200平成18  519 金曜日

共有名義人の上告棄却字有地の権利売買無効確定
下里字有地裁判/最高裁
公設市場建て替えにめど

 宮古島市平良の下里公設市場などの土地所有権をめぐり、下里字共同組合と一部共有名義人が争っていた訴訟で、組合の「総有」を認定した控訴審判決を不服として名義人が上告していた件で最高裁第二小法廷(古田佑紀裁判長)は十八日までに、上告棄却を決定。これで字共同組合の勝訴が確定した。高裁判決では売買によって字有地の持分権者となった名義人の登記抹消も命じており、字有地の権利売買が無効であることも確定した。これを受け、係争が長引き、立て替え事業がストップしていた下里公設市場について市は、具体的な作業をスタートさせる。

 争われた土地は下里公設市場敷地の平良字下里西里一番をはじめ、カーズク(湿地、沼地、ため池の意)と呼ばれてきた平良字下里ヨシキ底九四二番の四、平良字下里腰原一二九〇番の三の三件。過去に同様の争いがあった平良港マリンターミナルビル近くの布干堂跡地は、すでに下里字共同組合の総有が確定している。
 下里公設市場は一九六九年に建設され、老朽化が進んでいる。敷地は一三三〇・四一平方b、建物面積は一、二階合わせて一七一七・二平方b。百三十店舗が入居可能だが、現在は四十店舗程度しか入居していない。市はこれまでに進められた県道拡幅事業の交差点整備に絡めて建て替える準備を進めたが、敷地の所有権をめぐる裁判が長引き、県は決着を待たずに事業を完了。交差点整備は実質棚上げとなったままだ。
 上告棄却を受け市の宮国泰男経済部長は「建て替えに向けて、建設検討委員会を立ち上げ、議論していきたい。入居店舗の意向や市の財政力等を勘案した施設になると思う」と話している。
 また市では下里西通り(公設市場から国道390号バイパスまでの三百六十b)の拡幅事業を開始しており、その事業でも裁判が足かせとなっていた。下里西通りは総事業費三十四億円を見込み、二〇〇二年度から事業をスタート、〇五年度末までに事業費べースで二一%の進ちょく。本年度末までには三三%に届く見通し。市では一〇年度の事業完了を見込んでいる。
 (恩川順治)

 写真説明・老朽化が進み早期の建て替えが待たれる=18日、下里公設市場前
top.gif (811 バイト)
 

県内初、土木学会環境賞/トゥリバー地区
海岸残した「出島方式」、人工海浜藻場再生に一役

 環境の保全・創造に貢献した画期的なプロジェクトを表彰する「二○○五年度土木学会環境賞(Uグループ)」(主催・社団法人土木学会)にこのほど、宮古島市の「平良港トゥリバー地区の自然海岸の保全・活用とサンゴ移植による環境創造」プロジェクトが選ばれた。同賞のUグループは一九九九年度に新設された部門で、県内から受賞は今回が初めて。
 事業主体は沖縄総合事務局平良港湾事務所と宮古島市建設部港湾課。十八日午後、同所の栗田一昭所長が会見で明らかにした。今月二十六日、東京都で開催される土木学会の通常総会で表彰される。
 トゥリバー地区は、海岸から切り離された埋め立て地(総面積三十二f)。既存の海岸線と埋め立て地の間に水路を設ける「出島方式」で整備された。出入り口は美南海(みなみ)橋のみ。
 プロジェクトの自然環境の保全・創造の取り組みでは▽出島方式による自然海岸の保全▽サンゴ移植による自然環境の保全・創出▽自然石の使用によるサンゴなどの着床促進▽人工海浜(養浜)による藻場の再生―を実施した。
 また自然環境の活用では、地元小学生や県外旅行者らを対象に、水路でシーカヤックなどによる自然体験学習会を展開。人工海浜の水際近くまで形成された藻場(アマモ場)では、地元小中学生などを対象にした自然観察会を実施。アマモは海草の一種。アマモ場は「命のゆりかご」といわれ、多様な生物が生息する。
 同地区整備事業では、同所が親水護岸・防波堤の整備、市が埋め立て事業やマリーナなどの整備をそれぞれ実施した。

 写真説明・既存海岸(左)と埋め立て地の間に水路を設ける「出島方式」などが高く評価された=18日、平良のトゥリバー地区
top.gif (811 バイト)
 

「軽」普通自動車を逆転/05年度課税状況
景気低迷で乗り換え/「安さ」求める意識浮き彫り

 宮古地区における二〇〇五年度の軽自動車税課税件数が一万八千三百四十件となり、自動車税の課税件数(一万六千三百四十九件)を上回っていることが県宮古支庁のまとめで分かった。課税件数は車両の所有台数と直結するが、関係機関によると軽自動車の課税件数が普通自動車を上回ったのは初めて。長引く景気低迷の中、普通自動車に比べて経費が安い軽自動車に乗り換えるという市民の意識傾向が浮き彫りになっている。

 軽自動車は税金や車検料が普通自動車に比べて安い。市町村税の軽自動車税(二輪を除く)の税額は四千―八千円。一方で県税に当たる自動車税は排気量でも異なるが二万八千―五万円、対象の車両によっては約九万円という税額もある。
 宮古支庁がまとめた自動車税と軽自動車税(二輪除く)の課税の推移を見ると、自動車税の課税件数は近年、減少の一途をたどっている。〇一年度は一万八千三十五件の課税が〇二年度には一万七千件台に減少、翌年以降も減少が続き、〇五年には一万七千件を割り込んでいる。
 一方で軽自動車税は増加の一途。〇二年度までは一万四千件台だったが〇三年度からは対前年度比千台のペースで増加している。軽自動車は普通自動車に比べて比較的安い価格で購入できて税金も安い。さらに最近の軽自動車の性能向上が販売台数の増加にも拍車を掛けているようだ。
 軽自動車の伸びについて宮古支庁県税課は「軽自動車の規格改正に伴う性能の向上による自動車から軽自動車への乗り換えが考えられる」と推測している。ある自動車販売店は「軽自動車が伸びているのは経済的な理由が大きな要因。不景気が影響し、普通自動車から軽自動車に乗り換える人が多い」と話した。
 同県税課は「軽自動車の課税件数は伸びていくのではないか」と予測しており、普通自動車と軽自動車の課税件数の差は、今後さらに拡大するものとみられる。
 今年度の宮古地区における課税件数は普通自動車が一万五千五百九十六件で、軽自動車が二万七千二百五十二件(二輪車を含む)。税額は普通自動車が五億四千百六十九万一千円、軽自動車が一億二千百四十八万八千九百円となっている。
top.gif (811 バイト)
 

大会の熱気再び/トライ写真展始まる/市役所平良庁舎

 四月二十三日に開催された第二十二回全日本トライアスロン宮古島大会の興奮を伝えるストロングマン写真展(主催・宮古島トライアスロン実行委員会など)が十八日、宮古島市役所平良庁舎一階ロビーで始まった。宮古毎日新聞社など新聞四社と宮古写真愛好家協会、実行委員会が提供した計百十点の写真が展示されている。二十四日まで。
 オープニングセレモニーで下地学実行委員長(宮古島市助役)は「写真からは大会での熱戦の様子、地域が一体となった応援が伝わる。大会をもう一度思い起こし、さらなる充実した大会にしましょう」とあいさつした。
 続いて下地助役と宮古毎日新聞社の新城孝夫編集局長、宮古写真愛好家協会の与儀一夫会長らがテープカットを行った。
 写真展には、レースに挑む選手の表情や、ボランティアとの交流、沿道の応援の様子が展示されている。来庁した市民らは島を熱くした一日をじっくりと見詰めていた。
 写真展は六月十九日から県庁一階ロビーでも開催される予定。

 写真説明・テープカットする左から座喜味毅宮古新報社専務、与儀会長、下地助役、久場安志琉球新報宮古支局長、本社の新城編集局長=18日、宮古島市役所平良庁舎
top.gif (811 バイト)

各庁舎で市長印使用可能に/決裁業務を効率化
宮古島市

 宮古島警察署(岸本亮署長)は十八日、同署で宮古島地区少年補導員委嘱状交付式を行った。岸本署長が委嘱者二十三人に委嘱状を手渡した。任期は二〇〇六年五月十五日から〇八年五月十四日までの二年間。
 少年補導員の任務は▽要保護少年の発見保護に関する活動▽非行少年などの発見補導▽非行少年への継続補導−など。
 岸本署長は「少年の非行防止のサポート活動に協力していただきたい。宮古も補導が年々増加しつつある。将来の宮古のためにも一緒に頑張りましょう。皆さんの活躍に期待している」と呼び掛けた。
 交付後には、仲桝純生活安全課長が管内の少年補導の現状を説明。同じ先島地区の八重山に比べて飲酒で補導される少年が多いことなど問題点を挙げた。
 少年補導員に委嘱されたのは次の皆さん。(敬称略)
 【再委嘱】▽根間貞倶(平良地区担当)▽平良恵子(同)▽平良正和(同)▽與那覇敏一(同)▽久貝陽子(同)▽内間豊慶(同)▽砂川玄一郎(同)▽垣花玄淳(同)▽楚南雅春(同)▽伊禮雅則(城辺地区担当)▽普天間健一(同)▽佐久田昌秀(同)▽新里光聖(上野地区担当)▽池村英三(下地地区担当)▽吉浜康徳(伊良部地区担当)▽下地政吉(同)▽奥平徳仁(同)▽西筋米吉(多良間地区担当)
 【新規】▽伊良波邦子(平良地区担当)▽多良間隆(城辺地区担当)▽宮国サヨ子(上野地区担当)▽川満清次(下地地区担当)▽下地秀虎(伊良部地区担当)

 写真説明・岸本署長から委嘱状が手渡された=18日、宮古島警察署

top.gif (811 バイト)
 

少年補導員23人に委嘱状交付/非行防止をサポート
宮古島署

 介護保険法に基づく宮古島市地域密着型サービス運営委員会と市地域包括支援センター運営協議会の委嘱状交付式が十七日、市役所城辺庁舎で行われ、池村直記福祉保健部長が八人の委員に委嘱状を交付した。任期はいずれも二年。委員は、同委員会と同協議会の委員を兼任する。会長に上原真理子宮古福祉保健所長を選出した。地域密着型サービスの指定事業所は七月の運用開始を目指している。
 地域密着型サービスは、高齢者が要介護状態になっても住み慣れた地域で生活できるようにする社会整備の一環。改正介護保険法により、事業所の介護サービスを市町村が指定・指導監督し、当該市町村民のみ利用することができる。「通所」「訪問」「泊まり」を組み合わせて提供することができる「小規模多機能型居宅介護」施設がサービスの目玉で、宮古島市を五地区に分けた各エリアにそれぞれ一カ所ずつ整備されることになっている。また、市内に四カ所のグループホームも設置される予定で、いずれも七月の運用開始を目指している。
 運営委員は、主に事業所の指定取り消しや停止時の検討、指導・監査などのほか、介護報酬の調整などを行う。
 市地域包括支援センター運営協議会は、同センターの運営について市民を代表して意見を述べ、介護保険事業中核施設としての機能をより高めるために設置された。
 委員は次の皆さん。(敬称略)
 【会長】上原真理子(宮古福祉保健所長)【副会長】塩川寛令(介護老人保健施設長)【委員】下地晃(宮古地区医師会)▽嵩原史也(宮古島市社会福祉協議会事務局長)▽宮里敬一(宮古島市民生委員・児童委員協議会長)▽新城啓子(地域福祉権利擁護センター)▽盛島香(ケアマネージャー連絡会長)▽新里盛繁(老人クラブ連合会長)。
 
 写真説明・池村福祉保健部長(右)が委員それぞれに委嘱状を交付した=17日、市役所城辺庁舎
top.gif (811 バイト)