200平成18  520 土曜日

砂山リゾート開発へ/ホテルやスポーツ施設を構想
事業スポンサー・ゼファーが会見

 会社更生手続き中の宮古島砂山リゾートの事業スポンサーに決まった不動産関連会社ゼファーの飯岡隆夫社長らが十九日午後、宮古島市役所で会見を開き、砂山ビーチ周辺におけるホテル建設案をはじめ、スポーツアイランド宮古島を前提としたスポーツ施設の設置構想を示した。今後、地域住民や宮古島市の要望、意見を取り入れ具体的な計画を練る方針だ。事業着手時期は未定だが、事業完了は二〇一二―一三年を予定、事業費は百億円以上を見込む。

 会見には宮古島砂山リゾート管財人に選任されたゼファーの飯岡社長をはじめ、同じ管財人の滝久男氏、ゼファーの新井正樹副社長、同社の川合誠一郎管理本部経営企画室長らが出席。ゼファーがスポンサーに決まった経緯や今後の開発計画を報道陣に説明した。
 会社更生手続き中の宮古島砂山リゾートについては滝氏が「ゼファーが宮古島砂山リゾートにお金を貸し付け、宮古島砂山リゾートが債権者に対する弁済行為を行うことになる」と報告した。その上で「十月末ぐらいにはめどが付くと思う」との見通しを示した。
 砂山ビーチ周辺の開発行為については飯岡社長や新井副社長が説明。日本全国に限らず「世界に通用する」ホテルの建設をはじめ、サッカー場やテニスコート設置などの要望にも応えるとし、スポーツアイランド宮古島を島内外にアピールしていく姿勢を示した。
 飯岡社長は「砂山のビーチを見たとき、ここは世界一のリゾートになると直感した。まだまだ観光客を誘致できる」などと絶賛した。事業着手の時期については地域住民や宮古島市と「相互理解の上で進めたい」と繰り返した。
 新井副社長は「速やかにスタートさせていきたいと思う」と話し、早い段階で事業着手したい考えを示した。ただ、具体的な開発計画については地元に設置する開発協議会や連絡会などと十分に協議した上で策定する方針を重ねて強調した。
 一九九二年に開発許可が出た砂山ビーチの開発行為は大手スーパー・ダイエーの関連会社が手掛けてきたが、同社の経営悪化で計画が頓挫。二〇〇四年には宮古島砂山リゾートが事業を引き継いだが、債務超過に陥り会社更生手続きを申請、開発計画は再び暗礁に乗り上げた。これらの経緯も重なって、砂山ビーチの開発は長年の懸案事項とされてきた。
 今回、宮古島砂山リゾートの事業スポンサーにゼファーが決まったことで、開発計画は年内にも具体化する。飯岡社長によると、雇用の人数は数百人か、「それ以上にもなる」としており地域住民らの期待も大きい。伊志嶺亮市長は「懸案とされてきた事業がいよいよ動き出すことをうれしく思っている。自然を大切にしながら開発し、宮古の観光の発展につなげてほしい」と話した。
 宮古島砂山リゾートの事業スポンサーとなったゼファーは一九九四年二月二十一日に設立。資本金は百三十三億八千五百十九万円。本社は東京都中央区で、営業所は札幌と大阪にある。売上高は連結で六百七十二億九百八万円(二〇〇五年三月期)。業務は不動産売買および仲介、不動産の賃貸および管理、住宅設備関連機器開発、土地有効活用のコンサルティング業、建設業など。(山下誠)

 写真説明・砂山ビーチ周辺の開発計画などについて会見した(左から)滝管財人、飯岡社長、新井副社長ら=19日、宮古島市役所平良庁舎
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下地島の通り池 /国の名勝、天然記念物に指定
県教育庁/「観賞、地質学上の価値高い」

 【那覇支局】宮古の観光地であり、景勝地でもある「下地島の通り池」が国の名勝、天然記念物に指定された。宮古では国の名勝、天然記念物とも初めての指定で、さらに重複指定は県内でも初めてとなっている。今回の指定は、十九日に行われた国の文化審議会(阿刀田高会長)文化財分科会で決定した。通り池の大きさは、海側が直径約七十五b、水深四十五b。陸側が直径五十五b、水深約二十五b。神秘的な池の色と独特な景観が宮古における観光スポットとなり、人気を集めている。
 今回の指定により、県における国指定の名勝は五件、国指定の天然記念物は四十件となるが宮古地区においては両方の指定とも初めて。また、名勝と天然記念物の重複指定は今回が県内でも初めてとなっている。
決定を受けて宮古島市の伊志嶺亮市長は「大変喜んでいる。環境を大事に守りながら自然のままで残していきたい。通り池には伝説があったり、物語に登場したりしている。今回の指定を観光客にもアピールしていきたい」と喜んだ。
また、長浜光雄伊良部総合支所長は「通り池はこれまでも伊良部観光の目玉だったが、今回の指定で国からお墨付きをもらった。通り池を地域の特徴として生かし、良さをPRしながら地域の活性化に活用していきたい」と述べた。
 今回の指定の概要は、名称が「下地島の通り池」、所在地は宮古島市伊良部字佐和田下地一七四二の一、同一七四二の八一、同一七四二の八二、同一七四二の八三。指定面積は十六万六千七百三十七・四七平方b。所有者は宮古島市となっている。
 ダイビングの名勝地でもある「通り池」は、下地島パイロット訓練飛行場を西側に半周した地点にあり、池は中でつながっているが、空から見ると天然の石橋によって二つの池のように見えることから「龍の目玉」とも言われている。
 また、底は約十bの洞くつで外海とつながっており、そこを通って海面に出ることができる。絶好のダイビングポイントとしても有名で、淡水と海水の水質、温度差が作り出すケモクラインや、サーモクラインと呼ばれる水中の現象は、刻々とその色を変化させる幻想的な光景となっている。
 「通り池」は、宮古諸島下地島の北西海岸に位置する大小二つの円形池で、地元では「トゥーイグー」と呼ばれている。カルスト地形の地域に生じたドリーネが発達し、地下鍾乳洞の天井部分の一部が陥没したことによって形成されたと考えられている。一九七四年三月に沖縄県の天然記念物に指定されている。
 二つの池は、海底洞穴を介して海とつながっているため、表層部分が淡水、下層部分が海水からなり、海底にはサンゴが生育している。また、東側部分から内陸部の池周辺には海岸植物が分布している。
 また、まつわる伝説としては、海霊の化身である人魚を釣ったために、罰を受けて津波により陥没した漁師の屋敷跡であると言い伝えられているほか、継子と取り違えて実子を池に投げ捨ててしまった罪深き母親にまつわる民話なども残されている。これらの伝承により、通り池が古くから地域の人々にとって身近な存在であったことが理解される。
 県教育庁文化課では「池が海とつながっているドリーネはきわめて珍しい存在であり、観賞上の価値のみならず、その形成の過程が示す地質学上の価値ともに高いことから今回の指定となった」と説明している。(垣花尚)

 ドリーネ 石灰岩の地面が溶食によって陥没してできたじょうご状になったくぼ地のこと。カルスト地形においてはクレーター状に点在する。またウバーレとはドリーネが拡大し二つ以上連合したものをいう。ウバーレがさらに発達し、盆地となり人が住むようになった大規模なものポリエという。
 カルスト地形 その地域に石灰岩が化学的に溶食されてできたドリーネ、ウバーレ、ポリエなどの特殊な地形が発達することから、一般的に石灰岩地域の地形をカルスト地形と呼ぶようになった。カルストとはユーゴスラビア北西部の石灰岩の山があるカルスト地方にちなんでいる。

 資料写真・国から名勝と天然記念物の重複指定を受けた下地島の「通り池」
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きょう「好児賞」表彰式・祝賀会
宮古毎日新聞社主催
平良雅景、砂川光子をたたえる

 第十回平良好児賞表彰式・受賞祝賀会(主催・宮古毎日新聞社)がきょう二十日午後七時(受け付け午後六時三十分)から、ホテル共和の新館二階「珊瑚の間」で開催される。句集「はぐれ鷹」で受賞した平良雅景氏と、歌集「時間の川」で受賞した砂川光子氏のこれまでの努力をたたえるとともに、今後の活躍を祈念する。
 会費は一人三千円で、会場で受け付ける。
 平良好児賞は、長年宮古の文学界をリードした故平良好児さんの遺志を引き継ごうと平良さんが亡くなった翌年の一九九七年から始まった。毎年、宮古関係の優れた文学活動をした個人や団体を表彰している。これまでに十六個人、一団体が受賞している。
 同賞は、平良好児顕彰会から宮古毎日新聞社が引き継ぎ、主催している。

 写真説明・平良雅景(左)、砂川光子(右)
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民事調停申し立てへ/伊良部の給与引き下げ問題
介護職員9人/辞令交付の拒否貫く

 宮古島市社会福祉協議会が今年四月からの給与を引き下げし、新たな給与を提示したことに反発し、同会からの辞令交付を拒否続けている伊良部支所訪問介護事業所などで働く介護職員九人は十九日、来月にも同会を相手に民事調停を申し立てる方針を固めた。

 昨年十月の旧五市町村の合併に伴い、伊良部町社会福祉協議会を含めた五社協は合併し宮古島市社協が誕生した。旧五市町村には支所があり、介護職員らは訪問介護事業所などで勤務する。
 旧伊良部町社協時代の介護職員らは、役場職員の給与に準じて給与は支払われていた。
 旧伊良部町が同社協に補助金を交付していた。その補助金は、介護職員らの給与などに支出。補助金からの給与は、今年四月まで予算化されていた。
 宮古島市社協の理事会は、旧五社協の介護職員の給与に格差があるとして「給与の平準化」を決定し、介護職員らに理解を求めていた。
 理事会の決定を受け、同社協は伊良部支所の介護職員らに四月以前より給与の低い介護職員給与表を提示し、最高上限給与額は十八万二千円と説明した。併せて辞令交付に理解を求めた。
 しかし、介護職員らは猛反発。四月まで二十万円以上の給与を受給していた介護職員らは、十八万二千円まで引き下げられた。
 介護職員の一人は「大幅な給与引き下げには、納得いかない」と語調を荒げた。その上で「最高上限給与を認めると、これから十年、二十年勤めても給与は上がらない」と指摘した。
 介護職員らは辞令交付を二回拒否しており、今なお拒否の姿勢を崩さない。
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「次は男女アベックVだ」/佐良浜中/大勢の住民らが祝福、激励
さわやか杯中学バレー選手権大会
男子優勝、女子3位の活躍たたえる

 四月二十九日に西原町民体育館で開かれた、さわやか杯第四十六回沖縄中学校バレーボール選手権大会で、宮古島市立佐良浜中学校男子が優勝、同女子が三位に入賞した活躍をたたえる祝勝報告会(主催・同校PTA)が十九日、同校体育館で開かれた。大勢の住民や教育関係者、父母らが出席し、これからの大会ではアベック優勝するよう期待を込めた。
 男女両部の部員たちは、優勝旗と賞状を手に堂々と入場し、会場から大きな拍手を浴びた。
 主催者を代表して、仲間辰夫PTA会長は「男女チームが、これから県大会制覇し、九州大会、全国大会行くよう応援してください」とあいさつ。
 同校OBで宮古リハビリ温泉病院の奥原典一院長は「男子優勝、女子三位は輝かしい歴史に刻まれた。これからの大会で男女優勝し、九州大会、全国大会への出場を目標に持ってください」と激励した。
 宮古教育事務所の新崎治所長と同校の平敷善盛校長が、さらなる活躍を期待し選手たちを励ました。
 男子父母代表で仲間武さん、女子父母代表で謝花浩光さんがそれぞれあいさつし、これまでの応援・支援に感謝の意を表した。
 舞台に上がった男子バレーボール部キャプテンの上地将貴君と、女子バレーボール部キャプテンの池間徳加さんは「今後の県大会を制覇し、九州大会、全国大会を目指します」と抱負を語った。

 写真説明 上・九州制覇などを目標に掲げた男子バレーボール部=19日、佐良浜中体育館
 写真説明 下・県大会制覇を目指す女子バレーボール部=19日、佐良浜中体育館
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5月肉用牛競り1頭平均価格は48万6568円
平均キロ単価1827円、高値取り引き続く

 宮古本島の五月期肉用牛競りが十九日、JAおきなわ宮古家畜市場で開かれ、子牛(生後十二カ月以内)の一頭平均価格は前月比一万三千百二円高の四十八万六千五百六十八円となり、依然として高値取引が続いている。平均キロ単価は前月比二十五円高の千八百二十七円。成牛を含めた競り販売額は前月比四百九十九万三千八百円減の二億二千七百七十一万三百五十円だった。
 今月の競りには子牛四百五十九頭(去勢二百八十二頭、雌百七十七頭)が上場され、四百五十七頭の取引が成立した。性別で見る一頭平均価格は去勢が五十一万六千七百三十四円と五十万円の大台に乗せている。雌も四十三万七千九百五十八円の高値。
 子牛のみの販売額は二億二千二百三十六万一千六百五十円。最高値を付けた牛は六十八万三千五百五十円。
 今月も前月同様、好調な取引で子牛一頭当たりの平均価格は一万円以上の上げ幅を記録した。
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