200平成18  521 日曜日

平良さん、砂川さんに賞詞/第10回平良好児賞表彰式・受賞祝賀会
本社主催

関係者ら集い祝福/郷土文学の発展誓う

 第十回平良好児賞の表彰式・受賞祝賀会(主催・宮古毎日新聞社)が二十日、市内のホテルで開催され、句集「はぐれ鷹」の著者・平良雅景(本名賀計)さん(83)=那覇市、平良出身=、歌集「時間の川」の著者・砂川光子さん(68)=那覇市、城辺出身=の二人に、本社の真栄城宏社長から賞詞が贈られた。会場には両受賞者の親類や友人、宮古の文学関係者らが両受賞者を祝福。併せて故平良好児氏をしのびながら、関係者が宮古における郷土文学のさらなる発展を誓った。

 受賞者あいさつで平良さんは「こんなに盛大に祝っていただけるのは五十七年前の結婚式以来」とユーモアを交えながら、「俳句を詠むと少年時代のふるさとが思い出される。好児さんの意志を継ぎ、賞の名に恥じない句を作っていきたい。米寿までに第二句集を作りたい」と決意を新たにした。
 砂川さんは「心向くまま好きなことをして、このような賞を受けられたことは光栄」とほほ笑み、「とても大切で大きなテーマとして、宮古島が素材として横たわっている。歌を続ける限り、(ふるさとが)歌心を刺激してくれるのではないかと思う」と喜びを語った。
 賞詞を授与した真栄城社長は「沖縄本島で活躍される両先輩の受賞は、私たちにとって大きな誇りであり、励み。これからもますます元気で新しい作品を次々と紹介されることを地元の私たちは楽しみにしている」と、二人のさらなる活躍に期待を寄せた。
 表彰式では、松原清吉選考委員長が「大賞候補は七点に絞られ、選考委員の全員一致で平良さんの句集、砂川さんの歌集に決まった」と経緯を説明した。
 続いて審査講評で、伊志嶺亮選考委員は平良さんの「はぐれ鷹」について、「今回の賞を機に、本当に自然な句に改めてひかれた」と語り、「今回の句集に収められていない句がたくさんあるので、ぜひ第二句集を作ってほしい」とエール。友利昭子選考委員は砂川さんの「時間の川」について、「砂川さんの歌は自身がそうであるように、繊細で深みがあり、一読して心地良く感動させられる」と評した。
 この後の祝賀会では選考委員を務める伊志嶺亮宮古島市長が祝辞。同市教育委員会の濱川隆教育委員長、宮古島市文化協会の友利吉博会長の音頭で乾杯するなど、大勢の出席者が二人を祝った。また数々の余興が披露され、祝賀会に花を添えた。
 平良好児賞は、長年宮古の文学界をリードし、「宮古文学に種をまく人」と呼ばれた故平良好児氏の遺志を受け継ぐため、平良氏が亡くなった翌年の一九九七年に始まった。以降、毎年一度、宮古にかかわる各種文芸ジャンルで、優れた文筆活動をした個人や団体を表彰。これまでに十六個人、一団体が受賞した。宮古毎日新聞の創刊五十周年を期に昨年から、本社が主催を引き継いだ。(砂川拓也)

 写真説明 上・第10回平良好児賞を受賞した(左から)砂川さん、平良さん=20日、ホテル共和
 写真説明 下・大勢の関係者が砂川さん、平良さんの受賞を祝った=20日、ホテル共和top.gif (811 バイト)
 

黄金色に輝く/市内民家のソテツ

 市内平良の民家にあるソテツが黄金色に輝く葉を付け、話題を呼んでいる。
 黄金色の葉のソテツは希少でなかなか手に入らない珍しい観葉植物だという。栽培している男性ィーは約一年前から黄金色の葉が生えるというソテツを育て始めたが、緑の葉が生えてくるばかりだった。
 男性は「黄金の葉が全く生えて来ず、半ばあきらめていた。ソテツは金属を食べると言うので、一週間前に根本にくぎを打ってみたら、見事に金色の葉を付けたので驚いた」と笑顔で話し、「今まではあまり手入れをしていなかったが、金色の葉が生えてからは毎日眺めてしまう」と喜びを語った。

 写真説明・金色の葉を付けた黄金ソテツ=20日、市内平良の民家

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健康づくりの拠点完成/関係者集い祝う
機能回復訓練設備を充実/下地保健センター

 今年三月に完成し、四月から供用を開始している下地保健福祉センターの落成式典と祝賀会が二十日、同センターで開かれた。多数の関係者が参加し、施設の完成を祝うとともに健康づくりの拠点として発展することを期待した。今後、同センターでは予防接種、乳幼児検診、機能回復訓練などの事業が実施され、乳幼児から高齢者まですべての住民の保健福祉施策が展開されていく。

 式典で伊志嶺亮宮古島市長は「市民の皆さんは気軽に利用し、日ごろの健康づくりに役立てていただきたい」とあいさつ。工事に携わった勝設計事務所(下地勝義代表、設計)、大成土建(砂川昌則代表、施工)、ヤスヨシ興建(宜保康好代表、電気)、大都建設(川平健雄代表、機械)、オキジム宮古営業所(新里勇代表、備品・機器類)の五業者に感謝状を贈呈した。
 また、県福祉保健部の喜友名朝春部長は「立派な施設。県福祉保健所としても、市町村の求めに応じた事業を行い、互いの連携を深めて住民の健康増進をサポートしたい」と話した。宮古島市議会の友利恵一議長(下地智副議長代読)もあいさつを寄せた。
 式典の後には、参加者らが各室を見学したりトレーニングマシンを試すなどして、同センターの機能を体験した。
 同センターは、建築面積が九百四十八・五〇平方b、延床面積が八百三十六・二五平方b。研修室、栄養実習室、健康相談室、日常生活訓練室、作業室などを備えている。総工事費は二億三千四百四十万円。
 下地地区では、昨年まで老人福祉センターで主に高齢者を対象にした保健福祉の事業が行われていたが、同所の老朽化のため活動に支障が出ていた。今後は保健福祉センターでの施策展開に期待が寄せられている。

 写真説明 上・4月から併用を開始した下地保健福祉センター=20日、下地地区上地
 写真説明 下・トレーニングマシンを体験する参加者ら=20日、下地保健福祉センター
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一足早く「敬老会」/長年の労苦ねぎらう
上野野原部落

 上野地区の野原部落自治会(高江洲一雄区長)主催の野原部落敬老会が二十日、同部落公民館で行われた。会場には多数の地域住民らが集い、六十五歳以上の高齢者の長寿を地域挙げて祝福した。
 宮古地区内でも先頭を切って行われた敬老会に招かれたのは、男性で九十八歳の最高齢者である下地松金さん、女性で九十三歳の最高齢者、野原マツさんを筆頭に男性二十七人、女性四十六人の計七十三人。今年から敬老会に入会したのは▽仲嶺栄人さん▽上里明良さん▽仲嶺恵美さん▽島尻昭子さん─の四人。
 高江洲区長は「これまで幾多の困難も乗り越え、野原地域の発展に寄与されてきた皆さんは、野原の宝です。これからも長寿や人生の手本として、私たちを指導してください」とあいさつ。
 新入会を代表して上里さんは「生まれて今日までたどった道のりは異なるものの、野原が故郷であり、そこに住む人々やそこに伝わる行事が好きだということにいささかの違いはない。入会の機会に先輩たちの良行を習い、住みよい地域にしていく努力を重ねたい」と力強く話した。
 敬老会では、出席者一人ひとりに記念品が手渡されたほか、地域住民や婦人会、老人クラブ、子供会による踊りや余興で会場を盛り上げた。

 写真説明・余興に拍手や声援で敬老会を楽しんだ=20日、野原部落公民館
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故郷の友と再会/多良間村・各郷友会交流GG大会に約200人
八重山、沖縄本島からも

 「ばっすらいん めぇーく大会」と題し、第十三回多良間村・各郷友会交流グラウンドゴルフ大会(主催・在宮古郷友会)が二十日、カママ嶺公園多目的広場で開催された。参加した多良間出身者は在多良間が五十二人、在宮古が九十七人、在八重山が三十三人、在沖縄本島が二十五人、県外からは二人の計二百九人。同大会は毎年、多良間、宮古、八重山、沖縄本島のいずれかで開催される。参加者らは一年に一度の故郷の仲間たちとの交流を楽しみ、グラウンドゴルフに汗を流した。
 所々で「久しぶりね」などと声を掛け合う光景が見られ、和気あいあいとした雰囲気で開会式が始められた。渡久山春正会長は「今大会は多良間島を故郷とする人々の絆を深めてきた。これからも末永く続けていこう」とあいさつし、選手代表の宇座昌一さんによる多良間方言の選手宣誓で会場が沸き立った。
 同大会に参加した在宮古郷友会の上地ヨシさんは「多良間島は小さい島だから、皆兄弟みたいに助け合ってきた。故郷の友と昔話やおしゃべりをできることはとても楽しい」と笑顔で語り、在八重山郷友会の神谷初芽さんは「ほぼ毎年参加している。今年は二十人くらい故郷の友人と出会えた。交流会も楽しみ」と喜びを話した。
 また、同日午後六時から宮古島市中央公民館で交流会が開催され、二百人以上の多良間島出身者が故郷の友人との再会を喜び合った。

 写真説明・故郷の友人らとグラウンドゴルフで汗を流した=20日、カママ嶺公園多目的広場
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価値ある目標設定を/「宮古には無限の可能性」
吉武さん(日本サッカー協会)が講演

 宮古サッカー協会(松川英世会長)主催のスポーツ教育講演会が十九日夜、宮古島市中央公民館で行われ、日本サッカー協会ナショナルトレセンコーチ九州担当チーフの吉武博文さんが「宮古島から世界へ―宮古島の未知なる可能性について」と題し持論を述べた。吉武さんは「目指すのは『宮古島で勝つ』のではなく、『宮古島が勝つ』こと」と力説。「価値ある目標を設定すること。『結果の目標』だけでなく、自分がどう動くかという『行動の目標』が重要」と語った。講演会にはサッカー関係者をはじめ多くの市民が訪れ、吉武さんの話に聞き入った。
 今回が七度目の来島で、「どこよりも無限の可能性があり、ピカピカ光る島。私にできることがあればしたい」と話す吉武さん。宮古島の良さとして、▽自然がある風情がある▽人と人とのつながりがある▽マンパワー(情熱)がある―などの点を列挙。「目標になるものがあれば達成できる島。そのためには家庭でも、企業、チームなどの組織でも、最終的な目標を掲げること。みんなで切磋琢磨(せっさたくま)し、誰が出て行っても恥ずかしくない、勝てるというところまでレベルアップを目指して」と呼び掛けた。
 目標設定の重要性について、「八十点には誰でもなれるがそれ以上を目指してほしい。成功とは、価値ある目標を設定し、達成すること」と強調。その際には、@考えを明確にするA逆算し期限を設けるB「願望」ではなく「欲望」を持つC自信を持つD強固な決意を持つ―ことを心得とした。その上で、「目標に向かう中で成長し、自らの良さにも気付ければ、宮古の良さが生きる。日本の中でも引けを取らないことをできる可能性を秘めている島、人々だと思う」と話した。
 一方、宮古島の課題には▽コミュニケーション能力を高める▽継続力を高める―の二点を挙げた。「宮古の人はオトーリの口上を述べるのはうまいが、普段はおとなしい」など冗談も交えながら、「コミュニケーション能力を高めることにより、自分の考えを明確に相手に伝え、相手の考えを明確に理解し、国際社会の中でも能力を発揮できる」と説いた。継続力については「情熱はあるが、熱しやすく冷めやすい面もある。とにかく続けることが大事」と指摘した。

 吉武 博文(よしたけ・ひろふみ)1960(昭和35)年6月8日生まれ。45歳。大分県出身。83年に教員の道に入り、85年、大分市立明野中学校を監督として全国制覇に導く。中学校、盲学校での勤務の傍らサッカーを指導し、2001年、日本サッカー協会公認S級コーチのライセンス取得。02年、同協会ナショナルトレセンコーチ。04年に15歳以下、05年に16歳以下の日本代表監督。06年3月で教職公務員を退職し、日本サッカー協会専任。

 写真説明 左・宮古を「無限の可能性がある島」と話す吉武さん=19日、宮古島市中央公民館
 写真説明 右・吉武さんの話に耳を傾ける参加者=19日、宮古島市中央公民館
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