2006年(平成18年)
5月29日 月曜日
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偏見ない社会づくりへ/南静園で記念集会
らい予防法廃止10年、国賠訴訟判決5年
次世代層をけん引役に
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ハンセン病の歴史後世に/南静園将来構想で意見交換会
二十八日に宮古南静園で開催された「らい予防法」廃止十周年、ハンセン病国家賠償訴訟熊本地裁判決五周年「記念集会」(主催・同実行委員会)で、子供から大人まで八人の出席者による「共に生きる社会を目指して」と題した意見交換会が行われた。在園者と地域住民双方で施設を有効活用するとともに、ハンセン病の歴史を後世に残す南静園の将来構想問題についての提案など、活発な意見が交わされた。
出席者は、宮古島市の伊志嶺亮市長、宮古高校の知念勝美教諭、「ムツウサの会(宮古退所者の会)」の秋山昇副会長、宮古原告団の野原忠雄さん、全日本国立医療労働組合南静園支部の島尻敏雄支部長、城辺中学校二年の平安山佳晃君、宮古高校二年の与那覇賢美さん、南静園入園者自治会の宮里光雄会長の八人。司会は「ムツウサの会」の知念正勝会長が務めた。
伊志嶺市長は「国は、最後の一人まで入所者の在園生活を保障すると言っているが、現在の医療体制が崩れていく可能性は高い」と危機感を示し「宮古最大の産業は観光。南静園は、日本最大の長期滞在型保養地として冬場の来島者を受け入れ、宮古病院などではできない健康チェック機能で価値を高めたい」と提案。
宮里自治会長は「将来構想の整備について国の動きを待っているのでは実現性が低い。負担すべきところは地域で負担し、地域に役立つ施設に生まれ変わらせるべき」と、地元主導型の推進体制を提唱した。
また、一般参加者の発言の中で、過去に感じたハンセン病に対する恐怖心はぬぐい切れないとして「すべての在園者亡き後は、施設そのものを廃絶する方向で検討してはどうか。その方が精神的にもさっぱりする」との意見があった。これに対し宮里会長は「入所者がゼロになった後のことは今は考えていない。その時が来ればその時の人々が考えてくれて良いと思う。一般社会と同様に開けた環境をつくることが将来構想の基本的考え」と答えた。意見に対しては会場から反発の声も上がったが「長年の間に植え付けられてきた感情を完全にぬぐうのは難しいこと。それだけに、ハンセン病に対するイメージがまっさらな若い人たちは正しく理解し、エイズなど他の問題も含めて社会全体の偏見をなくすようにしてほしい」という発言もあった。
意見交換会、質疑応答では、それぞれの立場から活発な意見が相次ぎ、社会全体における真の共生には、精神的な問題も含めて多くの課題が残されていることが改めて浮き彫りになった。
写真説明・ハンセン病問題の課題や南静園将来構想について話し合った意見交換会=28日、南静園公会堂
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かいさばきも力強く/荷川取漁港でハーリー
航海安全と豊漁祈願
海の恵みに感謝し、海神に航海安全と豊漁を願う漁民の伝統行事、ハーリー(海神祭り)が二十八日、平良にある荷川取漁港で行われた。朝からあいにくの雨となったが、海を滑るように走るスピードや力強さで繰り広げられる爬龍(はりゅう)舟競漕(きょうそう)に会場は熱気に包まれた。
ハーリーには、船主組合やマリンレジャー関係、各事業所など十三チームが参加。ハーリーがねが鳴り響く中、それぞれ掛け声を合わせて力強いかいさばきを見せると、詰め掛けた観客から大きな声援が沸き上がっていた。
ハーリー本番の「ユッカヌヒ」(旧暦五月四日)に当たる三十日は▽真謝▽久松▽パイナガマ▽前浜▽池間▽島尻▽高野▽佐良浜─などの各漁港やビーチで開催。夏の風物詩の一つであるハーリーが、宮古をさらに盛り上げていく。
写真説明・力強いかいさばきで水しぶきを上げる爬龍舟競漕=28日、荷川取漁港
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島の新鮮食材提供/池間島漁民センター
レストラン「なかじゃ」オープン
地域活性化、高齢者の生きがいに
池間島で取れた新鮮な魚や野菜を使った料理を提供するレストラン、「海のかあちゃん市なかじゃ」(野原悦子代表)が二十八日、改修された池間島漁民研修センター一階にオープンした。同センターを所有する宮古島市、オープンを支援したNPO法人いけま福祉支援センター、地元住民らが出席し、開店を祝った。野原代表は「なかじゃは台所という意味の方言。池間島の台所という思いを込めて名付けた。人のぬくもりを感じられる場所にしたい」と意気込んだ。メンバーの平均年齢は七十五歳。地域活性化とお年寄りの生きがいづくりの両面で、池間島の大きな拠点となりそうだ。
事業は「健康と癒しのエコツーリズム・海上の道づくり」をテーマに、〇四年十二月、旧平良市が指定した「地域再生計画」の一環。漁民センターを活用した「海の駅」が、計画に盛り込まれたことが契機となった。同事業で同市は漁民センターを改修。一階には「なかじゃ」が入り、二階は八重干瀬(やびじ)のパネル写真などの展示施設となっている。伊志嶺亮市長は「池間の発展を願いながら、オープンを祝いたい」と喜んだ。
昨年五月から毎週日曜日に朝市を行い、好評を博してきた「なかじゃ」。いけま福祉支援センターの前泊博美さんとデイサービス利用者、野原代表らが話し合いを重ね、池間島の産品を使って料理を提供するレストランとすることを目標に準備を進めた。オープンを支援した前泊さんは「六十五歳以上の人口が五三%と、『超高齢社会』になっている池間島では、お年寄りの皆さんが生きがいを持って働くことこそが地域活性化になる」と意義を強調した。
オープニングセレモニーでは、野原代表と伊志嶺市長、池間自治会の玉寄憲作会長、池間老人クラブの糸満武会長、いけま福祉支援センターが提供するデイサービスの利用者代表の浜川トミさんの五人がテープカット。テープには特産のカツオがモチーフとして飾られ、池間島らしいスタートとなった。住民らによる余興も次々と披露され、オープンに花を添えた。
焼き魚や刺し身、煮物など盛りだくさんの定食が五百円と、ボリューム満点の料理に訪れた多くの人たちが舌鼓を打った。川田正明さん(32)=平良=は「安い上に、いろいろな種類の料理があって、とてもおいしい」と顔をほころばせた。また、てんぷらや焼き魚などの総菜が一パック百円で販売されると、途切れることなく列ができ、商品が飛ぶように売れていた。
「なかじゃ」は火曜日―日曜日の午前十一時―午後二時に営業。毎週月曜日は定休日。
写真説明 上・テープカットする(左から)玉寄自治会長、野原代表、伊志嶺市長、老人クラブの糸満会長、デイサービス利用者代表の浜川さん=28日、池間島漁民センター
写真説明 下・池間島の食材を味わう人たちでごった返した「なかじゃ」=28日、池間島漁民センター
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ふれまち・おはなしフェスティバル/紙芝居や人形劇にくぎ付け
会場に子供たちの笑顔と歓声
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若さの秘訣「常に前向き」/山本寛斎さんがトークショー
マティダ市民劇場
au沖縄セルラープレゼンツ・山本寛斎プロデュース「アボルタージュ行くぞ!」上映・トークライブショーが二十八日午後、マティダ市民劇場で開かれた。世界的なデザイナーの山本さんは黒のシャツに黄緑色のネクタイ、白っぽいジャケットを着こなし、問い掛けるような口調や、突然大きな声を張り上げるなど詰め掛けた観客を引きつけながら、これまで歩んできた道について話した。山本さんは「一生懸命生きることの大事さ」を説き、モスクワ赤の広場で開いたショーについて、「赤の広場を外国人が借り切ったのは私が初めて」と振り返り、若さの秘訣(ひけつ)を問われると、「常に前向きに全力で進んでいると若々しく見えるのではないか」と話した。
トークショーの後は、山本さんが初めてプロデュースした「アボルダージュ行くぞ!」が上映された。
写真説明・一生懸命生きることの大事さを説く山本寛斎さん=28日、マティダ市民劇場
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