2006年(平成18年)
5月18日 木曜日
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畑地かんがい整備面積5880f/05年3月末宮古
地下ダムが広大な畑潤す/水効果発現へ面整備課題
宮古支庁のまとめによると、二〇〇五年三月末までに整備された宮古地区の畑地かんがい面積は五千八百八十fで、整備率は県平均を一五・五]上回る四八・三%に達した。砂川、福里両地下ダムの水が広大な畑を潤している。両地下ダムが中心を占める水源の整備率も県平均を二二・〇ポイント上回る七五・八%。一方、ほ場整備率は四一・一%と県平均を九・六ポイント下回った。
スプリンクラーなどのかんがい末端施設導入は、ほ場整備(区画整理)の済んだ畑を対象とするため、水効果の一層の発現には、早急な区画整理が課題になっている。
土壌の浅い畑を掘り起こして岩石を除去、平らな四角形に区画整理するほ場整備は、整備を要する面積一万一千百二十六fのうち、四千五百七十八f(四一・一%)の整備が済んだ。旧市町村別の整備率は上野村が最も高く九六・〇%。次いで、多良間村七二・八%、下地町四九・九%、伊良部町三六・五%、平良市三五・一%と続き、城辺町の二二・六%が最も低い。
傾斜地や耕土の浅い条件不利地域の整備はほぼ終了。現在、平らで面積も広い恵まれた畑の整備に移っているが、これらの畑の持ち主の中には、整備に同意しない農家もいるという。このため、県は今後、農家負担をさほど要しない農道を通すだけの軽微な整備を勧める考え。支庁の担当者は「同方法を取れば、少ない予算でより広い面積の整備が可能になり、早く水が引けるようになる」と話す。
畑地かんがい面積は五千八百八十fと、要整備面積の四八・三%に達した。スプリンクラーによる散水でサトウキビの干ばつ被害が緩和され、野菜や果樹などの大規模栽培が行われるようになった。
水源は宮古島では地下ダム、伊良部、多良間地区ではため池が整備されている。これらの水源がカバーできる受益面積は九千二百二十二fで要整備面積一万二千百六十八fの七五・八%となっている。
(新城孝夫)
資料写真・地下ダムの水を利用する畑は年々増えている
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保護のキンバトを放鳥/国の天然記念物、山林へ飛翔
宮古野鳥の会
宮古島市上野小学校近くの道路で保護され、宮古野鳥の会(岡徹会長)が手厚く介護していた国の天然記念物キンバトの雄一羽が十七日午後、平良の大野山林へ放鳥された。キンバトは元気良く羽ばたき、山林内の奥深くへ消えた。
今月十四日夜、市役所職員が道路にうずくまっていたキンバトを発見し、同会へ連絡した。
キンバトは、右脇の下から足の付け根にかけて外傷があり、右肩もけがをしていた。目の側は打撲。キンバトは飛翔中に誤って、車にぶつかったらしい。
同会の会員一人が介護し、キンバトが好むクワズイモの実やヒマワリの種子を与えた。元気に回復したことから、自然へ放つことにした。
放鳥は宮古少年自然の家前の広場で実施。岡会長の手のひらから元気いっぱいに飛び立った。見守っていた池間小学校の児童たちから、大きな歓声が上がった。
キンバトは、日本では先島諸島にだけ分布する留鳥。くちばしが赤くて細い小型のハト。雄は頭上が青灰色で、額から眉斑が白い。背中などは暗い青灰色で、太陽光線によっては黄金色に光ることから「金バト」の名がついた。全長二五a。
写真説明 左・国の天然記念物・キジバトを放鳥する宮古野鳥の会の岡会長=17日、宮古少年自然の家
写真説明 右・放鳥後、樹木の枝で羽を休めるキンバト=17日、平良の大野山林
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「大きく育ってね」/稚ガニ3万5000匹放流
鏡原小5年生/栽培漁業に理解
市海業センター/年30万匹を放流計画
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プールで心肺蘇生訓練/西辺中 水泳学習備え
宮古島市立西辺中学校(平良勝也校長、全校生徒四十八人)は十七日、今年度プール開きに宮古島市消防本部の職員らを講師に招き、心肺蘇生(そせい)訓練を行った。
プール開きでは、安全祈願が行われた後、平良校長が「水泳の授業は一歩間違えれば事故につながる可能性もある。一人ひとりが安全を心掛け、マナーを守って学習してください」と生徒たちに呼び掛けた。
心肺蘇生訓練では、同本部救急救命士の豊見山仁さんのほか、上地良範さん、下里富身博さん、波平将明さんが呼吸確認や気道確保などの手順やポイントを指導。生徒たちはプールサイドに集まり、真剣な態度で訓練に参加。これから夏に向けプール学習の安全性に意識を高めるとともに、万一の事態に備えて救助法習得に努めた。
写真説明・今年度の水泳授業に備え、生徒らが心肺蘇生法を訓練した=17日、西辺中学校
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伊良部に地域審議会設置/宮古島市
会長に浜川健氏(旧伊良部町長)を選任
昨年十月に旧五市町村が合併し誕生した宮古島市(伊志嶺亮市長)に地域の声を反映させる伊良部地域審議会が十七日、発足し、出張中の伊志嶺市長に代わって下地学助役が委員十四人に委嘱状を交付した。任期は二年。役員選出で、会長に旧伊良部町長の浜川健氏、副会長に元JAおきなわ伊良部支店長の渡久山毅氏が選任された。地域審議会の設置は、上野地区、下地地区、城辺地区に次いで四番目。残りは平良地区のみとなった。
地域審議会設置は合併特例法で認められ、旧市町村単位で設置される。各審議会は、▽新市建設計画の変更▽新市建設計画の執行状況▽地域振興のための基金―などに関する事項を審議するほか、必要と認められる事項について審議し、伊志嶺市長に意見を述べることができる。
この日の午後三時三十分から、委嘱状交付式が伊良部の女性若者等活動促進施設で行われた。下地助役は委員一人ひとりに交付した後「各界各層から委員は選ばれた。今後は宮古島市に幅広い意見を反映させるよう、地域の課題を議論し提言してください」とあいさつ。
浜川会長は「伊良部はよその地域とは違うので、『必要と認める事項について審議し、市長に意見を述べることができる』というところが大事。いろんな意見を述べていきたい」と抱負を語った。
次いで「伊良部地域審議会の議事および会議の運営に関する規定(案)について」議案を審議し原案通り承認した。
伊良部総合支所の長浜光雄支所長が「新しい島づくり計画」の概要について説明した。
委員は次の通り。(敬称略)
【会長】浜川健【副会長】渡久山毅【委員】池間作一▽浜川正弘▽山口勝▽川満恵栄▽下里猛▽与儀盛▽久高照子▽西原豪▽長浜国博▽渡久山ひろみ▽仲宗根玄信▽中村尚司 写真説明
上・役員選出などを行った伊良部地域審議会=17日、伊良部の女性若者等活動促進施設
写真説明 下・浜川健氏
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「地域密着型」事業所始動へ/運営委に8人に委嘱状
介護保険事業
介護保険法に基づく宮古島市地域密着型サービス運営委員会と市地域包括支援センター運営協議会の委嘱状交付式が十七日、市役所城辺庁舎で行われ、池村直記福祉保健部長が八人の委員に委嘱状を交付した。任期はいずれも二年。委員は、同委員会と同協議会の委員を兼任する。会長に上原真理子宮古福祉保健所長を選出した。地域密着型サービスの指定事業所は七月の運用開始を目指している。
地域密着型サービスは、高齢者が要介護状態になっても住み慣れた地域で生活できるようにする社会整備の一環。改正介護保険法により、事業所の介護サービスを市町村が指定・指導監督し、当該市町村民のみ利用することができる。「通所」「訪問」「泊まり」を組み合わせて提供することができる「小規模多機能型居宅介護」施設がサービスの目玉で、宮古島市を五地区に分けた各エリアにそれぞれ一カ所ずつ整備されることになっている。また、市内に四カ所のグループホームも設置される予定で、いずれも七月の運用開始を目指している。
運営委員は、主に事業所の指定取り消しや停止時の検討、指導・監査などのほか、介護報酬の調整などを行う。
市地域包括支援センター運営協議会は、同センターの運営について市民を代表して意見を述べ、介護保険事業中核施設としての機能をより高めるために設置された。
委員は次の皆さん。(敬称略)
【会長】上原真理子(宮古福祉保健所長)【副会長】塩川寛令(介護老人保健施設長)【委員】下地晃(宮古地区医師会)▽嵩原史也(宮古島市社会福祉協議会事務局長)▽宮里敬一(宮古島市民生委員・児童委員協議会長)▽新城啓子(地域福祉権利擁護センター)▽盛島香(ケアマネージャー連絡会長)▽新里盛繁(老人クラブ連合会長)。
写真説明・池村福祉保健部長(右)が委員それぞれに委嘱状を交付した=17日、市役所城辺庁舎
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