200平成18  526 金曜日

2億9000万円を補償/05年度共済事業実績
課題は「きび共済」加入の促進/総代会開き事業計画を決

 宮古郡農業共済組合の第五十五回通常総代会が二十五日、JAおきなわ宮古地区事業本部大ホールで開かれた。二〇〇五年度の家畜、畑作(サトウキビ)、園芸施設、建物の各共済を合わせ、農家に支払った共済金(補償金)は二億九千六百五十万二千円、支払い率は農家掛け金の二・四六倍。一九七二年から三十三年間の農家の掛け金は二十九億九千二十六万円で、組合員に支払われた共済金は約六十一億八千三百四十一万円となり、支払い率は農家掛け金の二・〇六倍となった。課題はサトウキビ共済の加入率の伸び悩み。総会では加入拡大を決意したほか、〇六年度事業計画や予算、新役員を決めた。

 総会で平良一夫組合長は、サトウキビ共済の加入促進について「農業・農政の動向を踏まえ、法人、集落営農の加入促進体制を整える。畑作物共済については、農業共済に加入しなければ、災害発生時に十分補償が得られない『ナラシ対策』を説明し、加入推進をより積極的に行うことが重要なこと」と強調した。
 この後、二〇〇六年度の事業計画案や予算案を承認。予算の業務収支は収入支出ともに一億三千九十六万七千円とした。
 総会の中で示された〇五年度の共済事業全体の実績を見ると、農家に対する共済金の支払い率が二・四六倍を示したことから、同事業が農家経営の安定に寄与していることを裏付けた。
 〇五年度の実績における四つの共済の内訳を見ると、家畜共済は農家掛け金が五千百九十六万円で農家への共済金は一億五百九十万五千円。サトウキビ共済は、農家掛け金が二千四百五万五千円で、農家への共済金は一億四千八百三十三万七千円。園芸施設共済は農家掛け金が三千五百五十五万二千円で農家への共済金は四千百五十八万八千円となり、建物共済は農家掛け金が八百七十三万三千円で農家への共済金は六十七万二千円だった。
 各共済事業の有資格加入率は▽家畜共済事業が戸数加入率、頭数加入率ともに六三・九%▽サトウキビ共済事業が戸数加入率一七・四%、面積加入率一五%▽園芸施設共済事業が戸数加入率七一・六%、棟数加入率七〇・六%▽建物共済事業が戸数加入率二六・二%、棟数加入率二九・二%―となっている。
 家畜、園芸施設の各共済は六割以上の加入率となっているが、台風など大きな自然災害時に甚大な被害を受けるサトウキビの共済に対する農家の関心が薄い。加入率は前年度と比べても横ばい状況。総会で審議した事業計画でも、サトウキビ共済への加入促進を大きな柱に据えているほか、〇七年産から適用されるサトウキビの新たな経営安定対策の中で共済加入の促進が明記されていることもあり、この取り組みと連動させて加入率の拡大を図る方針だ。
 総会で承認された役員は次の通り。(敬称略)
 【理事】▽平良=渡久山秀世、友利龍雄▽城辺=松長博義、伊波廣次郎▽下地=上地栄▽上野=砂川栄市▽伊良部=渡久山毅▽多良間村=本村恵和
 【監事】▽砂川巌(上野)▽下地達男(城辺)▽久貝正明(下地)
 
 (山下誠)
 

新組合長に砂川栄市/宮古郡農業共済組合

 二十五日に開催された宮古郡農業共済組合の通常総代会で、新しい理事と監事に決まった八人が総代会終了後に理事会を開き、互選で新しい組合長を上野地区の砂川栄市氏に決めた。副組合長は下地地区の下地栄氏、筆頭理事は城辺地区の松長博義氏。
 新しく組合長に選ばれた砂川氏は「責任の重大さを感じている。共済事業の原点に戻り、農家の皆さんが安心して共済に加入できるよう頑張っていきたい」と話し、共済事業のさらなる充実に向けて決意を示した。

 写真・砂川栄市
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「シー、シー、シー」ツマグロゼミ初鳴き上野

 宮古のセミの中では最も美しいツマグロゼミが二十五日午前、宮古島市上野の新里地区で「シー、シー、シー」と初鳴きした。同市の天然記念物で、宮古が日本の分布の北限。環境省レッドデータブックでは「地域個体群」に指定されている貴重種。
 ツマグロゼミの体色は、青緑色とだいだい色とその二色の中間色の三タイプが生息。体長は一九〜二八_。日本では最小のイワサキクサゼミ(体長一五_)より少し大きい。
 ツマグロゼミの成虫は、前日の雨で一定の湿度が保たれたことから、土中からはい出し、イスノキに登ってふ化したらしい。
 逆さまに止まる習性があるが、この日確認されたツマグロゼミは体を上に向けてしがみついていた。

 写真説明・体を上に向けて止まっていたツマグロゼミ=25日、宮古島市上野(撮影・伊良波彌)
 
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パニパニシルバー、熟練の技生かし8700万円稼ぐ
「事業変革の元年」と位置づけ/人材センター総会

 お年寄りら熟練の技を生かし、八千七百万円稼ぐ―。宮古島市シルバー人材センター(棚原惠照理事長、会員二百二十三人)の第十四回通常総会が二十五日、同市中央公民館で開かれ、二〇〇五年度の受託事業で受託件数は七百七十三件(前年度比一〇・九%増)、受注契約金額が八千七百十九万七百一円(同二・七%減)となることが分かった。平良市から宮古島市への活動の幅を広げたパニパニシルバーたちの活躍に、期待が集まっている。

 総会は、約百人の会員が出席し〇六年度事業計画、同収支予算など五議案を原案通り承認した。同年度の収支予算は収入が一億二千百九万九千円、支出が一億二千三百二十六万三千円。重点目標は▽普及啓発活動の推進▽就業機会の開拓と就業率の向上▽理事会の活動の充実など組織体制の強化―など。
 総会は「平良市シルバー人材センター」が市町村合併に伴い、「宮古島市シルバー人材センター」と名称を変更してから初の開催。会員登録は旧四町村からも可能となったが、各地区から会員登録は合わせて十人ほどという。
 棚原理事長は「事業発展の源となる組織拡大に全力で取り組みたい。今年度を『シルバー事業変革の元年』と位置付け、組織の改革へ向けて動き始める」とあいさつした。
 来賓の伊志嶺亮市長(代読・下地学助役)は「皆さんは高齢者福祉の向上に貢献している。これからも生きがいを持って積極的に社会に参加してほしい」と激励した。
 通常総会後には、第九回互助会総会も開かれ、〇六年度事業計画や収支予算、役員の選任などを承認した。

 写真説明・05年度の事業報告などが行われた通常総会=25日、宮古島市中央公民館
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伊良部町商工会、下地さんら永年勤続15人を表彰
宮古島市伊良部商工会に改称/会長に奥浜幸雄さんを再任

 伊良部町商工会(奥浜幸雄会長、会員百九十二)の二○○六年度通常総会が二十五日午後、伊良部の東地区構造改善センターで開かれた。会員多数が出席し、○五年度収支決算書など四議案を原案通り承認した。同商工会運営規約の一部改正で、現在の名称を「宮古島市伊良部商工会」に改称。任期満了に伴う役員改正では、会長に奥浜幸雄さんを再任した。奥浜会長が下地広喜さんら十五人を永年勤続優良従業員として表彰した。
 ○五年度収支決算は、収入支出とも千九百四十六万円。新年度の収入支出予算額はいずれも千八百三十六万円。新年度事業計画では▽組織強化▽経営改善普及事業の推進―など六事業を盛り込んだ。
 会長に就任した奥浜さんは八期二十四年の会長を務め、今回で九期目。 奥浜さんは「自立するための組織強化、会員増強による資金造成に取り組んでいきたい」と決意を新たにした。
 表彰されたのは次の皆さん。(敬称略)
 【五年表彰】下地広喜(下地島空港施設)▽手登根俊之(手登根建設)▽佐和田栄昌(同)▽洌鎌明久(大幸建設)▽平良繁美(渡久山酒造所)
 【十年表彰】譜久島静子(下地島空港施設)▽長間愛子(特別養護老人ホーム松風園)▽平良洋子(同)▽島袋勝二(久貝電設土木)▽伊志嶺吉久(総合シークレット)▽島尻敏美(奥浜組)
 【十五年表彰】久貝初子(特別養護老人ホーム松風園)▽渡久山シズ子(同)
 【二十年表彰】佐和田忍(下地島空港施設)
 【二十五年表彰】仲間辰夫(下地島空港施設)
 役員は次の皆さん。(敬称略)
 【会長】奥浜幸雄(再任)【副会長】久貝久雄(新任)▽仲間稱(同)【理事】佐久川浩希▽池間作一▽宮国博文▽屋比久龍元(以上、新任)。【同】友利恵道▽渡久山健一▽渡久山和男▽下地さおり▽島尻健二▽久貝克▽塩坂宏▽渡久山久仁子▽佐久間成雄▽川平三秀▽与儀盛▽久高照子(以上、再任)。

 写真説明・奥浜会長(右)一人ひとりに表彰状を手渡した=25日、伊良部の東地区構造改善センター
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500人が年に一度の交流/関東の伊良部郷友運動会
リレーや余興に汗

 【東京・菊地優子】宮古伊良部郷友会(島袋健会長)主催の第十三回運動会大会が二十一日、神奈川県都筑区の東方公園のグラウンドで開催された。五百人余りが一年に一度の交流を楽しみ、リレーや余興に汗を流した。
 島袋会長は「二世三世や若い世代の参加が多く例年になく盛り上がっている。子供たちの成長も毎年見ることができて最高にうれしい」と笑顔で語った。
 今年の目玉は七連勝の伊良部支部からの優勝旗奪還。各支部とも点数制のリレーに沸き立った。今年は各支部のデッドヒートが繰り広げられ、池間添支部の追い上げが激しく、同支部が優勝旗を手にした。
 同大会に参加した長浜出身の謝花明次さんは「ずっとぐずついた天気だったのに今日は晴天に恵まれ、本当にうれしい」と笑顔で語った。妻の光子さんは前日の夜からフカギやサーターアンダギーを作ったり忙しい様子。「忙しいけど、みんなの顔が見れて楽しいね」と喜びを語った。今年も各支部ごとに大鍋で郷里の味を楽しみつつ、また久しぶりに会う郷友たちや家族らと楽しい時間を過ごした。

 写真説明・関東に住む伊良部出身者らが好天の下、各種競技に汗を流した=21日、神奈川県都筑区
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7月9日開催を決定/サニツ浜カーニバル
実行委 競馬など今年も多彩に

 サニツ浜カーニバル実行委員会の総会が二十五日、宮古島市下地公民館で開かれ、第十六回サニツ浜カーニバル(主催・宮古島市など)を七月九日午前九時から、下地の与那覇湾(通称・サニツ浜)で行うことを決定した。大会長の伊志嶺亮市長をはじめ、委員となっている企画政策部や下地庁舎など関係部署の職員らが、大会要項などの議案を承認した。
 旧五市町村の合併により、旧下地町と旧宮古広域圏事務組合から、宮古島市に主催が移って初めての開催となる。伊志嶺市長は「成功へ向けて、皆さんでしっかりと頑張ってもらいたい」とあいさつした。また、上地廣敏下地支所長は「全庁体制で取り組むことで市民の理解が得られる。素晴らしいカーニバルになるようお願いしたい」と協力を呼び掛けた。
 実施要項によると今年は、▽競馬(ヌーマピラス)▽宮古角力(ミャークズモー)▽モトクロス競技▽少年サッカー▽水中駅伝▽ビーチバレー▽綱引き▽グラウンドゴルフ▽ビーチドッジボール▽十人十一脚競争―が行われる予定。
 同カーニバルは、角力(すもう)や競馬で長寿や豊年を祝った行事「ゆなぱぬ(与那覇の)サニツ」を、地域活性化のイベントとして定着させようと、旧下地町が一九九一年にスタートさせた。干潮時に現れる七百fにわたる広大な砂地の干潟を利用して毎年、多彩な催しが行われている。

 写真説明・実施要項などを確認した実行委員会総会=25日、宮古島市下地公民館
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