商業の六学科を継続。一学年の定員は二百四十人で、現在(農林高校百二十人、翔南高校百二十人)と変わらない。
 教育課程編成方針は▽総合選択制の二年次からの導入▽学科の枠を超えた農業系、商業系、水産系などを複合させた新しい教科・科目の設置▽福祉や情報に関する科目の設置―などを示している。
 両校共に創立六十周年の長い歴史を持つ伝統校。卒業生の中には、母校の存続を望む人も多いという。あるOBからは「今回の再編統合は、両校が近いので『取りあえず』という考えが見える。再編計画では、将来的に工業高校の統合も視野に入れているが、そうではなく、例えば商工、農林水産の二分野にきちっと再編するなど、計画は改めて見直した方が良いと思う。それと、両校の間を通る道路をどうするか、生徒職員の安全のためにも、解決策は必要」と指摘もあった。
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松原さんに勲章と勲記/県庁で伝達式
教育振興への尽力たたえ

 【那覇支局】二〇〇六年春の叙勲伝達式が三十日、県庁で行われ、元公立小学校長で瑞宝双光章(教育功労)を受章した松原清吉さんゥー=平良字下里=のほか二人に仲宗根用英県教育長から勲章と勲記が手渡された。
 松原さんは一九五四年琉球大学を卒業後、すぐに知念高等学校教諭として採用され、宮古連合区教育委員会指導主事、宮古教育事務所指導主事を経て、九一年に平良第一小学校で定年退職を迎えるまでの三十七年間にわたり宮古の教育振興に尽力した。
 仲宗根教育長は「これまで本県の教育振興に尽力していただき感謝します。今後も健康に留意され、後輩の指導育成に努めていただきたい」と激励した。
 松原さんは「(受章は)身に余る光栄。現在は、宮古毎日新聞社の編集局顧問として青少年健全育成などの文化事業に励んでいる。今後も青少年の健全育成のために役立てるよう精進したい」と受章を喜んだ。(川満勇人)

 写真説明・仲宗根教育長(右)から伝達して勲章が手渡され喜ぶ松原さん=30日、県庁
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